【1級・2級】電気工事施工管理技士の難易度と合格率を徹底比較!

資格  試験  対策 

目次

「電気工事施工管理技士の試験ってどのくらい難しいんだろう……?」
「1級と2級の差って何なのかよく分からない」
「合格率はどのくらいか知りたい」。


電気工事施工管理技士の資格を取ろうと思ったとき、試験の難易度や合格率はやはり気になりますよね。「どれくらい勉強すれば合格できるんだろう」「落ちたらどうしよう……」 こういった悩みや不安を持っている方もいらっしゃるのではないでしょうか?


結論から言うと、電気工事施工管理技士試験の難易度は「普通~やや難しい」くらいです。電気工事施工管理技士は他の国家資格と比較すると合格率が高い方なので、しっかりと勉強さえして挑めば、特別な対策をしたり身構えたりする必要はありません。


この記事では、電気工事施工管理技士の難易度や合格率について詳しく解説していきます。勉強方法や実際に試験を受けた方の体験談などもご紹介しますので、是非参考にしてみてください。


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電気工事施工管理技士とは

電気工事施工管理技士は、電気工事現場で施工管理をすることが主な役割です。『仕事をする作業員や現場の安全管理』『現場の品質管理』『工事の進捗管理』等を行います。

電気工事に携わる方でしたら、職場でキャリアアップするため・給料UPを狙うため・転職で有利になるようにするためというような理由から、電気工事施工管理技士の資格取得にチャレンジされる方も多いことでしょう。


試験を受けようと思ったら、まず、自分に受験資格があるのかを確認しましょう。
1級電気工事施工管理技士の第一次検定および第二次検定、2級電気工事施工管理技士の第二次検定には受験資格が設けられています(2級電気工事施工管理技士の第一次検定は満17歳以上ならだれでも可)。
保有資格や学歴等によって、試験を受けるために必要な実務経験年数が異なるので、確認する際は注意してください。


受験資格については、試験を主催している(一財)建設業振興基金 施工管理技術検定の公式サイトで確認できます。
なお、第一種電気工事士の資格をお持ちの方は、その時点で1級電気工事施工管理技士の受験資格が得られます(実務経験は無くてOK)。


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電気工事施工管理技士試験の難易度と合格率

1級試験と2級試験の合格率は、実はそれほど変わらない

電気工事施工管理技士の資格には1級と2級がありますが、試験の難易度や合格率にはどのくらいの差があるのでしょうか。まずは下記の表をご覧ください。


【1級電気工事施工管理技士 合格率】

  H29 H30 R1 R2 R3 R4
第一次検定
(注1)
48.0% 56.1% 40.7% 38.1% 53.3% 38.3%
第二次検定
(注2)
62.5% 73.7% 66.3% 72.7% 58.8%

注1:「第一次検定」は、令和2年度までは「学科試験」
注2:「第二次検定」は、令和2年度までは「実地試験」
※(一財)建設業振興基金「施工管理技術検定」にて毎年発表される情報をもとに当社で集計


【2級電気工事施工管理技士 合格率】

  H29 H30 R1 R2 R3 R4
第一次検定
(注1)
62.8% 65.9% 56.1% 58.5% 57.1% 59.3%
第二次検定
(注2)
39.9% 43.2 45.4 45.0 50.4

注1:「第一次検定」は、令和2年度までは「学科試験」
注2:「第二次検定」は、令和2年度までは「実地試験」
※第二次検定の受験者数は、学科試験受検者(学科のみ受検者を除く)と学科試験免除受検者の合計として計算
※(一財)建設業振興基金「施工管理技術検定」にて毎年発表される情報をもとに当社で集計


この表は、1級電気工事施工管理技士・2級電気工事施工管理技士の、試験の合格率をまとめたものです。
1級では第一次検定より第二次検定の方が合格率が高く、2級ではその逆で第一次検定の方が第二次検定より合格率が高くなっています。
一般的には、2級よりも1級の方が難しくて合格率が低いイメージがありますが、傾向の違いはあるものの、1級と2級の合格率にそれほど差は見られません


