電気工事士資格の取り方を解説!電気工事士になるにはまず何をする?

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電気工事士になるには、第一種または第二種電気工事士の資格を取得する必要があります。


電気工事士資格を取得するまでの流れ

※それぞれのステップについて、詳細はこの記事の「資格取得までに必要なステップ」で解説します。


この記事では、電気工事士の資格取得に必要な手順や条件、試験の内容などを詳しく解説します。
電気工事士を目指している方は参考にしてください。



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電気工事士の資格試験を受ける条件は?

電気工事士の資格試験を受けるための条件はありません。学歴や経歴、年齢による制限はなく、誰でも挑戦できる資格です。


電気工事士資格試験の受験条件

電気工事士資格試験の受験条件は下記のとおりです。


■電気工事士資格試験の受験条件

項目 第一種電気工事士 第二種電気工事士
学歴 制限なし 制限なし
専門知識 不要
(ただし、より高度な知識が試験で問われる)
不要
受験時の実務経験 不要 不要
免状取得に必要な実務経験 必要 不要
年齢 制限なし 制限なし
国籍 制限なし
(ただし、日本語での読み書きが必要)
制限なし
(ただし、日本語での読み書きが必要)

第一種及び第二種ともに、これまでの経歴は一切問われず、受験自体は誰でもできます。
ただし、第一種電気工事士については、免状交付に3年以上の実務経験が必要になるため、実務経験がなければ試験に合格できても免状が交付されません


一方で、第二電気工事士は、年齢制限もなく学歴も実務経験も関係ないため、試験に合格すれば誰でも免状を取得することができます。また、難易度も第一種と比較して低いため、電気工事関連の仕事に関わらない人でも気軽に受験することができます。


電気工事士試験の難易度

電気工事士試験の難易度は、第一種と第二種では異なります。


第一種電気工事士の過去6年間の合格率は学科(筆記・CBT方式)56.0%、技能(実技)63.2%と、比較的高いと言えるでしょう。


第二種電気工事士の過去6年間の合格率は学科(筆記・CBT方式)60.1%、技能(実技)70.7%と、第一種電気工事士同様に高い数値が出ています。


■電気工事士試験の難易度

項目 第一種電気工事士 第二種電気工事士
総合難易度 二種と比較して高い 比較的取得しやすい
学科試験合格率(過去6年平均) 約56.0% 約60.1%
技能試験合格率(過去6年平均) 約63.2% 約70.7%
出題範囲 広範囲で専門的 基礎的だが幅広い
特徴的な出題分野 高圧電気設備、複雑な電気回路 電気の基礎知識、法令、実際の工事技術
必要な準備 多くの時間と努力が必要 適切な学習計画と準備が必要
推奨される受験者 専門的な知識を持つ人
キャリアアップを目指す人
電気工事の基礎を学びたい人
初めて資格に挑戦する人

参考:「第一種電気工事士の合格率」、「第二種電気工事士の合格率


技能試験については、試験日の数ヶ月前に候補問題が発表されます。第二種電気工事士の試験の場合、候補問題全13問の中から全国の地域ごとにランダムに出題されるため、各地で合格率に違いが出るでしょう。


第一種電気工事士についても、候補問題数は公にされていませんが、候補問題は第二種同様に公表されます。

電気工事士試験の合格率については、「【実はすごい】第一種電気工事士の合格率・難易度を他資格と比較して解説」、「第二種電気工事士の合格率・難易度と勉強時間【めざせ一発合格!】」で詳しくお伝えしていますので、ご覧ください。


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資格取得までに必要なステップ

電気工事士資格を取得するまでの流れ


電気工事士の資格を取得するまでには、試験の申し込みから免状が交付されるまで、以下の手順で進みます。


電気工事士資格の取り方

それぞれ詳しく解説します。


試験の申し込み

試験の申し込み方法は2通りあります。

インターネットによる申し込み(個人・団体)と郵送による申し込みです。原則はインターネット申し込みとなっています。


また、第一種・第二種ともに年2回(上期・下期)試験があります

申し込み期限を過ぎないように注意しましょう。

より詳細な試験の手続きについては、「【2024年度下期】第二種電気工事士の申し込みと試験日|手続きと受験の流れを解説」にてご確認ください。


学科試験の受験

申し込み後、まず学科試験を受験します。試験方式は以下の2つから選べます。


  • CBT方式:コンピューターを使用して解答する方式
  • 筆記方式:手書きのマークシート方式で解答する方式

学科試験の内容は、電気の基礎理論、配線図、法令など多岐にわたります。

50問が出題され、試験時間は2時間、第一種・第二種ともに合格ラインは60点以上です。


電気工事士学科試験のCBT方式については「電気工事士試験のCBT方式とは?筆記方式との違いやメリット・デメリットを解説」で詳しく解説しています。


学科試験合格発表

学科試験の結果は、試験日から約1ヶ月後に発表されます。合格者には、技能試験の案内が送付されるので、以下を確認しておきましょう。


  • 技能試験の日時と場所
  • 試験の所要時間
  • 持ち物リスト(指定工具・筆記用具など)

