消防設備士乙種7類とは?合格率や資格試験の勉強方法から仕事内容まで徹底解説!

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消防設備士乙種7類は、漏電火災警報器の点検・整備を行うことができる国家資格です。

過去5年間の平均合格率は58%と消防設備士の中で最も高いです。

また、受験資格も不要なため、消防設備士の資格取得を目指す多くの方が最初にチャレンジする資格として人気があります。

本記事では、消防設備士乙種7類の取得に必要な情報や科目免除制度、効率的な合格に向けたポイントなどを解説しています。


これから消防設備士乙種7類の取得を目指す方は、ぜひ参考にしてください。

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消防設備士乙種7類とは?

消防設備士乙種7類は、漏電火災警報器の整備・点検を行える国家資格です。

特定の建物では、漏電による火災を未然に防ぐため漏電火災警報器の設置が法律で義務付けられています。

ここでは、消防設備士乙種7類の具体的な仕事内容や扱える消防設備について詳しく見ていきましょう。

消防設備士乙種7類とは


仕事内容

消防設備士乙種7類の主な仕事は、「漏電火災警報器の整備・点検業務」です。

具体的な業務は下記のとおりです。

■消防設備士乙種7類の仕事内容

業務区分 仕事内容
点検業務
  • 漏電火災警報器の定期点検の実施
  • 受信機の動作確認
  • 変流器の動作確認
  • 各部位の損傷・腐食確認
  • 警報機能の作動確認
  • 点検結果報告書の作成
整備業務
  • 漏電火災警報器の取り付け調整
  • 機器の修理や部品交換
  • 設置後の動作確認

※参考:受験案内|消防設備士試験 |一般財団法人消防試験研究センター

点検業務では、漏電火災警報器の定期点検を行い、機器の動作確認、損傷や腐食がないかといった外観のチェックなどが行われます。

なお、点検業務で異常が見つかった場合は、整備業務として漏電火災警報器の部品の交換や調整を行います。

扱える消防設備

消防設備士乙種7類が扱える消防設備は「漏電火災警報器」のみです。

消防設備士は各種別によって、扱える設備が異なるのでその違いを確認しておきましょう。

消防設備士乙種7類は他の消防設備士と違って、扱える設備は1種類のみです。

■消防設備士の種別

種別 甲種 乙種 対象となる消防設備
1類 消火栓設備、スプリンクラー設備、水噴霧消火設備、屋外消火栓設備等
2類 泡消火設備、特定駐車場用泡消火設備等
3類 不活性ガス消火設備、ハロゲン化物消火設備、粉末消火設備等
4類 自動火災報知設備、ガス漏れ火災警報設備等
5類 金属製避難はしご、救助袋、緩降機
6類 消火器
7類 漏電火災警報器

※参考:受験案内|消防設備士試験 (一般財団法人消防試験研究センター)

消防設備士乙種7類が扱える「漏電火災警報器」は、電気配線からの漏電を検出して警報を発する装置で、火災の予防に重要な役割を担っています。

漏電火災警報器の概要は下記のとおりです。

■漏電火災警報器の概要

項目 内容
定義 電気配線からの漏電を検出して警報を発する消防用設備の一つ
主な目的 漏電を検知し、火災を予防するための警報を発報する
設備
  • 変流器:漏電を検出する装置
  • 受信機:変流器からの信号を受けて警報を発する装置
設置場所
  • 変流器:電気の引込み部分や変圧器二次側
  • 受信機:防災センター等、常時人がいる場所
点検頻度
  • 機器点検:6ヶ月に1回
  • 総合点検:1年に1回
必要資格


