『CBT方式』は電気工事士試験の新システム!従来の『筆記方式』との違いも解説

電気工事士の資格・試験

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CBT方式とは、試験会場に設置されたパソコンを使って受験する新しい試験方式です。

電気工事士の学科試験では、2023年から従来の筆記方式に加えてCBT方式が導入されました。

この記事では、電気工事士学科試験のCBT方式について、以下の内容を詳しく解説していきます。



CBT方式の特徴を理解し、自分に合った受験方式を選択してください。



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電気工事士試験のCBT方式とは?

CBT(Computer Based Testing)方式とは、試験会場に設置されたパソコンを使って受験する新しい試験方式です。

電気工事士の学科試験では、2023年より従来の筆記試験に加えてCBT方式が導入されました。


その理由は、受験者の利便性向上と電気工事技術者を確保するためです。少子化による人口減少の影響で、電気保安技術者が不足している現状を踏まえ、受験機会を増やすことで有資格者の増加を目指しています。


CBT方式の特徴は、具体的には以下3つが挙げられます。

■ 電気工事士学科試験 CBT方式の特徴

1.受験日時と会場を選べる自由度

全国(47都道府県)計200会場以上から選択でき、試験期間内で都合の良い日時を受験できる。試験日の3日前まで変更可能。

2.試験内容は従来と同じ

第二種電気工事士は120分で50問、第一種電気工事士は140分で50問が出題され、合格ラインは60点以上。筆記試験と同様の内容で、難易度に違いはない。

3.その場で採点結果を確認可能

試験終了後すぐ画面に正答数が表示される。ただし、問題用紙の持ち帰りはできず、試験問題の公表も行われない。

CBT方式は受験者の選択肢を広げる新たな試験方式として注目されています。初めて受験される方は、試験センターが提供する体験版で、事前に操作へ慣れておくのもおすすめです。


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CBT方式と筆記方式の違いは?

電気工事士学科試験のCBT方式と筆記方式には、いくつかの違いがあります。

異なる点は、主に下記のとおりです。


CBT方式と筆記方式の違い

筆記方式とCBT方式では、試験内容自体は同じですが実際の受験プロセスには大きな違いがあります。

それぞれの特徴を詳しく見ていきましょう。


受験方法

CBT方式と筆記方式では、受験方法、特に解答手段が大きく異なります。


■ CBT方式・筆記方式 受験方法の違い

試験方式 詳細
CBT方式 試験会場に設置されたパソコンの画面上で問題を確認し、マウスやキーボードで解答を選択。
筆記方式 従来通り、紙の問題用紙を見ながらマークシートに解答を記入。


例えば、CBT方式の場合、配線図問題の解答方法はパソコン画面で図を拡大・縮小させ確認しながら解答することができます。

一方で、筆記方式の場合は配線図に直接書き込みながら問題を解答することができます。


試験日

試験日については、CBT方式と筆記方式で大きな違いがありますので注意が必要です。


■ CBT方式・筆記方式 試験日の違い

試験方式 詳細
CBT方式 試験期間から希望する日時を選択できる。

例:2024年の第二種電気工事士上期試験の場合、【4月22日~5月9日】の試験期間から好きな日時を選択可能。
筆記方式 全国一斉で決められた日時に試験が行われる。

例:2024年の第二種電気工事士上期試験の場合、5月26日が試験日。

筆記方式の試験日は特定の日時が決められていますが、CBT方式の場合は、特定の期間中であれば日時を自由に選択して受験することができます。

したがって、CBT方式は受験者の予定に合わせたより柔軟な日程調整が可能です。


受験会場

受験会場の選択肢は、筆記方式よりもCBT方式のほうが圧倒的に充実しています。


■ CBT方式・筆記方式 受験会場の違い

試験方式 詳細
CBT方式 全国約200ヶ所のテストセンターから会場を選択できる。
筆記方式 主に都道府県単位で選択できるが、最終的な試験会場は試験センター側で決定される。


筆記方式の場合、各都道府県ごとの大きな試験会場に集まって受験するため、会場は必ずしも自宅や職場の近くとは限りません。



一方、CBT方式の場合は、全国約200か所のテストセンターから選べるため、自宅や職場から通いやすい会場で受験できます。

CBT方式は地理的な制約が少なく、受験者の利便性を重視した会場選択が可能です。

この特徴は、特に地方在住の方にとって大きなメリットだと言えるでしょう。

ちなみに、CBT方式の場合、試験日の3日前までなら会場変更も可能です。


持ち物

試験会場への持ち物の制限は、筆記方式と比べてCBT方式のほうが制限されています。

それぞれの持ち物は下記のとおりです。


■ CBT方式・筆記方式 持ち物の違い

試験方式 詳細
CBT方式 本人確認用の顔写真付き証明書以外の私物持ち込みは原則禁止。

筆記用具やメモ用紙は会場で黒ボールペン1本とA4用紙1枚が支給され、試験終了後に必ず返却。
筆記方式
  • 受験票(※必須)
  • 筆記用具(鉛筆またはシャープペンシル、消しゴム、色ボールペン、定規など)
  • 顔写真付きの公的証明書
  • 時計
  • ストップウォッチ
  • 眼鏡

