工事担任者の免除制度とは?科目免除の内容をくわしく解説!
電気通信の工事担任者最終更新日:
あなたは工事担任者の試験に「科目免除」という制度があることをご存知ですか?
工事担任者の試験は、「基礎」「技術・理論」「法規」の3つの試験科目で構成されています。
科目免除とは、簡単に言えば試験を受けなくても試験科目(基礎、技術・理論、法規)のいずれかを合格したことにできるといった制度です。
この記事では、
・具体的な科目免除の内容
・どんな人が免除を申請できるのか
・申請の手続きの流れ
などを詳しくご紹介します。工事担任者として活躍したいという人にはぜひ知っておいてほしい制度なので、今後、試験を受ける予定がある方は参考にしてみてくださいね!
工事担任者の試験内容やできることについて知りたい方は電気工事の工事担任者ができること|電話や光回線等の工事・監督に必要な資格をご確認ください。
試験科目が免除される科目免除ってなに?
■工事担任者の試験は…
(1)電気通信技術の「基礎」
(2)端末設備の接続のための「技術・理論」
(3)端末設備の接続に関する「法規」
以上3つの試験科目で構成されています。この記事の中で「科目」は、上記の3つの試験科目を指すこととします。
■科目免除とは…
試験を受験する際に試験科目が一部免除、 または全科目免除されるといった制度です。
一部免除は3科目のうち1つもしくは2つが免除され、 全科目免除は3科目全てが免除されます。
科目免除は、例えば、次のようなケースで使われています。
第二級デジタル通信を受験
⇒「基礎」のみ合格
⇒次回の試験を受験する際、「技術・理論」と「法規」だけ受ける。
(基礎は既に合格しているので、試験を免除できる=基礎の科目を免除)
■また、工事担任者の資格には…
第一級・第二級アナログ通信、第一級・第二級デジタル通信、総合通信
(※旧資格:AI第一種~第三種、DD第一種~第三種、AI・DD総合種)
以上の5種類があります。この記事の中で「工事担任者の資格」は、上記の資格のこと全体を指しています(個別で資格を指すときは、それぞれの名称で記載します)。
なお、資格名称の変更については「注意!2021年4月から資格名称が変更に」をご確認ください。
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科目免除を申請できるのはこんな人
この免除制度は、当然ながら、工事担任者の試験を受験したい人全員が利用できるというわけではありません。
例えば「これまでに工事担任者の試験を受験したことが無く、工事担任者の実務の経験も無い人」は免除の対象外となります。そんな方はまず、工事担任者試験の3科目を一通り受験してみましょう。
工事担任者の免除制度を利用できるのは、例えば、下記のいずれかに該当する人です。
・「直近3年以内に、工事担任者の試験を受験して、合格している科目がある人」
・「工事担任者の資格のいずれかを既に取得済みで、上位資格を受験予定の人」
・「電気通信工事で端末設備等を接続する工事について、所定の実務経歴がある人」
・「電気通信主任技術者や無線従事者(陸上特殊無線技士など)の資格を持っている人」
・「総務大臣が認定した学校で、教育課程を修了している人、または修了見込みの人」
免除制度を利用したい場合は、工事担任者試験の申し込み時に電気通信国家試験センターに免除内容を申請しなければいけません。免除申請を行い、審査が通ったらこの免除制度を利用することが出来ます。
申請に関する内容は、下記の「工事担任者試験の免除申請に関するQ&A」に詳しく記載していますので、あわせてご確認ください。
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科目免除の具体的な6つの内容
次は、科目免除の具体的な内容について、もう少し詳しく見ていきましょう。
科目免除には、下記の6種類があります。
・科目合格による免除
・工事担任者の資格による免除