電気工事施工管理技士試験の受験者は、約8割が電気の仕事に携わっている方です。そのため施工管理技士を目指す場合、まずは現場で施工管理の実務経験を積んだ後に資格を取得する、という流れが一般的であると言えそうです。
他のパターンとしては、電気工事士として工事の経験を積んだ後に、管理者にステップアップするという場合もありますよね。


現場経験が長かったり、第一種電気工事士の資格を持っている方の中には、2級は受験せずに1級から受験するという方も多いようです。 実際ここ数年の受験者数を比較すると、1級電気工事施工管理技士の受験者数が、2級電気工事施工管理技士の受験者数を上回っています。


実際の現場では、1級電気工事施工管理技士の方が2級電気工事施工管理技士よりも大きな工事を扱えるので、1級電気工事施工管理技士の方が重宝されやすいです。さらに、転職する際などにも有利になったり、給与が高い金額からのスタートになる場合もあります
そのため、もし1級電気工事施工管理技士の受験資格を満たしているのであれば、ぜひ積極的にチャレンジしてみてください!


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試験の出題範囲から分かる、電気工事施工管理技士の難易度

冒頭で、電気工事施工管理技術検定の難易度は「普通~やや難しい」くらいだとお伝えしましたが、合格率が高いからといって油断していると確実に落ちます。専門の学校で勉強するような特別な対策は必要ありませんが、勉強なしでの合格は不可能です。
つまり、試験までに十分勉強できていれば合格はそこまで難しいことではないので、出題範囲をしっかり確認して対策しておくことが大切だと言えます。


試験の出題範囲(科目)と試験概要を下記にまとめましたので、ぜひ参考にしてみてくださいね。


<電気工事施工管理技士 出題範囲(科目)>

第一次検定: 電気工学等、施工管理法、法規
第二次検定 :施工管理法


<試験概要>

【試験時間】
★1級
(一次)午前:2時間30分/午後:2時間
(二次)3時間

★2級
(一次)2時間30分
(二次)2時間


【解答方式】
★1級
(一次)四肢択一のマークシート方式で解答
(二次)記述式と、五肢択一のマークシート方式で回答

★2級
(一次)四肢択一のマークシート方式で解答
(二次)記述式と、四肢択一のマークシート方式で回答


【出題数・解答数】
★1級
(一次)出題数92問のうち、60問を選択して解答
(二次)出題数5問、全問必答

★2級
(一次)出題数64問のうち、40問を選択して解答
(二次)出題数5問、全問必答


【合格基準】
★1級
(一次)60問中、全体で36問以上かつ施工管理法(能力問題)で3問以上の正解が必要
(二次)正解率60%以上が必要

★2級
(一次)40問中、24問以上の正解が必要
(二次)正解率60%以上が必要


電気工事施工管理技士の試験問題の特徴は、必須問題と選択問題があることです。
過去問を見ると、どの問題が必須問題になっているか確認できます。繰り返し問題を解いて、過去5年分の必須問題が解けるようにしておきましょう。全く同じ問題が出るわけではありませんが、問題の傾向を知ることができます。


選択問題は、自分の得意な分野を選択して解答することができます。試験勉強をしていると、自分の得意な分野・不得意な分野が分かってくるので、得意分野で確実に点数を稼げるように対策しましょう。


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電気工事士、電気工事施工管理技士、電気主任技術者…電気系資格の難易度を比較

インターネット上で電気工事施工管理技士の難易度について検索すると、
電気工事施工管理技士と電気工事士ではどちらが難しい?
電気工事施工管理技士と電気主任技術者だったらどっちを取った方がいい?
などといった質問をよく目にします。


電気工事士、電気工事施工管理技士、電気主任技術者……。
どの資格も電気関係の仕事に活かすことが出来るので、試験の難易度が気になっている方も多いようです。そこで工事士.comでは、この3つの資格の合格率を比較してみました。


下記のグラフをご覧ください。



※グラフ内では資格名称を省略して表示しています。(例:1級電気施工=1級電気工事施工管理技士/一種電工=第一種電気工事士/電験三種=第三種電気主任技術者)


