消防設備士甲種1類の合格率は20%台!試験の難易度とおすすめ勉強法を解説

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消防設備士甲種1類の過去5年間(2019年~2023年)の平均合格率は26.2%です。

甲種1類の合格率は、全13種類ある消防設備士の資格の中でも低く、難易度が高い資格であると言えます。

本記事では、消防設備士甲種1類の合格率や試験概要、おすすめの勉強方法などについて解説していきます。


消防設備士甲種1類の試験合格に向けて、まずは傾向を捉え、対策を立てて臨みましょう。

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消防設備士 甲種1類の合格率と難易度

消防設備士甲種1類の過去5年間(2019〜2023年度)の平均合格率は26.2%です。

受験者全体の7割以上が不合格になっていることから、甲種1類の試験は決して簡単なものではないことが分かります。

ここでは、消防設備士甲種1類の難易度について、下記3点の観点から詳しく解説していきます。

この見出しでわかること


過去5年間の合格率推移

甲種1類の2019〜2023年度までの5年間の受験者数、合格者数、合格率は以下のとおりです。

■ 消防設備士甲種1類の受験者・合格者・合格率
年度 合格率 受験者数(人) 合格者数(人)
平均 26.4% 11,035 2,895
2023年度 22.3% 11,721 2,619
2022年度 23.7% 11,482 2,719
2021年度 28.3% 12,126 3,436
2020年度 31.2% 9,949 3,104
2019年度 26.2% 9,900 2,597

※参考:試験実施状況(一般財団法人消防試験研究センター)

上表のとおり、甲種1類は毎年1万人前後が受験し2、3割の人が合格する傾向にあります。

2023年度の合格率は22.3%と、上表の期間では最も低い合格率でした。

また、直近の2024年6月に行われた試験の合格率は34.2%となっています。

乙種1類との難易度比較

甲種1類の難易度は他の資格と比べてどれくらいなのでしょうか。

甲種1類と乙種1類を比べると、甲種1類のほうが難易度が高い傾向にあります。

過去5年間(2019~2023年)の合格率はそれぞれ以下のとおりです。

■ 消防設備士 甲種1類・乙種1類の合格率比較
年度 甲種1類の合格率
(再掲)
乙種1類の合格率
平均 26.2% 30.3%
2023年度 22.3% 27.8%
2022年度 23.7% 28.2%
2021年度 28.3% 35.5%
2020年度 31.2% 33.8%
2019年度 26.2% 26.3%

※参考:試験実施状況(一般財団法人消防試験研究センター)

上表のとおり、甲種1類の平均合格率(26.2%)は乙種1類の平均合格率(30.3%)より4%ほど低い結果となっています。

また、各年の合格率はいずれも甲種1類の方が低くなっています。

さらに、甲種の試験では、消防設備の「工事」に関する内容も出題されるため、乙種よりも甲種の方が試験科目の範囲は広いです。

これにより、乙種1類よりも甲種1類の方が難易度が高くなっています。

甲種1類は消防設備士の中で最難関の資格!?

13種類(甲種特類・甲種1~5類・乙種1~7類)ある消防設備士の資格試験の中で、甲種1類は最も合格率が低いです。

■合格率が低い消防設備士資格 5選(2019年~2023年の平均値)

  1. 甲種1類:26.2%
  2. 甲種特類:27.3%
  3. 乙種3類:29.2%
  4. 乙種1類:30.4%
  5. 甲種2類:32.8%

※参考:試験実施状況(一般財団法人消防試験研究センター)

甲種1類の資格は、出題範囲が広い「甲種」であることに加え、「1類」は対象設備が大型で配管や電気などの周辺知識も求められます。

そのため、甲種1類は消防設備士資格の中で最も難しい資格となっています。

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消防設備士 甲種1類の試験概要

消防設備士甲種1類の試験概要は以下のとおりです。

■ 消防設備士 甲種1類の試験概要
筆記試験 実技試験
出題科目(出題数) 消防関係法令(15問)
基礎的知識(10問)
消防用設備等の構造・機能・工事・整備(20問)
計45問
鑑別等(5問)
製図(2問)
出題形式 四択問題 写真・イラスト・図面などによる記述式
試験時間 筆記試験と実技試験を合わせて3時間15分
合格基準 科目ごと:40%以上
かつ
全体:60%以上
60%以上

※参考:試験の方法(一般財団法人 消防試験研究センター)

なお、甲種1類には以下の受験資格が定められています。

■消防設備士甲種1類 受験資格概要

  • その他の甲種消防設備試験の免状を取得していること
  • 乙種消防設備士保有者のうち実務経験があること
  • その他の国家資格を保有していること
  • 必要な学歴を保有していること
  • 必要な実務経験があること

※参考:受験資格(一般財団法人消防試験研究センター)

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消防設備士 甲種1類の受験には一部免除を活用できる!

