電気通信の工事担任者|資格・試験の基本情報を徹底解説!

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目次

工事担任者は、主に電気通信回線(インターネット回線・電話回線・光回線)などの端末設備等を接続するために必要な資格です。 電気通信工事・電気工事関係の業務に携わる方にとって需要のある資格の1つで、現代のネットワーク社会を支えるためには必要不可欠だと言えます。


そんな需要のある資格を、「将来のために取得したい」「仕事に活かしたい」と思っている方も多いのではないでしょうか。 そこでこの記事では、


・工事担任者の資格をとったらできること
・工事担任者資格(7種類)の工事範囲
・資格試験の難易度と合格率


などについて詳しくお伝えしていこうと思います。 工事担任者について情報を集めたいという方は、是非ご覧になってみてください。


<この記事に出てくる用語>
※光回線:光ケーブルを利用した高速大容量のデジタル通信用回線
※ISDN回線:デジタル信号でデータを転送するときのデジタル回線
光回線が普及されてからはあまり使用されていない。
※ギガビット:情報量や記憶装置の単位



工事担任者の資格を取ったらできること

冒頭でもお伝えしましたが、工事担任者は電気通信回線などの端末設備等を接続するために必要とされる資格です。 また資格を持っていることで、実際に工事するだけでなく工事の監督業務を行うこともできます。


できる工事の内容としては、例えば、光ファイバーにパソコンや電話機の接続を行ったり、 オフィスなどでインターネットを使うときのLAN構築を行ったりします。もちろん、それらの工事の監督も出来ます。


インターネットが普及し始めた1990年代頃から現在まで、日本の通信技術はどんどん進化し続け、 今では私たちの生活に無くてはならない存在となりました。今後も電気通信業界は、更に発展していくでしょう。 需要や将来性の安定した業界ですので、電気通信の仕事に携わりたいという方でしたら、この工事担任者の資格を取るのがオススメです。





AI種とDD種、それぞれ7つの資格概要を確認!

工事担任者の資格には、下記の7種類があります。


AI第一種 DD第一種
AI第二種 DD第二種
AI第三種 DD第三種
AI・DD総合種


AI種、DD種ともに第一種~第三種まであり、扱うことが出来る回線数によって資格のランクが変わってきます。 またAI・DD総合種は、工事担任者の中で最高ランクの資格で、工事担任者としてすべての工事に対応することが可能です。


ここからはそれぞれの資格について、扱うことのできる工事の範囲を説明していきましょう。



アナログ設備の工事が出来るAI種

まず、AI第一種~AI第三種の資格は、簡単に言えばアナログ設備(一般的な電話機やホームテレホン等)の工事ができる資格です。


【 AI第三種 】
アナログ伝送路設備(アナログ信号を入出力とする電気通信回線設備)に、端末設備を接続するための工事を行うことが出来ます。 ただし、端末設備に収容されている回線数が1のものに限る。 また、ISDN(総合デジタル通信用設備)の基本インターフェース1回線への接続工事も可能です。


~工事が可能な端末設備~
一般家庭用の電話機、ファクシミリ装置、
自動検針メーター(ガス・水道・電力等)、ホームセキュリティーシステム端末 など


【 AI第二種 】
アナログ伝送路設備(アナログ信号を入出力とする電気通信回線設備)に、端末設備を接続するための工事を行うことが出来ます。 ただし、端末設備に収容されている回線数が50回線以下で、内線の数が200回線以下のものに限ります。 また、ISDN(総合デジタル通信用設備)の回線数が、毎秒64キロビット換算で50回線以下の接続工事も可能です。


~工事が可能な端末設備~
小型のPBX(企業などの内部に置かれた電話回線の交換機)、
ボタン電話装置、ファクシミリ、モデム など


【 AI第一種 】
アナログ伝送路設備(アナログ信号を入出力とする電気通信回線設備)に、端末設備を接続するための工事を行うことが出来ます。 回線数や工事の規模に制限はありません。 またすべてのISDN(総合デジタル通信用設備)の接続工事に対応することが可能です。


~工事が可能な端末設備~
中型~大型のPBX、ファクシミリ、モデム など




デジタル設備の工事が出来るDD種

次に、DD第一種~DD第三種の資格は、デジタル設備(光回線等)の工事が出来る資格です。


【 DD第三種 】
デジタル伝送路設備(デジタル信号を入出力とする電気通信回線設備)に、端末設備を接続するための工事を行うことが出来ます。 主に家庭・SOHO向けの回線速度が、毎秒1ギガビット以下のインターネットに接続するため工事が可能です。 ただし、ISDN(総合デジタル通信用設備)に接続するための工事は出来ません。


※SOHO:パソコンやインターネットを活用して、自宅などの小規模オフィスで仕事をする形態


~工事が可能な端末設備~
IP電話機、パソコン、ブロードバンドルータ、
ホームセキュリティーイシステム端末、映像受信端末設備 など


【 DD第ニ種 】
デジタル伝送路設備(デジタル信号を入出力とする電気通信回線設備)に、端末設備を接続するための工事を行うことが出来ます。 ISDN回線を除く、毎秒100メガビット以下のデジタル回線に接続するため工事が可能です。 ただし、インターネットに接続するための回線にあたっては、毎秒1ギガビット以下であるものに限ります。


