工事担任者DD3種|資格取得のメリットと試験の難易度を解説

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目次

DD3種の資格は、工事担任者の7つの資格の中でもっとも受験者数の多い人気の資格です。この記事を読んでくださっている方の中にも、「DD3種を受験する」もしくは「受験しようか迷っている…」と思っている方がいるのではないでしょうか?


この記事では、実際にDD3種を取得して現場で働いている人やDD3種受験者の、体験エピソードを用いながら、工事担任者 DD3種の資格について様々な視点から解説していきたいと思います。今後、DD3種を受験しようと思っている方のご参考になれば幸いです。


『工事担任者 DD3種』 の資格とは

工事担任者のDD3種の資格は、正式名称で 『工事担任者 DD第3種』と言います。


実際の現場では、「工事担任者 DD3種」や「DD3種」と略称で呼ばれている事も多く、こちらの方が聞き慣れているという方もいらっしゃるでしょう。

この記事の中でも、略称の「DD3種」でお話していきます。工事担任者の試験を受ける際、必須条件や受験資格はなく年齢・経験年数などの制限はないので、どなたでも受験が可能です。

また、DD3種は、工事担任者のDD種の中で一番難易度が低いため、DD種の登竜門として、学生から大人まで幅広い世代がこの資格を受験しています。


DD3種の資格は、デジタル伝送路設備(デジタル信号を入出力する電気通信回線設備)に端末設備等を接続するための工事に必要な資格です。(接続点におけるデジタル信号の入出力速度が1ギガビット以下のものであって、主にインターネットに接続するための回線に係るものに限る)ただし、総合デジタル通信用設備に端末設備等を接続するための工事を除きます。


【DD3種の資格を持っていると接続できる端末設備】
IP電話機・パソコン・ブロードバンドルータ・ホームセキュリティシステム端末、映像受信端末等(主に一般家庭などで、上記のような端末設備を接続する際に必要な資格と覚えておくとよいでしょう)


▽IP電話機


▽パソコン


▽ブロードバンドルータ


実際の現場では、ブロードバンドルータから電話用ケーブルを引いて端末を接続し電話機を使えるように工事したり、パソコンへ回線をつないでインターネットを使えるようにしたりする工事を行います。 一般家庭を対象とした電気通信工事を行っている会社などでは、非常に役に立つ資格と言えるでしょう。



DD3種を取得するメリットは?

次に、DD3種の資格を取得した際のメリットを見ていきましょう。

▽工事担任者 DD3種の取得メリット
(1)技術力の証明になる
(2)転職時に有利になる
(3)情報通信エンジニアの資格も取得できる


(1)技術力の証明になる
工事担任者の資格に合格すると資格者証が交付され、技術力の証明書として、あなたの武器になります。実際に一般家庭などへ工事に行った際には、技術者としてお客様に安心感を与えることができるので、信頼も高まることでしょう。

また資格を取得したことで社内からの評価も上がり、給料が上がったり、 手当がついたりする可能性もあります。


(2)転職時に有利になる
電気通信工事の業界は技術職なので、自分の持っている知識や技術を証明できるものがあれは、転職時にとても有利です。例えば面接時などに、「DD第3種の資格を持っています。

現場で経験を積み、更に上位資格の取得を目指して頑張りたいと考えています。」というような意欲を示せば、企業側に好印象を与えることができ、転職成功へ1歩近づくでしょう!


(3)情報エンジニアの資格も取得できる
情報通信エンジニアの資格は、最新の技術・知識を習得している工事担任者である事を、お客さんに証明できる資格です。

この資格を取れるのは、「DD第1種~第3種およびAI・DD総合種のいずれかの資格者証の交付日から1年未満の人」、または「DD第1種~第3種およびAI・DD総合種のいずれかの資格者証の交付日から1年以上経過した人で、協会が別に指定する研修を修了した人」が対象になります。



情報通信エンジニアの資格には、大規模工事等に従事する「ビジネス」と一般家庭を中心とした工事に従事する「ホーム」の2種類があります。

DD1種、AI・DD総合種の資格を持っていると情報通信エンジニアの「ビジネス」の資格を申請でき、DD2種・DD3種の資格を持っていると情報通信エンジニアの「ホーム」の資格を申請できます。

AI種の資格では申請できない資格なので、DD種ならではのメリットだと思います。


DD3種の難易度

続いては、工事担任者 DD3種の資格試験の難易度について見ていきましょう。

合格率から見た難易度

まずは下記のグラフをご覧ください。このグラフは工事担任者 DD種の試験の合格率をまとめたものです。(過去5回分)


