電気工事士の将来性は?業界の現状と今後の需要
現在、電気工事士として活躍している方も、これから電気工事士を目指している方も、「今後、業界内での需要ってどうなるのか?」「電気工事士は長く続けられる将来性のある仕事なのか?」気になりますよね。この記事では、電気工事業界の動向や将来性、電気工事士として活躍の場を広げる方法をご紹介します。
目次
わたしたちの生活に無くてはならない、電気工事士の仕事
電気は、わたしたちの生活に欠かせない重要なインフラ設備です。インターネット業界をはじめとした、産業の発達によるエネルギー需要の増加。環境を配慮した太陽光発電をはじめとするエコ商品への切替え。電気自動車普及に向けた充電施設の拡大。さらには、エネルギー問題に端を欲したスマートグリッド構想。どれも、電気工事抜きには実現できないものばかりです。
2010年代に入ってからは、震災後の復興工事や東京オリンピック開催に伴う建設工事の影響もあり、建設業界全体での工事量が増加しています。また近年では、さまざまな設備の老朽化に伴い、既存建物の改修や補修の工事も活発になっており、電気工事士の活躍の場が増えています。
こうしたさまざまな要因から、電気に関わる産業全体に追い風が吹いており、わたしたちの暮らしや建物があり続ける限り、電気工事の仕事が0になることはないでしょう。したがって、電気工事士は今後もなくならない業界・仕事として、安定した将来性が見込める職種だと言えます。
技術の進歩と相反して、止まらぬ業界の人材不足
一方で、電気工事会社の観点から考えると、ある問題が浮き彫りとなっています。その問題とは、「日本の少子高齢化による労働人口(働き手)の減少」すなわち、人材不足ということです。政府の試算によれば、日本の労働人口は、2040年までに約20%減ると言われています。
また、国土交通省が発表した『建設業及び建設工事従事者の現状』によると、就業者数は平成9年のピーク時に比べると、約20%も減少しています。電気工事業界も、例に漏れず人手不足な状況で、若手入職者の確保や育成がこれからの課題となっています。
技術が進歩して世の中が便利になればなるほど、それを支える電気工事の仕事は増えていきますが、それとは正反対に「電気工事士」として働く人手は、一層不足していくことが予想されているのです。仕事はあるのに、工事をやってくれる人間がいないので商売にならない、そんな時代を迎えつつあります。
これからの業界の動き
こうした動きは、2021年度に予定されている東京オリンピック後も続くことが考えられるでしょう。東京オリンピック後の需要について経済産業省の調べでは、電気工事士を必要とする工事について、2030年の工事量は2020年のおおよそ9割程と言われています。
予測の方法によって数字は上下しますが、将来的にも工事量が半分になるなど、極端に需要が減ったりすることはないと思われます。(経済産業省『電気保安人材の将来的な確保に向けた検討について』を参考)これからは、電気工事士をある程度抱えている電気工事会社しか生き残れない時代になってきます。分かりやすく言うと、電気工事士の争奪戦が近い将来起こる可能性が高いということです。実際に、各社とも採用に関しては積極的になってきています。
無資格・未経験者でも貴重な存在
人材不足が進んでいる中で、電気工事士を目指すひとはとても貴重な存在です。未経験者を歓迎する流れは加速しており、「資格・経験がない方でも歓迎!」「電気工事の仕事に興味があるなら、年齢や職歴は問わず応募歓迎!」という会社が増えてきています。電気工事士の資格や実務経験がない経歴から電気工事士を目指す方にとってはチャンスが広がっていると言えるでしょう。
最近では「30代・未経験からの転職」「40代・未経験からの転職」の実績も増えているようです。実際に、今どれだけの電気工事会社が新たな仲間を探しているかは、その目で確かめてみてください。⇒ 求人情報一覧
電気工事士の皆さんの観点から考えた業界の将来
これからはますます、電気工事士の有資格者・経験者の価値は高まります。これは間違いないでしょう。資格を取得し、現場経験をある程度積んだ方なら、引く手あまたの状態になります。さらに、電気工事士からスキルアップし、施工管理・現場管理の経験を積み重ねていけば、使われる側ではなく、経営者として力量を発揮するチャンスも広がってくるでしょう。
資格取得にも挑戦しやすい
電気工事士の資格には、受験資格がありません。年齢や学歴、経歴などに関係なく、どなたでも受験することが可能です。それでいて電気工事の仕事で、資格や経験の活用度は高く、現場で長く働いている方と話すと、「電気工事士の技術は一度身につけると、一生使える。仕事はなくならないから、長く続けられるよ。」「大変だけど、電気工事士の仕事ってやりがいあるよ。」と教えてくれることがよくあります。【仕事があって、一生使える技術が身につくというやりがい】が電気工事士の魅力です。