1級電気施工 一次 1級電気施工 二次 2級電気施工 一次 2級電気施工 二次 一種電工 筆記 一種電工 技能 二種電工 筆記 二種電工 技能 電験三種
H29 48% 62.5% 62.8% 39.9% 47% 63.5% 59.1% 68.8% 8.1%
H30 56.1% 73.7% 62.8% 43.2% 40.5% 62.8% 55.4% 67.5% 9.1%
R1 40.7% 66.3% 56.1% 45.4% 54.1% 64.7% 65.9% 65.3% 9.3%
R2 38.1% 72.7% 58.5% 45% 52% 64.1% 62.1% 72.4% 9.8%
R3 53.3% 58.8% 57.1% 50.4% 53.5% 67% 59.2% 72.8% 11.5%

※電気工事施工管理技士の合格率は、(一財)建設業振興基金「施工管理技術検定」にて毎年発表される情報をもとに当社で集計。
※電気工事士・第三種電気主任技術者の合格率は、(一財)電気技術者試験センター「試験実施状況の推移」をもとに当社で集計。


各資格試験で合格率にばらつきがありますが、それぞれの試験で受験資格や試験の出題内容が異なるので、「一番難しいのはこの資格!」と断言することはできません。

しかし、電気工事施工管理技士試験は、『電気工事の基礎知識+施工管理の知識』が必要となるので、電気工事士試験よりもレベルが高くなると考えられます。資格の取りやすさなら、受験資格の制限が無い電気工事士の方が勝るでしょう。


電気工事士の難易度について詳しく知りたい方は、下記の記事も参考になりますよ。


また、電気工事施工管理技士と電気主任技術者には下記のような違いがあります。

電気工事施工管理技士…電気工事現場の管理をするための資格(受験資格あり)

電気主任技術者…受変電設備や電気設備の保守・管理をするための資格(受験資格なし)

電気主任技術者の仕事内容


電気主任技術者は受験資格がなく誰でも試験を受けることが出来ますが、合格率を見て分かる通り、かなり難関の試験です。 受験者の約9割が落ちる難易度の高い試験で、 試験範囲が広いこともあり2~3年かけて勉強しながら取得するような難しい試験です。

一方で電気工事施工管理技士は、何年も勉強しないと合格できないような難しい試験ではないので、受験資格をクリアしきちんと勉強すれば一発合格も狙えるでしょう。


ここまで、電気工事施工管理技士の試験の難易度や合格率についてお伝えしてきました。
結論として、電気工事施工管理技士の試験は、何年も勉強しなければ合格できないような、難しい試験ではありません
試験内容を理解して勉強すれば、合格に近づけると思うので、ぜひ積極的にチャレンジしてみてください。


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電気工事施工管理技士試験の勉強方法

【「過去問を解く」⇒「間違った所を復習」】を繰り返すことで理解力も上がる

電気工事施工管理技士試験の対策として1番おすすめの勉強法は『過去問を繰り返し解く』ことです。過去問を繰り返し解くと、


自分の苦手と得意を把握できる
試験問題に慣れることができ、本番で実力を発揮しやすくなる


という利点があります。自然に言葉が出てくるくらいまで繰り返し問題を解くことがベストですが、最低でも同じ問題を3回は解いておきましょう。「確かこの問題は……」と思い出しやすくなりますし、問題の解き方がスッと浮かぶようになります。


忙しくてあまり復習の時間がとれない方は、間違った問題を繰り返し解きましょう。「もう2度と間違わない!」という気持ちになり、ミスを防げるようになりますし、自信にもつながります。
そこまでしなくても大丈夫だろう、と過信するのは危険です!ちょっとの気のゆるみがミスにつながりますので、事前にしっかりと対策をしておくことが何より大切です。


工事士.comでは、電気工事施工管理技士の資格取得を目指す方のために、

電気工事施工管理技士 試験過去問題クイズ

をご用意しています。過去に実施された電気工事施工管理技士の学科試験の問題を、クイズ形式で楽しみながら勉強することが出来ますよ!
電車での通勤時間や待ち時間の合間などに、気軽に活用してみてくださいね。ご利用はもちろん無料です!