なお、漏電火災警報器は定期点検が法令で義務付けられているため、消防設備士乙種7類の資格保持者の需要は安定していると言えるでしょう。

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消防設備士乙種7類 資格試験の概要

消防設備士乙種7類の試験は、筆記試験と実技試験の2つのパートで構成されています。

筆記試験では「消防関係法令」「基礎的な知識」「構造・機能及び工事・整備」について、実技試験では実際の設備の識別や操作方法などが問われます。

消防設備士乙種7類の試験概要について見ていきましょう。

消防設備士乙種7類の資格概要


受験資格

消防設備士乙種7類は特別な受験資格がなく、誰でも受験できる資格です。

■ 消防設備士乙種7類の受験資格について

  • 学歴や年齢に関係なく誰でも受験できる
  • 実務経験は必要なし
  • 他の資格や免許の保有も必要なし

7類に限らず、消防設備士乙種はいずれも受験資格が必要ありません。

したがって、消防設備士乙種7類は初めて消防設備士の資格を取得しようとする人にとっては比較的取り組みやすい資格の一つであると言えます。

ただし、受験に際しては必要な知識を習得する必要があり、試験に合格するための学習は欠かせません。

消防設備士試験の受験資格や試験内容について詳しく知りたい方は「【全種類】消防設備士の受験資格と資格種別ごとに必要な書類を解説」をご覧ください。


出題形式・試験時間・合格基準点

消防設備士乙種7類の試験は、「筆記試験」と「実技試験」で構成されています。

それぞれの出題形式と合格基準、試験時間は、以下の表でご確認ください。

■消防設備士乙種7類 出題形式・合格基準点

筆記試験 実技試験
出題形式 マーク・カード方式(四肢択一式) 写真・イラスト・図面等による記述式
合格基準 各科目毎に40%以上かつ
全体の出題数の60%以上
60%以上
試験時間 計1時間45分

※参考:試験の方法|消防設備士試験 (一般財団法人消防試験研究センター)

試験内容

消防設備士乙種7類の試験科目は、筆記試験が30問、実技試験が5問の合計35問です。

以下の表で具体的な試験内容を確認してみましょう。

■消防設備士乙種7類の試験内容

区分 試験科目 詳細 問題数
筆記試験 消防関係法令 法令共通 6問
法令類別 4問
基礎的知識 電気 5問
構造・機能及び工事・整備 電気 9問
規格 6問
30問
実技試験 5問

※参考:試験科目及び問題数|消防設備士試験 (一般財団法人消防試験研究センター)

筆記試験は四肢択一のマークカード方式で、法令や技術的な知識を問う問題が出題されます。

特に「構造・機能及び工事・整備」は配点が高く、漏電火災警報器の仕組みや点検方法について詳しく問われます。

実技試験は記述式で、実際の設備や部品の写真を見て名称や用途を答えたり、動作原理や点検手順を説明したりする問題が出題されます。

実務に直結した実践的な内容となっているのが特徴です。

科目免除

消防設備士乙種7類では、特定の資格を取得している場合、試験科目の一部が免除される制度があります。

免除される科目は、以下のとおりです。

■消防設備士乙種7類の科目免除

保有資格 筆記試験 実技試験
乙種第4類
甲種第4類
  • 消防関係法令(法令共通部分のみ)
  • 基礎的知識
免除なし
乙種第1、2、3、5、6類
甲種第1、2、3、5類
消防関係法令(法令共通部分のみ) 免除なし
電気工事士
  • 基礎的知識(電気のみ)
  • 構造・機能及び工事・整備(電気のみ)
全問免除
電気主任技術者
  • 基礎的知識(電気のみ)
  • 構造・機能及び工事・整備(電気のみ)
免除なし
技術士(電気部門)
または日本消防検定協会職員
  • 基礎的知識
  • 構造・機能及び工事・整備
免除なし

※参考:試験科目及び問題数|消防設備士試験 (一般財団法人消防試験研究センター)

なお、電気工事士の資格を保有している場合は、実技試験も免除されます。

試験科目が免除されれば、その分の試験時間が短くなります。

効率的に消防設備士乙種7類を取得するために、現在保有している資格を利用して、免除申請の手続きを行いましょう。

消防設備士乙種7類の科目免除制度については「消防設備士の免除条件とは?条件別の免除科目や申請方法を解説!」で詳しく解説しています。

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消防設備士乙種7類の合格率・難易度

消防設備士乙種7類の過去5年間の平均合格率は約58%で、消防設備士の全種別の中で最も合格率が高い資格です。

消防設備士乙種の各資格の合格率を比較してみると下記のとおりです。

■乙種消防設備士の合格率と難易度

年度 7類 1類 2類 3類 4類 5類 6類
難易度 ★★ ★★★★★ ★★★★ ★★★★★ ★★★★ ★★★ ★★★
平均 58.2% 30.4% 34.4% 29.2% 34.1% 37.5% 39.6%
2023年 60.3% 28.2% 25.8% 22.1% 34.4% 33.7% 38.1%
2022年 59.5% 28.4% 34.3% 28.9% 32.8% 36.6% 38.8%
2021年 57.0% 35.5% 37.0% 33.4% 35.0% 38.5% 39.9%
2020年 57.0% 33.8% 37.5% 34.1% 35.4% 42.9% 42.7%
2019年 57.4% 26.3% 37.3% 27.5% 33.0% 35.9% 38.4%

※参考:試験実施状況(一般財団法人消防試験研究センター)