甲種1類は消防設備士の中でも「難しい」と言われる試験の1つですが、試験科目の一部免除の制度を使うと難易度を下げることができます。

以下に当てはまる場合は、「消防関係法令」の共通部分や「基礎的知識」などの試験が免除される場合があります。

■甲種1類の試験が一部免除になる資格

  • 消防設備士 甲種2~5類
  • 電気工事士
  • 電気主任技術者
  • 技術士
  • 日本消防検定協会又は指定検定機関の職員で、型式認証の試験の実施業務に2年以上従事した者
  • 5年以上消防団員として勤務し、かつ、消防学校の教育訓練のうち専科教育の機関科を修了した方

※参考:一部免除(一般財団法人消防試験研究センター)


甲種1類の「一部免除」について、詳細は「消防試験研究センターのHP」をご覧ください。

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消防設備士 甲種1類の勉強方法

消防設備士甲種1類試験の合格に近づく勉強方法を紹介します。

甲種1類のおすすめ勉強方法


この2つが重要になるのは、甲種1類試験は最低限でも合格基準点に到達すれば合格できるからです。

筆記試験と実技試験の合格基準点は、どちらも60%以上です。

合格最低限の点数が取れるよう、基本的な勉強方法で確実に合格を目指しましょう。

テキストをしっかり読み込む

まずは甲種1類のテキストを購入して、しっかり読み込むことが大切です。

1回目の読み込みは流し読みで構いません。短期間で読み終えるようにしましょう。

テキストを1回流し読みしただけでは知識が頭に入ってこないため、1周目が終わったら複数回読むようにします。

2回目の読み込みでは、理解できるところと理解できないところを分けていきます。それでもまだ理解できないところは、3回目以降の読み込みで重点的に覚えていきます。

過去問を繰り返し解く

テキストを1回すべて読み終えたら、過去問を解いてみましょう。

結果が悪くても気にする必要はありません。結果よりも重要なのは、間違ったところを学習することです。

テキストの2回目の読み込みが終わったら、再度過去問を解いてみます。

1回目よりも点数が良ければ、学習が進んでいることが分かるはずです。

テキストをしっかり読み込み、過去問を繰り返し解くことで、どの項目が出題されやすく、どのような形で知識を問われるのかが見えてきます。

テキストと過去問に向き合うことで、獲得した知識を確実に記憶に定着させていってください。

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消防設備士 甲種1類の合格者体験談

消防設備士甲種1類の合格者は、どのように壁を乗り越えたのでしょうか。

実際の合格者に「勉強のコツ」や「試験に向けた心構え」についてインタビューをしました。

合格者の体験談から多くのことを学べるはずです。

■体験談①

30代男性は、「テキストを読み込んで問題集をこなす」という作業を淡々と繰り返したそうです。

「テキスト→問題集→テキスト→問題集」の反復作業が大変であることが分かります。

また、問題集を1回すべて解き終えて「構造・機能及び工事・整備の方法の機械の部分が難しい」と感じ、自分の弱点を見つけることができました。


この方がテキストと問題集以外に利用したのが、インターネット上の情報です。特に合格者が体験談をつづったブログは熟読したそうです。

ほかの人の試験対策が自分の試験対策と同じなら自信が持てますし、異なれば新たな勉強法を獲得できるでしょう。


■体験談②

40代男性は、勉強を始める前に、甲種1類試験は出題範囲が広いと感じたため、学習期間を3ヶ月に設定し「長期間でコツコツ勉強」できる学習計画を立てました。

この方が苦手にしたのは、法令や規格の暗記です。そこで小さい手帳を買ってきて、そこに法令や規格を書き込んでいき、仕事の休憩時間に開いてひたすら頭に叩き込んでいったそうです。


