電気工事士がきつい・大変と言われる理由は?電工のリアルをアンケート調査!

電気工事士の仕事・転職

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電気工事士は危険を伴う作業に従事する必要があり、体力が必要かつ覚えることが多い職業であるため、一般的には「きつい・大変な仕事」といわれています。

この記事では、電気工事士が「きつい」「大変」と言われる理由について、実際に働く電気工事士から集めたアンケート調査をもとにお伝えします。


電気工事士の仕事できついと感じたときの対処法や、アンケートからわかった「やりがいと魅力」についても解説しています。

これから電気工事士を目指す人も、現在電工として働いていて「きつい・大変」と感じている人もぜひ参考にしてみてください。


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電気工事士が「きつい」と言われる理由は?大変なことをアンケート調査!

ブレーカーを点検する電気工事士

電気工事士の仕事は「きつい」「やめとけ」などと言われることが多いですが、具体的にどのような点が大変なのでしょうか。

現役の電気工事士に対して行ったアンケート調査をもとに、その理由を探ります。

以下のグラフは、電気工事士が「きつい」と感じる主な理由を示しています。


電気工事士がきついと感じることアンケート調査結果グラフ


アンケート結果では、最も多くの人が「危険を伴う作業が多い」を挙げています。

続いて「体力が必要」が2位になっており、電気工事士の仕事が「外仕事ならではの過酷さ」を伴うことがわかりますね。

さらに、「覚えることが多い」「休みが少ない」「労働時間・拘束時間が長い」などの要因も多く挙げられており、電気工事士として働く際の現実的な課題であり、仕事の厳しさを物語っています。

では、電気工事士が「きつい」と感じることについて、下記の項目ごとに詳しく見ていきましょう。

電気工事士として「きつい」と感じること


①危険を伴う作業が多い

電気工事士の仕事が「きつい」と感じる理由の1つ目は「危険を伴う作業が多い」ことです。

「危険を伴う作業が多い」は、今回のアンケートで最も多くの票を集めました。

電気工事士の仕事は「高所での作業」や「感電・漏電」など、さまざまな危険が伴います。

例えば、電柱の上での配線作業やビルの外壁に沿った配線工事の場合、転落の危険性が常に存在します。安全ハーネスの使用や適切な足場の設置が不可欠であり、安全対策を怠ると重大な事故につながる可能性があります。

さらに、電気工事では、感電や漏電のリスクが常に伴います。特に高電圧を扱う現場では、その危険性が増します。感電による負傷や死亡事故は過去にも多く報告されています。


■ 実際の事故事例

運輸業の現場でクレーン付きトラックのワイヤーが誤って送電線に接触し、34歳の男性が感電して重傷を負いました。被災者は左手指先や右足親指に火傷を負い、約2ヶ月の治療を要しました。この事故は、送電線下での作業において「鉄塔用大型注意看板」及び「注意旗」の設置がされていたにも関わらず、注意が不十分だったことが原因です。

※参考:クレーンの送電線接触による感電負傷事故 | 電気事故事例集 | 電気のお役立ち情報 | 関東電気保安協会



②体力が必要

電気工事士の仕事が「きつい」と感じる理由の2つ目は「体力が必要」ということです。


■電気工事士として「きつい」と感じたエピソード(抜粋)

  • 北海道の2月の真冬で、大雪の中の深夜での電気工事はホントきつかったです。作業自体は劣化していたケーブルを取り替えるだけの作業ですが、ただひたすら寒く、いくら分厚いグローブを付けていても手がちぎれるのでは?と感じました。(40代男性)
  • 夏は暑く汗だらけ、冬は寒く手がかじかむような環境での作業で、体力的にきつかったです。(50代男性)

