2級電気通信工事施工管理技士とは?資格の合格率や仕事内容を徹底解説!

電気通信工事施工管理技士

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2級電気通信工事施工管理技士とは、電気通信設備やネットワーク設備といった「電気通信工事」の施工管理を行うための国家資格です。

令和元年に新設された、比較的新しい資格でもあります。

近年インターネットやITが普及し、電気通信工事の注目度は上がっています。

そのため、2級電気通信工事施工管理技士の資格に興味はあるものの、下記のようなお悩みをお持ちの方も多いのではないでしょうか。

  • 2級電気通信工事施工管理技士ってどんな資格?
  • 1級と2級では何が違う?

そこで本記事では、2級電気通信工事施工管理技士について詳しく解説していきます。


ぜひ参考にしてみてください。


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2級電気通信工事施工管理技士とは

2級電気通信工事施工管理技士とは、電気通信設備やネットワーク設備といった「電気通信工事」の施工管理を行うための国家資格です。

では実際に、2級電気通信工事施工管理技士の資格を持っているとどのようなことができるのでしょうか?

以下の順番で詳しく解説していきます。

この見出しでわかること


業務範囲

電気通信工事施工管理技士は、「電気通信設備工事」や「ネットワーク設備工事」「放送機械設備工事」など、「通信」系工事に幅広く携わることができます。

電気通信工事施工管理技士が扱える業務範囲の詳細は、主に以下の通りです。

■ 電気通信工事施工管理技士の業務範囲
工事種別 工事内容
有線電気通信設備工事 通信ケーブル工事、CATVケーブル工事、伝送設備工事、電話交換設備工事
無線電気通信設備工事 携帯電話設備工事、衛星通信設備工事、移動無線設備工事、固定系無線設備工事、航空保安無線設備工事、ラジオ再放送設備工事
ネットワーク設備工事 LAN設備工事、無線LAN設備工事
情報設備工事 監視カメラ設備工事、コンピュータ設備工事、AI(人工知能)処理設備工事、映像・情報表示システム工事
放送機械設備工事 放送用送信設備工事、放送用中継設備工事、FPU受信基地局設備工事


仕事内容

電気通信工事施工管理技士ができることは、「施工計画の作成」から「現場作業員の指導管理」など電気通信工事全体の管理です。

仕事内容の詳細は以下の通りです。

■ 電気通信工事施工管理技士の仕事内容
仕事内容 詳細
施工計画の作成 工事の施工方法や具体的な手順を計画し、効率的に進めるための計画を立てます。
工程管理 工事が計画通りに進行するように進捗状況を管理し、必要に応じて調整を行います。
安全管理 現場の安全対策を講じ、事故や災害を未然に防ぐための対策を実施します。
原価管理 予算内で工事が完了するようにコストを管理し、無駄を防ぎます。
品質管理 高品質な工事を実現するための品質基準を維持し、工事の品質を確保します。
現場作業員の指導監督 作業員の指導や監督を行い、現場が円滑に運営されるように管理します。
行政への申請書類の作成 工事に必要な申請書類を作成し、役所への手続きを行います。
現場の写真撮影 工事の進捗状況を記録するために現場の写真撮影を行います。
近隣への挨拶 工事による影響を最小限に抑えるため、近隣住民や施設への挨拶を行います。
現場の清掃 安全で快適な作業環境を維持するため、現場の清掃を行います。


1級電気通信工事施工管理技士との違い

電気通信工事施工管理技士には、【1級電気通信工事施工管理技士】と【2級電気通信工事施工管理技士】の2種類があります。

1級と2級の主な違いは、電気通信工事現場の規模です。

■ 1級・2級電気通信工事施工管理技士の違い
1級電気通信工事施工管理技士 2級電気通信工事施工管理技士
主任技術者
一般建設業の営業所専任技術者
監理技術者
特定建設業の営業所専任技術者


