▼用語詳細(電気工事用語集)
雷サージ
(ライサージ)
電撃により生じる非常に高い異常電圧のこと。
雷が落ちるとき、高電線など高いところにある電線などに瞬間的に高い電圧が発生する現象です。
落雷直後に発生する大電圧と過渡的な大電流の総称であり、極めて大きな電圧と電流により電気機器の絶縁破壊を引き起こすことがあります。

(一般的に低圧配電線から進入する雷サージ電圧は2,000V~5,000Vが70%を占めますが、まれに15,000V以上の雷サージが家庭内に入ることが観測されています。)

絶縁破壊に至らずとも、電子機器の誤動作・故障・性能の劣化などを引き起こすことがあり、発生点に近接している電線や建築物などの金属体を伝搬し、これに接続されている電気機器に異常電圧を与えます。

雷サージによる被害を完全に予防することは困難であり、直撃雷から電気機器を保護すすることは現段階では不可能とされている。
そのため、被害を軽減するための措置が必要となり、例として以下の内容があげられる。

◎等電位ボンディングによる雷保護:接続する電線・支持架台・建築物などをすべて接続し、電位を一定に保つ設備

◎SPD(サージ防護デバイス)による雷保護:雷サージが電気機器に到達しないよう大地に逃がす設備


~雷サージの種類 ※発生要因として以下があげられる。~
◎直撃雷:建築物の避雷針やアンテナ、送配電線、通信線などに雷撃する現象。

◎誘導雷:近くにある樹木や建物に落雷した場合、雷放電路に流れる電流による静電的・電磁的結合により、構造物、送配電線・通信線などに雷サージ(過電圧・過電流)
が発生する現象。

◎逆流雷:構造物への落雷時に接地電位が上昇することで、接地から引込まれている電源線や通信線へ一部の落雷電流が流入する現象。
また、近くでの雷撃により接地電位が上昇し、接地から建築物や設備に流入することを逆流電と呼ぶ場合がある。