電気通信工事の仕事に活かせるオススメの資格5選/初心者向け

電気通信の工事担任者

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電気通信工事の仕事に興味を持つと、


「必要な資格ってあるのかな?」
「どんな資格を取ればいいんだろう」


といった疑問を持つ方もいらっしゃるのではないでしょうか。


ひとことで電気通信工事と言っても、工事の種類や働き方はいろいろあります。そこでこの記事では、工事担任者や電気工事士といった、電気通信工事の仕事に活かせる資格を5つご紹介します。


電気工事・電気通信工事に興味のある方は、ぜひ参考にしてみてくださいね!


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【電気通信の工事担任者】ネット・電話回線の工事に活かせる資格

電気通信の工事担任者は、電気通信回線(主にインターネット回線・電話回線・光回線など)の配線工事や機器設置工事ができる資格です。
実際の現場では略して「担任者」・「工担」などと呼ばれています。


普段生活していると、音楽をダウンロードした時や動画を見たりした時にすぐ通信制限になってしまった…なんてこと、よくありますよね。

こういった通信制限を改善するために、大容量のデータ通信ができる光ファイバーに端末を接続したり、オフィスなどでインターネットを使う際のLAN構築をしたりするのが、工事担任者の具体的な仕事です。
工事担任者は、自ら工事するだけでなく、工事の監督をすることもできます。


インターネット回線や電話回線など、ネットワーク通信関係の仕事をしたいという方は、この工事担任者の資格を取るのがオススメです。


電気通信の工事担任者の資格について

電気通信の工事担任者の資格には5種類があり、主に『アナログ通信』と『デジタル通信』に分かれます。それぞれ第一級と第二級があり、扱うことができる回線数によって資格のランクが変わってきます。


なお、2021年4月から、電気通信の工事担任者の資格名称が大幅に変更されましたのでご注意ください。詳しくは「電気通信の工事担任者|資格・試験の基本情報を徹底解説!」の記事をご覧ください。


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受験資格と合格率

■受験資格

電気通信の工事担任者の各資格試験に、必要となる受験資格はありません。学歴・年齢などに関係なく、どなたでも受験可能です。


■合格率

第一級アナログ通信、第一級デジタル通信、総合通信の、直近の「受験者数・合格率」は、下記をご覧ください。

※試験日程:第一級アナログ通信、第一級デジタル通信、総合通信の試験は、毎年2回(春・秋)行われています。


▼令和3年度試験 第2回

種類受験者数(人)合格率
第一級アナログ通信58835.5%
第一級デジタル通信1,91727.5%
総合通信3,55230.9%

※参照:(一財)電気通信国家試験センター 電気通信工事担任者試験統計情報


▼令和4年度試験 第1回

種類受験者数(人)合格率
第一級アナログ通信44934.1%
第一級デジタル通信1,41932.3%
総合通信2,85628.6%

※参照:(一財)電気通信国家試験センター 電気通信工事担任者試験統計情報


なお、第二級アナログ通信、第二級デジタル通信の「受験者数・合格率」は、「電気通信の工事担任者|資格・試験の基本情報を徹底解説!」の記事をご覧ください。

※試験日程:第二級アナログ通信、第二級デジタル通信の試験は、CBT方式(全国のテストセンターのコンピュータを使用して実施する試験)で実施され、年間を通して受験できます。


試験勉強のコツ

過去に受験された方の勉強方法を調べてみたところ、最低でも3ヶ月前から試験勉強に取り掛かっている方が多いようでした。 中には「現場が忙しくて勉強する時間がなかなか取れない」という声もあり、そういった方は5ヶ月~6ヶ月前から毎日少しずつ勉強する時間を作っているようです。


また勉強方法としては、書店などで販売している参考書や問題集を購入し、過去問を繰り返し解いて覚える方法で受験対策している方がほとんどでした。 試験日まで自分なりに工夫しながら十分な時間をとって勉強することが、合格への一番の近道なのではないでしょうか。


工事担任者の資格は、電気通信業界の中でも特に有名な資格なので、この資格の存在を既に知っている方や取得している方もいらっしゃると思います。 中には『電気通信工事の資格 = 工事担任者』と思っている方も多いのではないでしょうか。


しかし、電気通信系の工事に活かせる資格は電気通信の工事担任者だけかというと、そうでもありません。
実は、電気通信の工事担任者の資格以外にも、電気通信工事の現場で活かせる資格があります。ここからは、そんな資格を4つご紹介していきます。