~工事が可能な端末設備~
小型IP-PBX、IPボタン電話機、パソコン、ブロードバンドルータ など


【 DD第一種 】
デジタル伝送路設備(デジタル信号を入出力とする電気通信回線設備)に、端末設備を接続するための工事を行うことが出来ます。 ISDN回線を除き、すべてのデジタル回線への接続工事が可能です。


~工事が可能な端末設備~
中~大型IP-PBX、VoIPゲートウェイ、スイッチングハブ、ルータ、OA複合機 など




工事担任者の最強資格、AI・DD総合種

【 AI・DD総合種 】
AI・DD総合種は、AI第一種とDD第一種の両方の工事範囲を含み、 工事担任者としてすべての端末接続工事に対応することが可能です。


上記でご説明した通り、工事担任者の資格を持っていれば、 IPネットワークや情報セキュリティなどの情報通信設備に関する知識や技術を証明することが出来ます。


情報通信の業界で仕事がしたいという方には、ぜひ工事担任者の資格取得をオススメします。



工事担任者の資格試験に受験資格はありません!

工事担任者のすべての資格試験に、必要となる受験資格はありません。 学歴や業務経験、年齢などを問わずにどなたでも試験を受けることが出来ます。


工事担任者の試験を受験されている方は、現状で電気通信工事業や電気通信業、 電気工事業に携わっている方の割合が多く、そのほか高校生などの学生も多く受験しています。



Q,年齢制限はありますか?
A,年齢制限はありません。工事担任者の試験は、10代の学生から50代・60代のベテラン世代まで幅広く受験されています。


Q,試験を受ける際、最終学歴や卒業学科などは指定がありますか?
A,学歴や卒業学科において、必要な条件はありません。


Q,初受験ですが、電気通信工事の業務経験があるため上位資格を受験しようと思っています。 第一種を受験する場合、三種や二種に合格していないと受験できないといった制限はありますか?

A,それぞれの資格を受験する際に、制限はありません。 例えば、AI第一種とDD第一種に合格していなくとも、初受験でAI・DD総合種を受験することが可能です。



工事担任者の難易度と合格率、試験情報

資格を取りたいと思ったときに気になるのが、試験の難易度や合格率。 先ほどもお伝えしましたが、工事担任者の試験には受験資格がありません。


ということは、「比較的簡単なものから受験しよう」と考える方もいれば、 「受験資格がないなら上位資格を狙おうかな」と思っている方もいらっしゃるでしょう。 そこでここからは、各資格の試験の合格率や難易度についてみていきたいと思います。



AI種の難易度と合格率

下記のグラフは、AI第三種~AI第一種の合格率(過去6回分)の推移をまとめたものです。 このグラフを見ると、AI第三種の合格率が一番高いことが分かると思います。




過去6回AI種試験の平均の合格率は、第三種が49.1%第二種が22.3%第一種が29.3%でした。 この数字を見ると、第一種よりも第二種のほうが合格率が低いとわかりますが、その理由としては、 第一種と第二種の試験の出題範囲がさほど変わらなく、そもそも第二種を受験する人数が少ないことが関係しているでしょう。



DD種の難易度と合格率



DD種の合格率を見ると、AI種と同様に第三種の合格率が一番高いことがわかります。 過去6回DD種試験の平均の合格率は、第三種が44.9%第二種が17.0%第一種が27.6%でした。


DD種については、AI種よりも受験者数が多く、第三種に関してはDD種のほうがAI種よりも3倍近く多い受験者数がいます。 やはり近年ではインターネットの普及に伴い、デジタル設備(光回線等)が主流になってきているので、 AI種よりもDD種の資格を取得する傾向にあるようです。


「AI種とDD種、どっちを取ればいいのか…」と悩んでいる方は、今後、更に情報通信設備の進化が進むことを考えて、 まずは、難易度の低いDD第三種の資格から取っていくのが良いと言えます。 DD三種の試験の難易度や合格率に ついて詳しくまとめている記事もあるので、併せてご覧になってみてください。



AI・DD総合種の難易度と合格率


最後に、AI・DD総合種の合格率を見てみましょう。
過去6回AI・DD総合種試験の平均の合格率は、23.2%です。


AI・DD総合種は、AI第一種とDD第一種の両方の試験範囲を含んでいるので、工事担任者の試験で難易度が一番高い資格だと言えます。 この資格を取得することによって、工事の出来る範囲の制限がなくなるので、現状で工事担任者の資格を必要とする業務に携わっている方で、 「できる業務の幅を広げたい」「スキルアップのために取得したい」と考えている方が多く受験されているようです。


AI・DD総合種の試験の難易度や合格率についても、 別記事で詳しくまとめているのでそちらも併せて参考にしてみてください。



工事担任者の試験の難易度をまとめると…

★工事担任者の試験を初めて受験するのであれば、難易度の低い「第三種」からチャレンジしましょう! (インターネットや光回線などデジタル技術が進んでいるため、DD種を取得することがオススメ)


★AI・DD総合種は、工事担任者の試験で難易度が一番高い資格! 情報通信業界で長期的な活躍を目指すのであれば、AI・DD総合種の資格取得を目指しましょう!



