太陽光発電の仕事に役立つ資格一覧!おすすめ取得順から取得メリットまで解説

電気工事士の資格・試験

目次[閉じる]

最終更新日:

太陽光発電の仕事に役立つ主な資格は、設置工事を行う「電気工事士」、設備の保安監督を担う「電気主任技術者」、保守点検を行う「太陽光発電メンテナンス技士」、導入をサポートする「太陽光発電アドバイザー」などです。

太陽光発電は近年需要が高まる分野ですが、関連資格を取得することで知識とスキルを身につけ活躍しやすくなります。

この記事では、太陽光発電に関連する資格や取得メリット、おすすめの取得順番、関連する仕事内容まで詳しく解説します。



ご自身のキャリアプランに合った資格を見つけ、スキルアップの参考にしてください。


電気業界の求人なら工事士.com

    工事士.comのトップページ    

  

■電気業界の求人なら工事士.com!!

  1. 電気業界に特化した求人が多数
  2. 資格が活きる仕事が見つかる
  3. 気になる企業から応募歓迎機能あり
   

▶ 太陽光発電工事の求人をさがす

   

≫工事士.comが選ばれる理由

太陽光発電に関連する資格一覧

太陽光発電の導入拡大に伴い、関連資格が注目されています。

太陽光発電の分野で役立つ主な資格は、以下の5つです。



各資格について、詳しく解説していきます。

電気工事士

太陽光発電の設置には、電気配線工事が伴うため、電気工事士の資格が必要になります。

電気工事士には「第二種」と「第一種」の2種類があり、扱える電圧や設備の規模によって工事範囲が異なります。

それぞれの資格について、詳しく解説します。

第二種電気工事士

第二種電気工事士は、600V以下の電気設備工事(一般住宅や小規模店舗の配線、コンセント設置・交換など)を行うための国家資格です。

太陽光発電においては、第二種電気工事士の資格を取得すると600V以下の一般住宅や小規模店舗の太陽光発電設備工事に携われます。

具体的には、下記の業務に従事できます。

■第二種電気工事士の主な業務

  • パネルの設置・配線
  • パワーコンディショナーの取付け
  • 分電盤への接続工事
  • 接地工事

なお、第二種電気工事士は、高圧(600Vを超える)設備や最大電力500kW以上の大規模施設、電力会社の受電設備に関わる工事はできません。

■第二種電気工事士の基本情報

項目 内容
難易度(合格率)
  • 難易度:国家資格の中でも比較的取得しやすい
  • 学科試験(筆記/CBT方式):60.1%
  • 技能試験:70.7%
取得方法 年2回実施される国家試験(筆記・技能)に合格し、都道府県知事へ申請して免状を取得する
勉強方法
  • 筆記試験は、市販テキストや過去問題集を活用して学習する
  • 技能試験は、事前に公表される候補問題を時間内に完成させる練習を繰り返し行う

※合格率は、2019年~2024年の過去6年間の平均値


第一種電気工事士

第一種電気工事士は、600V以下の一般用電気工作物だけでなく、最大電力500kW未満の自家用電気工作物の電気工事を行える第二種電気工事士の上位資格です。

高圧受電設備(600V超)を含む中規模太陽光発電(50kW以上500kW未満)の設置工事が可能なため、住宅用から産業用まで対応できるのが特徴です。

具体的には、下記の業務に従事できます。

■第一種電気工事士の主な業務

  • パネルの設置・配線
  • パワーコンディショナーの取付け
  • 分電盤への接続工事
  • 接地工事
  • 中規模太陽光発電システム(50kW以上500kW未満)の工事
  • 高圧受変電設備の工事

■第一種電気工事士の基本情報

項目 内容
難易度(合格率)
  • 難易度:第二種より高く、国家資格の中では中程度の難しさ
  • 学科試験(筆記/CBT方式):56%
  • 技能試験:63.2%
取得方法 年2回の国家試験(学科・技能)合格、かつ3年以上の実務経験を有する際に、免状申請を行い取得できる
勉強方法
  • 筆記試験は約8割が暗記問題となっているため、暗記科目を中心に勉強する
  • 技能試験は、候補問題の練習を繰り返し行う