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【電気工事士】どんな電気工事にも活かせる万能な資格

電気工事士とは、一般住宅・アパート・ビル・マンション・工場・公共施設・商業施設などのさまざまな建物で、安全に電気を使えるように工事するための資格です。


電気工事士の資格を持っていると、建物内で電気を通すために行う配線工事や設備機器設置工事などができるようになります。電気に関わる工事を行う人が持っている、一番メジャーな資格です。
電気工事士には、第二種電気工事士第一種電気工事士の2種類があります。


この資格は電気通信工事においても活用の場は広く、LAN、電話、弱電設備(防犯カメラ・インターホン・ナースコール等)の設置工事や配線工事など、さまざまな分野で重宝されています。


受験資格と合格率

■受験資格

受験資格は特にありません。年齢や学歴などを問わず、どなたでも受験が可能です。


■合格率

令和3年度試験の「受験者数・合格率」については下記をご覧ください。

※試験日程:第ニ種電気工事士の試験は年2回、第一種電気工事士の試験は年1回行われています。


▼第二種電気工事士

筆記
受験者数(人)
筆記
合格率
技能
受験者数(人)
技能
合格率
第二種電気工事士上期86,41863.4%64,44374.2%
下期70,13557.7%51,83371.1%
合計156,55359.2%116,27672.8%

※参考:(一財)電気技術者試験センター 試験実施状況の推移


▼第一種電気工事士

筆記
受験者数(人)
筆記
合格率
技能
受験者数(人)
技能
合格率
第一種電気工事士40,24453.5%25,75167.0%

※参考:(一財)電気技術者試験センター 試験実施状況の推移


試験勉強のコツ

▽第ニ種電気工事士筆記試験 受験者の声▽
全部で500問以上ある過去問題集を買い、まずは休みの日に1~2時間くらい使って、テキストを何ページか進めるという感じでした。その後で、記号・道具の名前を覚えて、テキストのおまけに付いている暗記カードを電車の中で読んでいました。『過去問集を1周解く⇒テキストを1周見直す』の繰り返しで筆記試験を乗り越えました!


第ニ種電気工事士試験の勉強期間としては、1ヶ月~3ヶ月程度を設けている人が多いようです。よく「勉強時間がつくれない」という声を聞きますが、実際に試験を受験した方に話を聞くと、通勤途中や休日、仕事の休憩中などにコツコツ勉強しているといった声が多くあがりました。


工事担任者・電気工事士ともに、受験資格に制限は無く、学歴・年齢など問わずどなたでも受験可能ですが、「通信の仕事には興味あるけど、まだどんな仕事をするかまでは決まっていない」「電気通信の仕事に限らず、どんな現場でも活かせる資格が欲しい」という人は、まずは電気工事士の資格を取ることをオススメします。


電気工事士の資格については「【2020年最新】電気工事士の受験資格|第一種・第二種ともに誰でも受験可能!」の記事にも詳しくまとめていますので、ぜひ参考にしてみてくださいね!


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【電気通信主任技術者】 電気通信の現場を監督できる資格

電気通信主任技術者とは、電気通信ネットワークの工事や維持、及び運用の監督責任者の事を言います。電気通信事業者(電話会社やインターネットの会社など)は、事業用電気通信設備を自主的に維持するために、電気通信主任技術者を選任する必要があります。


そして、電気通信主任技術者は、電気通信工事の維持管理や運用の監督にあたらなければなりません。電気通信主任技術者の資格は、ネットワークを構成する設備に着目して「伝送交換主任技術者」と「線路主任技術者」の、2つの区分に分けられています。


<伝送交換主任技術者>
「電気通信事業の用に供する伝送交換設備及びこれに附属する設備の工事、維持及び運用(※)」。伝送交換設備とは、線路設備以外のものといった幅広い概念があり、無線設備・受電設備・発電設備などが含まれます。

※引用:(一財)日本データ通信協会 電気通信国家試験センター「電気通信主任技術者とは


<線路主任技術者>
「電気通信事業の用に供する線路設備及びこれらに附属する設備の工事、維持及び運用(※)」。(通信業における線路設備とは、有線通信に使用する電線類やそれに付随する設備の事です。例えば、電信柱に敷設されている電話回線、海底ケーブルなどがあります。)

※引用:(一財)日本データ通信協会 電気通信国家試験センター「電気通信主任技術者とは


工事担任者と電気通信主任技術者の違いについて、工事担任者はインターネットや電話を実際に使用するユーザー側の工事をする人で、 電気通信主任技術者は電気通信事業者(電話会社やインターネットの会社など)に必要な、 電気通信工事の維持管理や運用の監督をする人、と考えていただくと分かりやすいです。


電気通信主任技術者は監督する立場にあるので、電気通信の知識や技術をどんどん磨いていく必要があります。 覚えることが多く責任のある仕事ですが、その分、高めた知識と技術が年収に反映されることも期待できます。


