消防設備士は本当にやめとけ?現場のリアルと別の選択肢
消防設備士最終更新日:
消防設備士について「やめとけ」という意見を目にすると、ちょっと心配になりますよね。
「消防設備士になりたいけど、本当に大丈夫かな?」そんな不安を抱えている方も多いのではないでしょうか。
この職業には確かに大変な部分もありますが、やりがいや魅力もたくさんあります。
この記事では、消防設備士のリアルな仕事の様子や、実際に働いている人たちの声を紹介しつつ、自分に合った選択ができるようにお手伝いします。
【結論】消防設備士はやめるべき?
結論から言うと、消防設備士をやめるべきかどうかは、人それぞれの状況や価値観によるところが大きいです。
確かに、消防設備士は簡単な仕事ではありません。
消防設備の設置や点検、メンテナンスを行うため、専門知識や資格が必要ですし、体力も求められます。さらに、時には緊急対応が必要なこともあり、プレッシャーを感じる場面も多いでしょう。こうした点が「やめとけ」と言われる主な理由の一つです。
- 専門知識や資格が必要
- 体力が求められる
- 緊急時の対応が発生することがある
しかし一方で、消防設備士は社会的に非常に重要な役割を担う仕事です。
人々の安全を守るという大きな責任感がやりがいとなり、自分の仕事が直接的に誰かの命を守っていると実感できる瞬間も多いです。そういったやりがいや社会貢献度の高さを感じられる方にとっては、消防設備士は非常に魅力的な職業です。
- 社会で常に需要がある仕事である
- 人々の安全を守るというやりがいがある
消防設備士を目指すべきかどうかは、あなた自身が何を重視するかにかかっています。
仕事の安定性や社会的意義、やりがいを求めるなら、挑戦する価値があるでしょう。しかし、労働環境やストレスに対する耐性に自信がない場合は、他の選択肢を検討するのも一つの方法です。
消防設備士の仕事内容とは?思った以上に大変な現実
消防設備士の主な業務内容は、建物内の消防設備(消火器、スプリンクラー、火災報知機など)の設置、点検、そしてメンテナンスです。
- 消防設備の設置
- 消防設備の点検・報告
- 消防設備のメンテナンス
これらの設備は、いざという時に人々の命を守る重要な役割を果たします。そのため、設置や点検には細心の注意が必要で、ミスが許されません。どれだけ経験を積んでも、この仕事には常に緊張感が伴います。
さらに、消防設備士は定期的な点検業務を行いますが、この点検は単なる作業ではありません。法律や規則に基づいて設備が適切に機能するかを確認し、もし問題があれば迅速に対応しなければなりません。点検結果によっては、大規模な修繕や交換が必要になることもあり、その調整や報告も業務の一環です。
なお、消防設備士は単なる技術職ではなく、体力、知識、精神力の全てを必要とする仕事です。
消防設備士は、建物の種類や規模によって業務内容が大きく異なります。例えば、大規模な商業施設や高層ビルの場合、複雑な設備が多く、それに伴う知識や技術の習得が求められます。さらに、各種点検や工事は、多くの場合スケジュールが厳しく設定されており、夜間や早朝に作業を行うことも少なくありません。これにより、身体的にも精神的にも負担がかかります。
そして、消防設備士の仕事には体力も必要です。設備の点検や修理は、天井裏や狭い場所での作業が多く、重い機材を持ち運ぶこともしばしばあります。特に夏場や寒冷地での作業は過酷で、体力に自信がない人にとっては大きなハードルとなるでしょう。
さらに、消防設備士の仕事は、時に緊急対応も求められます。例えば、火災報知設備が誤作動した場合、現地に急行して状況を確認し、原因を特定する必要があります。場合によっては、天井裏や配線の確認なども行い、問題の特定と応急対応を迅速に行わなくてはなりません。
- 大規模な現場では複雑な知識や技術が必要となる
- 現場によっては夜間や早朝の作業もある
- 狭い場所での作業や重い機材を運搬のために体力を要する
これらの現実を理解した上で、自分に合った職業かどうかをしっかりと見極めることが重要です。
