鉄道工事|詳しい仕事内容や必要な資格をまとめて解説
電気工事士の仕事・転職最終更新日:
「鉄道工事ってどんな仕事をするんだろう…」
「資格はないとダメなの?」
鉄道工事の仕事に興味を持つと、こんな疑問が浮かんでくる方も多いのではないでしょうか。
この記事では主に、鉄道工事の詳しい仕事内容や鉄道工事に活かせる資格、鉄道工事の良いところ・大変なところをご紹介したいと思います。
今まで工事士.comに掲載してきた数多くの鉄道工事会社の情報をもとにしてまとめてみましたので、是非ご参考にしていただきたいと思っています。
鉄道工事には大きく分けて3つの分野がある
今まで工事士.comに掲載していただいた鉄道工事会社の情報をもとに、どんな仕事内容があるのかを調べたところ、大きく分けて3つの分野に分類することが出来ました。それぞれの会社によって、仕事内容の分類は異なってくると思いますが、ぜひご参考にして下さい。
電車や駅に電気を供給する仕事『電気設備部門』
電気設備部門では、 電車や駅に電力を供給するための、電気設備に関わる工事全般を行っています。
▼ おもな仕事内容
● 電車に電気を送るための架線工事、架線の張替え工事
電車に乗っている時や、駅のホームで電車を待っている時、線路脇に大きな鉄塔が建っているのを見たことはありませんか?その鉄塔には、電車を動かすための電気を送る役割があります。
鉄塔と鉄塔の間に張られている電線を、鉄道業界では『架線』と呼んでいます。架線工事では、新しい電線を張ったり、 古くなった電線を張り替えたりする工事を行っています。
● 安全運行を支える信号システム工事、踏切や駅構内の照明工事
鉄道の信号機には、前方の状況を伝えたり、安全に進行できる速度を指示したりする重要な役割があります。信号システム工事は、主に古くなった信号機の交換工事や、新しい信号機の設置工事、問題なく作動するかどうかの点検・メンテナンスなど行う工事です。
また鉄道の照明には、踏切を横断しようとする歩行者の安全面や車両の状況などを、運転手や乗務員に知らせる大切な役割があります。 鉄道の照明工事は、きちんと照明が点灯するかチェックしたり、新しい照明を増やしたりする工事です。
● 電力を供給する発電・変電設備の工事
鉄道の受変電設備には、電力会社から送られてきた高圧の電気を変性・変圧し、駅の設備や架線(電線)に電気を送る役割があります。 主に駅の敷地内に設置されていることが多く、関係者しか立ち入ることが出来ないため、私たちの目に触れる機会は少ないです。
発電・変電設備に関する工事は、安全に電気が送られているか点検・メンテナンスをしたり、新しく設備を新設したりする工事です。
上記でご紹介したのは、鉄道の電気設備に関わる工事の一部です。どの作業も人々の安全・安心な輸送をするためには、必要不可欠な仕事なので責任は大きいと思います。
住宅などの配線工事とは違って現場の規模も大きく、自分たちの力で電車を動かしているという事に、やりがいや面白さを感じている人も多いようでした。
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線路・トンネル・橋等を管理する『保線・土木(建設)部門』
保線・土木(建設)部門では、電車の運行に必要不可欠である線路や、トンネル・橋などの土木建造物の保守・管理をメインに行なっています。
▼ おもな仕事内容
● レール交換、マクラギ交換、レールのゆがみ修正、削正
マクラギとは、レールの下に敷かれている機材のことを言います。長い間同じレールやマクラギを使用していると、電車の車輪などによる摩擦の影響でさまざまな損傷を受けます。 また、気温の変化によりレールが伸び縮みすることで、ゆがみや凹凸が発生することもあります。
この工事では電車を安全に運行するために、古くなったレールやマクラギを交換したり、 レールを削ってゆがみや凹凸を無くす作業を行います。
● トンネル、橋などの管理
