電験三種がすごい!10人に1人が合格できる難関資格で就職・転職にも強い

電気主任技術者(電験)

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電験三種は、過去5年間の平均合格率がわずか12.2%の超難関資格で、すごい資格とされています。その価値は非常に高く、電気事業法で保護された業務独占資格として、5万ボルト未満の電気設備の保安管理を独占的に担当することが可能です。

さらに、経済産業省の調査によると、2045年には約4,000人の電気主任技術者が不足すると予測されており、「安定的な需要があるため食いっぱぐれない」と言われるほど将来性も抜群です。


ただし、資格を取得するまでの道のりは決して平坦ではありません。文系出身者で600〜800時間、理系出身者でも400~600時間の勉強時間が必要とされ、4科目すべてで60点以上を取らなければなりません。


本記事では、電験三種が「すごい資格」と評価される理由や資格取得の難易度などについてご紹介します。

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電験三種が「すごい」と言われる理由

電験三種は、電気系資格の中でも特に「すごい資格」として評価されています。

すごいと言われる理由は、主に4つあります。

ここからは、電験三種がなぜ「すごい資格」と呼ばれるのか、それぞれの理由について詳しく見ていきましょう。まずは、電験三種の難易度の高さについて解説します。

1.難易度が高く合格が難しいから

電験三種は、電気系国家資格の中でも特に難易度が高い試験として知られています。

過去5年間(2019〜2023年度)の平均合格率は12.2%と、10人に1人程度しか合格できない難関資格です。


■電験三種の受験者・合格者・合格率推移

年度 合格率 受験者数 合格者数
平均 12.2% 46,725人 5,855人
2023年 18.8% 52,735人 9,894人
2022年 11.7% 62,571人 7,307人
2021年 11.5% 37,765人 4,357人
2020年 9.8% 39,010人 3,836人
2019年 9.3% 41,543人 3,879人

※参考:一般財団法人 電気技術者試験センター「試験実施状況の推移」


電験三種の難易度の高さは、主に3つの理由が考えられます。

  • 全ての科目に合格する必要がある
  • 出題される問題が広範囲に渡る
  • 計算問題が多く公式を理解しなければならない

他の人気国家資格と比較しても、宅建(合格率17.2%)や税理士(合格率21.7%)よりも合格率が低いことから、その難しさが分かります。

電験三種の科目別の合格率など、さらに詳しい情報については「電験三種の合格率は12.2%!科目別の難易度や受験生の生の声もご紹介」でもご確認いただけます。

2.独占業務を持つ国家資格だから

電験三種が「すごい資格」と評価される理由の一つが、電気事業法に基づく業務独占資格である点です。

業務独占資格とは、法律によって資格保有者のみが特定の業務を行える資格のことで、電験三種では以下のような特徴があります。


■業務独占資格の特徴

特徴 内容
独占できる業務範囲が広い
  • 電圧5万ボルト未満の事業用電気工作物の保安監督
  • 工場やビル、商業施設などの電気設備の管理
  • 電気設備の工事、維持、運用に関する保安確認
法律で保護されている
  • 電気事業法第43条により電気主任技術者の選任が義務
  • 無資格者が業務を行うと法律違反となり罰則の対象
  • 高度な専門性が必要な業務として法的に保護

特に注目すべき点は、電験三種の資格が社会的に必要とされている点です。

工場やビルの電気設備は社会インフラとして不可欠であり、その保安管理を担う電験三種は、社会的責任の重い資格として高い評価を得ています。


電験三種の具体的な仕事内容については「電験三種(電気主任技術者)の仕事内容は?活かせる職種や待遇面も解説」で詳しく解説していますので、ぜひご覧ください。

3.キャリアアップにつながるから

電験三種は、着実にキャリアアップを実現できる資格として高く評価されています。

電験三種を取得することでキャリアアップにつながる理由は、以下のとおりです。


■キャリアアップにつながる理由

理由 内容
給与アップの可能性が高まる
  • 月額5,000円〜30,000円の資格手当がつく可能性がある
  • 実務経験を積んで電気管理技術者として独立すれば、年収1,000万円以上を目指すこともできる
上位資格へ挑戦できる
  • 実務経験5年以上で電験二種の受験資格を取得
  • 実務を積んで電験一種も目指せる
多様な働き方を選択できる
  • ビル管理や電気工事、発電所など幅広い職種に就ける
  • 実務経験を積めば独立開業も可能
  • 定年後も働ける生涯現役の資格として人気