・【一般財団法人電気技術者試験センター 電気通信工事担任者試験統計情報】を参照
・合格率 = 合格者数 ÷ 受験者数


上記のグラフを見ると、DD3種は3つの資格(DD1種~DD3種)の中で、一番合格率が高いということが分かります。DD3種の合格率の平均は40%ほどで、決して高いというわけではありませんが、3つの中では比較的合格を狙いやすい資格であるということが言えるでしょう。


またDD3種の合格率40%と比較すると、DD2種の合格率は平均約15%で、DD1種の合格率は平均約20%程度になります。

こうして数字を見ると、工事担任者の試験に受験資格が無いとはいえ、 いきなりレベルの高い資格に挑むという事はかなりの難関だという事が分かりますね。

確実な資格GETを狙いたいという方であれば、やはり一番難易度の低い、 DD3種から取得していく事をオススメします。


出題範囲から見た難易度

次は、実際の試験で出題される、DD3種の具体的な出題範囲を見てみましょう。
試験科目は「基礎」「技術・理論」「法規」の3つです。



科目1:電気通信技術の基礎
(1)電気工学の初歩
電気回路:直流回路、電磁作用、静電容量、交流回路など
電子回路:半導体素子、ダイオード・トランジスタ回路など
論理回路:論理式とシンボル、論理回路と入出力信号、データの表現(10進法・2進法)など

(2)電気通信の初歩
伝送理論:伝送量の単位、特性インピーダンス、反射とインピーダンス整合、漏話など
伝送技術:AM変調、FM変調、FSK変調、PSK変調、光変調、波長分割多重(WDM)、PMC、周波数分割多重(FDM)、時分分割多重(TDM)など



【出題例】
Q,下記の回路において、端子a-b間の合成抵抗は、◯◯オームである。
◯◯の選択肢 :(1)1.6  (2)2.0 (3)2.4



基礎科目は、上記のような回路図を用いた、計算問題が多く出題されている傾向にあります。受験者の方の中には「計算問題が苦手」という人も多いようです。基礎科目は他2つの科目に比べて問題数も多く、計算問題から、当てはまる言葉を選ぶ選択問題まで幅広く出題されます。


基礎科目の中では、計算問題をクリアすることが一番の難関なのではないでしょうか。勉強の方法は人それぞれですが、多くの方は、「これまでの過去問を沢山解いて、出題のパターンと計算式を覚える」といった方法で攻略しているようでした。


科目2:端末設備の接続のための技術及び理論
(1)端末設備の技術
DSLモデム、スプリッタ/IP電話機/LAN、その他の端末機器

(2)ネットワークの技術
データ通信技術/ブロードバンドアクセスの技術/IPネットワークの技術

(3)情報セキュリティの技術
情報セキュリティの概要/端末設備とネットワークのセキュリティ

(4)接続工事の技術
ブロードバント回線の工事と工事試験/ホームネットワーク等の設計・配線工事と工事試験



【出題例】
Q,アナログ電話サービスの音声信号などとADSLサービスの信号を分離・合成する機器である◯◯は、受動回路素子で構成されている。
◯◯の選択肢:(1)ADSLスプリッタ (2)ADSLモデム(3)VoIPアダプタ


Q,ネットワークインターフェースカード(NIC)に固有に割り当てられた物理アドレスは、一般的に、◯◯アドレスといわれ、6バイトで構成される。
◯◯の選択肢:(1)ネットワーク(2)ホスト(3)MAC



技術・理論科目では、上記のような文章に当てはまる単語を入力するといった問題が多く出題されます。 過去問を繰り返し解いて、暗記で攻略するといった方法が無難かと思われますが、こちらも基礎科目と同様に出題範囲が広いので、暗記するとなると膨大な数を覚えなくてはいけません。

勉強をしていく中で、単語だけを覚えるのではなく、 問題の文章とセットで覚えておくと、ひっかけ問題などにも対応できますよ!

科目3:端末設備の接続に関する法規>
(1)電気通信事業法及びこれに基づく命令の大要
電気通信業法、電気通信事業法施行規則、工事担任者規則
端末機器の技術基準適合認定等に関する規則、端末設備規則

(2)有線電気通信法及びこれに基づく命令の大要
有線電気通信法、有線電気通信設備令

(3)不正アクセス行為の禁止等に関する法律の大要



【出題例】
Q,アナログ電話端末の「選択信号の条件」における押しボタンダイヤル信号について述べた次の文章のうち、誤っているものは◯◯である。

◯◯の選択肢:
(1)ダイヤル番号の周波数は、低郡周波数のうち一つと高群周波数のうち一つとの組み合わせで規定されている。
(2)低郡周波数は、600ヘルツから900ヘルツまでの範囲内における特定の四つの周波数で規定されている。
(3)ミニマムポーズとは、隣接する信号間の休止時間の最小値をいう。



法規科目では、主に規則や法律などについての問題が出題されます。 上記のように、選択肢の中から誤っているもの選んで解答したり、単語の意味を回答するといった問題が多いようです。


法規については、過去問をひたすら解くことによって出題傾向を掴むという勉強方法が一番合っているのではないかと思います。 単語の意味を覚える時は、ノートに書きこんだり、声に出して音読したりすると暗記しやすいですよ!