主にトンネルの壁や橋にヒビが入っていないか、損傷している部分はないか、鉄筋は古くなっていないかなどのチェックやメンテナンスを行います。点検するためのハンマーや専門の機械を使いながら、手作業で確認することが多いようです。
この仕事の魅力は、目に見えない電気とは違って、実際に自分の手で施工した部分がカタチになって残ることだと思います。また、直接電車に触れる線路を施工するので、日々の安全・安心輸送に貢献できることが嬉しいという声が多く挙がりました。
反対に、この仕事の大変な点として、レールやマクラギなどの重いものを持つことが多いので、体力が必要であるという事も分かりました。
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駅全体の建物を改良・管理する仕事『建築部門』
▼ おもな仕事内容
● 駅舎の新築工事、リニューアル工事、耐震工事、事務所ビルの新築工事
この工事は、わたしたちの生活に一番身近な工事だと思います。たとえば駅中に設置されているエレベーターや待合室を新しくつくったり、階段の手すりをバリアフリーにする工事があります。
駅を利用するお客様がより快適に、より安全に使用できるように新築・改良工事を行います。また、地震対策のために耐震を強化する工事などもあります。
建築部門では、安全・安心な設備を長期的に保てるように点検やメンテナンスなどの管理も欠かせない大切な仕事です。駅舎は鉄道を利用するお客様や地域社会との接点でもあります。
建築部門には、建物を建てるだけでなく企画や設計などの業務も関わっているという事が分かりました。どんな風に駅舎を管理していくか、意見やアイデアを出し合いながら施工していくことに面白味を感じている人が多くいました。モノづくりが好きな人には向いている仕事だと思います。
いかがでしたでしょうか?
今回ご紹介した仕事内容以外にも鉄道工事にはさまざまな仕事があります。 鉄道工事会社に興味を持っていたり、転職を考えている方は「自分にはどの分野が合っているのか」を見極めておくと良いでしょう。
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鉄道工事会社に就職するには、資格を持っていた方が有利
鉄道工事会社で働くことを考えているのであれば、あらかじめ資格を取っておくことオススメします。なぜなら、資格を持っていないと出来ない仕事があるからです。
JR東日本やJR西日本、JR東海などから工事を受注している、大手ゼネコン・サブコンや元請け・一次請けなどの会社の中途採用では、資格保有者・経験者を採用している企業が多いということも分かりました。
ではどんな資格を取ればいいのかというと、先程ご紹介した分野ごとによって必要な資格は異なってきます。 具体的に、鉄道工事に活かせる資格を下記にまとめてみました。
鉄道工事に活かせる資格
▼持っていると有利な資格
【電気設備部門】
1級・2級電気工事施工管理技士、第一種・第ニ種電気工事士、電気主任技術者
【保線・土木(建設)部門】
1級・2級土木施工管理技士
【建築部門】
1級・2級建築施工管理技士、一級・ニ級建築士
▼持っていると活かせる資格
アーク溶接、中型自動車免許・大型自動車免許、
小型移動式クレーン、玉掛け、
職長・安全衛生責任者教育、高所作業車
このほか、分野ごとで専門的な資格を欲している鉄道工事会社も中にはあります。 大手ゼネコン・サブコンや元請け・一次請けなどの会社に就職を希望している方は、上記の資格を持っていると転職活動時の強みになると言えるでしょう!
また、中小企業の会社でも資格を持っていた方が、より転職成功の確率がアップすると思います。会社によっては、経験が無くても資格を持っていれば合格ということもあるみたいですね。 こういったことから、何かしらの資格を持っていた方が転職活動の際には有利であると言うことができます。
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転職する際、資格は必ず必要?
