電験三種の「法規科目」とは?試験内容と暗記・計算問題のおすすめ勉強法を解説
電気主任技術者(電験)最終更新日:
電験三種の「法規科目」は、主に電気に関する法律について出題される科目です。
また、法規は他の3科目と比べて問題数が少ないため、「1問あたりの配点が高い」という特徴もあります。
電験三種の試験に合格を目指している方の中には、このような不安を抱えている方も多いのではないでしょうか。
- 法規科目ってどんな問題が出るの?
- 他の科目との違いは?
- 暗記が多くてどうやって勉強したらいいか分からない
そこでこの記事では、法規科目の試験内容や勉強法について詳しく解説していきます。
この記事を読むことで電験三種の法規科目についての疑問がクリアになるでしょう。
試験について悩んでいる方は、ぜひ参考にしてください。
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電験三種の法規科目とは?
電験三種(第三種電気主任技術者)の法規科目とは、電験三種の試験科目である4科目「理論」「電力」「機械」「法規」のうちの1つで、主に電気に関する法律についての知識が問われる科目です。
科目の内容は、「電気法規(保安に関するものに限る。)及び電気施設管理」となっており、大きく「電気関係法令」「電気設備技術基準とその解釈」「電気施設管理」の3つに分類されます。
法規科目の特徴は下記のとおりです。
■ 法規科目の特徴
- 暗記問題が多い
- 文章問題が多い
- 1問あたりの配点が高い
電験三種の法規科目は、電気の法律に関する知識が問われる科目のため、暗記問題が中心となっています。
また、他の3科目と比べて問題数も少ない傾向にあるため、1問1問の配点が高いのが特徴です。
したがって、法規科目は、より幅広い知識を正確に覚える必要がある科目だと言えるでしょう。
法規科目の試験内容
電験三種(第三種電気主任技術者)の法規科目の試験内容は下記のとおりです。
他3科目と比べ、法規科目のみ試験時間や問題数が異なりますのでご注意ください。
■ 電験三種 法規科目の試験概要
項目 | 内容 |
---|---|
試験時間 | 65分 |
出題範囲 | 電気法規(保安に関するものに限る)及び電気施設管理に関するもの 電気設備の技術基準の解釈について(経済産業省の審査基準)に関するもの |
問題数 | A問題:10問 B問題:3問 |
合格基準 | 原則60点(試験の難易度等から合格基準を調整する場合あり) |
■ 電験三種 法規科目の問題構成
タイプ | 問題数 | 合計点 | 特徴 |
---|---|---|---|
A問題 | 10問 | 60点 | 暗記問題 |
B問題 | 3問 | 40点 | 計算問題 |
法規科目は、他の3科目と比べて試験時間が65分と少し短く、問題数も少ないです。
その分、問題を解いていくスピードや1問ごとの正確性が求められますので、しっかりと準備して挑みましょう。
また、A問題は暗記問題、B問題は計算問題となっています。
特にB問題は配点が高いため、計算問題を「捨てる」場合は、暗記問題をほぼ全問正解しないと厳しくなってしまいます。
電験三種の試験全体の概要については「電験三種の試験概要まとめ|筆記・CBT方式から当日の流れまでを完全ガイド」で詳しく解説していますので、あわせてご確認ください。
法規科目で実際に出題された問題紹介
電験三種(第三種電気主任技術者)の法規科目は、実際にどんな問題が出題されるのでしょうか。
ここでは、2024年度上期試験で出題された問題を紹介していきます。
上記2問のように、法規科目は、法律についての「正誤問題」や「穴埋め問題」が中心に出題されます。
法規科目の問題を解くには、電気法規の知識、電気設備の定義・基準など、幅広い分野における正しい知識が必要です。
法規科目の合格率・難易度
電験三種(第三種電気主任技術者)の法規科目 過去5年間(2019年度~2023年度)の平均合格率は21.9%です。
■ 電験三種 法規科目の合格率
年 | 合格率 | 受験者数 | 合格者数 |
---|---|---|---|
平均 | 21.9% | 34,538人 | 7,530人 |
2023年 | 30.3% | 37,642人 | 11,393人 |
2022年 | 16.3% | 43,098人 | 7,065人 |
2021年 | 24.1% | 28,045人 | 6,761人 |
2020年 | 21.3% | 30,828人 | 6,573人 |
2019年 | 17.7% | 33,079人 | 5,858人 |
※参考:プレスリリース(一般財団法人 電気技術者試験センター)
※2022年、2023年は上期・下期の合算
※理論科目合格者数は、4科目合格者数も含め理論科目に合格した者
電験三種の各科目(理論・電力・機械・法規)の平均合格率を比べると、法規科目は理論科目に次いで2番目に合格率が低いです。
理論科目は電験三種の中でも特に「難しい」と言われる科目であるため、法規科目も電験三種の中で難易度が高い科目だと言えるでしょう。
法規科目の難易度が高い理由は、2点考えられます。
1点目は暗記問題の多さです。
本記事内「法規科目で実際に出題された問題紹介」でもご紹介したとおり、法規科目は暗記問題が中心です。
また、覚える範囲は広範囲に及びます。
2点目は問題数です。