・工事担任者以外の資格による免除
・実務経歴による免除
・認定学校修了者に対する免除
・全科目免除
上記の免除の中で、特に多く利用されているのは、科目合格による免除、資格による免除、実務経歴による免除です。以下、順番に説明していきます。
【科目合格による免除】について
免除制度は、過去に工事担任者の試験を受験して、合格している科目がある人が利用できる制度です。
下記の表は合格している科目がある場合に、次の試験で免除される科目を表しています。
【表の見方】
・表の左側は合格している試験科目を指しています。
・表の上側は次回の試験で受験する資格を指しています。
・表内の「●」は免除される科目を指しています。
・表内の「※」がついた資格は旧資格です。
・表内の「☆」は、上下の表で☆がついている別資格の同科目を組み合わせることで、免除を受けられます(参考:見方3)。
(見方1)
第一級アナログ通信の「基礎」に合格している場合、総合通信を受験する際に「基礎」が免除されます。
(見方2) 第二級デジダル通信の「法規」に合格している場合、第二級アナログ通信を受験する際に「法規」が免除されます。
(見方3) 第一級アナログ通信の「法規」と、旧資格のDD第一種の「法規」両方に合格している場合、総合通信を受験する際に「法規」が免除されます。
▽アナログ通信およびAI種(旧資格)の科目に合格している場合
▽デジタル通信およびDD種(旧資格)の科目に合格している場合
※参考:(一財)日本データ通信協会 電気通信国家試験センター「試験科目の試験免除」
※注:表内では、資格の名称を下記のように省略して表しています。
「二級アナ=第二級アナログ通信/二級デジ=第二級デジタル通信/AI三種=AI第三種/DD三種=DD第三種/AIDD総合=AI・DD総合種」
なお、一部科目の免除申請ができる有効期間は、科目合格した試験が行われた月の翌月の初めから起算して3年間です。
・定期試験で科目合格した場合、3年以内に実施される最後の試験の申請受付期限まで
・CBT方式で科目合格した場合、有効期間の最終日の30日前まで
▽こんな人が利用しています!
(例1)
2020年11月の試験でDD第三種を受験 ⇒「基礎」のみ合格した人のパターン
2020年11月の試験で「基礎」は既に合格しているので、次回行われる第二級デジタル通信の試験では
「技術・理論」と「法規」だけ受験する。
= 「基礎」の科目免除を利用
(例2)
2021年5月の試験でAI第一種を受験 ⇒「基礎」のみ合格した人のパターン
2021年5月の試験でAI第一種の「基礎」に合格しているので、次回行われる総合通信の試験では「技術・理論」と「法規」だけ受験する。
=「基礎」の科目免除を利用
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【資格による免除】について
この免除制度は、工事担任者の資格のうち、いずれかを持っている人が利用できる制度です。
下記の表は、合格している資格がある場合に、次の試験で免除される科目を表しています。
【表の見方】
・表の左側はすでに合格している資格を指しています。
・表の上側はこれから受験する資格を指しています。
・表内の斜線は、同じ資格と下位資格、および新旧の対応する資格です。
・表内の「基」や「法」は、免除される科目を指しています(基=基礎/法=法規)。
・表内の「※」がついた資格は旧資格です。
・表内の「※※」がついた資格は、旧資格よりさらにひとつ前の世代の資格名称です。
(見方1)
第一級アナログ通信に合格している場合、総合通信を受験する際に「基礎」が免除されます。
(見方2)
AI第三種(※)に合格している場合、第二級デジタル通信を受験する際に「基礎」と「法規」が免除されます。
(見方3)
デジタル第一種(※※)に合格している場合、総合通信を受験する際に「基礎」が免除されます。
【工事担任者の新旧資格による免除科目】