ここ数年では、人材採用難の影響で無資格・未経験で募集している企業が増えてきている傾向にあります。実際に工事士.comに掲載していた鉄道工事会社の中で、資格・経験のどちらかを不問で募集している会社が半分以上でした。そういった企業に応募した転職者の方で、採用が決まったという実績もあります。
また、鉄道工事会社の採用担当者の方の中には、
『入社後に資格を取ってもらうから、初めのうちは持ってなくてもいいよ』
『当社は資格取得支援を設けていて、受験費用や講習費用は会社で負担しています。勉強会もやっているので、会社に入ってから資格を取った方が転職者の方にとってもお得だと思いますよ!』
とおっしゃっている会社もあります。
こういった資格取得のサポートに力を入れている会社も多いので、 資格を持っていない方は求人を探す際に、資格取得支援があるか・ないかに注目してみるのも良いでしょう。
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鉄道工事の良いところ・大変なところ
現役で鉄道工事会社に勤めている方や、以前鉄道工事会社に勤めていたという方数人に、『鉄道工事の良いところ・大変なところ』をお伺いし、その中で多く挙がった意見を下記にまとめてみました。ぜひご参考にしていただければと思います。
▼ 鉄道工事の良いところ
・交通インフラに関わる仕事なので、鉄道自体が無くならない限り、自分たちの仕事も無くなることはない
・自分の仕事がしっかり地図や形となって未来に残ること
・多くの人々の足を運ぶために、自分の仕事が役に立っているという事にやりがいを感じる
・夜間作業が多い分手当がしっかり付く。やったらやった分だけ稼げる
▼ 鉄道工事の大変なところ
・夜間作業はあって当たり前!働くなら覚悟が必要
・決まった時間の中で、作業を終わらせなければいけないこと
・分野にもよるが、ほとんどが手作業なので体力が必要
特に夏場などはレールの温度が上昇し、周りの気温も高くなるため体力的につらい
上記に何回か出てきた夜間作業。夜間作業が多いのは鉄道工事業界ならではだと思います。 なぜかというと、線路内の電車が全線撤去した後でないと作業が出来ないことがあるからです。その為、鉄道工事会社の多くが夜間作業を伴う工事を行っています。
会社によって夜勤回数や勤務時間などは異なりますが、鉄道工事には夜間作業が付きものということを理解しておくと良いでしょう。また、鉄道工事の大変な所や「きつい」と感じる場面について詳しく解説している記事もあるので併せてご覧になってみてください。
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鉄道会社の採用担当は、こんな人を求めている
わたしたち工事士.comは、これまでいろいろな鉄道工事会社の採用担当者の方とお話してきました。 様々なお話を伺ってきた中で、「こういった人材を募集している」「こんな人と一緒に働きたいと思っている」という採用担当者の方の生の声を、少しばかりご紹介します。
【A社】
「何事も興味を持って取り組んだり、行動できることが大事。自分から先輩に聞いたり、メモをとったり、そういった積極的な姿勢を持っている方と一緒に働きたいと思っています。」
【B社】
「多くの人々の命を守る仕事でもあるので責任は重大。特に、夜間作業では作業の出来る時間が限られているので、会社や現場のルールを守ったり、時間厳守出来ないと鉄道工事は務まりませんね。」
【C社】
「現場ではチームで仕事をするため、情報の共有は欠かせません。面接では資格や経験よりも、相手の意見に耳を傾けたり、コミュニケーションがとれるかという点を採用のポイントにしています。」
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まとめ
今回は鉄道工事に関してご紹介しましたがいかがでしたでしょうか? 鉄道工事をするかしないかは別として、この記事で読んだ情報を、ぜひ活用していただければ幸いです。
執筆者・監修者
工事士.com 編集部
株式会社H&Companyが運営する電気工事業界専門の転職サイト「工事士.com」の編集部です。
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- 電気工事業界専門の求人サイトとして2012年にサービス開始
- 転職活動支援実績は10,000社以上
- 「電気工事士が選ぶ求人サイト」として「使いやすさ」「信頼度」「支持率」の三冠を獲得※
※調査元:ゼネラルリサーチ
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