電験三種の免除条件は2つ!認定校の確認方法と必要な実務経験についても解説
電気主任技術者(電験)最終更新日:
電験三種の認定取得(免除制度)とは、必要な単位を修めて認定校を卒業し、必要な実務経験を満たすことにより、電験三種の試験を受験せずに電験三種の免状を取得できる制度のことです。
電験三種の科目合格制度については「電験三種の科目合格制度の詳細を解説」を参考にしてください。
この記事では、電験三種の認定取得(免除制度)について詳しく解説します。
電験三種は合格率10〜20%と難易度の高い資格であるため、試験を受けずに免状を取得できるならそれに越したことはありませんよね。
電験三種の免状を効率よく取得したい方は参考にしてみてください。
試験に合格して免状交付を行う場合は、【2024年最新】電験三種の免状取得条件と交付申請の方法を解説を参考にしてください。
電験三種の試験や仕事内容など、さらに詳しい情報が知りたい方は以下の記事を参考にしてください。
電験三種の認定取得(免除制度)とは?
電験三種の認定取得(免除制度)とは、特定の条件を満たすことにより、電験三種の試験を受験せずに電験三種の免状を取得できる制度のことです。
電験三種は合格率10~20%の難関資格ですが、認定取得(免除制度)を活用することで少ない労力で免状を取得することが可能です。
次では、電験三種の認定取得(免除制度)の条件を解説します。
電験三種の認定取得(免除制度)の条件
電験三種の認定取得(免除制度)を利用するには、以下条件の両方を満たしている必要があります。
①必要な単位を修めて認定校を卒業していること
電験三種を認定取得(免除制度)するための条件の1つ目は、必要な単位を修めて認定校を卒業していることです。
経済産業省が定める認定校の一覧は、電気主任技術者認定校一覧(経済産業省)をご確認ください。
※(第一種)(第二種)のページに記載があれば、電験三種の認定校としても扱われます。
認定取得(免除制度)に必要な単位は以下のとおりです。
■認定取得(免除制度)に必要な単位
- 電気理論、電子理論、電気計測及び電子計測に関するもの
- 発電所、蓄電所及び変電所の設計及び運転、送電線路及び配電線路(屋内配線を含む。以下同じ。)の設計及び運用並びに電気材料に関するもの
- 電気機器、パワーエレクトロニクス、電動機応用、照明、電熱、電気化学、電気加工、自動制御、メカトロニクス並びに電力システムに関する情報伝送及び処理に関するもの
- 電気法規(保安に関するものに限る。)及び電気施設管理に関するもの
ご自身が認定取得(免除制度)に必要な単位を取得して卒業しているかどうかは、卒業した学校にお問い合わせください。
②必要な実務経験を満たしていること
電験三種を認定取得(免除制度)するための条件の2つ目は、必要な実務経験を満たしていることです。
電験三種の認定取得(免除制度)に必要な実務経験の内容と年数は以下のとおりです。
■実務経験の内容と年数
学歴 | 実務経験の内容 | 実務経験年数※ |
---|---|---|
大学卒・大学院卒 | 電圧500V以上の電気工作物の工事、維持または運用 | 1年以上 |
短大卒・高専卒 | 2年以上 | |
高卒・その他 | 3年以上 |
参考:電気事業法の規定に基づく主任技術者の資格等に関する省令 第一条
※卒業前の経験年数は、経験年数×1/2でカウントする
(例)卒業前:2年×1/2 +卒業後:2年=実務経験年数:3年
「認定取得(免除制度)の必要書類と申請方法」で解説しますが、認定取得(免除制度)の申請には「実務経験証明書」が必要となります。
ご自身が必要な実務経験を積んでいるかどうかは、勤務している会社に確認するようにしましょう。
※転職等で複数社に属していた経験がある方は、以前働いていた会社にも確認してください。
条件に当てはまらない人の対処方法
認定取得(免除制度)の条件に当てはまらない人の対処方法について解説します。
認定校を卒業しているが必要な単位が不足している場合
認定校を卒業しているけれど必要な単位が不足している場合は、以下の2つの対処方法があります。
■対処方法
- 科目等履修生制度を活用する
- 不足単位分の試験に合格する
科目等履修生制度を活用する
認定校を卒業しているけれど必要な単位が不足している場合、科目等履修生制度を活用することで認定取得(免除制度)の利用が可能になります。
科目別履修生制度とは、卒業後3年以内に限り卒業した学校で不足単位分の履修が可能となる制度です。
詳しくは電気主任技術者免状交付に係る運用について(経済産業省)をご確認ください。
なお、科目等履修生制度の利用が可能かどうかは卒業した学校に問い合わせてください。
不足単位分の試験に合格する