合格している資格 | 受験する資格 | ||||
---|---|---|---|---|---|
二級アナ | 一級アナ | 二級デジ | 一級デジ | 総合通信 | |
二級アナ | 基・法 | ||||
一級アナ | 基・法 | 基 | 基 | ||
二級デジ | 基・法 | ||||
一級デジ | 基・法 | 基 | 基 | ||
※AI(3) | 基・法 | ||||
※AI(2) | 基 | 基・法 | 基 | 基 | |
※AI(1) | 基・法 | 基 | 基 | ||
※DD(3) | 基・法 | ||||
※DD(2) | 基・法 | 基 | 基 | 基 | |
※DD(1) | 基・法 | 基 | 基 | ||
※※アナ・デジ総合 | 基・法 | 基・法 | 基・法 | 基・法 | 基・法 |
※※アナ(3) | 基・法 | 基・法 | |||
※※アナ(2) | 基・法 | 基 | 基・法 | 基 | 基 |
※※アナ(1) | 基・法 | 基・法 | 基・法 | 基 | 基 |
※※デジ(3) | 基・法 | 基・法 | |||
※※デジ(2) | 基・法 | 基 | 基・法 | 基 | 基 |
※※デジ(1) | 基・法 | 基 | 基・法 | 基・法 | 基 |
※参考:(一財)日本データ通信協会 電気通信国家試験センター「試験科目の試験免除」
※表内では資格名称を省略して記載しています。
「二級アナ=第二級アナログ通信/二級デジ=第二級デジタル通信/AI(3)=AI第三種/DD(3)=DD第三種/アナ(3)=アナログ第三種/デジ(3)=デジタル第三種/アナ・デジ総合=アナログ・デジタル総合種」
※「技術・理論」は免除の対象外なので、必ず受験しなければいけません。
加えて、総合通信を受験する場合は、表のほかに、2つの取得済み資格を組み合わせることで「法規」が免除される場合があります。
総合通信の「法規」が免除される資格の組み合わせは、以下のとおりです。
・第一級アナログ通信+デジタル第一種(※※)
・第一級デジタル通信+アナログ第一種(※※)
・AI第一種(※)+デジタル第一種(※※)
・DD第一種(※)+アナログ第一種(※※)
・アナログ第一種(※※)+デジタル第一種※※)
また、「工事担任者の資格+科目合格」の組み合わせで、「技術」や「法規」が免除される可能性があります。
総合通信の「技術」が免除される資格と科目合格の組み合わせは、以下のとおりです。
・第一級アナログ通信+第一級デジタル通信の「技術」科目合格
・第一級アナログ通信+DD第一種(※)の「技術」科目合格
・第一級デジタル通信+第一級アナログ通信の「技術」科目合格
・第一級デジタル通信+AI第一種(※)の「技術」科目合格
・AI第一種(※)+第一級デジタル通信の「技術」科目合格
・AI第一種(※)+DD第一種(※)の「技術」科目合格
・DD第一種(※)+第一級アナログ通信の「技術」科目合格
・DD第一種(※)+AI第一種(※)の「技術」科目合格
総合通信の「法規」が免除される資格と科目合格の組み合わせは、以下のとおりです。
・第一級アナログ通信+第一級デジタル通信の「法規」科目合格
・第一級アナログ通信+DD第一種(※)の「法規」科目合格
・第一級デジタル通信+第一級アナログ通信の「法規」科目合格
・第一級デジタル通信+AI第一種(※)の「法規」科目合格
・AI第一種(※)+第一級デジタル通信の「法規」科目合格
・AI第一種(※)+DD第一種(※)の「法規」科目合格
・DD第一種(※)+第一級アナログ通信の「法規」科目合格
・DD第一種(※)+AI第一種(※)の「法規」科目合格
・アナログ第一種(※※)+第一級デジタル通信の「法規」科目合格
・アナログ第一種(※※)+DD第一種(※)の「法規」科目合格
・デジタル第一種(※※)+第一級アナログ通信の「法規」科目合格
・デジタル第一種(※※)+AI第一種(※)の「法規」科目合格
▽こんな人が利用しています!