一昔前のITエンジニアの好条件での争奪戦のように、電気工事士の価値が高まることで、より一層のやりがいを持った職種として注目されています。せっかく資格を取得したり、転職したりするなら、電気工事士のように活躍の場が広い選択をするのは良いことでしょう。
大事なのは、現場での知識・技術
電気工事士の仕事にやりがいを見出す上で大事なのは、しっかりと経験を積んで、知識・技術を身につけることです。電気工事士の仕事は覚えるべきことがとても多いとよく言われます。『電気工事士の仕事で大変なこと』でも書かれていますが、どんな仕事でも一人前と呼ばれるまでは苦労があります。そこを乗り越え、将来を見据えて電気工事士として活躍していきましょう。
電気工事士として、ステップアップしていく具体策は、『転職・資格で給与を上げる方法』にも記載しているので是非参考にしてみてください。
電気工事士の需要がある仕事・業界
最後に、電気工事士の需要がある仕事や業界についてご紹介します。実は、細かく見ていくと、建設工事の現場以外にも、電気工事士が活躍できる現場はたくさん存在します。例えば、以下のような仕事です。
メーカーの工場の設備保守部門
食品や日用品、音楽製品など多くのメーカーがありますが、そのほとんどの場合、商品を生産する工場を持っています。その工場で、商品をつくる機械が止まってしまうと、生産ができず商品の販売ができなくなってしまいます。その為、工場に常駐する保守部門があり、電気工事士の資格や工事経験を積んでいる人が活躍しています。
鉄道会社の電気工事
日本の電車は正確で、毎日時間通りに出発しますよね。それを支えている仕事でも電気工事士は活躍しています。例えば、電車に電気を供給する架線や、安全を守るための信号機システム・踏切など、これらが正常に作動するように工事をしてくれています。様々な設備や配線を触ることになり、電気工事士の資格や経験が求められる仕事です。
防犯設備の設置の仕事
防犯カメラや防犯用のカギなど、防犯設備に関する工事でも電気工事士は活躍することができます。防犯意識の高まりによって工事が増加しており、個人住宅向けの工事も、ビルなどの法人向けの工事もあります。CMをやっているような大手セキュリティ会社と取引をしていることが多く、年間を通じて工事案件が豊富にあることが特徴です。
情報通信系の工事
スマートフォンが普及し、インターネットの利用量も拡大する中で、電話回線やインターネット回線などの工事が増加しています。情報通信、電気通信などと呼ばれる工事です。携帯電話サービスを提供する会社の基地局やデータセンターでの工事などもあります。今後は5G技術の発展により、情報通信系の電気工事はますます需要が拡大していくことが考えられそうです。
ビルや設備の保守・メンテナンス
ビル管理・ビルメンテナンスと呼ばれる仕事に近い分野です。各種設備の点検をしたり、簡単な工事作業は自ら行ったりします。大掛かりな工事や改修になった場合は、外部の工事会社に依頼することになります。その際、工事の立ち合いを行ったり、作業報告書を記入したりするのも業務の一環です。工事というよりは、管理や保守の業務に近いイメージです。
その他
珍しい仕事内容だと、誰もが聞いたことがある有名テーマパークのアトラクション機材の設置や保守の工事にも、電気工事士が登場しています。あるいは、飲食店チェーンの店舗で、料理を運んだり片付ける機械設備の保守部門でも、電気工事士が採用されたりしています。
まとめ
ここまでお伝えしてきた通り、現在の世の中で使われている機械や設備は、電気を使っているものがほとんどなので、電気工事士の仕事は私たちの生活にとって無くてはならない職業です。電気工事士の活躍の場は多種多様で、建設工事以外にも多くあります。それは、その他の建設業の仕事とは少し違った、電気工事士ならではの特徴で、メリットの1つだと言えるでしょう。電気工事士の仕事に将来性を感じられる理由の1つになるかもしれませんね!是非参考にしてみてください。
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Aさん
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Cさん
電工未経験でも条件に合った仕事に就くことができました
電気工事士としては未経験だったのですが、今までの品質管理や工程管理の経験が活かせる+長く働ける環境が整った会社に出会いました。
(48才・第一種、第二種電気工事士、認定電気工事従事者など保有/神奈川県の電気工事・電気機器製品組立業へ転職)電気工事士求人・転職のよくある質問
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