技能試験で使用する指定工具は、当日忘れても貸出はされていないため、注意が必要です。


技能試験の受験

学科試験に合格した方のみ、技能試験を受験できます。技能試験では、実際の電気工事の技能を評価します。


試験内容は以下の通りです。


■電気工事士 技能試験内容

項目 第一種電気工事士 第二種電気工事士
試験時間 60分 40分
問題内容 候補問題から1問の配線図が出題 候補問題から1問の配線図が出題
複雑さ 複雑な配線図 比較的シンプルな配線図
電線の種類 多様(CVVケーブル、KIPケーブルなど) 基本的な種類
作業の難易度 高度な技能が要求される 基本的な技能が要求される
評価基準 結線の正誤、欠陥の有無 結線の正誤、欠陥の有無
複線図作成 正確さが求められる 基本的な正確さが求められる
工具の扱い 高度な技術が必要 基本的な技術が必要

第二種電気工事士の技能試験に落ちた場合の原因や対策については「第二種電気工事士の技能試験に落ちた原因は?よくある失敗や再試験への対策を解説!」で詳しく解説しています。


技能試験合格発表

技能試験の結果は、試験日から約1ヶ月後に発表されます。


不合格になった場合は、次の技能試験(例:上期を受験した場合は下期の技能試験)で再度受験することが可能です。


免状の申請

最後は、免状の申請です。申請は各都道府県の電気工事士免状交付機関で行います。必要書類は以下の通りです。


■免状申請に必要な書類

  • 免状交付申請書
  • 写真(縦3cm×横2.4cm)
  • 合格証の写し
  • 本人確認書類の写し

第一種電気工事士の場合は、3年以上の実務経験証明書も必要なため、条件を満たしてない方は免状を申請できません


免状の受け取り

申請から約2週間〜1ヶ月後に、免状が交付されます。これで晴れて電気工事士としての資格を得たことになります。


以上が、電気工事士の資格取得までの手順です。

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2025年度の電気工事士試験スケジュール

2025年度の電気工事士試験スケジュールは以下の通りです。電気工事士試験は年2回実施されます。


上期試験 第二種電気工事士 第一種電気工事士
申込期間 2025年3月17日(月)~4月7日(月) 2025年2月14日(金)~3月3日(月)
学科試験(CBT) 2025年4月21日(月)~5月8日(木) 2025年4月1日(火)~5月8日(木)
学科試験(筆記) 2025年5月25日(日) -
技能試験 2025年7月19日(土)または7月20日(日) 2025年7月5日(土)


下期試験 第二種電気工事士 第一種電気工事士
申込期間 2025年8月18日(月)〜9月4日(木) 2025年7月28日(月)~8月14日(木)
学科試験(CBT) 2025年9月19日(金)~10月6日(月) 2025年9月1日(月)~9月18日(木)
学科試験(筆記) 2025年10月26日(日) 2025年10月5日(日)
技能試験 2025年12月13日(土)または12月14日(日) 2025年11月22日(土)


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資格試験の申し込み方法

電気工事士試験の申し込み方法は、インターネットと郵送の2通りです。

※原則、インターネット申し込みです。

インターネット申し込みの手順

  1. 一般財団法人電気技術者試験センターの公式サイトにアクセス
  2. 「マイページ」を作成、メールアドレスと任意のパスワードで登録
  3. 受験する試験(第一種または第二種)と試験方式(CBTまたは筆記)を選択
  4. 個人情報や受験希望地などの必要事項を入力
  5. 申込画面から必要事項を入力
  6. 受験手数料を期限内に支払い
  7. (筆記方式の場合)申し込み完了後、試験日の2週間前に受験票が発送される
    (CBT方式)申し込み完了後、マイページで受験票を確認

