鉄道工事はきつい!辛いと思った時に、どう乗り越える?

電気工事士の仕事・転職

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鉄道工事は、列車が安全に走る上で、無くてはならない大事な仕事です。責任や、 やりがいも感じられる反面、実際に現場に出て工事を行っている作業員の方の中には、働いていて、 きついなぁ」「しんどいなぁ」と思っている方も多いのではないでしょうか。


この記事では、現場でご活躍されている鉄道作業員の方に聞いた、「きつい」と感じる場面をご紹介します。 また「きつい」と感じていながらも、鉄道工事を続けている理由「きつい」場面を乗り越えるためにはどうすればいいのかも見ていきたいと思います。


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鉄道工事の作業員が、「きつい」と感じる瞬間

「鉄道工事」と一言で言っても、会社の規模によって、複数の工事部門(電気設備、保線・土木、建築等)を設けている会社や、 1つの工事を専門的に行う会社(電気設備・土木等のいずれか)など、様々なパターンがあると思います。

今回は、電気設備、保線・土木、建築の3つの部門の方にお話を聞き、それぞれの工事で「きつい」と感じる場面を調査しました。 現場でご活躍されている方にお話を伺ったところ、「体力的にきつい」「精神的にきつい」「仕事量がきつい」と 感じている人が多いという事が分かりました。



体力的にきつい場面


【電気設備部門】
鉄道信号の新設・交換や、変電設備の点検やメンテナンスが主な仕事です。この仕事を始めたのは28歳くらいの頃で、会社に勤めてかれこれ10年以上になります。若かった頃は体重が53kgくらいの痩せ型だったので、体力もあまりなく、周りからは「もやし」と言われていました。私が行っている仕事は夜勤がほとんどで、もちろんずっと立ちっぱなしです。「もやし」で体力も無い上、夜勤にも慣れていなかったので、毎日がずっとフラフラでした。

私の会社が扱っていた信号機は、重さが30~50 kgくらいある物から80 kg近くある物までいろいろありました。当時は信号機を持っただけでヨタヨタしていたんです。現場では先輩も怖く、モタモタしていたらすぐに「しっかりしろ!」と喝を入れられていましたね。重いものを運ぶことで体力も奪われるし、怒られてビビるし、ダブルパンチできつかったです。この年になって仕事にもだいぶ慣れてきましたが、やっぱり夜勤が続くと、今でも「しんどいなぁ~」と感じますね。(43歳・男性)


【保線・土木部門】
地方の田舎で、列車のレール交換や木まくらぎ(レールの下に敷かれている木)の交換などを行っています。ほとんどは機械で作業を行いますが、手作業で行う工事もたくさんあります。何10kgもある機械を運ぶときは、いつも「きついわ~」と思いますし、レールの下に敷かれている石の上を歩く時は地味に痛いです。夏場なんかは特にしんどくて、レールの温度が50℃になる時もあります。逆に冬場は、雪が降った時にレールの除雪をしなければいけないので、ほとんど毎日夜勤です。

やはり夜勤が続くとなると、昼夜逆転の不規則な生活になってしまいます。友人たちとは時間も合わないので呑みにも行けない…、でも仕事は辞められない…。いろんな葛藤がある中で、給料日だけが、「きつい」という気持ちを忘れさせてくれます。(26歳・男性)


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精神的にきつい場面

【電気設備部門】
私は高校生の時に、第ニ種電気工事士の資格を取って、高卒で今の会社に就職しました。もともと鉄道に興味がって、鉄道に関わる仕事がしたいと考えていたので、入社時はドキドキとワクワクな気持ちでいっぱいでした。周りは40代~60代のベテランばかり。やっぱり職人の業界なので、無口でムスッとしている人や、ガツガツ絡んでくれる人、いつも他の先輩に怒られている人など、さまざまいました。

正直に言って優しい人ばかりではなかったです。「ここ分からないので教えてください」と質問すると普通に無視されたり、ちょっと作業の手順が分からなくて手が止まってしまった時に、「早くしろよ」と睨まれたり・・・。見えない圧をかけられているような時もありました。憧れていた鉄道の仕事で、まさか人間関係で悩むことになるとは思ってもみなかったので、理想と現実のギャップにショックを受けましたね。(22歳・男性)


