▼用語詳細(電気工事用語集)
漏電遮断器
(ロウデンシャダンキ)

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漏電遮断器とは、漏電事故から人や設備を保護するための安全装置です。地絡電流(電流が大地に漏れる現象)が一定値を超えた場合、自動的に回路を遮断して感電や火災のリスクを防ぎます。
漏電遮断器は、電路内を流れる「行き」と「帰り」の電流を常に監視しています。これらの電流が等しければ正常ですが、異なる場合は電流が大地に漏れていると判断し、即座に回路を遮断します。


漏電遮断器は、電気使用設備の規模に対応した形や特性のものを選んで取付けることが大切です。
その際は特に電線の太さや過電流遮断器の容量、用途に応じた機能を確認するようにしましょう。
一般的なものは過負荷保護機能を備えていますが、単相3線式回路には欠相保護機能付きのものが推奨されます。また、感度電流の設定は、高感度形(速やかに動作)、中感度形、低感度形(選択的動作)の3種類があり、用途に応じて選べます。


保護協調に伴う設置計画に際しては、負荷に最も近い分岐回路には高感度・高速動作型を設置し、安全性を優先します。
主幹が遮断されると広範囲の停電が発生するため、可能な限り配線用遮断器を使用するのが望ましいです。
必要に応じて感度電流を大きく設定したり、動作時間を遅らせることで、保護協調を調整しましょう。


なお、使用電圧が300Vを超える場合、漏電遮断器の設置が義務付けられています。また、400V配電系統では、分電盤や配電盤すべてに漏電遮断器を設置し、保護協調を図る必要があります。


電気器具の故障による感電事故を防ぐためには、漏電遮断器の設置に加えて、電気器具の金属製外箱に接地(アース)を行うことが重要です。これにより、漏れた電流は接地線を通じて大地へ流れ、漏電遮断器が確実に動作します。

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