電験三種は資格取得がゴールではなく、むしろキャリア形成のスタートラインとして、さらに上を狙える「すごい資格」と言えます。

経験を積むほど評価され、長期的なキャリアプランを描きやすいのが特徴です。

4.将来的に需要が高まる可能性があるから

電験三種は、今後ますます需要が高まると予測されている資格です。

経済産業省の調査によると、2045年時点で約4,000人以上の電気主任技術者が不足すると見込まれています。

電気主任技術者の不足予測

引用元:経済産業省「電気主任技術者制度について」


電験三種への需要増加の背景には、以下の3つの要因があります。


■需要増加の背景

背景 内容
脱炭素化による需要拡大
  • 今後、再生可能エネルギー発電所が増設される見込み
  • 太陽光発電など新規設備の保安監督に電気主任技術者が必須
  • 電化の促進により電気設備全体が増加傾向
年齢構成が偏っている
  • 現役の電気主任技術者の過半数が50歳以上
  • 今後10年で大量退職の可能性
  • 若手技術者の育成が急務
AIに代替されにくい職種
  • 施設責任者との交渉など対面での業務が必須
  • 現場での判断や総合的な管理能力が重要
  • 技術の進歩に合わせた保安体制作りが必要

電験三種は社会の変化とともにより求められる傾向にあり、長期的な視点で見ると魅力的な資格だと言えます。



電験三種を取得するメリット

電験三種を取得することで、確実なキャリアアップと安定した将来が期待できます。


主なメリットは以下の4つです。

難易度の高い資格ですが、以上のメリットがあるため、着実に取得を目指す方が増えています。

それでは、電験三種取得のメリットについて、詳しく見ていきましょう。

1.就職・転職に活かせる

電験三種は就職・転職市場で高い評価を受けている資格です。電気設備の保安管理のスペシャリストとして、幅広い業界で活躍できる可能性が広がるでしょう。

主な就職・転職先として、以下の業界があります。

  • 電気設備関連
    電力会社や関連企業 、ビル管理、メンテナンス会社 、工事会社 、電気保安協会など

  • 製造業
    インフラ関連 、工場の電気設備管理部門 、プラントエンジニアリング会社 、太陽光発電所の運営会社 、化学プラントの保安部門など

電験三種の特筆すべき点は、資格を取得していれば未経験でも採用されやすい点です。一般財団法人電気技術者試験センターの調査によると、電験三種の有資格者は「資格が必要な職務に就いているため」という理由で受験した人が32.5%と最も多く、企業側の需要の高さがうかがえます。

また、60歳以上でも就職可能なケースが多いのも特徴です。電気主任技術者の高齢化が進む中、経験豊富な技術者への需要が高まっているとも言えるでしょう。

2.安定的な需要があるため食いっぱぐれない

電験三種は「一生食いっぱぐれない資格」と言われるほど、安定的な需要がある資格です。

理由は主に以下の3つが挙げられます。

理由 内容
社会に求められている
  • 電気事業法で電気主任技術者の設置が義務付けられている
  • 工場やビルなど、設置が必要な施設は年々増加
  • 社会インフラを守る立場として必須の存在
人材不足による需要
  • 現役の電気主任技術者の過半数が50歳以上
  • 2045年には約4,000人の人材が不足する見込み
  • 若手技術者の確保が急務
時代の変化による需要
  • 再生可能エネルギー施設が年々増加
  • 2030年までに再エネ発電を現在の2倍に増設予定
  • 電気自動車の普及に伴う充電設備の増加

電験三種は法律による保護に加え、社会構造の変化に伴う新たな需要も見込まれています。そのため、資格を持っていれば常に一定の仕事を確保できるため、安定性の高い資格です。

3.独立・フリーランスとして働くことも可能

電験三種の資格保有者は、実務経験を積んだ後に独立して働くこともできます。独立の形態には以下のような選択肢があり、自分に合った働き方を選べるのが特徴です。

  • 電気保安管理会社を設立する
    企業や工場の電気設備の保安管理を請け負う法人を立ち上げ、将来的な事業拡大を目指せる

  • 電気主任技術者として独立する
    ビルや商業施設の電気設備管理を個人で担当し、複数の顧客と直接契約を結んで活動できる

  • 電気設備コンサルタントを開業する
    省エネルギー対策や設備の効率化など、専門的な知見を活かした提案型のビジネスを展開できる

独立することで、自分のペースで仕事を選べ、複数の事業所を担当することで収入アップも期待できます。また、定年に関係なく働き続けられる点も大きな魅力です。

ただし、独立を成功させるためには、5年程度の実務経験を積むことが必要不可欠です。さらに、営業力と経営管理能力を身につけなければ、顧客との信頼関係を築けず、長期的な事業継続は難しいでしょう。

まずは企業などで実務経験を積み、段階的にキャリアアップをした上で、独立するのが望ましいです。

4.資格手当により収入がアップする

電験三種を持っていれば、資格手当や昇進などにより、さらなる収入アップが期待できます。特に大手企業では手厚い資格手当を設定していることが多く、年収アップの重要な要素です。