【保線・土木部門】
私が働いていた保線部は20代~30代と若い人が集まっていて、他の部署からも期待されている部署でした。しかし、裏を返してみれば闇の部分も結構あったんです。上下関係がやたらときつく、現場では怒号が平気で飛び交う事もありました。入社したての新入社員や、下っ端の私は、いつも先輩たちの機嫌を損ねないように、配慮する事ばかり考えていましたね。


どんなに小さいミスでも、先輩の目に留まってしまった時は、もう一巻の終わりです。その日1日中、ネチネチと嫌味っぽく、小さなミスを指摘してくるのです。そのくせ自分が大きなミスをした時は、ヘラヘラと笑って同僚に謝罪。どこの現場にもいるんでしょうか、こういう人。1つ年上の先輩は、「そういう人は無視して軽く受け流すのが一番だよ」と言っていましたね。体力仕事で体は鍛えられても、メンタルだけは鍛えようがありません。(23歳・男性)


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仕事量がきつい場面

【電気設備部門】
私が勤めていたのは鉄道会社ではなく、普通の電気工事の会社でした。下請けという形で鉄道工事も請け負っていたのですが、一般家庭の電気工事と鉄道の電気工事とでは、作業の内容もまるで違います。覚えることも多くて、図面を頭に叩き込むことが特に大変でした。仕事がたくさんあるってことは、会社的にはいいことなのかもしれないですが、作業をする方はきついんですよね。私の会社は社員も10人程度しかいない小さな会社だったので、給料やボーナスも少なくて、仕事量と見合ってないなと思う事が多々ありますよ。(37歳・男性)


【保線・土木部門】
JRの一次下請けの会社に勤めています。1ヶ月間のうち半分が夜勤で、2・3日連続で夜勤が続くことも珍しくはありません。夜間作業は基本的に、終電が終わってから始発が走り始めるまでの4~5時間程度で作業を行います。短時間の間で、キツキツの仕事量を終わらせなければいけないので、いつも切羽詰まっていて現場はバタバタです。もちろん、現場によっては作業が早く終わる時もありますが・・・。もう少し作業員の人数を増やして、仕事を分担できればちょっとは楽になるのに。

夜勤が終わってからも事務所で書類作成をしたり、次の日の準備をしたり、仕事は山のようにあります。この膨大な仕事量を、いかに効率よくこなせるかが課題ですね。いつまでに、どうやって終わすかを常に考えて、スケジュールを組みながら進めることがこの仕事のキモだと思います。(23歳・男性)


【建築部門】
東京都内のいろんな駅の改修工事に携わって、もう7~8年になります。この年になると後輩も出来て、毎日が賑やかです。今は後輩の教育の為にほとんど時間を割いているので、自分が担当している仕事がなかなか進まない事が悩みです。忙しいとはいえ、自分の仕事が免除されるわけではないので、残業して頑張る事もあります。

思うように仕事が進まないときはイライラする事もありますが、自分が育てた後輩が成長している姿を見ると、不思議と「俺も頑張ろう」って思うんですよね。現場ではきつい事とかしんどい事がほとんどですが、嬉しいことが1つでもあると、「やっぱこの仕事いいな」って感じます。(31歳・男性)



いかがでしたか?やはり職人の世界なので、現場にはいろいろなタイプの人がいますよね。「きつい」「しんどい」と感じる場面や、感じ方は人それぞれです。この記事を読んでくださっている方の中には、鉄道工事の「きつさ」と戦いながら頑張っているという方も沢山いらっしゃるのではないでしょうか?『体力的にきつい・精神的にきつい・仕事量がきつい』・・・一言で言い表せないような、さまざまな「きつい場面」があると思いますが、やはり体が一番大事です。信頼できる誰かに悩みを相談したり、適度に運動したり、自分なりのストレス発散方法を用意しておくことも大切ですね。


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鉄道工事はきつい!だけど辞めずに続けている理由

先程ご紹介した「きつい」と感じるエピソードの中には、「給料日を楽しみに頑張っている」「後輩の成長を楽しみにしている」という人や、仕事はきついけれど長年辞めずに続けているという人もいましたね。普通、「きつい」「しんどい」と思ったら、辞めたい!転職したい!と考えてしまうことだってあるのではないでしょうか?鉄道工事を長年続けられるのには、きっと理由があると思います。続いては、『きついとは感じているけれど、辞めずに続けている理由』をご紹介していきたいと思います。


給与面が安定しているから、きつくても頑張れます!

