第一種電気工事士に必要な勉強時間は?《実際の受験者にアンケート調査》
電気工事士の資格・試験最終更新日:
第一種電気工事士試験に合格するため必要な勉強時間の目安は、「学科試験で30〜100時間」、「技能試験で10時間~」です。
工事士.comは、第一種電気工事士の資格取得試験を受験した方13名を対象に独自のアンケートを実施しました。
今回は、その回答結果を基に、第一種電気工事士の勉強時間や試験勉強のコツ、試験対策に使った教材について解説します。
忙しい日々の中で資格取得を目指す皆さんにとって、勉強の進め方の参考になれば嬉しいです。
第一種電気工事士の勉強時間はどれくらいだった?
第一種電気工事士の試験対策に費やした時間について、実際に受験した方13名にアンケートを取りました。
その結果を「学科試験」「技能試験」それぞれ発表します。
これから第一種電気工事士の資格試験を受ける方は、勉強時間や練習時間の参考にしてください。
学科試験の勉強時間は「30〜100時間」程度が多かった!
最も多かったのが「30〜50時間(31%)」、次に「50〜100時間(23%)」でした。
第一種電気工事士の学科試験における勉強時間の目安はだいたい「30〜100時間」程度と考えておくと良いでしょう。
技能試験の勉強時間は「10時間~」!ただし個人差あり。
多かったのが「10〜30時間」、「30〜50時間」、「50〜100時間」でした。(それぞれ23%)
第一種電気工事士の技能試験における練習時間の目安はだいたい「10時間〜」と考えておくと良いでしょう。
中には「~10時間」という少ない練習時間の方や、「150〜200時間」と練習時間をしっかりかけている方もいらっしゃいました。
技能は個人の経験値による影響が大きく、必要となる練習時間の差が激しいようです。
技能試験の練習時間は、自分のスキルや経験をよく考慮して設定するようにしましょう。
勉強と仕事のバランスを取る方法
働きながら資格勉強をされる方も多くいらっしゃると思います。
お仕事をしながらでも無理なく試験対策を進められるよう、勉強時間の取り方について参考例を紹介します。
仮に「1日1時間」勉強するとして、以下2つの条件で勉強時間を見ていきましょう。
- 試験勉強を「毎日(週7日)」する場合
- 試験勉強を「休日(週2日)」にする場合
■ 毎日1時間勉強する場合
通算時間(H) | 週の勉強日数(D) | 1日の勉強時間(H) | 必要な週数(W) | 必要な月数(M) |
50 |
7 |
1 |
7 |
1.8 |
100 |
7 |
1 |
14 |
3.6 |
毎日・1時間の勉強をする場合、50時間勉強するなら「およそ2ヶ月前」から、100時間勉強するなら「およそ4ヶ月前」から始めると良いでしょう。
■ 週2回1時間勉強する場合
通算時間(H) | 週の勉強日数(D) | 1日の勉強時間(H) | 必要な週数(W) | 必要な月数(M) |
50 |
2 |
1 |
25 |
6.3 |
100 |
2 |
1 |
50 |
12.5 |
週2日・1時間の勉強をする場合、50時間勉強するなら「半年前」から、100時間勉強するなら「1年前」から始める必要があります。
仕事と試験勉強のバランスを保つために、自分が勉強に充てられる時間を考え、逆算したスケジュールを立てておくようにしてください。
Q.第一種電気工事士 学科試験勉強のコツは?
工事士.comの独自アンケートの回答結果は以下の通りです。(N = 13)
- とにかくインプット …5名
- 過去問を解くこと …5名
- その他
■とにかくインプット!
・まずはインプットをしっかりすること。知識が入っていないとそもそも解けないため。逆にアウトプットは最低限でもなんとかなります。
・テキストの内容を全て暗記する意識で勉強する事です。
・とにかく、専門用語を覚える事。キュービクル内のCT他計器類の名称と配線図を暗記出来れば、ソコソコの点は取れると思います。
■過去問を解くこと
・過去問の研究はした方が良いです。向こうも毎年変えるのは面倒なので、その事情から前年とかぶる問題もある。だからそこは押さえたほうが良い。
・その年度ごとに出される傾向があるので、その年の参考書と問題集をひたすらやる事です。
・過去問を繰り返し解いていれば受かると思います。
■その他
・計算問題がすぐ解けないなら後に回す。とりあえず全部埋める。
・配線図を何度も書くこと。細かい設備ひとつひとつの特性より全体図を掴むことが重要。
第一種電気工事士の学科試験対策については「第一種電気工事士の学科試験(筆記・CBT方式)のポイント解説!勉強方法やコツを紹介」で詳しく解説しています。
Q.第一種電気工事士 技能試験対策のコツは?
工事士.comの独自アンケートの回答結果は以下の通りです。(N = 13)
- 身体で覚える …3名
- 落ち着いて取り掛かる…3名
- 職場を利用する …2名
- その他
■身体で覚える
・コツというより、ひたすら反復練習して身体に覚えさせた方が良いです。?