特にCBT方式は制限が多いため、事前に持ち物のルールを確認し、本人確認証の準備だけは忘れないようにしましょう。

なお、試験問題への書き込みも自由で、終了後は問題用紙を持ち帰ることもできます。


受験票

受験票の取り扱いは、CBT方式と筆記方式で異なるルールが設けられています。


■ CBT方式・筆記方式 受験票の違い

試験方式 詳細
CBT方式 受験票は発送されない。

代わりに、受験申込み時に登録したマイページで試験日時や会場を確認。
筆記方式 受験票は郵送されるため、試験当日は必ず持参しなければならない。

CBT方式の場合、受験票の郵送がない代わりに、顔写真付きの本人確認証(免許証やマイナンバーカードなど)の提示が必要です。

本人確認証を忘れると受験できないため、試験の前日までに準備しておきましょう。


筆記方式との共通点

CBT方式と筆記方式では受験方法が異なる部分が多くありますが、試験の本質的な部分は基本的に同じです。

■ CBT方式と筆記方式の共通点

CBT方式 筆記方式
試験時間 第一種:140分
第二種:120分
第一種:140分
第二種:120分
問題数 50問 50問
合格基準 60点以上(30問以上の正解) 60点以上(30問以上の正解)
難易度 CBT方式・筆記方式で同一 CBT方式・筆記方式で同一

実際に、2023年以前の筆記方式だけの場合と筆記方式+CBT方式が開始されてからの合格率には、大きな差は出ていません。

したがって、試験方式の選択は、ご自身の希望や都合に応じて決定しましょう。

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CBT方式のメリット

電気工事士学科試験のCBT方式には、受験者にとって大きなメリットがあります。

CBT方式のメリットは、以下のとおりです。




ここからは、CBT方式の具体的なメリットを1つずつご紹介します。


1.好きな日時を選択できる

CBT方式の最大のメリットは、試験日時を自分の予定に合わせて選択できることです。

従来の筆記方式は全国一斉で決められた日時に試験を行ってきましたが、CBT方式では約3週間ある試験期間内から都合の良い日時を選べます。


また、予約した試験日の3日前までなら日時の変更も可能なため、急な予定変更にも対応できます。

CBT方式により、ご自身の予定を考慮しながら電気工事士の試験を受けられるようになりました。


2.試験会場の選択肢が広い

CBT方式では、全国約200ヶ所の試験会場から自由に選択できることが大きな特徴です。

筆記方式では各都道府県の指定された会場でしか受験できませんが、CBT方式なら自宅や職場から通いやすい会場を選びやすいです。


特に地方在住の方にとって、遠方まで足を運ぶ必要がなくなるため、交通費や移動時間の負担が大幅に軽減されるでしょう。試験当日の体力的な負担も減るため、より実力を発揮しやすくなります。


3.試験を自分のペースで進められる

試験時間内であれば自分のペースで解答を進められることも、CBT方式のメリットのひとつです。

従来の筆記方式は全員一斉に試験を始めますが、CBT方式の場合は試験開始ボタンを押してからの個別カウントとなります。

つまり、自分のタイミングで試験を始めることができます。


また、問題の見直しもマウス操作で簡単にできたり、時間配分も画面上で確認できたりするため、落ち着いて受験に臨めるでしょう。

マークシートへの転記ミスの心配もないため、より実力を発揮しやすい環境だと感じる方も多いでしょう。


4.試験終了直後に正答数を確認できる

CBT方式では、試験終了直後に自分の正答数をすぐに確認できることが魅力です。

筆記方式の場合は、帰宅後に自己採点をするか、後日の合否発表まで結果を待つ必要がありますが、CBT方式では試験を終えた瞬間に正答数が画面に表示されます。


通常の電気工事士試験の場合、合格基準は50問中30問以上の正解であるため、その場で合格の基準点に達しているか確認することもできるでしょう。また、正答数はマイページからも確認できるため、後から見直すことも可能です。

すぐに結果がわかることで、次のステップへの準備もスムーズに進められます。


なお、CBT方式の試験終了後に分かるのはあくまで「正答数」のため、正式な合否については合格発表にてきちんと確認しましょう。


5.筆記方式よりも早く技能試験の準備に取りかかれる

CBT方式の場合、筆記方式よりも約1ヶ月早く学科試験を受験できるため、技能試験の準備期間を長く確保できます。

例えば、令和6年度下期 第二種電気工事士試験の場合、CBT方式は9月20日から受験可能ですが、筆記方式は10月27日が受験日でした。CBT方式は試験終了後2週間で合否が判明するため、CBT方式の受験者はより早く技能試験の準備に取りかかれます。