◎会社によると思うけど、JRの下請けでやっている会社は比較的給料が良い方だと思います。うちの会社は、月給は低いけれど、手当がたくさんつくんですよ。例えば、資格手当・長時間勤務手当・夜勤手当・役職手当・運転手当・作業手当・家族手当とか。勤続年数が増えるにつれて手当の額も上がります。仕事はきついけど、お金が良いので辞めたいと思ったことは一度もありません。(31歳・保線作業員・勤続6年)


◎正直、仕事はかなりきついです。夏は灼熱地獄で、冬は極寒。でも働いた分はちゃんと給料がもらえます。もちろん手当も。入社したての頃は仕事が本当にきつすぎて、辞めようと思った事もあるんですけどね。でも自分が住んでいるところは田舎で、転職したくてもあまり良い求人がないんですよ。それに地元の中だと、ウチの会社は月給が高い方だと思います。やっぱり、お金が無いと生活できないので、「あの時、諦めずに頑張って良かったなぁ」って思います。(21歳・土木作業員・勤続3年)


◎私は今の会社に入って14年目になります。入社した当時は「しんどい・‥体がもたない」と鉄道工事のきつさにビックリしていました。それと同時に「早く辞めたい、いつ辞めよう」が口癖になっていたんです。でも28歳の時に結婚して、子供が生まれてから考えが変わり、「もう、辞めたいとか言ってられない。子供を育てるために稼がなきゃ!」という気持ちで必死に働きました。辞めずに頑張った成果もあってか、今では役職も付いて給料も上がりました。仕事できついと感じた時はいつも子供の写メを見て、やる気を振り絞っています。(39歳・土木作業員・勤続14年)


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人間関係が良いから、仕事が楽しいです!

◎現場では叱られることなんてしょっちゅうありますよ。でも、失敗して凹んでいる時に相談に乗ってくれたり、「呑み行くぞ」って連れ出してくれる先輩がいるから、ずっと辞めずに頑張れているんだと思います。こんな自分の為に親身になってくれる先輩がいるって、絶対幸せな事じゃないですか。現場は優しい人ばかりじゃないけれど、誰か1人でも信頼できる人がいれば、仕事に対するモチベーションも全然違うと思いますよ。(22歳・電気設備工事作業員・勤続2年)


◎こういった職人の業界では、「自分で見て覚えろ」とか「そんなのも分かんないの?」とか、仕事をちゃんと教えてくれない会社もあると思います。私の会社は社員7人の小さい会社です。年齢も高くて、私以外は全員50代と60代のベテランばかり。入社した時は、正直「マジか…」と思ったんですけれど、話してみたら全然イメージと違ってとてもフランク!しかも教え方がめちゃくちゃ丁寧。さすがベテランって感じでした。技術も知識もあって教え方も上手いって最強ですよね。私もこんな風になれるように、日々修行しています。(29歳・電気設備工事作業員・勤続6年)


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やりがいがあるから、続ける価値があります!

◎たまたま仕事で、日中に線路の工事をしていた時、遠くから「すげぇ!」ってちいさい声が聞こえてきたんです。なんだ?と思って振り返ると、線路脇のフェンスの近くからこっちに向かって手を振っている男の子がいました。運転士さんや駅員さんみたいに、みんなから憧れを持たれるような華やかな仕事じゃないかもしれないけれど、やっぱり、自分の仕事を「すげぇ」って思ってもらえるって嬉しいんですよね。それに自分たちの仕事が無いと列車はまともに走れません。そういった意味ではやりがいもあるし、きつくても続ける価値はあると思いますよ。(36歳・土木作業員・勤続7年)


鉄道工事では、時間の使い方がとても大事です。万が一列車を遅らせたら、何万人という人々に影響が出てしまうからです。でも逆を言えば、何万人もの人々の足を支えているという事になります。この仕事に就いてから、交通機関を守る責任と言いますか、使命感を感じるようになりましたね。現場ではきついことも沢山ありますが、それを乗り越えた時の快感がたまらないです。(32歳・保線作業員・勤続)



