- エアコン取り付けは体力的負担が大きく、不規則な勤務やクレーム対応がある
- エアコン需要は安定しているため、長期的に働ける職種
- 技術を習得すれば高収入が狙え、独立や起業のチャンスもある
- 体力に自信がある人・技術習得に意欲がある人などに向いている
- 長く続けるには、体調管理の徹底とスキルアップ、オフシーズンの収入確保が重要
- キャリアチェンジとしてビルメンテナンスや施工管理、電気工事士の道も開かれている
エアコン取り付けの仕事がきついと言われる理由とは?乗り越えるコツも紹介!
電気工事士の資格・試験最終更新日:
エアコン取り付けの仕事は、体力的な負担が大きく、夏場は休みがほとんど取れない きつい仕事として知られています。しかし、正しい知識と経験を積めば、年収1,000万円以上も夢ではありません。
この記事では、エアコン取り付けの仕事がきついと言われる具体的な理由から、仕事を続けるためのコツ、将来性まで詳しく解説します。
エアコン取り付けの仕事に興味がある方、すでに働いている方でも役立つ情報をお届けするので、ぜひ参考にしてください。
エアコン取り付けの仕事がきついと言われる理由
エアコン取り付けの仕事がきつい理由として、主に3つの要因が挙げられます。
- 体力的な負担の大きさ
- 不規則な労働時間
- 精神的なストレス
それぞれについて詳しく見ていきましょう。
体力的な負担が大きい
エアコン取り付けの仕事は、かなりの体力を消費します。 特に室外機の運搬が最も体力を消耗する作業です。台車が使える環境であれば負担は軽減できますが、 エレベーターのないマンションなどでは人力で運搬する必要があります。
室外機は約30kg以上の重さがあり、階段で運ぶことも珍しくありません。 高所作業や狭い場所での作業も多く、不自然な体勢を取らざるを得ないケースもあります。
また、夏場の炎天下での作業は熱中症のリスクも高く、 1日に複数件の取り付けをこなす繁忙期は特に体力の消耗が激しくなります。
繁忙期は休みが取れず不規則な勤務になる
エアコン取り付けの仕事は、繁忙期と閑散期の作業量に大きな差があるのも特徴です。 特に5月上旬から徐々に忙しくなり始め、7月から8月にかけてピークを迎えます。
その忙しさは残暑が厳しい9月上旬まで続き、休みが取れないことも多いです。 また、お客様の都合に合わせて作業時間を設定するため、早朝から夜遅くまで不規則な勤務を強いられることもあります。
休日を確保しようと思えば収入が減ってしまうため、 多くの作業員は繁忙期に1年分の収入を得ようと必死で働きます。 一方で、冬場は仕事量が大幅に減るため、比較的落ち着いた働き方ができるでしょう。
クレーム対応や接客でストレスがかかる
接客面で大きなストレスがかかるのも、エアコン取り付けのきついところです。 特に施工後のクレーム対応は、時間的にもメンタル的にも大きな負担となります。
例えば、取り付けたエアコンが数日後に不具合を起こしたり、室内機が壁から外れてしまったりするトラブルが発生した場合にはすぐに対応が必要です。 また、作業中に床を汚してしまったり、汗臭い服装での作業を指摘されたりすることもあります。
お客様からの厳しい要求に応える必要がある一方で、作業の安全性も確保しなければなりません。 クレーム対応に時間を取られると次の予約にも影響が出るため、常に精神的なプレッシャーと向き合う必要があります。
エアコン取り付けの仕事のメリット
エアコン取り付けの仕事は、きつい面がある一方で魅力的なメリットもたくさんあります。
- 働きながら技術を身につけられる
- 独立や起業のチャンスがある
- 長期的に安定した仕事が見込める
それぞれについて詳しく説明していきます。
働きながら技術を身につけられる
働きながら着実に技術を身につけられるのも、エアコン取り付けの仕事の特徴です。
補助作業など一定の業務であれば未経験でも始められ、実務経験を重ねることで確実にスキルアップができます。