1級電気通信工事施工管理技士の資格を取得すると、大規模工事である「特定建設業」の「営業所ごとに配置する専任技術者」または「監理技術者」として認められます。

しかし、2級電気通信工事施工管理技士は「監理技術者」にはなれません。

2級の資格保有者は、中小規模の電気通信工事を請け負う「一般建設業」の「営業所ごとに配置する専任技術者」または「主任技術者」になれます。

1級の資格は「特定建設業」と「一般建設業」の両方に従事することができ、2級の資格は「一般建設業」のみに従事できると覚えておくと良いでしょう。

■関連記事

電気通信工事施工管理技士の1級と2級の違いについて詳しく知りたい方は「電気通信工事施工管理技士とは?1級・2級の試験概要と難易度や合格率を解説」をご覧ください。



2級電気通信工事施工管理技士を取得するメリットは?

2級電気通信工事施工管理技士の資格を取得するメリットは、主に下記の3点です。

■ 2級電気通信工事施工管理技士を取得するメリット

  • さまざまな場面で需要が高い
  • 職場での評価が上がる
  • 収入アップが見込める


電気通信工事施工管理技士の資格は比較的新しい資格であるということもあり、希少性が高いです。

更に近年では、電気通信関係は建築物において欠かせない設備になっています。

そのため、電気通信工事現場を管理できる「電気通信工事施工管理技士」の需要は高いです。

そして、現在の職場や将来転職する際などにおいても、とても評価される資格です。

また、需要が高い資格のため、持っているだけで収入アップも見込めます。

■関連記事

2級電気通信工事施工管理技士を取得するメリットについて、より詳しく知りたい方は「電気通信工事施工管理技士とは?1級・2級の試験概要と難易度や合格率を解説」をご覧ください。



2級電気通信工事施工管理技士の資格概要①受験資格

2級電気通信工事施工管理技士の受験資格は、第一次検定は年齢制限(17歳以上)のみですが、第二次検定には実務経験が必要になります。

■ 2級電気通信工事施工管理技士の受験資格
試験区分 受験資格
第一次検定 17歳以上(試験実施年度末において)
第二次検定 一定期間の実務経験(期間は条件により異なる)


第二次検定受験に必要な実務経験の年数は条件によって異なりますが、例えば令和3年度以降に2級電気通信工事施工管理技士の第一次検定に合格した方の場合、3年以上の実務経験が必要です。

なお、第二次検定の受験資格の条件は令和6年度に変更されました。

そのため、制度改正に伴う経過措置として、令和6年度から令和10年度までの5年間は【令和6年度からの新受検資格】と【令和5年度までの旧受検資格】のどちらの受検資格でも受検が可能です。

新受験資格は下記のとおりです。

受験した試験によって必要な実務経験年数が異なりますので、確認しておきましょう。

■ 令和6年度からの新受検資格
受検資格要件 第二次検定の受検に必要な実務経験年数
令和3年度以降の1級第一次検定合格者 合格後1年以上の実務経験年数
令和3年度以降の2級第一次検定合格者 合格後3年以上の実務経験年数
技術士第二次試験合格者(土木施工管理技術検定のみ) 合格後1年以上の実務経験年数
電気通信主任技術者資格者証の交付を受けた者、
又は電気通信主任技術者試験合格者であって1級又は2級第一次検定合格者
(電気通信工事施工管理技術検定のみ)
電気通信主任技術者資格者証の交付を受けた後、
又は電気通信主任技術者試験合格後1年以上の実務経験年数