※合格率は、2019年~2024年の過去6年間の平均値


電気主任技術者

電気主任技術者は、発電所や変電所、工場、ビルなど事業用電気工作物の工事、維持、運用に関する保安監督を行う国家資格です。電気主任技術者には「第一種電気主任技術者(電験一種)」、「第二種電気主任技術者(電験二種)」、「第三種電気主任技術者(電験三種)」の3つの区分があり、扱える電圧の範囲によって担当できる設備が異なります。

電気主任技術者は、太陽光発電設備の安全かつ安定的な運用を担保するための重要な役割を担っています。特に出力50kW以上の太陽光発電設備においては電気主任技術者の選任が法的に義務付けられており、日常的な監視から定期点検、緊急時対応まで幅広い業務を行います。

具体的には、下記の業務に従事できます。

■電気主任技術者の主な業務

  • 日常的な監視業務
  • 定期点検
  • 設備の維持管理
  • 故障対応・復旧作業
  • 発電効率の維持
  • 太陽光パネル周辺の環境維持・管理

■電気主任技術者の基本情報

項目 内容
難易度(合格率)
  • 第三種電気主任技術者:13.5%
  • 第二種電気主任技術者(一次:28.3%、二次:21.1%)
  • 第一種電気主任技術者(一次:35.0%、二次:15.4%)
取得方法 国家試験(筆記のみ、第一種・第二種は二次試験あり)に合格し、経済産業大臣に免状申請する
※第三種は年2回実施
勉強方法
  • 科目合格制度(合格科目は最大5回まで免除)を活用する
  • 各科目の基礎理論を理解し、過去問題を繰り返し解くことが重要
  • 独学も可能だが、通信講座や専門学校を利用する人も多い

※第三種電気主任技術者の合格率は、2020~2024年度の平均値

※第一種・第二種電気主任技術者の合格率は、直近5回分の平均値


太陽光発電メンテナンス技士

太陽光発電メンテナンス技士は、太陽光発電システムの保守点検やメンテナンスに関する専門知識・技術を証明する民間資格です一般社団法人太陽光発電安全保安協会が認定)。

設備の経年劣化や改正FIT法によるメンテナンス義務化を受け、専門的な保守点検の需要が高まっています。

太陽光発電メンテナンス技士の主な業務は下記のとおりです。

■太陽光発電メンテナンス技士の主な業務

  • 太陽光発電設備の保守点検(パネル洗浄、機器点検、発電量チェック等)
  • 不具合特定、トラブルシューティング、修理手配
  • 発電効率の維持・最適化、顧客へのアドバイス

太陽光発電メンテナンス技士の資格を取得することで、太陽光発電のメンテナンスに関する実践的なノウハウを習得できます。

■太陽光発電メンテナンス技士の基本情報

項目 内容
難易度(合格率) 未発表
取得方法 認定試験に合格後、日本住宅性能検査協会に登録
※登録料・更新料あり、有効期間3年
勉強方法
  • 認定講座の受講が必須
  • 提供されるテキスト等で、基礎知識、市場動向、法規、メンテナンス技術、不具合事例などを学習する


太陽光発電アドバイザー

太陽光発電アドバイザーは、主に住宅用太陽光発電システムの導入を検討する消費者に対し、専門知識に基づき適切な助言を行う民間資格です特定非営利活動法人日本住宅性能検査協会が認定)。