電験三種の資格手当は、企業によって金額に幅がありますが、主に以下のような支給形態があります。

  • 月額手当
    工事士.comの調査では、月額手当は5,000円~30,000円程度(年間で6万円~36万円)
    ※手当は基本給とは別枠で支給される

  • 特別支給
    資格取得時の祝い金や昇格や昇進時の待遇改善 ・賞与査定への反映など

電験三種の具体的な年収や資格手当の相場については、「電験三種の年収は400万円〜550万円!資格手当の相場や給与アップのコツ解説」で詳しく解説しています。



電験三種の合格率と難易度

電験三種は、過去5年間(2019〜2023年度)の平均合格率が12.2%という、電気系国家資格の中でも最難関の試験です。

難易度の高さは、以下の要因が考えられます。

要因 内容
厳しい合格条件
  • 4科目すべてで基準点:60点以上の得点が必要
  • 1科目でも60点未満があると不合格
  • 科目ごとの平均合格率も20%前後と低水準
    ※基準点は難易度に応じて変動する可能性があります
試験内容の難しさ
  • 広範な出題範囲への深い理解が必要
  • 計算問題が多く、複雑な公式の理解と応用が求められる
  • 暗記だけでなく応用力も試される

電験三種の試験は、多くの受験者が複数回受験して合格しているのが現状です。科目合格制度も設けられていますので、長期的な計画を組んで挑戦してみましょう。

電験三種の勉強方法と必要な勉強時間

工事士.comが実施したアンケート結果によると、電験三種の合格に必要とされる勉強時間は文系出身者で600〜800時間、理系出身者で400〜600時間と言われています。


効率的に合格を目指すため、以下のような勉強方法がおすすめです。


勉強方法 内容
科目の学習順序を工夫する
  • まず「理論」から取り組み、基礎を固める
  • 次に「電力」「機械」へと進む
  • 最後に「法規」を学習する
段階的に学習を進める
  • テキストで基本知識を身につける
  • 計算問題の練習し、公式への理解を深める
  • 過去問を繰り返し解いて実践力を養う
  • 苦手分野を重点的に復習する

独学での合格も可能ですが、モチベーション維持が課題となります。

「電験三種に独学で合格する5つの方法を解説!勉強順やスケジュールの立て方も伝授」の記事も参考にしてください。

電験三種は科目合格や免除制度を活用しよう

電験三種に合格するためのポイントは、科目合格制度と免除制度の活用です。制度をうまく使うことで、無理なく資格取得を目指すことができます。


主な制度の特徴は、以下のとおりです。

制度 内容
科目合格制度
  • 合格した科目は3年間有効
  • 次回以降の試験でその科目が免除
  • 年2回の試験で計6回のチャンス
  • 苦手科目に集中して学習可能
免除制度(認定制度)
  • 認定校の卒業生は一部科目が免除
  • 所定の実務経験で試験が免除
  • 申請手続きが必要

以上の制度を活用することで、一度に全科目合格を目指す必要がなくなり、合格に向けての負担が軽減されます。

科目合格制度の詳細は「電験三種 科目合格制度の有効期限や確認方法を徹底解説!」を、免除制度の条件については「電験三種の免除条件は2つ!認定校の確認方法と必要な実務経験についても解説」をご確認ください。

まとめ

本記事では、電験三種が「すごい資格」と評価される理由と、その価値について詳しく解説してきました。

電験三種が「すごい資格」と評価される理由は、以下のとおりです。

電験三種が「すごい」理由まとめ

■理由①:難易度が高い

  • 過去5年間の平均合格率が12.2%という高い難易度を誇る
  • 4科目すべてで60点以上が必要で、他の国家資格と比較しても最難関クラスの試験

■理由②:独占業務を持つ法的資格

  • 電気事業法に基づく業務独占資格
  • 5万ボルト未満の電気設備の保安監督という重要な役割が法的に保護されている

■理由③:キャリアアップの可能性が高い

  • 資格手当がもらえる(月額5,000円~30,000円)
  • 上位資格へのステップアップできる
  • 独立の可能性など、着実なキャリアアップが期待できる

■理由④:将来性が高い

  • 2045年時点で約4,000人の人材不足が予測されている
  • 将来的な需要の高まりが見込まれている

資格取得には文系で600〜800時間、理系で400〜600時間程度の勉強時間が必要ですが、科目合格制度や免除制度を活用することで、効率的に取得することができます。


また、電験三種は難関資格ではありますが、取得後は安定した需要と将来性、そして多様なキャリアパスが期待できる価値ある資格です。ぜひ長期的な視点で、資格取得に挑戦してみましょう。


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