プラント電気工事とは?仕事内容や必要な資格から求人の探し方のポイントまで解説

電気工事士の仕事・転職

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プラントの電気工事は、工場や発電所などの大規模施設の設計や施工、保守、点検まで幅広い業務を行います。

一般的な電気工事と比べてより専門的なスキルが求められますが、やりがいの大きい職種でもあります。

しかしながら、大規模な施設での作業となるため、どのような仕事をするのかイメージがしにくい方も多いのではないでしょうか。

この記事では、プラント電気工事の基本概要や主な仕事内容、求人情報の探し方などを詳しく解説していきます。


電気工事業界に興味のある方や、就職・転職を検討している方は、ぜひ参考にしてみてください。


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プラント電気工事とは?

プラントの電気工事は、工場や発電所などの大規模施設における電気設備の設計、施工、保守、点検まで幅広い業務を担当します。

「プラント」とは、大規模な設備や装置を揃えた施設、または工場全体のことを指します。


一般的な住宅やオフィスビルと比べて規模は大きく、制御盤や計装設備などを取り扱うため、より専門的な知識と技術が必要です。

ここでは、プラント電気工事の特徴を見ていきましょう。


プラント電気工事の基本概要

プラントの電気工事とは、工場や発電所などの大規模施設における電気設備の設計、施工、保守、点検を担当する工事です。

一般的な住宅やオフィスの電気工事と比べて規模が格段に大きく、より複雑なシステムを扱います。

プラント電気工事の具体的な業務内容は、生産ラインの電気配線や制御システムの構築、配電盤の設置などです。電気の専門知識だけではなく、制御機器のプログラミングも重要な業務の一つで、プラントの自動化と効率的な運用を実現するために不可欠です。

プラントを必要とする業界は多岐にわたりますが、代表的な業界は以下のとおりです。

■プラントを必要とする主な業界

  • 食品業界
  • 石油、ガス業界
  • エネルギー関連業界
  • 医薬品、化粧品業界
  • 自動車業界

これらの施設は社会インフラとして重要な役割を担っているため、安全性が非常に重視されています。そのため、プラントの工事では高い専門性と安全性が求められます。

一般的な電気工事との違い

一般的な電気工事は、住宅やオフィスビル、商業施設などの照明やコンセント、エアコンといった設備の電力供給や配線工事が主な業務です。規模は比較的小さく、基本的な電気配線や機器の設置が中心で、作業も標準化されていることが多いです。

一方で、プラント電気工事は、一般的な電気工事に比べて規模が大きくシステムも複雑です。主に、設備へ電力を供給するための配線や電気制御機器、搬送設備などを扱います。高圧電流や高温・高圧の環境での作業も行うため、安全対策や保護装置の設置が求められます。

また、化学物質や可燃性ガスを扱う現場もあるため、より専門的な知識が必要です。発電所や工場、製鉄所など大規模で特殊な設備を持つ施設が対象となるため、現場ごとの特性に応じた対応力が重要とも言えます。

どのような施設で作業するのか

プラントの電気工事は、様々な業種の大規模施設で行われます。

主な作業現場には、下記のようなものがあります。

■ プラント電気工事の主な作業場所

施設名 具体例
製造工場 自動車工場、食品工場、製鉄所、化学工場
発電所 火力発電所、水力発電所、原子力発電所
石油・ガスプラント 石油精製所、ガス処理施設
上下水道施設 浄水場、下水処理施設


これらの施設は24時間365日稼働していることも多く、定期的な保守点検が欠かせません。また、設備の更新や増設工事なども定期的に行われます。

また、プラント電気工事の作業環境は屋内作業が中心ですが、中には屋外での作業が発生する場合もあります。高所作業や狭い場所での作業など、体力的に負担のかかる作業を行う場合もあるため、安全対策を十分に行いながら作業することが重要です。

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プラント電気工事の主な仕事内容

プラントの電気工事の業務は多岐にわたり、大規模な工場や発電所、化学プラントなど様々な施設で重要な役割を担っています

ここでは、プラント電気工事の具体的な作業内容や1日の流れについて詳しく解説していきます。


主要な作業(設計・施工・保守・点検)

プラント電気工事の業務は多岐にわたりますが、大きく分けると下記の4つに分類されます。

■ プラント電気工事の主な作業内容

業務区分 主な作業内容
設計
  • プラント電気設備に関する設計図面の作成
  • 必要な機器の選定
  • 仕様書の作成
施工
  • 配電盤の設置
  • 電気配線工事
  • 制御機器の取付
保守
  • 既存の電気設備の点検
  • 電気設備の調整、修理
  • 突発的なトラブル対応
点検
  • 測定器を使用した電圧、電流の測定
  • 法定点検の実施
  • 点検記録の作成