消費者が安心して太陽光発電を導入できるようサポートしたり、導入拡大に伴う契約や施工のトラブルを防止・解決する支援を行ったりする重要な役割を担っています。

■太陽光発電アドバイザーの主な業務

  • 消費者への太陽光発電導入アドバイス(システム選定、経済性評価、法令・支援策説明など)
  • トラブル時の初期対応支援

■太陽光発電アドバイザーの基本情報

項目 内容
難易度(合格率) 50.8%
取得方法 ・認定試験に合格後、日本住宅性能検査協会に登録
※登録料・更新料あり、有効期間5年
勉強方法
  • 協会発行の公式テキストでの学習が基本
  • 出題範囲は、太陽光発電の基礎、システム技術、関連法規、設置基準、実務知識など

※合格率は平成24年~平成26年までの5回分の平均値で、以降は発表されていません。

また、太陽光発電アドバイザーの資格は、太陽光発電の販売・施工担当者だけでなく、建築士、宅建士、FPなどが業務拡大のために取得するケースも多いです。

\ 太陽光発電工事の求人情報をチェックする /

▶ 太陽光発電工事の求人をさがす

※登録不要で求人を探せます

太陽光発電に関連する資格はどの順番で取得すべき?

太陽光発電関連の資格を取得する順番は、ご自身のキャリアプランや現在のスキルによって異なります。

一般的には基礎的な電気工事の資格から始め、徐々に専門性を高めていくのが効率的な流れと言えるでしょう。

具体的な取得順番の例としては、以下のとおりです。

■太陽光発電関連 資格取得順の一例

  1. 第二種電気工事士
    住宅用の太陽光発電システムの設置工事に対応できます。一般的に初心者でも挑戦しやすい資格と言われています。

  2. 第一種電気工事士
    産業用の太陽光発電システムなど、より幅広い案件に携われます。第二種電気工事士の上位資格で、免状取得には実務経験が必要です。

  3. 太陽光発電アドバイザー
    施工だけでなく、営業やコンサルティングにも関わりたい場合、太陽光発電アドバイザーの資格が役立ちます。太陽光発電に関する幅広い知識(制度、経済性、設置基準など)を体系的に学べます。

  4. 第三種電気主任技術者
    出力50kW以上の事業用太陽光発電所など、一定規模以上の電気工作物の保安監督業務に必須となります。難易度が高いため、十分な学習期間が必要です。