※参考:2級電気通信工事施工管理技術検定 | 一般財団法人 全国建設研修センター

なお、旧受験資格については「2級電気通信工事施工管理技術検定 | 一般財団法人 全国建設研修センター」をご覧ください。

2級電気通信工事施工管理技士の資格概要②試験内容

2級電気通信工事施工管理技士の試験内容について、以下の順に紹介していきます。

■ 試験内容の概要

  • 試験時間・出題形式
  • 問題内容
  • 合格基準


【試験時間・出題形式】

2級電気通信工事施工管理技士の試験時間・出題形式については下記の通りです。

■ 2級電気通信工事施工管理技士の試験時間・出題形式
試験区分 試験時間 出題形式
第一次検定 2時間10分 マークシート方式
第二次検定 2時間 記述式

※参考:2級電気通信工事施工管理技術検定 | 一般財団法人 全国建設研修センター

【問題内容】

第一次検定、第二次検定それぞれの試験の問題内容については、以下の通りです。

■ 2級電気通信工事施工管理技士の問題内容
検定科目
第一次検定 電気通信工学等
施工管理法
法規
第二次検定 施工管理法

※参考:2級電気通信工事施工管理技術検定 | 一般財団法人 全国建設研修センター

第一次検定の「電気通信工学等」については、電気通信工学・電気通信設備・契約・関連分野など、電気通信工学に関する幅広い内容が問われます。

また、第二次検定の施工管理法では、自身の施工体験を記述する問題も出題されます。

【合格基準】

合格基準に関しては、第一次・二次検定共に「各科目の得点が60%以上」となっています。

事前に過去問などを確認し、合格基準点に到達できるよう対策しておきましょう。

2級電気通信工事施工管理技士の資格概要③合格率・難易度

2級電気通信工事施工管理技士の過去5年間平均合格率は、第一次検定「62.9%」、第二次検定「37.9%」です。

では、第一次・二次検定の合格率の推移について、それぞれ見ていきましょう。

【第一次検定】

第一次検定の5年間(2019年〜2023年)の合格率の推移は以下の通りです。

■ 2級電気通信工事施工管理技士 第一次検定の合格率
年度 合格率
平均 62.9%
2023年 63.9%
2022年 59.1%
2021年 70.0%
2020年 63.9%
2019年 57.7%

※参考:管工事・電気通信工事・造園施工管理技術検定(1級・2級)合格者の発表 - 国土交通省(2019年2020年2021年2022年2023年

第一次検定は、マークシート方式ということもあり、比較的合格率が高い傾向です。

しかし、令和3年の合格率が70.0%と高すぎたためか、翌年以降は60%前後に落ち込んでいます。

試験方針や難易度が難しくなっている可能性があるので、注意が必要です。

【第二次検定】

第二次検定の5年間(2019年〜2023年)の合格率の推移は以下の通りです。

■ 2級電気通信工事施工管理技士 第二次検定の合格率
年度 合格率
平均 37.9%
2023年 42.9%
2022年 35.6%
2021年 35.0%
2020年 33.9%
2019年 41.9%

※参考:管工事・電気通信工事・造園施工管理技術検定(1級・2級)合格者の発表 - 国土交通省(2019年2020年2021年2022年2023年

第二次検定は記述式の問題のため、第一次検定に比べて合格率が低い傾向にあります。

記述式のため、問題特有の専門用語などの漢字ミスや誤字脱字による減点などには注意しましょう。

【2024年度】2級電気通信工事施工管理技士の試験スケジュール

2024年度における2級電気通信工事施工管理技士の試験日程は以下の通りです。

2級電気通信工事施工管理技士の試験は、第一次検定のみ前期・後期の年2回実施されます。

第二次検定は後期のみの実施となるので注意しましょう。

■ 2級電気通信工事施工管理技士 試験スケジュール
前期 後期
申込期間 2024年3月6日(水)~3月21日(木) 2024年7月9日(火)~7月23日(火)
試験日 2024年6月2日(日) 2024年11月17日(日)
合格発表日 2024年7月2日(火) 第一次検定:2025年1月6日(月)
第二次検定:2025年3月5日(水)