試験日までの勉強方法・勉強時間

ここからは、DD3種の資格試験を実際に受験された方・取得された方の、試験までの勉強方法や受験の体験エピソードを紹介します。

また、試験を受ける際の様々な疑問や悩みにもお答えしていきたいと思います。 今後、DD3種の資格を取ろうと思っている方は、ぜひご参考にして下さい。


わたしが実際に試した勉強方法

わたしは今年の2017年の12月に、インターネット回線の工事を行う会社に未経験で就職しました。経験が無い上、資格も持っていなかったので、せめて資格だけはと思い会社の先輩に相談したところ、「工事担任者のDD種をとってみれば?」と教えて頂きました。

DD種の中で一番難易度の低いDD3種なら、自分でも合格できるかなと思い、5月に行われる試験を受験することに決定。試験までには余裕があったので勉強自体は、約3ヶ月前の2月中盤位から始めました。


まずは書店でDD3種のテキストと過去問を買い、自分がどれくらい解けるのかを試してみました。1回目の結果は撃沈…。特に、基礎科目の回路図の計算問題は0点で、 このままではヤバいと焦りを感じるようになりました。

過去問を何回か繰り返し解いているうちに、自分は暗記系が得意だという事に気づいたので、勉強時間を、計算問題のある基礎科目に集中させました。仕事から帰ってきた後や仕事の休憩中などは『ひたすら参考書を読んで暗記⇒問題集を解く』の繰り返しで出題のパターンを攻略。 約3ヶ月間の勉強時間の7~8割を、基礎科目に費やしました。


試験当日。わたしは簡単な問題から解いていくスタイルなので、技術・理論と法規を早めに取り掛かり、時間のかかりそうな基礎にたっぷり時間を使いました。 結果は見事に全科目合格!やはり、勉強する段階で、苦手な計算問題を攻略しておいたことが吉と出ましたね。
(22歳・インターネット回線の工事会社に勤務)



自分は電話工事やインターネット回線・ネットワークカメラの設置など、一般家庭を対象にした電気通信を行う会社に勤めて3年目になります。工事担任者の資格者は、現場に一人いれば大丈夫なので、特に必要ないかなと思って資格を取ることは考えていませんでした。

ところが、急に会社の社長が、「資格を持っている人には、手当付けることにしたから!」と言い出したので、手当がもらえるなら試しにDD3種でも受験してみようと思い、とりあえずテキスト買ってみました。


テキストをパラパラ見ていると、実務経歴の年数で、試験科目が一部免除されるという事が分かりました。自分は実務経験が3年くらいあったので、 DD3種の基礎と技術・理論の科目が免除され、法規のみ受験することになりました。

ふと、勉強っていつから始めればいいんだろう?と疑問に思っていたのですが、「まあ1科目だけだし、2週間前くらいでいいかな」と余裕をこいて全然勉強を始めませんでした。結局、勉強を始めたのは10日前。『テキストを読む⇒問題を解く』の繰り返しで、何とか乗り切ろうと考えていました。


試験の結果は、お恥ずかしながら不合格・・・。あと5点が足りませんでした。完璧な勉強不足という事です。 1科目のみの受験とはいえ、甘く見すぎていました。次回リベンジするときは、もっとしっかり勉強時間を作って臨みたいと思います。
(28歳・電気通信工事会社に勤務)



いかかでしたでしょうか。受験しようと思った経緯や勉強方法は人それぞれのようですね。 ただ一つ、共通して言えることは、勉強時間は十分に確保する必要があるという事です。


また先程、免除という言葉が出てきましたね。免除とは簡単に説明すると、試験を受験する際に、試験科目を一部免除、または全科目免除できるといった制度です。免除に関して詳しくは「見て分かる!読んで分かる!【工事担任者】の免除制度」をご参照下さい。


結論として、DD3種に関しては、しっかり勉強しておけば合格は十分狙えます。 受験を考えている方は、勉強時間の確保をどうするのか、あらかじめ考えておくとよいでしょう!



