40代・未経験で電気工事士に転職、後悔する前に見て欲しい5つの情報
転職活動の基礎・開始編40代・未経験で、あえて電気工事士への転職を考えられているのでしたら、既に、様々なことを考え悩まれているのではないでしょうか。 「十分に検討して納得して決めたい」「間違った選択はしたくない」 という気持ちがありつつ、決めきれずに迷われているかもしれません。
一方で「電気工事士への強い興味」や「転職して、なんとしても活躍したい気持ち」を持たれているでしょうか。 転職に絶対の正解はありません。重要なことは、ご本人が納得して後悔のない決断ができることでしょう。
この記事では、決断するのに少しでも役立ちそうな情報を、可能な限り提供させて頂きます。 わたしたち工事士.comは電気工事専門の求人サイトとして、3,000社超の企業にご利用頂いています。 その中で耳にしている企業の生の声や、実際の転職成功事例をもとに情報をお伝えします。是非、ご活用ください。
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数字で見る40代の電気工事士募集の現状
工事士.comで掲載されている求人募集の中で、「40代・未経験の方が、応募条件を満たす求人の割合」を確認しました。
全体のうち、44%の求人で、応募条件を満たしていました。 内訳は、「未経験OK/年齢不問」の求人が30%、「未経験OK/年齢制限があって40代応募可能」の求人が14%です。
この数値は、多いと感じるか少ないと感じるかは人によって異なるとは思います。 業界の人手不足を受けて、年齢を不問とする求人は、年々増えている状況です。 少なくとも、門戸は開かれていると言えるでしょう。 また「40代・未経験かつ無資格の方が応募条件を満たす求人の割合」は38%です。(2017年9~11月掲載の求人を対象)
もう少し実態について補足しますと、例えば
「年齢不問で募集を出すけど、できれば20代の方が入社してくれると一番良い」
「資格不問・経験不問だけど、年齢が上がるなら経験を出来れば持っていてほしい」
といった声があります。
ですので、実態としては「40代・未経験の方が応募してスムーズに選考に進める」求人は、44%よりもう少し下がると思われます。
逆に、「ウチは、30代中盤~40代ぐらいの人が来て欲しい」といった企業様もいて、求人募集上では現れない微妙な違いもあります。
このあたりは、求人内容から読み解くことは中々難しいかもしれません。
・「40代・未経験から応募できる求人はある」
・「ただし、選考突破は簡単ではない」
と思っておきましょう。
求人募集をかけている企業の考え・生の声
続いて、「求人募集をかけている企業は、どのように考えているのか?」を具体的に見ていきましょう。 ここでは、企業の社長や採用担当者から、直接聞いている話をもとにお伝えします。
▽採用時に年齢制限を設けている理由(40歳未満など)
年齢を重ねていくと、新しい分野の知識の吸収に抵抗を感じやすいため
資材、道具、図面、工事の進め方、など電気工事で覚えることは多数あり、知識の吸収は避けて通れません。
もちろん実際には年齢でなく個人毎で異なりますが、企業としては可能性が高い方を優先したい気持ちがあるようです。
体力的にきびしいため
工事現場で、体を動かす・ものを扱う仕事です。機敏な行動も求められ、体力を要します。
また、体が疲れてしまい、現場の勝手を分かっていない場合は、事故・怪我が起きやすくなることも心配され、懸念されているそうです。
給与が合わないため
一般的にどの業界でも、未経験職種への入社時は、給与が下がることが多いです。
その傾向は、年齢が上がる程、顕著になります。そのため、本人の希望と給与が合わないことが多くなってしまいます。
また、本人が了承したとしても、仕事への満足度は下がるため、
結果としてお互いに長続きしないということを気にされているようです。
給与が合わないため既存社員との兼ね合いのため
職場に馴染めるか?ということも、大きな要素です。年齢が上がる程、年下・先輩-年上・後輩の関係が起きやすくなります。
お互いに気を使いすぎてしまって馴染めなかったり、業務の指導に影響が及んだりすることを懸念されています。
その場合は、知識の吸収にも遅れが生じて、悪循環となるでしょう。
いかがでしょうか。また、これらの年齢制限を設けている理由については、企業側の視点だけでなく、求職者側の視点でも捉えておく必要があります。
採用を躊躇する理由というのは、そのまま40代・未経験の方が、実際に転職した場合に、苦労することだからです。