(例1)
第一級デジタル通信の資格を持っている人のパターン
第一級デジタル通信の資格を持っていると、総合通信の「基礎」が免除されるので、「技術・理論」と「法規」だけ受験する。
= 「基礎」の科目免除を利用
(例2)
アナログ・デジタル総合種(※※)の資格を持っている人のパターン
アナログ・デジタル総合種(※※)の資格を持っていると、総合通信の「基礎」と「法規」が免除されるので、「技術・理論」だけを受験する。
= 「基礎」と「法規」の科目免除を利用
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【その他の資格による免除】について
この制度は、電気通信主任技術者の資格をお持ちの方や、無線従事者(無線通信士 等)などが利用できます。基本的には、第一級・第二級アナログ通信、第一級・第二級デジタル通信、総合通信を受験する場合すべてで適用されます(例外は表内に記載)。
下記の表は、電気通信主任技術者や無線従事者(無線通信士 等)の資格を持っている場合に、工事担任者の試験で免除される科目を表しています。
【表の見方】
※表の左側は、保有している資格を指しています。※表の右側は、工事担任者の試験で免除される科目を指しています。
【その他の資格による免除科目】
保有している資格 | 免除される科目 |
---|---|
電気通信主任技術者 | 基礎 |
法規 | |
第一級陸上無線技術士 | 基礎 |
第二級陸上無線技術士 | |
第一級総合無線通信士 | |
第二級総合無線通信士 | |
第一級海上無線通信士 | |
第二級海上無線通信士 | |
電気通信工事施工管理技術検定合格者(注) | |
第三級総合無線通信士 | 基礎(第二級アナログ通信または第二級デジタル通信の試験を受験する場合に限る) |
※参考:(一財)日本データ通信協会 電気通信国家試験センター「試験科目の試験免除」
※注:「建設業法第27条第1項の規定による技術検定のうち検定種目を電気通信工事施工管理とするものに合格した者(ただし、二級の第一次検定に必要な試験にのみ合格した者を除く。)」(上記参考サイトより引用)
★「電気通信工事施工管理技術検定」についてはこちら!
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【認定学校修了者に対する免除】について
この制度は、総務大臣が認定した学校で教育課程を修了した人が工事担任者を受験する場合、「基礎」の科目が免除される制度です。
認定学校とは、電気通信に関する教育課程を設置している高等学校、専門学校および大学などの申請により、総務大臣が認定した教育施設のことを言います。
具体的な認定学校については、(一財)日本データ通信業界 電気通信国家試験センターの「認定学校検索」でご確認ください。
なお、この免除制度を利用する際は、出身学校の「修了証明書」を、定期試験の申請受付期間内(CBT方式は試験申請時)に電気通信国家試験センターへ提出する必要があります。
また、終了見込み者も、以下の2条件を満たせば「基礎」の免除を受けられる可能性があります(CBT方式による試験申請の場合、修了見込証明書による申請は、試験科目免除の対象外)。
条件1:「修了見込証明書」を申請締切日までに提出
条件2:試験実施日の45日前までに「修了証明書」を提出
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【実務経歴による免除】について
この免除制度は、工事担任者の工事範囲である、端末設備等を接続するための工事の経験がある人が利用できる制度です。(端末設備とは…電話機・パソコン・ブロードバンドルーター・ホームセキュリティーシステム・モデム など)
下記は、受験予定の試験種別それぞれに必要な実務経験および期間(実務経歴)と、免除の組み合わせを挙げています。
(見方)
第二級アナログ通信を受験する場合、「端末設備などを接続するための工事に1年以上携わっていた実務経歴がある方」は、「基礎」が免除されます。
<用語の説明>
◎端末設備:電気通信回路設備の一旦に接続される電気通信設備
(構内または建物内にあるもの)
◎アナログ伝送設備:アナログ信号を入出力する電気通信回路設備
◎デジタル伝送設備:デジタル信号を入出力する電気通信回路設備
◎総合デジタル通信設備:いわゆるISND(デジタル信号でデータを転送する回線)のこと
◇第二級アナログ通信の場合
●「端末設備などを接続するための工事に1年以上」→免除科目:「基礎」
●「アナログ伝送設備に端末設備などを接続するための工事、または総合デジタル通信用設備に端末を接続するための工事に2年(注)以上」→免除科目:「基礎」「技術」