2級電気通信工事施工管理技士 合格のためのおすすめ勉強法

2級電気通信工事施工管理技士の試験に合格するための、おすすめ勉強法を3つ紹介していきます。

合格のためのおすすめ勉強法


それぞれ詳しく見ていきましょう。

①過去問を繰り返し解く

おすすめ勉強法の1つ目は、「過去問を繰り返し解く」ことです。

実際の試験と同じ問題を繰り返し解くと出題傾向などが見えてくるため、より効率的に勉強を進められるでしょう。

また、自分の苦手な分野や問題パターンなども明確になるため、重点的に勉強するべきところが分かりやすくなります。

2級電気通信工事施工管理技士の過去問は「試験問題/正答肢 | 一般財団法人 全国建設研修センター」をご覧ください。

②暗記問題は数をこなす

おすすめ勉強法の2つ目は、「暗記問題を数多くこなす」ことです。

電気通信工事施工管理技士の試験で問われる暗記事項は多岐にわたるため、覚えるまでに時間が掛かるでしょう。

しかし、諦めずに何度も繰り返して覚えることで、徐々に知識として身につき、正答率を上げることができます。

スキマ時間なども使いながら、とにかく暗記事項に多く触れる時間を設けることを心がけましょう。

ちなみに、第二次検定は記述式になるので、細かな漢字までしっかりと覚える必要があります。

③日頃の経験をまとめておく

おすすめ勉強法の3つ目は、「日頃の経験をまとめておく」ことです。

二次試験では「施工体験」に関する記述問題が出題されるため、日々の仕事のことをこまめにメモしておくと、よりスムーズに解答できるでしょう。

よくある質問

2級電気通信工事施工管理技士に関する、よくある質問について紹介していきます。

2級電気通信工事施工管理技士に必要な実務経験は何年ですか?

2級電気通信工事施工管理技士に必要な実務経験は条件により異なりますが、最短で1年以上、最長で3年以上です。

2級電気通信工事施工管理技士の場合、第二次検定受験にあたって実務経験が必要になります。

実務経験の年数は、合格した試験により異なります。

例えば、令和3年度以降に2級電気通信工事施工管理技士の第一次検定に合格した方は、3年以上の実務経験が必要です。

各条件ごとの必要な実務経験年数について詳しく知りたい方は、本記事の「2級電気通信工事施工管理技士の資格概要①受験資格」をご確認ください。

2級電気通信工事施工管理技士の試験は難しいですか?

2級電気通信工事施工管理技士の試験は、一般的には「難しい」試験であると言えます。

試験の難易度は第一次検定と第二次検定で異なります。

第一次検定の平均合格率は62.9%なのに対し、第二次検定の平均合格率は37.9%で、より難易度が高いです。

しかし、1級電気通信工事施工管理技士の試験に比べると難易度は低い傾向にあるため、まずは2級の合格を目指しましょう。

2級電気通信工事施工管理技士の難易度についての詳細は、本記事の「2級電気通信工事施工管理技士の資格概要③合格率・難易度」をご覧ください。

2級電気通信工事施工管理技士の過去問はどこで見られますか?

2級電気通信工事施工管理技士の過去問は、全国建設研修センターのホームページで見ることができます。

過去問を解くことで、実際の試験の傾向が分かるため、対策しやすくなります。

試験に慣れるためにも、過去問は本番までに必ず解いておきましょう。

過去問についての詳細は、本記事の「2級電気通信工事施工管理技士 合格のためのおすすめ勉強法」をご覧ください。

2級電気通信工事施工管理技士の合格発表はいつですか?

2級電気通信工事施工管理技士の合格発表は、第一次検定が前期:2024年7月2日・後期:2025年1月6日、第二次検定が2025年3月5日です。

より詳しい試験日程が知りたい方は、本記事の「【2024年度】2級電気通信工事施工管理技士の試験スケジュール」をご覧ください。

まとめ

今回は、2級電気通信工事施工管理技士について、仕事内容や1級電気通信工事施工管理技士との違い、試験概要などについて解説しました。

この記事のまとめ
  • 2級電気通信工事施工管理技士は、インターネット回線や電話回線などの電気通信工事の施工管理を行う国家資格
  • 2級電気通信工事施工管理技士ができることは、一般建設業の営業所ごとに配置される「専任技術者」または「主任技術者」としての業務
  • 2級電気通信工事施工管理技士の資格を取得するメリットは、「さまざまな場面で需要が高い」「職場での評価が上がる」「収入アップが見込める」


近年は、仕事のデジタル化などによりITが主流になっているため、電気通信の需要が高くなっています。

そのような中でも、電気通信工事の施工管理を行える電気通信工事施工管理技士は、これからの建築業界になくてはならない資格です。

ぜひ2級電気通信工事施工管理技士の資格を取得して、キャリアアップにつなげましょう!

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