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電気工事施工管理技士試験は、独学でも合格を狙える試験です。

「専門の学校に通わないと合格できないの?」「予備校にはやっぱり通った方が良い?」
こういった質問もよく目にしますが、電気工事施工管理技士試験は独学でも合格を狙える試験です。市販のテキストや問題集を購入し、『過去問を繰り返し解く』勉強方法を行えば、十分に対応できます。


ただし、独学の場合は、下記のようなメリット・デメリットがあります。


【独学のメリット】

●自分のペースで、好きな時間に好きなだけ勉強できる。
●かかる費用は参考書の購入代くらいなので、他の勉強パターンより安く抑えられる。


【独学のデメリット】

●わからないことがあっても自分で解決するしかない。
●不得意な問題が続くと、勉強する気がなくなる。
●第二次検定に不合格になった場合、特に記述問題を「これ以上どう勉強すればよいのだろう?」と悩む。


もし、試験勉強の途中でつまずいてしまった場合は、同僚や先輩にアドバイスをもらったり、通信講座や講習などを利用したりするのもいいでしょう。
電気工事施工管理技士の資格は、独学で取得する方もいれば、確実に合格を目指すために通信講座などを受講する方もいて、勉強スタイルは人によって様々です。
忙しい電気・設備業界で働いていると、勉強時間を確保するのはなかなか難しいと思いますが、「1日30分だけ必ず勉強する」「仕事の休憩時間を勉強に使う」など、自分なりのルールを決めて勉強するだけでも、合格にグッと近づけるはずですよ!


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試験勉強で大変だったこと、良かったこと

ここでは、実際に電気工事施工管理技士の試験を受験された方の感想や、体験談を集めてみました。
今後、電気工事施工管理技士の資格取得を目指す方の参考になるお話もあると思いますので、ぜひご覧になってみてくださいね。


【40代男性:1級電気工事施工管理技士受験】

自分は実務経験年数で1級電気工事施工管理技士の受験資格を満たしていたので、2級は受けずに1級にチャレンジしました。一番苦労したのは、勉強時間を確保することです。


試験日までの約4ヶ月間、毎日2時間くらい勉強しました。仕事から帰宅後に勉強していたので、体力的なしんどさと、精神的疲労で結構大変でしたね。でも、何としてでも合格したかったので、気力を振り絞って頑張りました。基本的に市販のテキストと問題集をメインに使って、あとはスマホアプリやネットに掲載されている過去問なども活用して対策しました。


本番の試験では、過去問と似たような問題がいくつかあったので、そんなに手こずることなく終えることができましたね。結果も無事合格。これでおそらく給料もアップするでしょう!


【30代:2級電気工事施工管理技士】

私は「自分の力じゃ合格するのはちょっと厳しいな」と思ったので、講習会に参加しました。 もともと勉強が苦手だったので、講習会で先生に教えてもらって本当に良かったと思っています。


分からないことがあったらすぐ先生に質問できるし、試験問題の要点を詳しく理解することができます。 講習会には自分と同じように、合格を目指して頑張っている仲間もたくさんいるので、孤独感もありません。なぜか自然とやる気も湧いてきて、 自宅での勉強もすごくはかどりました。
勉強の仕方が分からない、集中力が長く続かないという人には、講習会に行くのは結構オススメですよ!


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電気工事施工管理技士試験の日程と申し込み方法

最後に、電気工事施工管理技術検定の申し込み方法についてまとめました。受験を検討されている方は、下記を参考にしてくださいね。


■受験費用

【1級】第一次検定:13,200円/第二次検定:13,200円

【2級】第一次・二次検定:13,200円/第一次検定のみ:6,600円/第二次検定のみ:6,600円


■申し込み方法

電気工事施工管理技士試験の申し込み方法は、「インターネット申し込み」と「書面申し込み」の2パターンがあります。
試験を初めて受験される方は、受験資格等の審査が必要となるので「書面申し込み」のみとなります。願書を購入して申し込みの手続きを行ってください。


試験情報の詳細は、試験を主催している(一財)建設業振興基金の公式サイト「施工管理技術検定」をご確認ください。


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まとめ

今回は、電気工事施工管理技士の難易度や合格率について、詳しくお伝えしてきました。
この記事を読んで、「ちょっと自信がついた」「試験を受けてみようかな」と思っていただければ幸いです。みなさまが万全の状態で試験に臨むことができるよう、願っています!


工事士.com」では、電気工事関連の資格が活かせる求人情報を、多数掲載しています。
情報がたっぷりで、職場の雰囲気もわかりやすいと思うので、ぜひ一度のぞいてみてくださいね!


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