「消防設備士 やめとけ」に関する意見
「消防設備士 やめとけ」に関する意見は、ネット上でさまざまな声が見られます。その中から、実際の消防設備士の意見を一部紹介します。
■否定的なコメント
消防設備士の仕事は単調で、同じ作業を繰り返すことが多いです。特に点検業務は、数多くの施設で同じような作業を行うので、飽きがきます。やりがいを感じにくいです。
夏の暑い時期や冬の寒い時期に屋外や天井裏での作業があるのは正直きついです。体力的にも大変だし、長く続けるのは難しいかもしれません。
中小企業だと、給与が低く、昇給もあまり期待できません。資格を持っていても、それに見合った報酬が得られないことが多いです。
■関連記事:消防設備士の年収・給与
■肯定的なコメント
消防設備士の資格を取ってから、仕事の幅が広がりました。点検や工事だけでなく、独立も視野に入れることができるので、将来性があると思います。
■関連記事:消防設備士の資格一覧
人命を守る仕事だと思うと、やりがいを感じます。建物火災が起きた際、設備がしっかり機能することで大きな被害を防げた時に、自分の仕事の意義を実感します。
仕事の需要が安定している点が大きなメリットです。どんな時代でも防火設備は必要とされるので、常に仕事があり、安定しているのが魅力です。
■関連記事:消防設備士が食いっぱぐれない理由
これらのコメントからわかるように、消防設備士の仕事には良い面と悪い面があり、個人の価値観や目指すキャリアによって感じ方は異なります。
消防設備士として働く人のリアルな体験談
以下は、実際に消防設備士として働いている方のエピソードです。消防設備士として働くイメージを描く際の参考にしてください。
●インタビュー: 消防設備士 Aさん(30代、男性、勤務歴10年)
Q: 消防設備士として働くことになったきっかけは何ですか?
A: 私がこの業界に入ったのは、元々手に職をつけたいと考えていたからです。高校を卒業してすぐに就職したんですが、当時はとにかく安定した仕事が欲しかった。そんな中で、消防設備士の資格を取得することで仕事の幅が広がると聞き、資格を取ることにしました。結果として、資格を持っていることが評価され、今の会社に入社することができました。
Q: 消防設備士として働いていて、特にやりがいを感じる瞬間はありますか?
A: 一番やりがいを感じるのは、実際に火災が発生した時に自分が点検した設備がしっかりと機能し、人命や財産が守られたと知った時です。普段は当たり前に感じられるかもしれませんが、こういった時に、自分の仕事がどれほど重要かを実感します。また、定期点検で不具合を発見し、修理を行った後に設備が正常に動作することを確認した時も達成感があります。
Q: 仕事の中で一番大変だと感じる点は何ですか?
A: 大変だと感じるのは、やはり労働環境ですね。特に夏場の現場は厳しいです。屋外での作業や、天井裏や狭い配管スペースでの作業は、本当に体力を消耗します。また、点検業務はどうしても単調になりがちで、同じような作業を繰り返すことが多いため、精神的にも疲れることがあります。さらに、法律や規則が頻繁に変わるので、それに対応するために常に新しい知識を学び続ける必要があります。
Q: 給与や待遇についてはどう感じていますか?
A: 正直なところ、給与面では少し不満があります。資格を取るのに時間と労力をかけた割には、それが給料にしっかり反映されているとは言い難い部分もあります。ただ、安定しているという点では安心感がありますね。景気に左右されにくい業界なので、仕事がなくなる心配はあまりありません。一方、昇給やボーナスもありますが、大きく変わることはないので、そこは改善されると良いなと思っています。
Q: 今後のキャリアについてはどのように考えていますか?
A: 今後は、消防設備士の甲種資格や、関連する他の資格を取ることで、より責任のあるポジションに就きたいです。また、独立して自分の会社を持つことも視野に入れています。
Q: 最後に、これから消防設備士を目指す人たちに何かアドバイスはありますか?