受験資格と合格率

■受験資格

受験資格は特にありません。年齢や学歴などを問わず、どなたでも受験が可能です。


■合格率

令和3年度試験の「受験者数・合格率」については下記をご覧ください。

※試験日程:電気通信主任技術者試験は、年に2回行われています。


▼令和3年度試験 第1回

種類受験者数(人)合格率
伝送交換2,18645.6%
線路1,11261.3%

▼令和3年度試験 第2回

種類受験者数(人)合格率
伝送交換2,13932.8%
線路85045.1%

※参照:(一財)電気通信国家試験センター 電気通信主任技術者試験統計情報


試験勉強のコツ

勉強期間は約6ヶ月程度がおおよその目安です。出題範囲が広いので、たっぷり時間をかけて受験に臨むのが良いでしょう。受験者の方の中には「1年間じっくり時間をかけた」という方もいらっしゃいました。


問題を解く⇒調べる』を繰り返し、理解を深めながら勉強することをオススメします。


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【電気通信工事施工管理技士】 令和元年度に新設された資格

電気通信工事施工管理技士は、令和元年度に新設された資格です。新設された背景として、電気通信工事の需要の多さに対し、技術者が圧倒的に足りていなかった状況があります。主に電気通信工事の技術者を増やすことが新設の目的とされています。


この資格を持っていると、電気通信工事をするにあたり、その工事の施工計画や施工図の作成、また工事の工程管理、品質管理、安全管理など、施工管理業務を行うことができます。


受験資格と合格率

■受験資格

受験資格については「コチラ」をご覧ください。


■合格率

令和元年度試験の「受験者数・合格率」については下記をご覧ください。

※試験日程:2級電気通信工事施工管理技術検定は年2回(前期は学科のみ)、1級電気通信工事施工管理技術検定は年1回行われています。


▼2級電気通信工事施工管理技士

2級受験者数(人)合格率
学科試験7,01557.7%
実地試験3,51457.1%


▼1級電気通信工事施工管理技士

2級受験者数(人)合格率
学科試験13,53843.1%
実地試験5,781 49.5%

国土交通省 報道発表資料】より



試験勉強のコツ

電気通信工事施工管理技士の資格は、2019年に誕生したばかりで傾向がつかみにくいので、すぐに勉強のコツをつかむのは大変かもしれません。しかし資格新設から数年たち、予想問題集やテキストの種類も増えてきたので、自分に合う問題集を見つけて、計画的に勉強を進めていきましょう。


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【陸上無線技術士・陸上特殊無線技士】 携帯電話基地局などの工事に便利な資格

無線従事者の一種であるこの資格は、陸上のさまざまな無線設備の技術的な操作を行うために必要な資格です。 受験資格に制限は無いので、年齢・学歴問わず、学生から社会人まで幅広い人気のある資格の1つです。


電気通信工事業の中では基地局系の工事を行っている会社に、陸上無線技術士・陸上特殊無線技士の有資格者が多く、携帯基地局での設備工事・保守・点検などの仕事をしようと思っている方にはこの資格がオススメです。また、テレビやラジオなどの放送局の設備工事、アナウンス設備(マイクやスピーカー等)の仕事にも活かせます。


受験資格と合格率

■受験資格

陸上無線技士・陸上特殊無線技士ともに、受験資格は特にありません。年齢や学歴などを問わず、どなたでも受験が可能です。


■合格率

試験の合格率は、第一級・第二級陸上無線技術士と第一級陸上特殊無線技士で20%台、第二級・第三級陸上特殊無線技士で70%~80%台となっています。


試験勉強のコツ

第一級・第二級陸上無線技術士と第一級陸上特殊無線技士は、比較的難易度の高い資格なので、勉強期間は十分に確保しておくと良いでしょう。個人差はありますが、3ヶ月~5ヶ月程度の期間は設け、問題集を繰り返し解いて頭に叩き込むと、合格を目指せるはずです。


第二級・第三級陸上特殊無線技士については、1ヶ月~3ヶ月程度の期間を設け、過去問を繰り返し解いていくことで攻略できると言われています。通勤・通学のすきま時間などでコツコツ勉強するのもオススメです。


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まとめ

今回は、工事担任者の資格をはじめとした『電気通信工事に活かせるオススメの資格5選』をご紹介しました。


この記事を読んで、「自分のやりたい仕事にはどんな資格が合っているのか」、また「どの資格を取ったらいいのか」という疑問や悩みが解決されることを願っています。

ここで得た情報を、ぜひ今後の転職活動や資格取得などに役立ててくださいね!


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