電気工事士と電気主任技術者の違いは4つ!仕事内容・難易度・試験内容・年収を比較

電気工事士の資格・試験

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「電気工事士」は、住宅や建物における電気設備の取り付けや配線工事などの電気工事を実施するために必要な国家資格です。

それに対し、「電気主任技術者」は、マンションやビル、商業施設などにおける高圧受変電設備の保守・管理といった「受変電設備や電気設備などの保守・管理」を行うために必要な国家資格です。


電気工事士 工事をする人
電気主任技術者 監督する人

簡単に言えば、電気工事士と電気主任技術者の違いは、「作業をする立場」か「作業を監督する立場」かという違いがあります。


この記事では、電気工事士と電気主任技術者の違いについて、仕事内容・難易度・試験内容・年収の観点から比較し解説します。



どちらの資格を取るがが決まらない方は、ぜひ参考にしてください。

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電気工事士と電気主任技術者の4つの違い

電気工事士と電気主任技術者には以下の4つの違いがあります。

電気工事士と電気主任技術者の違い


①仕事内容の違い

電気工事士と電気主任技術者は、仕事内容が異なります。

電気工事士は電気工事の実務を行い、一方で電気主任技術者は電気設備の保守・管理を行います。


■仕事内容の違い

電気工事士 電気主任技術者
仕事内容 電気工事の実施 受変電設備や電気設備などの保守・管理
具体例 住宅や建物における電気設備の取り付けや配線工事など マンションやビル、商業施設などにおける高圧受変電設備の保守・管理

電気工事士の主な仕事は電気工事の実施です。例えば、住宅や建物における電気設備の取り付けや配線工事などを行います。


■ 電気工事士の具体的な仕事内容

  • 電気配線の設置・交換作業
  • 照明やコンセントの設置・修理
  • 電気設備の点検およびメンテナンス
  • 電気機器やシステムの接続工事
  • 電気設備のトラブル対応

電気工事士は、コンセントやスイッチなどの設置から、配線や回路の接続まで、幅広い電気工事に従事します。


一方で、電気主任技術者の主な仕事は、受変電設備や電気設備などの保守・管理を行うことです。例えば、マンションやビル、商業施設などにおける高圧受変電設備の保守・管理を担当します。


■ 電気主任技術者の具体的な仕事内容

  • 電気設備の保守・点検作業
  • 電気設備の修理対応
  • 電気設備工事の保安監督
  • 電気設備の清掃業務
  • 書類作成

電気主任技術者は、電気設備の安全性と適切な機能性を確保するために、電気工事士の作業を監督し、管理するのが仕事です。

電気工事士の仕事内容の詳細は、≫電気工事士とは?で解説しています。

また、電気主任技術者の仕事内容の詳細は、≫電験三種の仕事内容で解説しています。


②合格率・難易度の違い

電気工事士よりも、電気主任技術者の方が資格取得の難易度が高いです。


電気工事士(第一種、第二種)と電気主任技術者(第一種〜第三種)の合格率を見てみましょう。


■直近5年間の合格率(平均)

電気工事士 電気主任技術者
二種 一種 三種 二種 一種
65.6% 59.8% 12.2% 24.5% 24.7%

※電気工事士は筆記試験と技能試験を、第二種・第一種電気主任技術者は1次と2次をかけ合わせたものです。


表のとおり、直近5年間における電気工事士の合格率は60〜70%電気主任技術者の合格率は10〜30%となっています。


電気主任技術者の合格率の方が極めて低く、取得が難しい資格であることがわかります。


③試験内容の違い

■試験内容の違い


電気工事士 電気主任技術者
試験方式 学科試験+技能試験 学科試験
試験内容 電気工事に関わる基本的な知識と技能 電気設備の保安監督に必要となる幅広い知識

電気工事士の試験は、筆記試験と技能試験の2部構成です。


学科試験では、電気の基本理論や、電気機器、配線器具の知識、施工方法に関する問題が出題されます。 技能試験では、配線図に基づく実際の配線作業や設備の設置が問われます。



一方、電気主任技術者の試験は筆記試験のみです。

理論・電力・機械・法規の4科目があり、電気設備の保安監督に必要となる幅広い知識が問われます。


ちなみに、電気主任技術者の中でも上位の資格である「電験二種」や「電験一種」はさらに専門的な知識と高度な技術が要求され、一次試験と二次試験の二段階で行われます。


このように、電気工事士は実務の実施に関する試験内容であるのに対し、電気主任技術者は電気設備の管理と保安を担うための高度で広範囲な知識が求められる試験内容となっています。


④年収の違い

一般的には、電気主任技術者の方が電気工事士よりも年収が高い傾向にあります


厚生労働省による令和4年の「賃金構造基本統計調査」によると、電気工事士の平均年収は506.8万円でした。


一方、電気主任技術者の年収は、電験三種で約400〜550万円程です。就職先によって、また上位資格である二種・一種の場合では700〜800万円程になることもあります


電気主任技術者は電気工事士を監督する立場にあり、そのためには現場の状況を的確に判断する能力や高度な専門知識が求められます。

その重責を担う資格だからこそ、電気工事士よりも高い収入が期待できるのです。


よろしければ、求人から実際の年収事例を確認してみてください。


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電気工事士と電気主任技術者、どちらを取得するか

電気工事士と電気主任技術者のどちらの資格を取得するかは、ご自身の目指す方向性次第です。


電気工事の実務に従事したい方は電気工事士、一方、電気設備の管理や監督を担当したい方は電気主任技術者を目指しましょう


電気工事士 電気主任技術者
仕事内容 電気工事の実施 受変電設備や電気設備などの保守・管理
具体例 住宅や建物における電気設備の取り付けや配線工事など マンションやビル、商業施設などにおける高圧受変電設備の保守・管理

ちなみに、両方取得したいと考えている人は先に電気工事士から取得するのがおすすめです。

電気工事士の試験内容には、電気主任技術者に必要な電気の基礎知識も含まれているため、電気工事士の学習から始めるのが効率的でしょう。


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よくある質問

電気工事士と電気主任技術者の資格取得を目指す人によくある質問に答えます。


電気主任技術者を持っていると電気工事士の試験が免除になりますか?

第一種・第二種・第三種電気主任技術者のいずれかの免状を取得している場合、第一種および第二種電気工事士試験の学科試験が免除されます。

つまり、その場合に受けるのは技能試験のみで良いということです。

電気工事士と電気主任技術者ではどちらがむずかしいですか?

一般的には電気工事士よりも電気主任技術者試験の方が難易度が高いとされています。

直近5年間における電気工事士の合格率は60〜70%、電気主任技術者の合格率は10〜30%となっています。

通常、電気工事士の試験勉強には1〜2ヶ月で合格できる人もいますが、電気主任技術者試験には少なくとも半年から1年以上の勉強時間が必要とされます。


電気主任技術者は電気工事を実施できますか?

電気主任技術者の資格のみでは電気工事を実施できません。


電気主任技術者は、電気設備の保安管理や監督、指導に従事するための資格です。


そのため、電気工事の設計や施工、保守などの実務作業に関与することはできません。

電気工事を実施するためには、電気工事士の資格を取得しましょう。


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まとめ

電気工事士と電気主任技術者は、どちらも電気に関わる国家資格です。


電気工事の実務に従事したい方は電気工事士、一方、電気設備の管理や監督を担当したい方は電気主任技術者を目指しましょう。


まずはどのような仕事があるか、参考までに求人を覗いてみてはいかがでしょうか?


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