工事担任者の試験情報

工事担任者の試験は年に2回、春(5月)と秋(11月)に行われています。

【試験のスケジュール】

1回目2回目
試験申込2月上旬~3月上旬8月上旬~9月上旬
試験日5月下旬11月下旬
合格発表6月中旬12月中旬


工事担任者の試験は
(1)電気通信技術の「基礎」
(2)端末設備接続のための「技術・理論」
(3)端末設備の接続に関する「法規」
の3つの試験科目があります。


試験は筆記(マークシート方式)での出題となり、各科目とも100点満点中60点以上で合格しなければなりません。 例えば、「基礎」が70点、「技術・理論」が40点、「法規」が90点であれば、「基礎」と「法規」のみ合格となり、「技術・理論」は不合格となります。 3科目すべてを60点以上で合格すれば、初めて資格を得ることが出来ます。


工事担任者試験の科目免除

工事担任者の試験には、試験を受験する際に、
試験科目を一部免除または全科目免除できるという制度もあります。


科目免除は例えば下記のようなケースで使われます。

DD第三種を受験して「基礎」のみ合格⇒
次回の試験を受験する際は「技術・理論」と「法規」のみを受験する。

科目免除を利用するためにはいくつかの条件があるので注意が必要です。 細かい免除内容 については別の記事で詳しくまとめているので、併せてご覧になってみてください。



工事担任者の資格取得後の働き方

ここまでは工事担任者の資格や試験情報についてお伝えしてきましたが、 ここからは視点を変えて資格取得後の働き方についてお話していきましょう。


工事担任者の受験者層としては、現状で電気通信工事や情報通信の仕事に携わっている方の割合が多いと思いますが、 中には、「資格を取ってから就職先を探したい」 「未経験だけど資格をとって通信の仕事をやってみたい」という方もいらっしゃるのではないでしょうか。


工事担任者の資格は取得すれば様々な業界で活かせる資格の1つです。


中でも多いのが電気通信工事業や電気通信業、電気工事業など。他には、警備・ビル管理業やOA通信機器販売業などもあります。当サイト工事士.comでも工事担任者の資格を活かせる求人情報を多く扱っているので、 今回は求人情報を参考にしながら、資格取得後の働き方をいくつかピックアップしてご紹介したいと思います。



【 A社 】
◎事業内容
防犯カメラ機器の据付工事、パソコン機器の据付工事およびメンテナンス 等

◎仕事内容
LANケーブルや光ケーブルの接続工事
一般家庭の電話工事
監視カメラの設置や保守・メンテナンス


【 B社 】
◎事業内容
パソコン・OA機器の買取サービス、情報機器の設定、オフィス内装工事

◎仕事内容
オフィスのレイアウト変更に伴うLAN工事
社内・お客様先でのPC組み立て、部品の取り外し作業 等


【 C社 】
◎事業内容
OA機器の販売・設置工事、
インターネット接続工事、LAN配線や電話配線の社内通信設備工事

◎仕事内容
OA機器の施工や保守メンテナンス、
セキュリティルータの施工・保守、社内LAN配線の構築 等



電気通信設備に関する工事には電気工事がつきものなので、工事担任者の資格だけでなく、 電気工事士の資格も 一緒に持っておくと更に就職先の選択肢も広がるでしょう!



工事担任者の資格を取るメリットは?

技術者として、知識やスキルを証明できる武器になる

工事担任者の資格は、法令で定められた国家資格です。


基本的に、工事担任者の有資格者は現場に一人いれば問題ないとされていますが、 資格を持っていることで、技術者として施工を行う際にお客様に安心感を与えることが出来るので、信頼も高まると考えられます。



転職で有利、手当がつく可能性も!

電気通信工事などの業界は技術職なので、転職活動の際に知識や技術を証明できる資格があれば面接のときにもアピールできます。 また資格を持っていることによって、会社によって資格手当や技術手当がついたり、給与のベースがアップしたりする場合もあるでしょう!



まとめ

ここまで読んでいただきありがとうございます。


今回は工事担任者の資格や試験情報、資格を取った後の働き方などについてお伝えしてきました。 工事担任者の資格を活かせる情報通信の業界は、きっとこれから先もどんどん発展していくことでしょう。 「情報通信の仕事で働いてみたい」と思っている方にはすごくオススメの資格なので、 ぜひ興味をお持ちの方は工事担任者の資格取得にチャレンジしてみてください!


また工事士.comでは、電気通信工事に関連する求人情報も掲載しています。「どんな仕事があるのかもっと詳しく見てみたい」という方は、一度覗いていってみてください。


この記事で読んだ情報があなたのお役に立つことをお祈りしています。

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