A: 消防設備士の仕事は、決して楽なものではありません。体力的にも精神的にも厳しい部分がありますし、資格を取るだけでなく、その後も常に勉強が必要です。しかし、社会的に意義のある仕事であり、安定した職を求める人には向いていると思います。それが自分に合っていると感じたなら、ぜひチャレンジしてみてください。
このインタビューから分かるように、消防設備士の仕事にはやりがいと厳しさの両方があり、個人の価値観や目指すキャリアによって、捉え方が変わります。
どのような環境で働きたいのか、また将来どのようなキャリアを築きたいのかを考え、自分にとって最適な道を選ぶことが重要です。
消防設備士に向いている人の特徴
消防設備士の仕事は、さまざまな特性を持つ人が活躍できる職業です。
以下、消防設備士に向いている人の特徴をいくつかご紹介します。
●責任感が強い人
消防設備士は、人々の命を守る重要な役割を担っています。そのため、細かい作業にも誠実に取り組み、責任感を持って業務を遂行できる人が向いています。ミスが許されない場面も多く、自分の仕事に誇りを持てる人が活躍できるでしょう。
●問題解決能力が高い人
現場では、設備のトラブルや予期せぬ状況に対応することが求められます。トラブル発生時に冷静に状況を判断し、適切な解決策を見つけ出す能力が重要です。特に緊急時には迅速な対応が必要となるため、臨機応変に行動できる人が求められます。
●技術への探求心がある人
消防設備は常に進化しており、新しい技術や規制に対応するための学びが不可欠です。最新の情報を常にキャッチアップし、自己研鑽を怠らない姿勢がある人が、この仕事に向いています。学ぶことが好きな人にとっては、成長し続ける環境が魅力的に感じられるでしょう。
●体力に自信がある人
消防設備士の仕事は、時に体力を要する場面があります。特に大規模な施設での点検や修理では、長時間の作業や高所での作業が必要になることもあります。体力に自信があり、現場での作業を苦に感じない人が適しています。
●コミュニケーション能力が高い人
この仕事は、現場でのチームワークや、クライアントとの連携が重要です。適切なコミュニケーションを通じて、スムーズに業務を進めることができる人が向いています。報告や相談を円滑に行い、周囲と協力して仕事を進められる人は、職場でも信頼されるでしょう。
ここで挙げた特徴に自分が当てはまると感じるなら、消防設備士として向いている可能性が高いです。とはいえ、仕事は簡単ではありません。まずは自分に合った職業かどうかをじっくり考えてみると良いでしょう。
それでも迷うなら…消防設備士以外のキャリアも検討する
消防設備士の仕事に興味はあるけれど、まだ迷っているなら、他のキャリアオプションを検討するのも一つの方法です。
例えば、以下のような関連職種があります。
②安全管理者
建設現場や工場などでの安全管理を担当する職業。現場の安全を守る仕事に興味がある人に適しています。
活かせる資格…安全管理者、衛生管理者など
これらの職種も、技術職としてのやりがいがあり、同時に安定した職業の選択肢となります。自分の適性や興味に合ったキャリアをじっくり考えることが、満足のいく仕事選びにつながるでしょう。
消防設備士は「楽」「女性でもできる」って本当?
まず、消防設備士の仕事は、現場での設備点検や修理が中心であり、決して楽な仕事とは言い切れません。特に、点検やメンテナンスでは体力が求められる場面も多く、楽にこなせる仕事とは言い難いです。
次に、「女性でもできるか?」という点については、確かに女性が活躍している例もあります。消防設備士の業務は、体力的にハードな部分もありますが、技術や知識を活かす場面も多く、男女問わずに活躍できる職種です。最近では、職場環境の改善も進んでおり、女性でも働きやすい環境が整いつつあります。
ただし、仕事の一部には高所での作業や重い機材の運搬など、体力を必要とすることもあるため、体力に自信がない場合は注意が必要です。とはいえ、チームでの協力が求められる現場も多く、サポート体制が整っている職場もあります。
まとめ
消防設備士の仕事は、技術や知識、体力が必要であり、決して簡単なものではありません。しかし、その分やりがいや社会的な意義を感じられる職業です。
消防設備士としての道を選ぶかどうかは、自分の適性やキャリア目標を考えた上で、慎重に決断することが大切です。
迷ったときは、他のキャリアも視野に入れてみてください。最後は、自分が納得できる選択をすることが一番大事ですよ!
執筆者・監修者
工事士.com 編集部
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