※注:電気通信主任技術者の資格を持っていて、第二級アナログ通信を受験する場合は、実務経歴1年以上あれば「技術」の科目免除を申請できる。なお、この場合、経歴証明書を提出。
◇第一級アナログ通信の場合
●「端末設備などを接続するための工事に1年以上」→免除科目:「基礎」(注1)
※注1:対象者は、第二級アナログ通信、第二級デジタル通信、AI第三種、DD第三種、アナログ第三種、デジタル第三種の有資格者に限ります。また実務経歴として、その資格の取得後に1年以上の経験が必要です。
●「端末設備などを接続するための工事に2年以上」→免除科目:「基礎」
●「アナログ伝送路設備に端末設備などを接続するための工事(電気通信回線の数が51以上のものに限る。)または、総合デジタル通信用設備に端末設備などを接続するための工事(総合デジタル通信回線の数が毎秒64キロビット換算で51以上のものに限る。)に3年以上(注2)」→免除科目:「基礎」「技術」
※注2:詳細は(一財)日本データ通信協会 電気通信国家試験センター「免除科目 第一級アナログ通信」をご確認ください。
◇第二級デジタル通信の場合
●「端末設備などを接続するための工事に1年以上」→免除科目:「基礎」
●「デジタル伝送路設備に端末設備などを接続するための工事(総合デジタル通信用設備により信号を伝送するものを除く。)に2年以上」→免除科目:「基礎」(注)
※注:対象者は、第二級アナログ通信、第二級デジタル通信、AI第三種、DD第三種、アナログ第三種、デジタル第三種の有資格者に限ります。また実務経歴として、その資格の取得後に1年以上の経験が必要です。
◇第一級デジタル通信の場合
●「端末設備などを接続するための工事に1年以上」→免除科目:「基礎」(注1)
※注1:対象者は、第二級アナログ通信、第二級デジタル通信、AI第三種、DD第三種、アナログ第三種、デジタル第三種の有資格者に限ります。また実務経歴として、その資格の取得後に1年以上の経験が必要です。
●「端末設備などを接続するための工事に2年以上」→免除科目:基礎
●「デジタル伝送路設備に端末設備などを接続するための工事(接続点におけるデジタル信号の入出力速度が毎秒100メガビット(主としてインターネットに接続するための回線にあっては、毎秒1ギガビット)を超えるものに限る。)に3年以上(注2)」→免除科目:「基礎」「技術」
※注2:詳細は(一財)日本データ通信協会 電気通信国家試験センター「免除科目 第一級デジタル通信」をご確認ください。
◇総合通信の場合
●「端末設備などを接続するための工事に1年以上」→免除科目:「基礎」(注1)
※注1:対象者は、第二級アナログ通信、第二級デジタル通信、AI第三種、DD第三種、アナログ第三種、デジタル第三種の有資格者に限ります。また実務経歴として、その資格の取得後に1年以上の経験が必要です。
●「端末設備などを接続するための工事に2年以上」→免除科目:「基礎」
●「アナログ伝送路設備に端末設備などを接続するための工事(電気通信回線の数が51以上のものに限る。) または、総合デジタル通信設備に端末設備などを接続するための工事(総合デジタル通信回線の数が毎秒64キロビット換算で51以上のものに限る。) 並びに、デジタル伝送路設備に端末設備などを接続するための工事(接続点におけるデジタル信号の入出力速度が毎秒100メガビット(主としてインターネットに接続するための回線にあっては、毎秒1ギガビット)を超えるものに限る。)にそれぞれ3年以上(注2)」→免除科目:「基礎」「技術」
※注2:詳細は(一財)日本データ通信協会 電気通信国家試験センター「免除科目 総合通信」をご確認ください。
なお、総合通信については、「科目合格+実務経歴」や「工事担任者資格+実務経歴」の組み合わせで、「技術」が免除される可能性があります。
総合通信の「技術」が免除される科目合格と実務経歴の組み合わせは、以下のとおりです。
・第一級アナログ通信の「技術」科目合格+第一級デジタル通信の実務経歴(技術)
・第一級デジタル通信の「技術」科目合格+第一級アナログ通信の実務経歴(技術)
・AI第一種(旧資格)の「技術」科目合格+第一級デジタル通信の実務経歴(技術)
・DD第一種(旧資格)の「技術」科目合格+第一級アナログ通信の実務経歴(技術)
総合通信の「技術」が免除される工事担任者資格と実務経歴の組み合わせは、以下のとおりです。
・第一級アナログ通信+第一級デジタル通信の実務経歴(技術)
・第一級デジタル通信+第一級アナログ通信の実務経歴(技術)
・AI第一種(旧資格)+第一級デジタル通信の実務経歴(技術)
・DD第一種(旧資格)+第一級アナログ通信の実務経歴(技術)
▽こんな人が利用しています!