技能試験は実技の練習を重ねることが合格への近道です。その意味でも、CBT方式を選択して早めに学科試験を終わらせることは、効果的な試験対策と言えるでしょう。


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CBT方式のデメリット

CBT方式には数々のメリットがある一方で、いくつかのデメリットもあります。

CBT方式のデメリットは、以下のとおりです。



それでは、CBT方式の具体的なデメリットについて、1つずつ詳しく見ていきましょう。


1.パソコン操作に慣れていないと戸惑う恐れがある

CBT方式では、パソコンの画面を見ながらマウスやキーボードで解答を選択する必要があるため、パソコン操作に不慣れな方は戸惑う可能性があります。

特に配線図を見る際は画面の拡大・縮小操作が必要で、問題文と図面を同時に見比べる場合も画面操作が求められます。

また、メモを取りながら画面を確認する作業も、慣れないと時間がかかってしまうでしょう。

ただし、試験センターのホームページでCBT方式の体験版が提供されているため、事前に操作感を確認して練習することができます。


2.学科試験の勉強期間が短くなる

CBT方式は筆記方式より約1ヶ月早く試験が実施されるため、学科試験の学習時間の確保が課題となります。

例えば、令和6年度 第二種電気工事士試験(下期試験)のCBT方式は9月20日から始まりますが、筆記方式は10月27日です。

つまり、CBT方式を選択すると学科試験の学習期間が約1ヶ月も短くなります。


ただし、その分早めに勉強を開始し集中的に取り組めば、CBT方式の日程にも十分対応可能でしょう。


3.複線図が書きにくい

筆記方式の場合は複線図が印刷された問題用紙に直接書き込みながら解答できますが、CBT方式の場合は画面上の図を確認しながら自分でメモに書き写さないといけないため、CBT方式だと「複線図が書きにくい」という意見もあります。

また、CBT方式では、会場で支給される黒ボールペン1本とA4用紙1枚でメモを取らなければならないため、配線の色分けができず、複数の線を描き分けるのが難しくミスをしやすいです。


ただし、画面上で図を拡大・縮小できるため、CBT方式のほうが細部の確認はしやすくなっています。

メモ用紙の使い方を工夫し、効率的に書き込む方法を事前に練習しておくことが重要でしょう。


4.問題用紙を持ち帰れない

CBT方式では、試験問題の持ち帰りができないため、試験後の復習が難しいというデメリットがあります。

筆記方式では問題用紙を持ち帰って自己採点や見直し学習ができるため、不正解だった問題を重点的に復習できました。

しかし、CBT方式では正答数は表示されるものの、問題・解答は非公開でどの問題を間違えたのかを確認できません。


5.緊張感がなく「やりにくい」と感じる恐れがある

CBT方式では、個人のペースで試験を進められるというメリットがある一方で、従来の試験のような臨場感や緊張感がなく「やりにくい」という課題があります。

CBT方式は、パソコンルームのような小規模会場でそれぞれ受験しているため、全員が一斉にスタートする筆記方式のような試験特有の雰囲気が薄くなります。



また、周りの受験者のペースも見えないため、「受験している」という実感が湧かないという方もいるでしょう。

その一方で、CBT方式のほうがリラックスして受験できるというメリットに感じている方もいます。


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CBT方式の申し込み方法は?

電気工事士の学科試験でCBT方式を選択する場合、まず通常の筆記方式の受験申込みを行い、完了後にCBT方式への変更手続きを行う必要があります。

ここからは、CBT方式への変更手続きの具体的な流れをご紹介します。



通常の受験申込後、CBT方式への変更は下記のとおり行います。

■CBT方式への変更手順

  1. マイページにログイン
  2. 「試験方式変更」から「CBT方式」を選択
  3. 全国約200か所の試験会場から希望の会場を選択
  4. 試験期間内で希望の日時を予約

CBT方式への変更申請は期間が決められています。

CBT方式の予約日時・試験会場は、予約した試験日の3日前まで変更可能ですが、予約状況により希望の日時・会場が満席の場合もありますので、なるべく早めに行うほうが良いでしょう。


なお、CBT方式への変更について、注意すべき点は下記のとおりです。

■ CBT方式への変更の注意点

  • 変更申請期間内に手続きを行わないと筆記方式での受験になる
  • 一度CBT方式に変更すると筆記方式に戻すことはできない

なお、試験の詳細を確認したい方は、一般財団法人 電気技術者試験センターが発表している試験案内をご確認ください。


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まとめ

今回は、電気工事士試験のCBT方式について詳しく解説しました。

この記事のまとめ
  • CBT方式はパソコンを使用して受験する試験方式で、電気工事士試験では2023年から導入されている
  • 筆記方式とCBT方式を比べると、試験内容は同じだが、受験プロセスが大きく異なる
  • CBT方式のメリットは「試験日時と会場の選択肢が広がる」「試験終了後すぐに正答数を確認できる」「技能試験準備に早く取り組める」など
  • CBT方式のデメリットは「パソコン操作への慣れが必要」「学科試験の勉強期間が短い」「問題用紙を持ち帰れない」など

電気工事士学科試験のCBT方式は、受験者の選択肢を広げる新たな試験方式です。

自分に合った方式を選び、十分な準備をすることで、確実に電気工事士学科試験合格を目指しましょう。


また、受験勉強中に電気工事士の求人情報を調べておけば、免状取得後にライバルよりもより早く転職活動を始めることができます。

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