認定校を卒業しているけれど必要な単位が不足している場合、不足している単位に相当する科目に合格することで認定取得(免除制度)の利用が可能になります。
不足している単位ごとに合格しなければならない科目が決まっています。
詳しくは不足単位の補完について(中部近畿産業保安監督部近畿支部)をご確認ください。
また、試験合格により補完できるのは「電力」「機械」「法規」のいずれか1科目、もしくは「電力+法規」「機械+法規」の場合のみですので注意してください。
■不足単位分の試験合格例
①「電力」の単位が不足している場合
「電力」を受験して合格し、認定取得の申請を実施
②「電力」「法規」の単位が不足している場合
「電力」と「法規」を受験して合格してから認定取得の申請を実施
「不足している単位」を卒業した学校に確認し、受験が必要な科目に合格してから認定取得の申請を行いましょう。
不安な方は、申請先の産業保安監督部に問い合わせてください。
必要な単位を取得して認定校を卒業しているが必要な実務経験が不足している場合
必要な単位を取得して認定校を卒業しているが必要な実務経験が不足している場合は、以下の対処方法があります。
■対処方法
- 必要な実務経験を積んでから認定取得(免除制度)する
- 電験三種の試験を受験する
すでに必要な実務経験を積める会社に勤務していれば、①の方法で認定取得(免除制度)するのもひとつの手です。
現在、実務経験を積める会社に勤務していない場合は、①の方法だと遠回りになるため②の方法がおすすめです。
電験三種を受験して取得する場合は、以下の記事を参考にしてください。
電験三種の勉強方法をはじめ、電験三種合格に繋がる情報を解説しています。
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認定校を卒業していない場合
認定校を卒業していない場合は、電験三種の試験を受験して取得する必要があります。
電験三種の試験を受験して取得する場合は、以下の記事を参考にしてください。
電験三種の勉強方法をはじめ、電験三種合格に繋がる情報を解説しています。
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認定取得(免除制度)の必要書類・申請方法・申請先一覧
電験三種を認定取得(免除制度)する場合の必要書類は以下の6つです。
■必要書類
- 主任技術者免状交付申請書(収入印紙 6,600円分の貼付要)
- 卒業証明書
- 単位取得証明書
- 実務経歴証明書
- 戸籍の抄本又は住民票等
- 免状送付用宛先用紙
申請書の様式や書き方などについては、電気主任技術者免状の交付申請に必要な書類の作り方をご確認ください。
上記の書類を揃え、お住まいの地域の産業保安監督部電力安全課に提出してください。
認定取得(免除制度)の申請先一覧は以下のとおりです。
■申請先一覧
管轄地域 | 申請先 |
---|---|
北海道 | 北海道産業保安監督部電力安全課 |
東北(詳細) | 関東東北産業保安監督部東北支部電力安全課 |
関東(詳細) | 関東東北産業保安監督部電力安全課 |
東海(詳細) | 中部近畿産業保安監督部電力安全課 |
北陸(詳細) | 中部近畿産業保安監督部北陸産業保安監督署 |
近畿(詳細) | 中部近畿産業保安監督部近畿支部電力安全課 |
中国(詳細) | 中国四国産業保安監督部電力安全課 |
四国(詳細) | 中国四国産業保安監督部四国支部電力安全課 |
九州 | 九州産業保安監督部電力安全課 |
沖縄 | 那覇産業保安監督事務所保安監督課 |
よくある質問(Q&A)
電験三種の認定取得(免除制度)に関するよくある質問をまとめました。
電験三種を認定取得(免除制度)で取得するのは恥ずかしいですか?
電験三種を認定取得(免除制度)で取得するのは恥ずかしいことではありません。
試験での取得でも認定取得(免除制度)でもできることは全く変わりません。
ただ、周りから低く見られる可能性はあるため、必要な知識・経験・スキルを身に着けておきましょう。
電験三種を取得していることで免除になる資格はありますか?
電験三種を取得していることで、以下の資格試験の一部が免除になります。
- 第一種・第二種電気工事士
- 消防設備士
- 電気工事施工管理技士
- 建築設備士 など
まとめ
この記事では以下について解説しました。
電験三種は試験に合格する方法だけではなく、認定取得(免除制度)によって免状を取得することが可能です。
認定取得(免除制度)を活用して、効率よく電験三種の免状をゲットしましょう。
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執筆者・監修者
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