・身体で覚えること。
・何回も技能練習する事です。
■落ち着いて取り掛かる
・とにかく落ち着いて臨むこと。
・自分の指の長さを把握して、それを基にケーブルを剥く寸法の参考にしました。あとは、慌てずにやるのがコツです。
・第二種電気工事士の時点で余裕を持ってクリアできるなら特に心配いらないと思います。
■職場を利用する
・インターネットや職場ですでに受験した方のお話を参考にして、様々な可能性を捨てずに実力を発揮できる準備をする。
・OJT(職場内訓練)で覚える。
■その他
・初めに配線図を読み解いて、各線がどこに何m必要か(寸法+接続に必要分)、どの色をどこに繋ぐか等を記載するなどして把握する。
・電線に余裕は殆ど無いので、電線を切る際は間違いが無いか確認する。被覆を剥く際に、心線を傷つけないようにする。
・実際に配線などを理解することと、新しい器具の理解をしておけば合格率は上がります。
第一種電気工事士の技能試験対策については「第一種電気工事士の実技(技能試験)は何をする?概要・準備・対策方法まで徹底解説!」で詳しく解説しています。
Q.第一種電気工事士 学科試験の勉強に使った教材は?
工事士.comの独自アンケートの回答結果は以下の通りです。(N = 13)
- 第一種電気工事士学科試験 完全解答 …4名
- ぜんぶ絵で見て覚える第1種電気工事士 学科試験すい~っと合格 …2名
- 第一種電気工事士項目別過去問題集 …1名
- その他/特に無し
■「ぜんぶ絵で見て覚える第1種電気工事士 学科試験すい~っと合格(オーム社)」
Q.第一種電気工事士 技能試験対策に使った教材は?
工事士.comの独自アンケートの回答結果は以下の通りです。(N = 13)
- 第一種電気工事士技能試験 公表問題の合格解答 …4名
- 過去問 …2名
- その他
■「第一種電気工事士技能試験 公表問題の合格解答(オーム社)」
■過去問
・電気技術者試験センターの過去問を実際に解く。
・公式サイトに載っている過去問題集(無料ダウンロード可能!)
■その他
・YouTubeの傾向と対策チャンネル。
・当時は現場で実際に作業をしていたので、特にありません。
第一種電気工事士の技能試験対策について、「第一種電気工事士の技能試験(実技)のポイントを解説!」でさらに詳しく解説しています。
よくある質問
第一種電気工事士の勉強時間について調べている人向けのよくある質問をまとめました。
電気工事士1種は難しいですか?
一般的に、電気工事士1種(正式名称:第一種電気工事士)は難しいと言われます。
その理由として「専門性の高さ」や「幅広い知識と技能が必要なこと」が挙げられます。
電気工事士(第一種・第二種)は日本の国家資格で、資格試験では電気理論・法規・安全管理などの専門知識が問われます。
第一種電気工事士は、高電圧や大規模施設の工事を含む、より広範な電気工事を行うことが許可される資格で、第二種電気工事士に比べて難易度も高いです。
第一種電気工事士の難易度や合格率について、詳しくは「【第一種電気工事士の合格率】他の資格と比べてすごい!難易度や対策を紹介」をご覧ください。
電気工事士1種 何日かかる?
電気工事士1種(第一種電気工事士)の試験申し込みから試験合格までにかかる期間は、およそ6ヶ月です。
その後、免状の交付申請には、試験合格後3年以上の実務経験が必要となります。
第一種電気工事士の試験スケジュールについて詳しくは「第一種電気工事士の申込方法と試験日|画像付きでわかりやすく解説」をご覧ください。
免状の申請方法や交付までにかかる日数については「第一種電気工事士免状の申請方法」をご覧ください。
また、勉強時間だけで言うなら数ヶ月から1年程度を要することが一般的です。
具体的には、学科試験の準備として2ヶ月〜半年ほど、技能試験の実技練習としてさらに数ヶ月必要と想定されます。
電気工事士1種の年収は?
電気工事士1種の年収は「450~650万円程度」と推定されます。
第一種電気工事士合格時の年齢のボリュームゾーンは30代と言われており(参照)、30代以降の電気工事士の平均年収は、だいたい450~650万円の範囲です。
まとめ
今回は、第一種電気工事士の勉強時間、および効果的な勉強方法について解説しました。
- 学科試験の勉強時間は「30〜100時間」、技能試験の練習時間は「10時間~」が目安。
- 学科試験の勉強方法のコツは「とにかくインプットする」、「過去問を解く」など。
- 技能試験対策のコツは「身体で覚える」、「落ち着いて取り掛かる」「職場で学ぶ」など。
- 試験対策にはテキストのほか、職場やインターネット上の解説サイトや動画なども活用すると良い。
皆さんの試験合格を心から応援しています!
執筆者・監修者
工事士.com 編集部
株式会社H&Companyが運営する電気工事業界専門の転職サイト「工事士.com」の編集部です。
◆工事士.comについて
- 電気工事業界専門の求人サイトとして2012年にサービス開始
- 転職活動支援実績は10,000社以上
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