正社員として見習いで働く場合、月収は20万円程度からスタートしますが、技術を磨いて一人前になれば月収30万円以上も狙えます。また、ベテランになると1日5〜7件の工事をこなせるようになり、繁忙期には月収100万円以上を稼ぐ職人もいるほどです。
技術と収入が比例する分野なので、努力が確実に収入に反映されます。
独立や起業のチャンスがある
エアコン取り付けの仕事は、技術を身につけることで将来の独立や起業のチャンスがあります。特に一人親方として独立すれば、年収1000万円以上も十分に狙えるようになります。
実際に、元請け業者からの仕事を受注するだけでなく、自身でホームページを作成して直接お客様から依頼を受けることも可能です。元請け業者を介さないため、工事単価を自分で決められるようになり、より高い収入を得られる可能性があります。
独立後は施工管理の立場に回ることもでき、部下の育成や工事の品質管理など、キャリアの幅も大きく広がります。着実に技術と信頼を積み重ねることで、独立への道が開けるでしょう。
エアコン工事の独立については「エアコン工事で独立を目指すには?5つのステップや必要資格と失敗しないポイント解説」で詳しく解説しています。
長期的に安定した仕事が見込める
エアコン取り付けの技術は、将来にわたって必要とされ続ける安定した仕事です。エアコンは現代の生活になくてはならない設備となっており、新規取り付けだけでなく、取り外しやメンテナンスの需要も途切れることがありません。
実際に、一般家庭向けの工事に加えて、オフィスビルや病院、商業施設など、幅広い施設でエアコン工事の需要があります。また、地球温暖化の影響で猛暑日が増加傾向にあり、エアコンの需要は今後も高まると予想されています。
さらに電気工事士の資格を活かして、空調以外の電気工事にも携われるため、オフシーズンでも安定した仕事を確保できるでしょう。
エアコン取り付けの仕事に向いている人の特徴
エアコン取り付けの仕事は、以下のような特徴を持つ人に向いています。
■エアコン取り付けの仕事に向いている人
- 体力に自信があり、体を動かすことが好きな人
- 細かい作業を丁寧にこなせる人
- コミュニケーション力があり、接客が得意な人
- 新しい技術を学ぶことが好きな人
中でも体力に自信があるかどうかは非常に重要です。なぜなら、室外機の運搬や高所作業など、日常的に体力を使う場面が多いためです。また、夏場は気温が30度を超える中での作業となるため、なおさら体力が重要になります。
さらに、エアコン取り付けはお客様の大切な住まいでの作業となるため、礼儀正しい態度と丁寧な言葉遣いが求められます。また、床を汚さないよう養生をしたり、汗で汚れた作業着をこまめに着替えたりするなど、細やかな配慮も必要です。
以上の特徴を備えている人なら、エアコン取り付けの仕事で長く活躍できる可能性が高いと言えます。
エアコン取り付けの仕事を続けるための工夫
エアコン取り付けの仕事を長く続けるには、工夫が必要です。
- 体調管理と安全対策の徹底
- オフシーズンの収入確保
- 継続的なスキルアップ
上記3つのポイントについて、具体的な方法を解説します。
体調管理と安全対策を徹底する
エアコン取り付けの仕事を継続するには、体調管理と安全対策の徹底が何より重要です。特に夏場の繁忙期は、熱中症や腰痛のリスクが高まります。
以下のような対策を日頃から心がけましょう。
■体調管理
- こまめな水分補給と塩分摂取する
- 朝食はしっかり食べる
- 十分な睡眠時間の確保する
- 体力維持のための運動習慣を身につける
■安全対策
- 腰痛予防のためのコルセットを着用する
- ヘルメットなど保護具の正しく装着する
- 脚立や工具の点検整備を行う
体調管理や安全対策を怠ると、長期離脱につながるケガや事故のリスクが高まります。 プロとして長く活躍するためにも、体調管理と安全対策は妥協せずに徹底しましょう。
オフシーズンに収入を確保できるようにする
エアコン取り付けの仕事を安定して続けるには、オフシーズンに収入を確保することも重要です。
オフシーズンでも取り組める仕事の例は、以下のとおりです。
■オフシーズンの収入確保例
- 新築物件のエアコン設置工事