お話を伺った際に、なんとなく共通点があるということがわかりました。それは、誰しもが自分の仕事に誇りや責任を持っているということです。皆さん口に出しては言いませんが、仕事の話をしているときは、とてもイキイキしているなという印象を感じましたね。きついと感じることがあったとしても、その中にある、やりがいや楽しさを見いだせることができれば、仕事も今まで以上に面白く感じられるのではないでしょうか。

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「きつい」と感じた時、どう乗り越えるか

「辞めたい」とまでは思わないけど、気持ちがしんどい時

「辞めたい」とまでは思わないけれど、職場でのストレスや仕事の疲れが溜まってくると、気持ちがしんどくなる時ってありますよね。きついけれど乗り越えなければいけない時、どんな方法で乗り切れば良いのでしょうか?すぐに実践できる、「きつい場面」を乗り切る方法をご紹介します。ぜひ試してみてください!



◆職場の先輩・家族など、身近な人に悩みを相談する
一人で考え込む事は、あまりオススメしません。悩みを吐き出せる場所が無いと、負のスパイラルに陥ってしまいがちです。声に出して悩みを誰かに打ち明けることで、気持ちが軽くなったり、悩んでいたことを解決できる方法が見つかる事もあります。信頼できる第三者の意見を取り入れてみて、気持ちを整理してみるのも良いかもしれませんね!


◆自分にご褒美をあげる
「いい大人がご褒美?」と思うかもしれませんが、なんでもいいんです。例えばちょっと高い良い肉を買って食べるとか、マッサージに行くとか。どんな方法でも良いのでモヤモヤした辛い気持ちをリフレッシュすることが大切です。今回お話を伺った鉄道作業員の方の中には、「給料が入ったら、まず大好きなパチンコに行く」「休日にひたすら寝る」といったご褒美をあげている方もいましたよ!


◆趣味に没頭する時間をつくる
スポーツ・釣り・ドライブ・バイク・登山・ゲーム・ネット・読書など、誰にでも自分だけの趣味があるのではないでしょうか。周りを気にせず自分の大好きな事に没頭することは、ストレスを発散するのにとても効果的です。


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「もう無理…辞めたい」と気持ちの限界がきた時

「もう無理…辞めたい」と気持ちに限界がきているという方は、転職する事も視野に入れてみてください。「これ以上、この会社で働くのはきつい」と感じている場合は、新しい環境で頑張ってみる事を検討するのが良いでしょう。ですが、辞めたいという考えが一時的なものである場合は、転職を急ぐのは禁物です。もし、転職を考えている方がいましたら、下記の3つの事を再確認してみましょう。


◆転職したい理由は明確ですか?
転職の原因で多い理由の1つに『職場での人間関係』があります。「仕事は好きだけど、上司とのそりが合わなくて」「職場の同僚ともめた」など、いろいろな理由があると思います。転職するという事はあなたの人生を大きく左右することになるかもしれません。抱えている問題に、もしも解決できそうな糸口がある場合は、まずはその解決策を試してみてください。「それでもダメだ…」という方は、心機一転、新しい環境で頑張ることを考えても良いかもしれません。


◆今まで働いてきた会社で学んだことはありましたか?
辞めたいと考えている方も、少なからず、今の会社で学んだことがあると思います。鉄道工事は専門的な分野という事もあって、全くの別職種に転職するとなると、活かせることは、もしかしたら少ないかもしれません。転職するかどうかの判断をする際、これまでに学んだことを活かせそうか、再確認してみると良いでしょう。


◆転職に対する周囲の反対意見に、打ち勝つ方法はありますか?
転職したいと思っていても、家族や友人に反対されたり、職場の先輩や上司に引き止められたりと、越えなければいけない山があると思います。「転職してどうするの?」「せっかく頑張っていたのに、もったいないよ」「本当にそれでいいの?」など、転職を反対する声が挙がるかもしれません。その際に、相手を納得させられるような理由が必要になります。転職する事を既に決めているという方は、反対意見に打ち勝てるような転職理由をあらかじめ用意しておくと良いですね。


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まとめ

鉄道工事は「きつい」と感じる場面が沢山あると思います。どの瞬間にきついと感じるか、また、きついと感じる度合いも人それぞれでしょう。溜め込んだストレスを一気に無くすことは難しいと思うので、少しずつ発散していく事がポイントです。まずは身近な場面で出来そうな、自分なりのストレス発散法を見つける事から始めてみましょう。

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