▼用語詳細(電気工事用語集)
リチウムイオン電池
(リチウムイオンデンチ)
リチウムイオン電池とは、正極から陰極へ移動する反応を利用した電池のこと。
正極にリチウム金属酸化物、負極に炭素(グラファイト)を用い、これらをセパレーターを介して積層し、電解質を充填した構造となっています。

リチウム電池とは区別されており、充電ができる電池であることから「リチウムイオン二次電池」という名称で呼ばれることもあります。

一般的に「リチウム電池」と呼ぶ場合は、一次電池である充電ができない使い捨ての電池を示しています。

エネルギー密度が高く、容易に高電圧を得ることができ、寿命が長いため、携帯電話やスマートフォン、ノートパソコンの内蔵電池として活用されています。

リチウムイオンを用いた電池は、電気自動車やPHEVにも搭載されています。
携帯電話やスマートフォンなどに用いられている小規模の電池と違い、24~30kWhもの電池容量を持ち、自動車の大型モーターを駆動できる大きな出力を併せ持っています。

定格電圧は3.6V程度であり、小型ながら乾電池と比べても大容量・長寿命である。

ちなみに満充電で約4.2V、終止電圧で2.8V程度。
充電のサイクル回数は500回程度で、保存による自己放電量も少ない高性能な電池です。

充電サイクル回数は、この所定の回数以上充電した時点で、電池の容量は60%程度まで減少していることになります。

蓄電池は、浅い充電を繰り返すと「メモリー効果」(電池に充電された電力を使い切らないうちに、何度も浅い充電を繰り返すことにより、最大容量が小さく記録されてしまい、電池の見掛け容量が小さくなってしまう現象)と呼ばれる電池の性能劣化が発生するが、リチウムイオン電池はこのメモリー効果が現れないため、頻繁な充放電に対しても性能の劣化が少ないとされている。

電池を使い切らずに充電しても電池に悪影響を及ぼさず、かつ充電回数の多さや急速充電特性の良さなど、多くの利点がある電池です。

ただ、使用時には注意点があり、場合によって寿命を短くしてしまう使い方もある。
例えば、携帯電話を新規購入した場合。
電池がほとんど切れる寸前になっていることを経験した方もいると思いますが、電池を長時間保存する場合は、満充電ではないことが望ましいとされています。

満充電された状態での保存は、リチウムイオン電池本体の劣化を早める原因となりますので、満充電の時間を短くするほど、同じ電池を長期間使用できます。

これは、電池を長期間使用していない場合だけでなく、リチウムイオン電池を実際に使用している時も同様です。
常に充電器にコンセントを接続したままにするなど、浅い充電を繰り返し、満充電になっている状態が継続していると、電池の寿命に悪影響を及ぼすことになります。

もう1つ注意したいのが、温度について。
満充電した電池を搭載した電気機器は常に25℃前後の安定した環境ではなく、車内や直射日光にさらされる場所など、過酷な温度条件に晒されることも珍しくなく、温度上昇による寿命の劣化も合わせて懸念されます。

リチウムイオン電池の最高許容周囲温度は45℃と規定されています。
通常、45℃以上の周囲温度になることは考えられませんが、直射日光の当たる車内に放置すれば、すぐに45℃を超過し、危険温度となります。
寿命の低下だけでなく、異常発熱による発煙や発火、本体の変形など不具合につながりますので注意が必要です。

長く電池が使えるようにするには、保管方法にも十分な注意が必要であることを覚えておかなければいけない。

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