消防設備士乙種7類の合格率が高い理由は、「漏電火災警報器」に特化している資格のため、試験範囲が比較的狭いことがあげられます。

また、電気工事士資格を保有している場合、実技試験が免除されるのも大きいです。その他の科目免除も受けられる受験者にとっては、さらに合格しやすい状況となっています。

消防設備士全体の合格率や難易度については「消防設備士の難易度・合格率は?おすすめ種類と難易度ランキングを紹介」で詳しく解説しています。

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消防設備士乙種7類の試験日程・申し込み方法

消防設備士乙種7類の試験は全国で年間複数回実施されており、都道府県によって日程が異なります。

したがって、受験予定の都道府県のスケジュールを確認しておきましょう。

参考例として、2024年度前期の東京都「消防設備士乙種7類」の試験スケジュールをご紹介します。

例年の流れとしては、試験日の2ヶ月前から申請受付が始まり、試験日の1ヶ月後に合格発表されます。

■2024年度前期 消防設備士乙種7類の試験日程

試験日 申請受付期間 合格発表予定日
5月11日(土) 3月14日(木)~3月25日(月) 6月10日(月)
7月7日(日) 5月16日(木)~5月27日(月) 8月6日(火)
8月31日(土) 7月11日(木)~7月22日(月) 10月2日(水)

※参考:試験情報検索結果(消防設備士)(一般財団法人消防試験研究センター)

申し込み方法は、「書面申請」と「電子申請」の2種類から選択できます。

書面申請の場合は、「受験願書」を記入し、受験を希望する都道府県の試験センターに提出する必要があります。

消防設備士乙種7類試験の申し込み方法の詳細は「消防設備士試験の申し込み方法を画像付きで解説!期限や注意事項も紹介」にてご確認ください。

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消防設備士乙種7類の勉強方法

消防設備士乙種7類の試験勉強で大切なポイントは、以下の3つです。

■消防設備士乙種7類試験勉強のポイント

  • 漏電火災警報器の構造と機能を理解し、部品名称と役割をセットで覚える
  • 科目ごとに合格基準点が定められているため、偏りなく勉強する
  • 実技試験は記述式のため、より詳細な知識を身につける

乙種7類試験では、1つの科目に偏ることなく平均的に勉強することが必要です。

また、実技試験は記述式で厳密な採点が行われるため、より詳しい知識が求められます。実技試験の場合、明確な採点基準は公表されていませんが、部分的に正しい記述があれば点数を与えられる可能性もあります。

科目別の合格ラインを意識しながら、勉強や模擬試験を行うのも効果的でしょう。

なお、電気の知識が無い方は、まず電気の基礎から学習を始めることをおすすめします。

参考書と問題集を併用しながら、理解と暗記を繰り返すことで効率的に合格を目指しましょう。

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消防設備士乙種7類のおすすめテキスト

消防設備士乙種7類の学習に役立つ、おすすめのテキストをご紹介します。

消防設備士 第7類 令和6年版

消防設備士 第7類 令和6年版

※出典:Amazon

■テキストの特徴

このテキストの特徴は、「テキスト」「過去問題」「正解&解説」の3つのパートから構成されているため、各パートを順番に学習することで、自然と知識が定着するように工夫されています。

また、効率よく問題が解けるよう[★]マークの付いた頻出問題と、[編]マークの付いた類似問題をまとめた総合問題で構成されている点も特徴のひとつです。



わかりやすい!第7類消防設備士試験

わかりやすい!第7類消防設備士試験

※出典:Amazon

■テキストの特徴

本書の最大の特徴は、「効率的な学習」を重視した構成にあります。重要なポイントには色分けによるマーキングが施され、暗記が苦手な方でも覚えやすいゴロ合わせも随所に取り入れられています。

実技試験(鑑別等)の対策も充実しており、図表を多用した分かりやすい解説で、勉強を初めたばかりの人でも無理なく学習を進められます。

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まとめ

本記事では、消防設備士乙種7類について、資格の概要から試験内容、勉強方法まで詳しく解説しました。

この記事のまとめ
  • 消防設備士乙種7類は漏電火災警報器の点検・整備ができる資格
  • 消防設備士乙種7類の過去5年間の平均合格率は約58%と、消防設備士の資格の中で最も高い
  • 消防設備士乙種7類の試験は、筆記試験(マークカード方式)と実技試験(記述式)の2種類
  • 消防設備士乙種7類の試験は、電気工事士資格があれば実技試験を免除できる


消防設備士乙種7類は、受験資格がなく、試験範囲も漏電火災警報器に絞られているため、消防設備士の入門としておすすめの資格です。

また、防災・不動産・ビルメンテナンス業界で需要も高い資格の1つでもあります。

キャリアアップの第一歩として、皆さんも消防設備士乙種7類の資格取得にチャレンジしてみましょう。

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