(例)無資格・未経験で電気通信工事の会社に入社した人のパターン
現場で端末設備などを接続するための工事に1年以上従事⇒ 経験を積んだ後に第二級デジタル通信を受験しようと思っている。
端末設備などを接続するための工事に1年以上従事した実務経歴があれば、第二級デジタル通信の「基礎」が免除されるので、「技術」と「法規」だけ受験する。
= 基礎の科目免除を利用
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【全科目免除】について
この制度は、科目合格・資格・実務経歴・認定学校修了の免除制度を利用することで、「基礎」「技術」「法規」の3科目全てが免除される制度です。
~全科目免除の例:第一級デジタル通信を受験したい場合~
◇CASE1)科目合格と実務経歴の組み合わせ
第一級デジタル通信の全科目を受験⇒「基礎」「法規」のみ合格⇒現場で実務経歴を積み、第一級デジタル通信の「技術」科目の免除要件を満たした
⇒「合格科目2科目」+「実務経歴」による免除により、全科目の免除を申請(実務経歴の審査で合否判定)
◇CASE2)他の資格も受験した時の科目合格の組み合わせ
第一級アナログ通信と第一級デジタル通信をダブル受験⇒第一級アナログ通信で「基礎」に合格し、第一級デジタル通信で「技術」「法規」に合格
⇒「第一級アナログ通信の『基礎』合格による、第一級デジタル通信の『基礎』免除」+「第一級デジタル通信の2科目合格」で全科目の免除を申請
◇CASE3)旧資格・その他の資格などと実務経歴の組み合わせ
電気通信主任技術者の資格保有により、第一級デジタル通信の「基礎」「法規」が免除
⇒現場で実務経歴を積み、第一級デジタル通信の「技術」科目の免除要件を満たした
⇒「保有資格による第一級デジタル通信の「基礎」「法規」免除」+「実務経歴」による「技術」免除により、全科目の免除を申請(実務経歴の審査で合否判定)
なお、全科目免除申請の中で、一部科目の合格による科目免除を使う場合、免除申請ができるのは科目合格した試験が行われた月の翌月の初めから起算して3年間です。
・定期試験で科目合格した場合、3年以内に実施される最後の試験の申請受付期限まで
・CBT方式で科目合格した場合、有効期間の最終日の90日前まで
【注意!】
全科目の免除申請は、受付期間に関わらずいつでも申請が可能です。
ただし、申請受付後の審査により全科目免除にならない場合があります。その際は審査完了後、直近の試験日に試験を受験することになります。
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工事担任者試験の免除申請に関するQ&A
工事担任者の免除制度を利用するにあたって、とても重要なのが免除の申請方法です。
「どこに申請すればいいの?」「いつまでに申請すればいいの?」などと疑問があったままでは、いざ申請しようとしたときに考え込んでしまいますよね。
ここからは、実際に免除申請をしたいときに手続きがスムーズに進むよう、Q&A方式で免除申請に関するさまざまな疑問を解決していきたいと思います。
先程ご紹介した、科目免除の具体的な6つの内容とセットで一緒に覚えておくと、とても便利ですよ!
Q)科目免除の申込方法は?
A)科目免除の申請および証明書類の提出は、インターネットによる申請およびアップロードが原則とされています。試験機関である電気通信国家試験センターの受験案内の画面から、申請手続きができます。
アップロードができない場合のみ、電子メールや郵送などによる申請を受け付けています。
郵送を希望される場合は、名前(フリガナ)、住所、生年月日、申請受付番号、試験種別を明記し、申請期限までに電気通信国家試験センターに提出してください。
Q)どこに申請すればいいの?