電気工事士の業務には、重い工具や資材・機材を運ぶ作業があったり、屋外作業があったりするため、一般的なデスクワークとは体力の消耗が大きく異なります。

さらに、現場では立ちっぱなし、動きっぱなしの状態が続くため、相当な体力が必要ですよね。

もちろん、工事内容によっては空調が完備された室内での作業もあります。

③覚えることが多い

電気工事士の仕事が「きつい」と感じる理由の3つ目は「覚えることが多い」ことです。

まず、電気工事士として働くためには、多くの知識やスキルを身につける必要があります。

最低限必要な第二種電気工事士の資格取得から始まり、キャリアアップを目指すなら第一種電気工事士の資格も求められます。

さらに、日常の仕事では、工具や材料の名前、使用方法、そして電気配線の技術など、多岐にわたるスキルを覚える必要もあります。現場で使用する工具や資材の種類は非常に多く、「◯◯を取って」と先輩に言われても、最初のうちはすぐに対応できないこともあるでしょう。

現場での作業だけでなく、事前の予習や復習も欠かせません。新しい工法や工具が開発されるたびに、それらを学び、実践に取り入れる努力が必要です。一度覚えたことだけではなく、常に新しい知識を吸収し続ける必要があります。

最初のうちは覚えることが多く、挫折しそうになるかもしれませんが、根気強く努力することで徐々にスキルが身についていきます。

④休みが少ない

電気工事士の仕事が「きつい」と感じる理由の4つ目は「休みが少ない」ことです。


■電気工事士として「きつい」と感じたエピソード(抜粋)

現場により状況は異なりますが、電気工事の仕事は休みが少ない(30代男性)


電気工事士の場合、特に工期を守るために休日出勤や残業が発生することも少なくありません。

実際に年間休日数のデータを見てみると、以下のようになっています。

電気工事士の年間休日数グラフ

※出典:電気工事士は休みが少ない?土日は休めない?リアルな休日事情を調査(工事士.com)

年間休日が120日以上の企業は少ないものの、100日以上の企業が約半数を占めています。

一方、年間休日数が90日未満の企業が多数あることも事実です。

上記から分かるとおり、電気工事士が働く環境は、企業によって大きく異なります。

しかし現在は、働きやすい環境を整えるために、週休二日制を導入したり、特定の時期に集中する工事を避けるために計画的なスケジュール管理を行ったりといった休日数の確保や勤務時間の見直しに取り組む企業が増えています。

⑤労働時間が長い

電気工事士の仕事が「きつい」と感じる理由の5つ目は「労働時間が長い」ことです。


■電気工事士として「きつい」と感じたエピソード(抜粋)

労働時間・拘束時間が長いにも関わらず、会社からなかなか評価してもらえず、疲労感やストレスを感じた(30代)


電気工事士の労働時間が長くなる主な理由は、工期の厳守です。

計画通りに進めばよいのですが、現場では不測の事態がつきもので、これが残業を招く主な原因となっています。

また、電気工事は建物の基礎や壁が完成してから行われるため、他の工程の遅れの影響を受けやすく、結果として電気工事士の作業は後半に集中し、残業が発生することが多くなります。

実際に残業時間のデータを見てみると、以下のようになっています。

電気工事士の残業時間グラフ

※出典:電気工事士の残業や勤務時間などの職場環境/転職前に確認(工事士.com)

残業なし〜30時間以内が約半数を占める一方、平均よりも長かったり、現場の状況次第で変動したりする方も多いようです。

⑥人間関係が厳しい

電気工事士の仕事が「きつい」と感じる理由の6つ目は「人間関係が厳しい」ことです。


■電気工事士として「きつい」と感じたエピソード(抜粋)

細かい作業が多く一緒に現場にまわる人が息の合う人だったらよいが、口うるさい人や変なところで細かい人だと作業以外でのストレスが多いです。(40代男性)


電気工事士の職場では、上下関係が厳しいと言われています。

しかし、このような上下関係の厳しさは、電気工事に対する安全対策と品質管理の観点から来ているものであり、仕事中の厳しいやり取りは、決していじめや嫌がらせを意図したものではありません。

一方で、この厳しい環境をストレスに感じてしまう人も少なくありません。


⑦見習いの時期の待遇が悪い

電気工事士の仕事が「きつい」と感じる理由の7つ目は「見習いの時期の待遇が悪い」ことです。


■電気工事士として「きつい」と感じたエピソード(抜粋)