- オフィスビルや商業施設の空調設備工事
- エアコンのメンテナンスや清掃作業
- 電気工事士の資格を活かした一般電気工事
- 店舗や施設のLED工事
特に、第一種電気工事士などの資格を取得しておくと、より幅広い仕事を受注できます。また、 ビルメンテナンス業務を請け負える資格を取得しておくと、年間を通して安定した収入を確保しやすくなるでしょう。
継続的なスキルアップで作業効率を上げる
継続的なスキルアップもエアコン取り付けの仕事には欠かせません。 なぜなら、エアコンは技術の進歩が速い機器なので、それに対応するため常に新しい知識や技術を吸収する姿勢が大切だからです。
効果的なスキルアップ方法は、以下のとおりです。
■スキルアップ方法
- 電気工事士などの資格取得
- 冷媒フロン類取扱技術者の資格取得
- 最新のエアコン機種の取り付け講習受講
- ベテラン職人の作業方法の観察と習得
- メーカー主催の技術セミナーへの参加
スキルアップによって作業時間が短縮され、1日により多くの件数をこなせるようになります。 また、難しい現場でも対応できるようになるため、より単価の高い仕事を受注できるでしょう。
エアコン取り付けの仕事からキャリアチェンジする場合の選択肢
エアコン取り付けの技術や経験は、関連する様々な職種でも活かすことができます。
- ビルメンテナンス
- 設計や施工管理
- 電気工事のスペシャリスト
それぞれについて詳しく説明していきます。
ビルメンテナンス業界への転向
ビルメンテナンス業界は、エアコン取り付けの経験を活かしやすい転職先の一つです。 施設の空調設備を含む、建物全体の管理・メンテナンスを担当できます。
ビルメンテナンスの主な業務は、次のとおりです。
■ビルメンテナンスの主な業務
- 空調設備の点検と管理
- 電気設備の保守点検
- 消防設備の点検
- 給排水設備の管理
- エレベーターの管理
エアコン取り付けで培った技術に加えて、ボイラー技士や危険物取扱者などの資格を取得することで、より幅広い業務に携われます。 また、体力的な負担が比較的少なく、定時での勤務が多いため、ワークライフバランスを重視したい方に向いています。
空調設備設計や施工管理職に転向
空調設備の現場経験を活かして、設計や施工管理の仕事にステップアップすることができます。 体力的な負担が少なく、より専門的な立場で仕事に携われるのが特徴です。
施工管理の主な業務は、次のとおりです。
■施工管理の主な業務
- 工事計画の立案と進行管理
- 作業員の手配と安全管理
- 品質管理と検査
- 予算管理と原価計算
- お客様や協力会社との打ち合わせ
施工管理職としてのキャリアを目指すには、1級または2級管工事施工管理技士の資格取得がおすすめです。 さらに、建築設備士の資格があれば、大規模施設の空調設備設計にも携われます。
電気工事士としての専門性を深める
エアコン取り付けで必要な第二種電気工事士の資格をもとに、より専門的な電気工事のスペシャリストとしてキャリアアップできます。 高度な技術と知識を持つ電気工事士は、常に高い需要があります。
目指せる専門分野は、次のとおりです。
■電気工事士の専門分野
- 高圧電気工事
- 太陽光発電システムの設置工事
- 蓄電池システムの設置工事
- ビル・工場の電気設備工事
- スマートホーム関連の電気工事
再生可能エネルギーの普及や省エネ需要の高まりにより、 専門性の高い電気工事士の需要は今後も増加が見込まれます。 また、独立開業の可能性も広がり、より高い収入を目指せるでしょう。
まとめ
今回は、エアコン取り付けの仕事について詳しく解説しました。
エアコン取り付けは体力的に厳しい一方で、技術を磨いて経験を積めば、独立やキャリアアップなど将来性のある魅力的な仕事です。
執筆者・監修者
工事士.com 編集部
株式会社H&Companyが運営する電気工事業界専門の転職サイト「工事士.com」の編集部です。
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