  5. 第二種・第一種電気主任技術者
    大規模な発電所や送電設備の保安監督を目指す場合に取得します。


上記のように、難易度や業務範囲を考慮しながら段階的に資格を取得を目指すのが良いでしょう。

なお、電気設備業界の求人に特化した求人サイト「工事士.com」では、太陽光発電工事に携われる求人を多数掲載しています。

工事士.comのトップページ

資格経験不問の求人もありますので、入社してから第二種電気工事士の資格取得を目指すこともできます。

\ 太陽光発電工事の求人情報をチェックする /

▶ 太陽光発電工事の求人をさがす

※登録不要で求人を探せます

太陽光発電の関連資格を取得するメリット

太陽光発電に関連する資格を取得すれば、以下のようなメリットを得られます。

■太陽光発電の関連資格を取得するメリット

  • 専門性の証明と信頼獲得
    太陽光発電に関する知識・技術レベルを示し、顧客や企業からの信頼を得やすくなる。

  • キャリアアップ・雇用機会の拡大
    就職・転職で有利になり、社内での昇進や資格手当による収入増が期待できる。

  • 業務範囲の拡大
    設置工事(電気工事士)、保安管理(電気主任技術者)、コンサルティング(太陽光発電アドバイザー)など、対応できる業務が増える。

  • 最新知識・技術の習得
    資格取得や更新を通じて、業界の最新技術や法規、制度動向を継続的に学べる。

  • 独立・起業が可能
    資格があれば、顧客から信頼を得られるため、個人事業主として独立しやすくなる。

成長が見込まれる太陽光発電の分野において、資格取得は将来のキャリア形成に有効な投資と言えるでしょう。

\ 太陽光発電工事の求人情報をチェックする /

▶ 太陽光発電工事の求人をさがす

※登録不要で求人を探せます

太陽光発電の仕事内容

太陽光発電は再生可能エネルギーの主力として重要性が高まっており、さまざまな職種が関連しています。

主な仕事内容は、以下のように分類できます。

■ 太陽光発電の仕事内容

分類 詳細
設計・企画 顧客のニーズや設置場所(住宅、工場、空き地など)に合わせた、最適な太陽光発電システムの企画・設計

【主な職種:設計技術者、技術営業、コンサルタント】
施工 設計に基づいた、太陽光パネル・架台・パワーコンディショナーなどの設置工事、配線工事

【主な職種:電気工事士、施工管理技術者、現場作業員】
保守・メンテナンス 設置後のシステムの安定稼働への保安監督(太陽光パネル清掃、点検、除草、発電量監視、定期点検、故障対応など)

【主な職種:メンテナンス技士、電気主任技術者、監視オペレーター】
営業・販売 一般家庭や企業へ、プラン提案、見積、契約、補助金情報提供など

【主な職種:営業担当(法人・個人)、販売代理店スタッフ】
研究・開発 太陽光発電の効率向上やコスト削減を目指した、新しい技術の研究開発

【主な職種:研究者、開発エンジニア】


太陽光発電の仕事は、分野によって求められる専門知識や資格が異なります。太陽光発電業界で働く際は、どの分野で活躍したいかを考え、必要な資格取得を目指すことがキャリア形成につながるでしょう。

\ 太陽光発電工事の求人情報をチェックする /

▶ 太陽光発電工事の求人をさがす

※登録不要で求人を探せます

まとめ

本記事では、太陽光発電の仕事に役立つ資格について解説しました。



この記事のまとめ
  • 太陽光発電の仕事に携わるには「電気工事士」「電気主任技術者」「太陽光発電メンテナンス技士」「太陽光発電アドバイザー」の資格が役立つ
  • 太陽光発電関連の資格を取得すると、専門性の証明、キャリアアップ、業務範囲拡大などのメリットがある
  • 太陽光発電の仕事内容は設計、施工、保守・メンテナンス、営業、研究開発など多岐にわたるため、目標に応じて段階的に太陽光発電の資格を取得するのがおすすめ

太陽光発電事業は、今後も注目される分野です。この記事を参考に、キャリアプランに適した資格を取得しましょう。

電気業界の求人なら工事士.com

    工事士.comのトップページ    

  

■電気業界の求人なら工事士.com!!

  1. 電気業界に特化した求人が多数
  2. 資格が活きる仕事が見つかる
  3. 気になる企業から応募歓迎機能あり
   

▶ 太陽光発電工事の求人をさがす

   

≫工事士.comが選ばれる理由


工事士.com編集部のロゴ

執筆者・監修者

工事士.com 編集部



株式会社H&Companyが運営する電気工事業界専門の転職サイト「工事士.com」の編集部です。

◆工事士.comについて

  • 電気工事業界専門の求人サイトとして2012年にサービス開始
  • 転職活動支援実績は10,000社以上
  • 「電気工事士が選ぶ求人サイト」として「使いやすさ」「信頼度」「支持率」の三冠を獲得

※調査元:ゼネラルリサーチ

「ITとアイデアと情熱で日本の生活インフラを守る」をミッションに掲げ、建設業界で働く方々を支援するサービスを提供しています。

◆運営会社ホームページ

株式会社H&Company

◆運営サービス

工事士.com(電気業界に特化した求人サイト)

施工管理求人.com(建設業界求人に特化した転職エージェント)

建設魂(建設業界を応援する情報サイト)

電工タウン(電工向けコミュニティサイト)

BT-web(建設業界専門のCMSサービス)

◆SNSアカウント

工事士.com X(旧Twitter)公式

◆メディア掲載実績

建設専門紙「建通新聞」 / jobdaマガジン / メタバース総研 / TOKYO MX「ええじゃないか」

その他の条件で電気工事士の求人を探す

資格試験スケジュールカレンダー