スイッチ記号の基本と読み方を図解付きで解説【電気工事士必見】

最終更新日：2025-02-26

この記事では、電気図面や配線図で使用されるスイッチ記号について紹介します。

• 電気工事士試験によく出るスイッチ記号を知りたい
• スイッチ記号の意味を図面から読み取れるようになりたい

そんな方のために特に重要なスイッチ記号をこの記事にまとめました。

スイッチ記号は照明のオン・オフなど日常のあらゆるところで使用されている重要な配線器具です。

電気工事士試験の受験を予定されている方、電気工事の現場に配属されたばかりの方はぜひ参考にしてください。

スイッチ記号とは？

スイッチ記号とは、電気図面や配線図でスイッチの位置や種類を示すために使用される記号です。

スイッチは電気回路を開閉する役割があり、主に照明や機械動作をオン・オフする場面で使われます。

シンプルな「入ー切」の用途から、2箇所以上の場所での「入ー切」、タイマーや遠隔操作、周辺の明るさでの「入ー切」など、目的や用途によって種類は様々です。

スイッチは一般住宅やオフィス、工場など幅広い場所で使われており、重要な配線器具と言えるでしょう。

電気工事士にとっては、スイッチ記号の意味を図面から読み取ることは必須の技能となっています。

電気工事士試験でも必ず出題されるため、各種スイッチ記号の意味や用途、配線の仕方についてしっかり理解しておきましょう。

以降では電気工事で特によく使用される重要なスイッチ記号を紹介していきます。

スイッチ記号の種類と具体例【図解付き】

スイッチは様々な場面で使われており、用途が幅広く種類が豊富です。

ここでは初心者の方でも分かりやすいように、スイッチの種類を分類しながらご紹介します。

①操作の違い

スイッチは機械の操作に用いられる場合があります。

操作の目的によって種類は様々です。

図記号（※1）	写真（※2）	名称	用途
		電源スイッチ	機械のオン・オフ
		押しボタンスイッチ	機械動作の一時的な切り替え操作用 （シャッターの開閉など）
		セレクタスイッチ	機械自体の切り替え操作用

(※1)参考： JIS C 0617 抜粋資料

(※2)画像引用： モノタロウ 現場を支えるネットストア

②回路の違い

スイッチ内部の回路が異なっていて、目的に応じて使い分けられます。

図記号（※1）	写真（※2）	名称	内部回路（※3）
		単極（片切り）スイッチ
		3路スイッチ
		4路スイッチ

（※1）参考： JISC0303:2000 構内電気設備の配線用図記号

（※2）画像引用： モノタロウ 現場を支えるネットストア

（※3）参考HP： スイッチ結線図完全解説：記号・読み方・書き方

単極（片切り）スイッチの回路はシンプルで、スイッチのオン・オフによって電気回路が開閉することで照明が点いたり消えたりします。

3路スイッチは、下図のように2個以上の3路スイッチを組み合わせて、複数の場所から照明を点灯・消灯する場合に使われることが多いです。

下図では3路スイッチ①、②端子の「1-1」、「3-3」をそれぞれ接続しています。

①、②がともに「0-1」の状態であれば照明の電気回路は閉状態となって照明が点灯します。

3路スイッチ①を「0-1」から「0-3」に切り替えた場合、照明の電気回路は開状態となって照明が消灯します。

このようにして、「階段の上下」のような複数の場所から照明の点灯を操作することができます。

4路スイッチでは3路スイッチ2個と組み合わせることで、3ヶ所のどこからでも照明の点灯・消灯ができる回路になります。

下図では3路スイッチ①、4路スイッチ、3路スイッチ②が「3-1-2-3」、「1-3-4-1」の端子で接続されています。

それぞれのスイッチのオン・オフによって電気回路の開閉が切り替わるため、3つのスイッチのどこからでも照明を点灯・消灯することができます。

このように複数のスイッチを組み合わせて、自由に照明を操作できるような回路が作られているのです。

ここで紹介したスイッチはほんの一部です。

やみくもにスイッチ記号を覚えるよりも、用途や写真と関連付けたり、他のスイッチ記号と区別して覚えることで効率的にスイッチ記号の学習が進められます。

ぜひ参考にしてください。

覚えておきたい基本記号一覧

ここでは第二種電気工事士の試験で頻出されるスイッチをご紹介します。

ここで登場するスイッチは家庭でも使用される一般的な配線器具です。

いずれも基本的な記号となるため、必ず暗記するようにしましょう。

図記号（※1）	写真（※2）	名称	用途
		単極（片切り）スイッチ	照明のオン・オフ
		3路スイッチ	2箇所からの照明のオン・オフ
		4路スイッチ	3箇所以上からの照明のオン・オフ
		パイロットランプ	離れた場所に設置する確認表示灯
		位置表示灯内蔵スイッチ	スイッチオフのときに内蔵ランプが点灯する （暗い場所でスイッチの場所を知らせる）
		確認表示灯内蔵スイッチ	スイッチオンの時に内蔵ランプが点灯する （換気扇などの器具が動作していることを知らせる）
		リモコンスイッチ	遠隔での照明オン・オフに使用される
		調光器	照明の明るさ調整に使用される
		自動点滅器	屋外などで周囲の明るさを感知し、自動でオン・オフする
		プルスイッチ	ひもを引っ張ってオン・オフする
		リモコンセレクタスイッチ	リモコンスイッチが多数取り付けられている（右下の数値は回路数を表す）
		リモコンリレー	リモコンスイッチで操作するリモコンリレーを表す。 集合して取り付ける場合は下図を用いる。

（※1）参考： JISC0303:2000 構内電気設備の配線用図記号

（※2）画像引用： モノタロウ 現場を支えるネットストア

スイッチ記号はこれ以外にもありますが、第二種電気工事士試験の対策としては上記の記号を覚えておくことが重要です。

なお、この中でリモコンスイッチ、自動点滅器は技能試験では実物が使用されず、端子台で代用されます。

図記号の意味、用途はしっかりと理解するようにしましょう。

スイッチ記号を覚えるコツと勉強法

電気工事士の試験では、スイッチの記号を正しく理解し、配線図を読み取る力が求められます。

最低限覚えておきたいスイッチ記号として、上記の項で12個ご紹介しました。

これらをすべて暗記するためには、以下のことに注意して勉強するとよいでしょう。

スイッチ記号は基本的に「●」と傍記の組み合わせです。

記号それぞれを個別に覚えていくよりも、基本的なルールや写真と結びつけながら理解することで効率的に暗記することができます。

電気工事士試験では「配線器具の名称」「配線図」「技能試験」と多くのジャンルでスイッチ記号やスイッチについて問われます。

問題演習を通して覚えていくことも効率的でおすすめです。

以上の勉強方法を参考にして、スイッチ記号の学習を進めましょう。

まとめ

この記事では電気図面や配線図で使用されるスイッチ記号について紹介しました。

記事内で紹介したスイッチ記号は特に重要な配線器具であるため、電気工事士にとって必ず覚えるべきものです。

スイッチ記号の理解を深めるためには、図面に記載されているスイッチ記号と、実物や用途を関連付けて覚えていくのが良いでしょう。

この記事を参考にして、効率的にスイッチ記号の学習を進めてください。