電験三種の資格取得には実務経験が必要?積み方や実務経験不要な取得方法も解説!

電気主任技術者(電験)

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電験三種の免状交付を受けるにあたり、実務経験が必要かどうか疑問に思う方も多いのではないでしょうか。

電験三種の免状交付を受けるための実務経験必須の有無は、「資格取得方法」によって異なります。

電験三種の資格を取得する方法には、「試験合格」と「認定取得」の2つのルートがあります。

「試験合格」は4科目の試験に合格することで資格を得る王道ルートで、学歴や実務経験は一切不問です。

一方、「認定取得」は認定校の卒業と一定期間の実務経験を組み合わせることで試験免除を受けるルートであり、学歴に応じた実務経験が必須となります。

この記事では、認定取得の場合に必要な実務経験の積み方や、実務経験なしでも働ける求人の探し方などをご紹介します。


まずは、ご自身の資格取得方法において実務経験が必要かどうかを確認し、必要な場合は、どのように実務経験を積み重ねていけば良いかをチェックしておきましょう。


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電験三種には実務経験が必要?資格取得方法まとめ

電験三種の免状交付を受けるにあたって実務経験が必要かどうかは、資格の取得方法により異なります。

電験三種の資格を取得する方法は、「試験合格」と「認定取得」の2つのルートがあります。

「試験合格」により免状交付を受ける場合は、実務経験は一切問われません。一方で「認定取得」により免状交付を受ける場合は、指定された学校(認定校)の卒業に加え、所定の実務経験が必須となります。

ここでは、「試験合格」と「認定取得」の概要や特徴を具体的に解説していきます。

電験三種には実務経験が必要?

試験合格

電験三種の資格を「試験合格」で取得する場合、実務経験は一切不要です。

なお、電験三種の試験には受験資格がないため、学歴や年齢、職務経歴に関わらず誰でも挑戦できます

試験合格による電験三種の免状交付までの流れは、下記のとおりです。

■試験合格による資格取得方法の流れ

  1. 試験受験:「理論」「電力」「機械」「法規」の4科目を受験する
  2. 全科目合格:上記4教科すべてに合格する
  3. 免状交付申請:全科目合格後、(財)電気技術者試験センターへ免状交付を申請する

申請が受理されると、晴れて正式な電験三種の免状取得となります。

試験合格による資格取得の大きなメリットは、実務経験がなくても目指せる点です。また「科目合格制度」があり、一度合格した科目は最長3年間有効なため、数年かけて計画的に合格を目指せます。

したがって、試験合格による資格取得は、実務経験がない方やこれから電気分野でのキャリアを築いていきたい方にとって、最も一般的な取得方法と言えるでしょう。


認定取得

電験三種の資格を「認定取得」で目指す場合は、実務経験が必須です。

認定取得とは、難関とされる電験三種の試験を受験せずに資格の権利を得られる方法です。

認定取得により免状交付を受けるには、以下の条件を満たす必要があります。

■電験三種 認定取得による免状交付の条件

  • 学歴
    経済産業大臣が指定した「認定校」(大学、短大、高専、専門学校、高校など)で、電気工学に関する所定の4分野(理論、電力、機械、法規)の単位を修了し卒業していること
  • 実務経験
    電圧500V以上の電気工作物の工事、維持、または運用に関する実務経験が必要
  • 必要な実務経験年数
    ・大学・大学院卒:1年以上
    ・短大・高専・専門学校卒:2年以上
    ・高校卒:3年以上

※参考:電気事業法の規定に基づく主任技術者の資格等に関する省令 第1条(e-GOV)

※卒業前の経験年数は、経験年数×1/2でカウントする

(例)卒業前:2年×1/2 +卒業後:2年=実務経験年数:3年


上記の学歴と実務経験の条件を満たした上で、実務経歴証明書などの必要書類を準備し、お住まいの地域を管轄する産業保安監督部へ申請します。

申請後、書類審査や面接が行われ、要件を満たしていると認められれば、試験を受けることなく電験三種の資格が認定・交付されます。

したがって、すでに認定校を卒業しており、今後必要な実務経験を積める環境にある方や、すでに実務経験をお持ちの方にとっては、有力な資格取得の選択肢となるでしょう。


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電験三種(認定取得)に必要な実務経験の積み方

電験三種の資格を「認定取得」で目指す場合、試験勉強は不要ですが、代わりに「実務経験」が必須となります。

認定取得をスムーズに進めるためには、実務経験の正しい積み方を把握しておくことが大切です。

ここでは、認定取得に必要な実務経験について、どのような業務を・どこで・どれくらいの期間積めば良いのかについて解説していきます。


実務経験とみなされる業務内容

電験三種の「認定取得」に必要な実務経験として認められるのは、「電圧500V以上の電気工作物の工事、維持、または運用」に関する業務です。

電気事業法施行規則」で明確に定められており、単に電気に関わる仕事というだけでは不十分で、専門的な知識や技能が求められる業務である必要があります。

実務経験として認められる業務の具体例は、以下のとおりです。

■ 認定取得に必要な実務経験とみなされる業務内容

業務 内容
工事
  • 電気設備の設計(基礎工事を除く、新設・増設・改造など)
  • 機器や材料の据付、組立(製造工場での作業は除く)
  • 配線工事
  • 機器の調整や性能検査
維持
  • 高圧設備の巡視点検、定期点検(目視点検、測定、試験など)
  • 設備の修理、メンテナンス
  • 設備の機能を維持するための保守管理全般
運用
  • 電気設備の運転状態の監視
  • 電圧や電流、周波数、力率などの調整
  • 電力需給の調整
  • 電力系統の切り替え操作
  • 事故発生時の復旧操作や原因究明、報告
  • 給電指令