  • 私が電気工事士の見習いだったときは、一人親方で長年やっている昔ながらの職人さんの元でした。言葉で説明してほしいのに、「見て覚えろ」「一度で覚えろ」というタイプの方だったので、精神的にとてもきつかったです。(40代男性)
  • 自分の技術次第で仕事の出来栄えや拘束時間が変わってしまうので、技術が浅い1年~2年目のときが一番苦しかったです。(30代男性)

なお、見習いとしての年収は250万円〜300万円程度が相場であり、特に初めの数年間は待遇が低いことが多いです。この時期の給料が安いことも「見習いの待遇が悪い」と感じる主な理由となっています。

しかし、見習いの場合でも、会社の規模や地域、本人の年齢や能力によって給与は異なります。

電気工事士の見習いについては電気工事士見習いの仕事内容と待遇は?給与や下積み期間からキャリアアップまで解説で詳しく解説しています。



⑧現場環境が悪い

電気工事士の仕事が「きつい」と感じる理由の8つ目は「現場環境が悪い」ことです。


■電気工事士として「きつい」と感じたエピソード(抜粋)

  • 屋根裏に配線が通っている場所をよじ登り、作業していたところ、ネズミがたくさん出てきて鳥肌が立ちました。さすがにあの数は精神的にきつかったです(30代男性)
  • 改修工事で天井の点検口を開けるとしょっちゅうネズミがいる。ネズミも自分も逃げ場がないので作業に集中できない。きつかった(20代女性)

想像するだけで、大変さが伝わってくるエピソードですね。

電気工事士の現場は新築の建設現場だけでなく改修現場なども多いため、時に厳しい環境で作業しなくてはならないこともあります。

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電気工事士として「きつい」と感じた時の対処法は?

ヘルメットを被る男性

電気工事士の仕事は、体力的にも精神的にも厳しい場面が多々ありますが、実際に現場で働く電気工事士たちはどのようにしてこの厳しさを乗り越えているのでしょうか。

アンケート結果を基に、彼らの対処法をいくつか紹介します。

■ 電気工事士として「きつい」と感じた時の対処法

対処法 エピソード
転職活動を行う 現場で得た経験を違うところで活かせる職場を見つけました。給料や労働環境が改善し不満で思ってたことが改善できました。
技術向上を目指す 現場で電気のことは任された以上、こちらに責任があるため、自分の技術の品質を上げ、顧客の笑顔が見れると信じて乗り越えています。
充実感を想像する 常に終わった時の充実感や達成感を想像しながら作業しています。
誰かに相談する 直属の上司に確認してみたり、同僚に相談するなどしてみて、とりあえず相談しています。
場数をこなす 技術さえ身に着ければ給料も増えることが分かっていたので、今は我慢するときとひたすら場数をこなして自分を追い込みました。
勉強を続ける 厳しい親方の元で精神的にきつく、早く一人前になりたかったので、本やインターネットを使い、空いた時間は常に勉強していました。
環境に適応する 暑い環境ではクーラージャケット、寒い環境では使い捨てカイロを何枚か使用して、気温に対応しています。
ポジティブに考える 生きて行くうえでお金は大切だけどお金だけが全てではないと思い、きついという感情を乗り越えています。
休息を取る とにかく一度現場を離れ、一服しに行きます。無駄な時間と思われるかもしれませんが、こうした方がかえって時間効率が上がります。

電気工事士として働くことがきついと感じた場合は、労働環境の良いホワイト企業大手企業への転職も視野に入れて転職活動を行うこともおすすめです。

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電気工事士にはやりがいや魅力もたくさんある!