一人の技術者が設計や施工などすべての業務を担当することもありますが、多くの場合は専門分野ごとに分かれて業務を行います。

1日の仕事の流れ

プラント電気工事の技術者の1日の仕事の流れは、担当する業務や現場の状況によって異なりますが、ここでは一般的な現場作業員の例を紹介します。

■ プラント電気工事の1日の流れ【例】

時間帯 業務内容
午前
  • 出社、業務準備
  • ミーティング、安全確認
  • 作業開始
午後
  • 作業再開
  • 休憩
  • 作業再開
  • 片付け、清掃
  • 翌日の準備、日報作成


この他にも、緊急時の対応や定期的な会議、メンテナンス計画の立案など、様々な業務があります。特に大規模なプラントでは予期せぬトラブルが発生する可能性もあるため、柔軟な対応力が求められるでしょう。

どのような現場環境で働くのか

プラント電気工事の現場環境は、施設の種類や規模によって多様です。

例えば、製鉄所では高温環境での作業が必要になることがあり、化学プラントでは有害物質への対策が欠かせません。屋内作業が中心ですが、発電所や石油精製施設の場合は、屋外作業や高所・狭い場所での作業も行われます。

なお、安全対策は徹底されており、基本的にはヘルメットや安全靴、作業服を着用します。作業内容によっては防護メガネや耐熱服といった特殊な保護具を使用することもあります。作業前には安全ミーティングが行われ、作業の危険性や注意点について確認も行われます。

プラントによっては24時間体制で稼働しているため、交代制勤務や夜間勤務が発生することもあります。また、プラントは全国各地に存在するため、遠方へ出張する可能性もあります。

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プラント電気工事に必要な資格とスキル

プラント電気工事の業界で活躍するためには、いくつかの資格を取得していると有利です。

仕事の幅を広げ、キャリアアップを目指せる資格について詳しく解説していきます。

プラント電気工事に必要な資格とスキル

取得すべき資格

プラント工事を行う際の必須な資格はありませんが、いくつかの資格を取得しておくと、対応できる業務の範囲も広がり、キャリアアップも目指しやすくなるでしょう。

プラント電気工事に携わるにあたり取得しておくと役立つ資格は、主に下表のとおりです。

■ プラント電気工事に役立つ資格

資格名 特徴
第二種電気工事士
  • 一般住宅や小規模施設などの低圧工事が行える資格
  • 配線工事やコンセント設置などの基本的な電気工事に対応
第一種電気工事士
  • 第二種電気工事士より、電力の高い電気工事が行えるようになる
  • 工場や大型施設などの電気工事に対応可能
電気工事施工管理技士
  • 電気工事の施工計画の立案や現場指導を担当
  • 現場監督や施工管理に必要
管工事施工管理技士
  • 配管設備工事における施工管理を担当
  • 施工計画の立案や現場管理を行う
電気主任技術者
  • 電気設備の定期点検や維持管理などの保安監督を行える
  • 電気設備の保安監督を行う場合は、法律によって設置が義務付けられている
計装士
  • 計装システムの設計や施工、保守を担当する資格
  • 計装機器の選定や取付、定期点検などを行う
技術士
  • 技術系の資格で最もレベルの高い資格
  • 設計や開発以外に、指導業務も行える
ボイラー技士
  • ボイラーを安全に取り扱うための資格
  • ボイラーの運転や管理、点検業務に必要
エネルギー管理士
  • 工場などのエネルギー管理を行う資格
  • エネルギー対策の推進や効率的なエネルギー使用に携われる


これらの資格は、プラント工事の分野によって必要性が変わってきます。例えば、電気系統の工事を扱うのであれば電気工事士や電気主任技術者、制御系統であれば計装士の資格が重要になります。

それぞれの現場にあわせた資格の取得を目指しましょう。


無資格・未経験でも働ける?

プラント電気工事は、無資格・未経験でも働けます。

無資格・未経験の場合は、資材の運搬や清掃、作業のサポートなど、資格が不要な「補助作業」から始めるケースが多いです。現場でのマナーや安全管理を学ぶのには、最適なポジションとも言えるでしょう。

未経験でもスタートできる一方で、長く働き続けるためには、入社後のスキルアップと資格取得が必要です。

特に、第二種電気工事士は受験資格に条件がないため、初心者でも合格を狙える資格です。

第二種電気工事士は電気工事を取り扱う上では必須の資格です。対応できる業務範囲が広がるだけでなく、他の資格勉強で応用できる部分も多いため、初めての資格取得には最適と言えます。