A)科目免除の申請に関する書類のアップロード(提出)先は、電気通信国家センターです。提出期限は試験の受付締め切り日までです。
Q)免除申請をする際の必要書類等はあるの?
A)
(1)科目合格による免除申請の場合
結果通知書(写)のアップロード(提出)は不要です。
(2)資格による免除申請の場合
証明書類のアップロード(提出)は不要です。資格者証または免許証の番号、取得年月日の入力により免除を受けられます。
(3)実務経歴による免除申請の場合
いくつかの書類アップロード(提出)が必要です。詳しくは次のQ&A(実務経歴による免除申請)をご覧ください。
(4)認定学校修了者に対する免除申請の場合
試験申請時に修了証明書をアップロード(提出)する必要があります。
Q)科目合格で、試験科目の免除申請ができる有効期限は?
A)科目の免除申請ができる有効期間は、科目合格した試験が行われた月の翌月の初めから起算して3年間です。
具体的な期限は、定期試験での科目合格なのか、CBT方式での科目合格なのかによって、若干異なります。
定期試験で科目合格した場合、一部科目の免除申請・全科目免除申請とも、科目合格した試験が行われた月の翌月のはじめから起算して、3年以内の最期の定期試験の申請受付期間最終日までです。
CBT方式で科目合格した場合、一部科目の免除申請は有効期間の最終日の30日前まで、全科目免除申請は有効期間の最終日の90日前までです。
Q)実務経歴による免除申請の方法は?
A)電気通信国家試験センター公式サイトにある所定の経歴証明書に、受験する資格に相当する実務経歴を記載します。そして、その工事を監督した工事担任者資格者と勤務先の代表者の証明を受けて、試験申請と一緒にアップロード(提出)します。
また、工事を監督した工事担任者の資格者証の写しなど、必ず添付を要する書類のアップロード(提出)が必要です。
経歴証明書の申請について不明な点は、電気通信国家試験センターにお問い合わせください。
(一財)日本データ通信協会 電気通信国家試験センター「お問い合わせ」
Q)全科目免除の申請がしたい。いつまでに申請すればいい?
A)全科目の免除申請は、試験の申し込み受付期間以外でも申請可能です。
ただし、科目合格による免除との組み合わせで全科目免除を申請する場合は、科目合格による免除の有効期限がありますので、ご注意ください。
Q)科目免除によって試験に合格しました。資格者証が欲しい場合、6ヶ月以内までなら交付申請は間に合う?
A)間に合いません!資格者証の交付申請は、合格した日から3ヶ月以内が期限です。
※期限を過ぎると申請できなくなるので、注意してください。
Q)第一級アナログ通信と第一級デジタル通信を既に取得済みで、総合通信の資格を取りたい場合、試験を受けなければいけないの?
A)総合通信の試験は受けなくても大丈夫です。資格者証を取得したい場合は、総務省に資格者証の交付申請をしなければいけません。
(既に取得済みの資格による交付申請の場合、期限は定められていないので、いつでも申請可能です)
Q)試験に合格した場合は、電気通信国家試験センターに資格者証を交付申請すればよい?
A)試験に合格した場合の資格者証は、総務省に交付申請してください。
※試験の申し込み・科目の免除申請等は、日本データ通信協会電気通信国家試験センターに申請してください。
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まとめ
今回は、電気通信の工事担任者試験の「科目免除」について詳しく解説してきました。
工事担任者は、電気通信工事業界の中でも特に有名な資格なので、受験者数がとても多く、毎年多くの工事担任者が誕生しています。
この記事を読んでくださった方の中にも、「工事担任者の資格を取って活躍したい!」「将来の為にスキルアップしたい!」など、さまざまな目標を持った方がいることでしょう。
今後、工事担任者の資格取得を目指す上で、この免除制度は必ずあなたの味方になってくれるはずです。
この記事が工事担任者の資格取得を目指すあなたにとって、少しでも役に立てば幸いです!
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執筆者・監修者
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