法規科目は他の3科目より問題数が少なくなっています。
一方で合格基準点は他3科目と変わらないため、1問あたりの比重が大きいです。
電験三種の試験全体の合格率や難易度を詳しく知りたい方は「電験三種の難易度は12.2%!合格率が上がってるって本当?受験生の声は?」をあわせてご確認ください。
法規科目のおすすめ勉強法
電験三種(第三種電気主任技術者)の法規科目に合格するための、おすすめ勉強法を3つ紹介していきます。
暗記問題はコツコツ取り組む
1つ目の勉強法は、暗記問題にコツコツ取り組むことです。
法規科目において、避けては通れないのが暗記問題であり、その暗記量は一夜漬けなどでは到底間に合いません。
「暗記が苦手」という方も多いと思いますが、それでも1つずつ地道に取り組むことが大切です。
「どうしても覚えられない!」という方は、例えば学生時代に歴史の年号を語呂合わせで覚えたように、数字を語呂合わせで覚えるなど「覚え方」を工夫してみましょう。
暗記に向き合わなければいけないからこそ、自分に合った覚え方を探してみるのもいいでしょう。
計算問題も捨てずに取り組む
2つ目の勉強法は、計算問題も捨てずに取り組むことです。
暗記する量が多いからと言って、それだけに注力して他を捨てるという選択はおすすめできません。
なぜなら、法規科目において、計算問題の方が暗記問題よりも1問あたりの配点が高い傾向にあるからです。
法規科目の配点は、A問題(暗記問題)が計60点/全10問、B問題(計算問題)が計40点/全3問です。
合格基準点は60点のため、試験に合格するには計算問題を確実に正解して点数に余裕を持たせることが重要になってきます。
また、計算問題は法規科目に限らず、他の3科目にも共通する内容が多く含まれます。
しっかりと理解し、取り組むことで合格する可能性が向上するでしょう。
過去問を繰り返し解く
3つ目の勉強法は、過去問を繰り返し解くことです。
暗記問題や計算問題などの知識も必要ですが、実際の試験の出題形式に慣れておくことはとても大切です。
実際の試験当日落ち着いて試験に挑むためにも、繰り返し過去問を解きましょう。
また、何度も過去問に取り組んでいくと、試験の傾向や対策が見つかるかもしれません。
電気工事に特化した求人サイト「工事士.com」の人気コンテンツである「過去問クイズ」は、スキマ時間に過去問に取り組める勉強ツールです。
ぜひ「過去問クイズ」を活用して、なるべく多く過去問に触れておきましょう。
「過去問クイズ」については、本記事内「法規科目対策に使える勉強ツールは?」で詳しく解説しています。
法規科目の合格に必要な勉強時間は?
電験三種(第三種電気主任技術者)の法規科目の合格に必要な勉強時間の目安は、100〜300時間程度と言われています。
暗記の得意不得意もありますが、よく耳にするのが電気工学系・理系出身者の方と文系出身者の方では勉強期間が変わってくるということです。
例えば、電気工学系・理系出身者の方であれば電気に関する予備知識があるため、文系出身者の方と比べると、よりスムーズに勉強が進められるでしょう。
ご自身の状況を踏まえ、余裕を持った勉強時間を確保するのが大切です。
電験三種の勉強時間に関してもっと知りたい方は「電験三種の勉強時間をアンケート調査『文系出身者の目安は600時間~800時間程度』」をご覧ください。
法規科目対策に使える勉強ツールは?
電験三種(第三種電気主任技術者)の法規科目の試験対策として、おすすめの勉強ツールを紹介します。
WEBサイト
電気工事に特化した求人サイト「工事士.com」には、電験三種の試験や転職に役立つコンテンツがたくさんあります。
登録不要で、誰でも無料で利用できます。
特に試験勉強に役立つ「電験三種 過去問クイズ」は、通勤・休憩中などのスキマ時間にサクサク進められるため、スキマ時間を有効活用したい人に向いています。
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文字だけのテキストよりもイメージしやすく、楽しく勉強したいという方に向いています。
アプリ
- 電験三種 法規科目 暗記アプリ
※出典:App Store
アプリで法規科目の勉強を効率的に行えるツールとなっています。
おまかせ出題機能やおさらい出題など便利な機能でスキマ時間に勉強でき、知らない単語をタップすると、すぐに検索することもできます。
まとめ
今回は、電験三種(第三種電気主任技術者)の法規科目について解説しました。
- 法規科目は、電気に関する法律について問われる科目
- 他の3科目と比べて問題数も少ない傾向にあるため、1問1問の配点が高いのが特徴
- 暗記問題は量が多いため、めげずにコツコツ取り組むことが大切
- 計算問題は問題数は少ないが配点が高いため、暗記問題と同様にきちんと対策しておくことが必要
法規科目は、電験三種の4科目の中でも特に覚える量が多く、難易度が高い科目です。
しかし、今回ご紹介した勉強法を参考に、コツコツと取り組んでいけば合格の道は開けるはずです。
余裕を持った勉強計画を立てて、一発合格を目指しましょう!
執筆者・監修者
工事士.com 編集部
株式会社H&Companyが運営する電気工事業界専門の転職サイト「工事士.com」の編集部です。
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