DD3種 ~受験前のQ&A~

Q:電気工事の職場でLAN配線を扱う事もあり、工事担任者DD種の資格に興味を持っています。 しかし難易度などが分からないので、どの種類から受験すればいいか迷っています。


A:難易度は3種<2種<1種というようにレベルが上がっていきます。資格の種類によって対応できる工事の範囲や問題の出題範囲も異なるので、 まずは工事担任者の難易度・合格率を比較!【電気通信】で、 どの資格がどれくらい難しいのかを一度確認してみましょう。


Q:DD3種の基礎の勉強方法がまったく分かりません。なにかいい勉強方法はありませんか?


A:基礎科目では回路図等を用いた計算問題がよく出題されています。まずは過去問を開いて、どんな問題が出題されているかをよく見てみましょう。問題文の中に分からない単語があった場合は、最初に単語の意味を覚えておくことが必要です。次は計算方法を覚えましょう。 問題の解答を暗記するのではなく、計算式の解き方を覚えるのがコツですよ!


Q、23歳です。最近、自宅のルーターの設定などを調べているうちに、機械いじりに関心を持つようになりました。 工事担任者の資格があるという事を知り、1番難易度の低いDD3種を受けようと思うのですが、どのくらい勉強すれば合格できますか?


A:勉強の期間はだいたい3ヶ月ほど準備しておけば問題ないと思います。難しさや簡単さなどの感覚は人それぞれです。まずは参考書と問題集を購入して、一度問題を解いてみると良いでしょう。工事担任者の試験では、過去に出題された問題と比較的似通った問題が出題される傾向にあります。過去問集を繰り返し解くことである程度は攻略できると思いますよ!


Q:インターネットの回線系の会社に勤めています。今すぐに欲しいというわけではないのですが、将来的に役に立つかなと思い、DD3種を受験しました。が、結果は不合格でした。同僚は既に工事担任者の資格を持っているので、試験に落ちたなんて恥ずかしくて言えず…。もう一度、チャレンジするべきでしょうか?


A:工事担任者の試験は年に2回行われているので、ぜひリベンジする事をオススメします。また、今すぐに欲しいというわけではないのであれば、まずは現場で実務経験を積むのもアリですよ!工事担任者の試験には「実務経歴による免除」といった試験科目免除制度があります。こちらを活用すれば1回目の試験よりも勉強の負担が軽くなり、1つの科目により集中して勉強することができるので、合格率もアップしますよ!


Q:31歳のフリーターです。このままでは流石にやばいと思い、どこかに就職しなければと焦っていました。先日、通信工事の仕事をしている友人に、「工事担任者資格取ってみれば?受験資格無いし、誰でも大丈夫だよ」と言われ、早速書店でDD第3種の参考書を購入し勉強を始めました。合格したところで、工事経験の無いわたしを受け入れてくれる会社はあるのでしょうか?


A:わたしたち工事士.comはこれまでに多くの電気通信関連の企業様とお話してきました。技術者不足の業界という事もあり、色々な企業様が人材を欲しているのが現状です。「資格・経験不問」で募集をかけている企業様もたくさんあるので、是非一度求人を除いて見て下さい。また、DD第3種は工事担任者のDD種の資格の中で一番難易度が低い資格です。現場で働きながら2種、1種といった上位資格の取得を目指してどんどんレベルアップしていけば、活躍できる場も広がりますよ!



試験日程と手続きの流れ

工事担任者の試験、年に2回(5月・11月)に行われています。


◇令和2年 工事担任者の試験日
第1回目:令和2年5月24日(日)
※ 新型コロナウイルスの影響により、第1回 工事担任者試験は中止となりました。
詳しくは電気通信国家試験センターHPをご確認ください。
第2回目:令和2年11月


◇受験の手続き方法
受験の手続きには2つの方法があります。


【申請書による申し込み】
申請書を取り寄せる⇒申請者本人が申請書へ記入⇒郵便局の窓口で試験手数料を払込み⇒申請書を郵送


【インターネットによる申し込み】
電気通信国家試験センターのHPにアクセスする(申込画面への入力)⇒HPで申請申し込み(手順に沿って申請者本人が必要事項を入力)⇒入力完了後、完了画面を印刷しておく。入力完了後、メールアドレスに受付完了メール(申請受付番号などのお知らせが届きます。)


※受験票は試験日の2週間前までに発送されます。
※受験費用は8,700円(全科目免除申請をされる方は5,600円)



まとめ

今回は、工事担任者 DD3種の資格についてお伝えしてきました。 重ね重ねになりますが、DD3種は工事担任者の中でも、非常に合格を狙いやすい資格です。 今後、DD3種の資格取得をお考えの方、受験しようと思っている方は、ぜひこの記事で読んだ情報をご活用ください。

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