※参考:電気主任技術者免状の交付申請に必要な書類の作り方(中部近畿産業保安監督部北陸産業保安監督署)

上記の業務に加えて、業務全体の監督指導や工事計画の認可申請書の作成、電気事故防止対策といった保安管理的な業務も実務経験に含まれる場合があります。

なお、認定申請の際には「実務経歴証明書」で具体的な業務内容を証明する必要があるため、自身の業務が要件を満たしているか、日頃から意識しておくことが大切です。

ご自身が行った業務が実務経験にあたるかどうか迷う場合は、勤務先の保安規程を確認してみましょう。


実務経験を積める職場

電験三種の認定取得に必要な実務経験を積むためには、「電圧500V以上の電気工作物の工事、維持、または運用」に携われる職場で働く必要があります。

具体的には、下記のような職場が挙げられます。

■認定取得に必要な実務経験を積める関連企業・業種の一例

  • 電気保安法人:様々な施設の電気保安業務(点検・試験)を外部委託で実施
  • ビルメンテナンス会社:電気設備の保守・点検を担当する部署
  • 電気工事会社:高圧受変電設備の設置・改修工事などを手掛ける会社
  • メーカー・プラント:自社工場や施設の電気設備を管理する部署(工務、施設管理など)
  • その他:鉄道会社(変電所等)、インフラ関連企業など

なお、「電圧500V以上の電気工作物」が設置されている主な施設は下記のとおりです。

■高圧・特別高圧受電設備を持つ施設

  • 工場:製造ライン等で大量の電力を消費する、キュービクルなどが設置された工場
  • 大規模商業施設:ショッピングセンター、デパート、アウトレットモールなど
  • オフィスビル・複合施設:大規模ビル、データセンター併設ビルなど
  • 病院:安定した電力供給が必須な医療施設
  • ホテル・宿泊施設:大規模なホテルやリゾート施設
  • 発電所・変電所:電力会社施設や自家発電設備を持つ施設

上記のような施設の現場では、電気主任技術者の選任が義務付けられている場合が多く、選任者の下での補助業務も経験に含まれることがあります。

認定取得に必要な実務経験を積むために就職・転職を考えている方は、入社先で認定要件を満たす経験が得られるかどうかを事前に確認しておきましょう。

実務経験の期間

電験三種の認定取得に必要な実務経験の期間は、最終学歴によって異なります。

電気事業法の規定に基づく主任技術者の資格等に関する省令」で定められており、一律ではありません。

したがって、ご自身の学歴に対応する期間を正確に把握することが重要です。

■認定取得に必要な実務経験の期間

  • 大学卒業または大学院修了:1年以上
  • 短大卒業または高専卒業:2年以上
  • 高校卒業:3年以上

※参考:電気事業法の規定に基づく主任技術者の資格等に関する省令 第1条(e-GOV)

※経済産業大臣が認定した学校・学科を卒業していることが前提


なお、実務経験の期間については、下記の注意点があります。

■実務経験期間の注意点

  • 計算開始時期:原則として、認定校を卒業した後の日から計算を開始する
  • 卒業前の経験:認定校卒業前に要件を満たす実務経験がある場合は、その期間の1/2を卒業後に必要な年数に算入できる
  • 実務経験の認定条件:「実務経験とみなされる業務」に従事していた期間の合計で計算され、実務経歴証明書で具体的に示す必要がある

認定取得を目指す方は、まずはご自身の最終学歴に対し必要な実務経験年数を正確に把握しましょう

その上で、要件を満たす業務内容に継続して従事できるよう、計画的にキャリアを積んでいくことが大切です。

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電験三種の実務経験なしでも働ける求人はある?

「試験合格」は、学歴や実務経験に関係なく誰でも挑戦できる資格取得方法のため、「電験三種の資格は取得できたけれど、実務経験がないため働けるところがあるのか不安」という方も多いのではないでしょうか。

電験三種の資格を持っている場合、実務経験がなくても就職・転職できる求人が見つかる可能性は高いです。

電験三種の資格自体が電気知識の証明となるうえ、業界全体の人手不足から、企業がポテンシャルを重視して未経験者を採用するケースが増えているためです。

電験三種の資格を活かした求人を効率的に探すには、電気業界に特化した求人サイトの活用がおすすめです。

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  • スカウト機能:企業から直接「応募歓迎」の連絡が来る可能性もある

電験三種は転職市場においても有利な資格です。 実務経験がないことをマイナスと捉えず、資格の強みを活かして、積極的に求人を探し応募してみましょう。


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まとめ

本記事では、電験三種の資格取得にあたり実務経験が必要かどうか、また必要な場合はどのような実務経験を積めばよいのかについて解説しました。

この記事のまとめ
  • 電験三種の免状交付を受けるには「試験合格」と「認定取得」の2つの方法があり、「認定取得」の場合のみ実務経験が必須となる
  • 「認定取得」の方法において必要な実務経験は1~3年で、学歴により異なる
  • 「試験合格」で電験三種の資格を取得したため実務経験がない場合でも、未経験から入社できる求人はある

電験三種は、電気関係の資格の中でも難易度が高く、重宝される資格です。

そのため、ご自身に合った取得方法で電験三種を目指しましょう。

なお、認定取得を目指す場合は、実務経験の条件を正しく理解し、より効率的に取得することが大切です。

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