作業着を着た男女

電気工事士にはやりがいや魅力もたくさんあります。

アンケート調査で分かった、電気工事士の方々がやりがいや魅力を感じる場面は下記のとおりです。

電気工事士が「やりがい」や「魅力」を感じる場面
  • 達成感を味わえる
  • 成長を実感できる
  • 頑張りを評価してもらえる
  • 人から感謝される
  • 社会貢献できる


電気工事士としてのキャリアを考えている方、現在働いている方は、ぜひ参考にしてください。

■関連記事

電気工事士のやりがいや魅力は?アンケート調査で現場の生の声を紹介!」では、電気工事士のやりがいや魅力についてエピソードを交えて詳しくご紹介しています。


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よくある質問

電気工事士を目指す方や現在働いている方から、よく寄せられる質問をまとめました。

これから電気工事士を目指す方やキャリアアップを考えている方は、ぜひ参考にしてください。

電気工事士を辞める理由は何ですか?

電気工事士を辞めたいと感じる理由は、労働時間が長いことや体力的にきついことなどが挙げられます。

電気工事士を辞めたい理由
  1. 労働時間が長い
  2. 労働環境が悪い
  3. 体力的にきつい
  4. 休みが取れない
  5. 給与が低い
  6. 職場の人間関係が悪い

電気工事士を辞めたいと感じる6つの理由と対処法|アンケートからわかる実態は?」では、電気工事士に聞いた「電気工事士を辞めたい理由」について詳しく解説しています。


電気工事士が大変なことは何ですか?

電気工事士として大変なことは、労働時間・待遇などの環境面や、体力・危険を伴う作業などの安全面をはじめ、様々な要因があります。

電気工事士として「きつい」と感じること
  1. 危険を伴う作業が多い
  2. 体力が必要
  3. 覚えることが多い
  4. 休みが少ない
  5. 労働時間が長い
  6. 人間関係が厳しい
  7. 見習いの時期の待遇が悪い
  8. 現場環境が悪い

電気工事士が大変なことは、本記事の「電気工事士として「きつい・大変」と感じること」で解説しています。

電気工事士に向いている人はどんな人ですか?

電気工事士に向いている人は、電気工事に興味関心があり、コツコツ学ぶことができる人をはじめ、以下に当てはまる人です。

電気工事士に向いている人の特徴
  1. 電気工事に興味・関心がある人
  2. コツコツ学ぶことができる人
  3. 丁寧・几帳面・慎重な性格の人
  4. 正しくコミュニケーションを取れる人
  5. 体力がある・根気がある人
  6. 向上心や目標を持てる人

電気工事士に向いている・向いていない人の特徴|最適な職場を見つける方法は?」では、電気工事士に向いている人と向いていない人の特徴を詳しく解説しています。


電気工事士が人手不足な理由は何ですか?

電気工事士が人手不足な理由は、以下の5つです。

電気工事士が人手不足な理由
  1. 少子高齢化
  2. 入職率の低さ
  3. 入職ターゲット層の狭さ
  4. 労働環境等による離職率の高さ
  5. 認知度の低さ

電気工事士の人手不足を解消する方法5選!業界特有の原因とは?」では、電気工事士の人手不足を解消する方法と理由について詳しく解説しています。


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まとめ 電気工事士の仕事はきついけれど楽しい!

今回は、電気工事士が「きつい」と言われる理由について、アンケート調査をもとに解説しました。

この記事のまとめ
  • 電気工事士の仕事が「きつい」と言われる理由は、危険を伴う作業・体力の必要性・長時間労働・休日数の少なさなど
  • 電気工事士が直面する具体的な大変なことは、重い機材の運搬・高所作業・感電のリスク・不衛生な現場環境など
  • 電気工事士として働くための対処法は、転職をする・技術を向上させる・ポジティブに考える・充実感を想像するなど

電気工事士の仕事には厳しい面も多いですが、それを乗り越えることで大きなやりがいを感じることができます。

この記事を参考に、自分に合った働き方や対処法を見つけ、充実した電気工事士ライフを送りましょう。

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電気工事士としてのキャリアを考えている方、現在働いている方、ぜひ前向きに捉えて、さらなるキャリアアップを目指しましょう。

電気工事士の日常や魅力、苦労について「電気工事士あるある」も併せて参考にしてください。


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