採用においても、資格取得への意欲が重視されやすく、「入社後すぐに第二種電気工事士を取得したい」といった具体的な意思表示を示すことが重要です。

また、高所作業や玉掛け作業など特定の作業においては技能講習修了証が必要です。人手不足が進む建設業界では未経験者を採用する企業も増えているため、熱意と努力次第で着実にキャリアを築いていけるでしょう。

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プラント電気工事の求人情報と探し方

プラント電気工事の求人が多い業界や職種、未経験者向け求人の特徴、転職時のチェックポイントなどを解説します。


求人の多い業界・職種

プラント電気工事の求人が多い業界は、主に下記のとおりです。

■プラント電気工事の求人が多い業界

  • 自動車業界
  • エネルギー関連業界
  • 医薬品業界
  • 食品業界
  • 化学業界

特に、発電所や自動車製造、製鉄所などの大規模な設備を持つ施設では、定期的に点検や改修工事が必要です。そのため、通年を通じて電気工事スタッフの需要があります。

プラント電気工事の主な職種としては、現場での工事を担当する「電気工事士」や工程を管理する「電気工事施工管理技士」、電気設備の安全管理を担う「電気主任技術者」などがあります。

施工管理は現場全体の進行を監督する立場であり、ある程度の実務経験や資格が必要です。一方で、配線工事や設備保守は、作業者として現場での電気工事を担当します。

未経験でも応募できる求人の特徴

プラント電気工事は専門性の高い職種ですが、未経験者を積極的に採用している企業も少なくありません。

未経験者を採用している企業においては、入社後の研修制度があったり、現場で実践的に学ぶOJTを行ったりする場合もあります。

また、電気工事士や電気工事施工管理技士などの資格取得の支援制度を設けている企業も多くみられます。受験料の補助や資格手当など、様々な形での支援があるため、未経験者にとって大きな魅力と言えるでしょう。

転職時にチェックすべきポイント

プラント電気工事業界への転職を検討する際には、いくつかの重要なポイントを確認しておくことが欠かせません。

特にチェックすべきポイントは、以下の4つです。

■転職時にチェックすべきポイント

  • 勤務地と出張の有無
  • 一日の労働時間と残業
  • 資格取得の支援制度
  • 安全管理の体制

プラント電気工事は全国に現場があるため、長期出張や単身赴任を前提とした働き方も多く見られます。出張の頻度など、自分のライフスタイルに合った働き方ができるかどうかも重要です。地元での勤務を希望する場合は、「転勤なし」の表記があるかどうかもチェックしたほうが良いでしょう。

また、繁忙期には残業が多くなる傾向があるため、実際の残業時間や休日の取得状況を面接時に確認しておくと安心です。

今後キャリアアップを目指すなら、資格の取得は必要不可欠です。資格取得支援制度があると、上位資格にもより挑戦しやすくなります。

プラント工事は危険を伴う作業になるため、安全管理が徹底されているかどうかも会社選びの判断材料の一つと言えます。

なお、プラント電気工事の求人探しには、「工事士.com」がおすすめです。

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プラント電気工事の将来性

プラント電気工事は社会インフラを支える産業に関わる仕事のため、将来性は安定していると言えます。

製造業や電力・エネルギー産業、上下水道などは社会に不可欠な存在であるため、需要は下がりません。

今後は老朽化したプラントの修繕も増加するでしょう。

昨今は脱炭素の流れを受けた再生可能エネルギー施設の建設も進んでいるため、太陽光発電所や風力発電所など、活躍の場は広がっています。

また、IoTやAIの発展によりプラントの制御システムも複雑化しており、最新技術に対応できる電気工事の需要も高まっています。

さらに、建設業全体で人材不足と高齢化が進行しているため、若手の技術者にとっては早期のキャリアアップが期待できるでしょう。

日本の施工技術や安全性は世界的に高く評価されているため、海外プラントで活躍する機会も増えています。

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まとめ

本記事では、プラント電気工事の特徴や作業内容、プラント工事に関わる際に役立つ資格について解説しました。

この記事のまとめ
  • プラント電気工事は、主に工場や発電所などの大規模施設で作業を行う
  • プラント内においては、電気設備の設計や施工、保守、点検など幅広い業務がある
  • プラント電気工事を行うのに必須な資格はないが、資格取得で業務の幅が広がる
  • プラント電気工事は社会インフラを支える仕事であり、将来性があると言える

プラントの電気工事は需要の高い分野でもあり、未経験から働くこともできます。しかし、キャリアアップを目指すには資格の取得やスキルアップは欠かせません。

プラント電気工事に興味のある方は、本記事を参考に、新たな一歩を踏み出すきっかけにしてみてください。

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