■体験談③

20代男性は、甲4・5類、乙6類の資格を持っていたため、まずはテキストを流し読みし、甲種1類試験のために新たに蓄積しなければならない知識と、すでに持っている知識を分類しました。

次に、職場にいる甲種1類合格者の同僚たちに勉強期間をリサーチした上で、自分なら学習期間は1カ月で十分だろうと考えました。


それからはひたすら問題集を解きました。問題集は1冊に集中して、全ての問題に正答できるまで繰り返し解いたところ、6回目で全問正解できるようになったそうです。

また、消火栓やスプリンクラー設備の内容がどうしても頭に入ってこなかったため、これらが設置されている施設に見学に行ったり、メーカーのショールームを訪れたりと、ユニークな勉強法も取り入れました。

このようなアクティブな勉強が、知識の定着に繋がったそうです。


■体験談④

30代男性は、1回目の試験では不合格になってしまったため、2回目の受験前はテキストと問題集を2冊ずつ増やして勉強したそうです。

テキストも問題集も1冊ずつで合格する人もいますが、苦手意識が強い人は、複数のテキストや問題集を使うのも有効的です。複数のテキストや問題集にいずれも記載されている知識は、本番で出題される確率が高いからです。

この方は「多くの問題を解いた」という自信がついたこともあり、2回目の試験は落ち着いて臨むことができ見事に合格しました。


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よくある質問

消防設備士甲種1類試験に関するよくある質問に回答します。

甲種1類は難しいですか?

消防設備士甲種1類の試験は、「難しい」と思って取り組んだほうがよいでしょう。

甲種1類の平均合格率は26.2%で、簡単には合格できない試験だからです。

また、試験範囲が広いことも難易度を上げている理由の1つです。

ただし素直な問題が多いため、テキストの内容を確実に覚えて、過去問と問題集を解いていけば合格ラインを目指すことができます。

甲種1類の試験日はいつですか?

消防設備士甲種1類の試験は年に複数回あります。

都道府県によってスケジュールが異なるため、日程については消防試験研究センターのHPで確認してください。

例えば東京都の場合、2024年度の甲種1類の試験は6回行われます。

「日程が合わなかった」ということにならないよう、余裕を持ってスケジュールを確認しておきましょう。

甲種1類ができることは?

消防設備士甲種1類の資格取得者ができることは、「工事整備対象設備等の工事、整備、点検」です。

なお、甲種1類が扱える対象設備は下記のとおりです。

■消防設備士甲種1類の対象設備

  • 屋内消火栓設備
  • スプリンクラー設備
  • 水噴霧消火設備
  • 屋外消火栓設備
  • パッケージ型消火設備
  • パッケージ型自動消火設備
  • 共同住宅用スプリンクラー設備

甲種と乙種の違いは?

消防設備士試験には甲種と乙種がありますが、その違いは以下のとおりです。

■ 消防設備士 甲種と乙種の違い

●甲種:工事整備対象設備等の工事・整備及び点検ができる

●乙種:工事整備対象設備等の整備及び点検ができる


乙種と異なり、甲種は工事整備対象設備等の「工事」も行えるため、甲種のほうがより幅広い業務に携われます。

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まとめ

本記事では、消防設備士甲種1類の合格率や難易度、試験概要や勉強法、実際の合格者の体験談などを紹介しました。

この記事のまとめ
  • 消防設備士甲種1類の5年間の平均合格率は26.2%
  • 消防設備士甲種1類は、他の消防設備士の試験と比べても、合格率は低めで難易度が高い
  • 消防設備士甲種1類のおすすめ勉強法は「テキストをしっかり読み込む」「過去問を繰り返し解く」


甲種1類試験の難易度は高いため、余裕を持って勉強に取り組めるよう、受験の準備は早めに行うほうが良いでしょう。

早い方は1ヶ月の学習期間で合格していますが、少しでも不安がある方は学習期間を数ヶ月取っておくと安心です。

また、1回の受験で不合格になっても諦めないでください。1回でも試験を受ければ問題の傾向と対策が掴め、自分に必要な勉強時間も見えてくるからです。

消防設備士甲種1類に少しでも興味がある方は、ぜひ資格試験に挑戦し、合格を目指しましょう。

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