郵送申し込みの手順

  1. 試験センター本部事務局に返送用封筒を郵送して受験案内を取り寄せる
  2. 所定の申込書に必要事項を記入し、郵送で提出


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電気工事士試験の勉強方法

電気工事士試験の勉強方法について、効果的な学習方法を身につけましょう。


試験内容を理解する

学科試験では、以下の範囲が出題されます。

  1. 電気に関する基礎理論
  2. 配電理論及び配線設計
  3. 電気機器、配線器具並びに電気工事用の材料及び工具
  4. 電気工事の施工方法
  5. 一般用電気工作物等の検査方法
  6. 配線図
  7. 一般用電気工作物等の保管に関する法令

テキストで基礎を固める

まずは、電気工事士向けのテキストで基本的な知識を身につけましょう。電気の基礎から法令まで、幅広く学習することが重要です。


また、過去問題を解くことも非常に大切です。以下の手順で効果的に活用しましょう。


  • まずは時間を気にせず解いてみる
  • 採点後、間違えた問題を重点的に復習する
  • 徐々に本番と同じ時間配分で解く練習をする

過去問を繰り返し解くことで、出題傾向や時間配分のコツをつかむことができます


工事士.com編集部からは、オーム社や電気書院など、電気工事士のテキストを専門とする出版社のものをおすすめします。できるだけ、実際の作業や道具を写真付きでわかりやすく解説しているものを選びます


また、最近はインターネット上にも分かりやすい解説がたくさん掲載されているため、並行して活用すると良いでしょう。

計算問題の対策

電気工事士試験では、オームの法則やワットの公式を使う計算問題が頻出します。基本的な公式を暗記し、素早く計算できるよう練習しましょう。


また、過去に出題されている問題には、良く出るパターンが存在します。問題の数値だけを変えているものや、全く同じ問題を出題していることもあるほどです。過去問を繰り返し行えば、解答できる問題も多いでしょう。


法令の学習

電気工事士法や電気設備技術基準などの法令も重要です。条文をそのまま暗記するのではなく、要点を理解することが大切です


技能試験の実践練習

技能試験対策としてまず最初にやるべきことは、複線図の書き方をマスターすることです。実際の現場では複線図なしで施工することもありますが、技能試験では複線図なしで実施するのはミスのもとです。


複線図をマスターしたら、ひたすら工具を使って電気回路を作成する練習を繰り返しましょう。候補問題が事前に公表されるので、どの候補問題が試験当日に出題されてもいいように練習するだけです

電気工事士の技能試験については、「第一種電気工事士の実技試験対策」や、「第二種電気工事士の技能試験対策の5つのコツと注意ポイント」で詳しく解説しています。


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電気工事士として仕事を始めるには

電気工事士の資格を取得したら、いよいよ仕事を始める段階です。電気工事士として働き始めるための具体的な手順をご紹介します。


1.就職先を探す

電気工事士の主な就職先には、以下のような選択肢があります。

  • 電気工事会社
  • 設備工事会社
  • ビルメンテナンス会社
  • 電力会社
  • 工場の設備管理部門

求人サイトや公共職業安定所(ハローワーク)を活用して、自分に合った職場を探しましょう。


2.実務経験を積む
新人の場合、最初は先輩の下で実務経験を積むことになります。基本的な作業から始めて、徐々に難しい作業を任されるようになっていきます。


3.安全意識を高める
電気工事は危険を伴う仕事です。安全教育を受け、常に安全第一で作業しましょう。


4.継続的な学習
常に新しい知識や技術を学び続ける必要があります。社内研修や外部のセミナーなどを活用しましょう。


5.資格のステップアップ
キャリアアップのために、関連資格の取得も検討しましょう。例えば、以下のような資格があります。

  • 電気主任技術者
  • 電気工事施工管理技士

6.コミュニケーション能力の向上
電気工事士は、同僚や顧客とのコミュニケーションも重要です。例えば、天井裏に配線を通す時など、複数名の電気工事士が連携して作業することも多いです。報告・連絡・相談を適切に行い、チームワークを大切にしましょう。


7.独立の検討
経験を積んだ後は、独立して電気工事業を営むことも可能です。ただし、電気工事業の開業には登録が必要なので、事前に必要な手続きを確認しておきましょう。


電気工事士として仕事を始めるには、資格取得後も継続的な努力が必要です。一歩一歩着実にキャリアを積み重ねていけば、電気工事のプロフェッショナルとして活躍できるでしょう。

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まとめ

今回は、電気工事士の資格の取り方について解説しました。


電気工事士の資格試験には学歴や年齢の制限がなく、誰でもチャレンジできるのが特徴です


2025年度の試験日程も公開されておりますので、計画的に受験の準備を進めてください。

資格取得後は、様々な業界での活躍の場が待っています!

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