本当に大事なことは転職してから。
転職後に苦労することを理解した上で、それでも転職したいと思うのか。よく自問自答してみてください。
その他にも、電気工事士の仕事で苦労することも参考になるので、是非ご覧ください。
一方で、これらの懸念点を分かった上で、年齢制限なく40代以上の方も積極的に採用している企業もいます。 こうした企業では、以下のような声が聞かれます。
▽年齢制限なく採用している企業の声
「人手不足で採用は年々難しくなっているので、この仕事に興味を持ってくれているってことだけで有り難いし、 年齢不問で採用している。入社後の大変なことを伝えた上で、本人が希望してくれれば一緒に頑張ることにしている。」
「40代で転職してきているということもあって、いい意味で切羽詰まっているというか、瀬戸際で頑張っているのが分かる。 未経験で飛び込んできただけのことはあるなと感じます。電気工事をやりたいと思って来てくれているし、覚えようとする気力が違う。」
「面接では、年齢や経歴よりも、この仕事に興味を持ってくれそうかどうかを重視している。 興味を持って自分から覚えようとしないと、中々上達しない仕事。 面接時に、実際に工具とかも見てもらいながら反応を見て、興味を持っているか?自分から覚えようとしているか?を確認する。年齢よりも重要なこと。」
「面接で会って人柄が良くて、社内でうまくやっていけそうだと思ったら、年齢は気にしていない。 面接での様子を見させてもらいつつ、年下の先輩がいることも伝えて、本人が了承してくれればOK。 最初に馴染むことさえできて、仕事も覚えれば、社会人経験・人生経験があるので、いれくれると助かる存在になることもある。」
このように、40代で未経験の方が採用され、転職後に活躍している例は実際にあります。
20~30代に比べてハードルが高くはなりますが、活躍していける可能性はあると言えるでしょう。
おそらく、40代以上の方の採用を行っていく企業は、今後増えていくと思われます。
人手不足で採用が年々難しくなっている為です。40代以上で転職したい方にとっては、追い風と言えるかもしれません。
40代ならではの武器・利点はあるか?
40代・未経験での転職は、苦労する部分が多いかもしれませんが、転職活動で有利にはたらくことがあれば、最大限活かしたいですよね。 武器となるのは、やはり、これまでの社会人経験です。その中でも、次の2つの点を、アピールできたら効果が大きいです。
コミュニケーションやチームワーク
工事現場では、お客様や社内外の関係者と一緒になります。周囲との連携が不可欠です。 工事の知識・技術が重要ですが、最低限はスムーズな会話・意志疎通も求められます。 例えば、挨拶、作業の指示、指示理解、業務報告(報連相)などです。
アピールするには、まずは面接内での会話に一番に気を払い、表情や声の大きさ、スピードなどに気を付けましょう。 面接でのマナーや 面接で話す時の心構えも参考にしてください。
加えて、人と接する仕事や、集団で進める仕事の経験があれば、アピールに使えます。
電気工事士は、営業職などのように、話し好き・口達者・説得上手である必要はありませんし、企業も求めていません。
丁寧で確実に、意思疎通・情報交換ができることが、最適なアピールとなります。
また、職場に馴染めるか?という企業側の心配も少なくなるので、内定の確率アップにもつながります。
自分なりの業務習得・学習方法
電気工事の仕事は覚えることが多いです。ただ現場に行っている・ただ先輩の言うことを聞いているだけで、漠然と過ごしていても、知識は吸収できません。
現場で先輩の仕事ぶりをよく見る、気になることは自分から質問する、同じ間違いを2回しないように工夫する、などの取り組み方や工夫があるはずです。
これまでのそうした経験を伝えることができれば、大きなアピールになるでしょう。
また、現場を離れてからも、仕事の予習・復習をする、関連する内容を自習する、学んだことをノートにまとめるなどの学習の仕方もあります。 電気工事と異なる職種で構いませんので、ご自身がこれまで取り組んできたことを整理して、アピールできそうな武器を、是非見つけてください。
「電気工事がしたい」意欲・興味が重要
ここまでの求人募集の状況や、企業の生の声を理解して頂いた上で、 40代・未経験から電気工事士に転職するかどうかの1つの指針をお伝えします。
「電気工事士がしたい」「電気工事を覚えたい」意欲・興味を強く持てているでしょうか?
もし、自分が興味を持てているのか分からないと感じるなら、入社できたとしても、相当苦労する可能性が高いと思います。
「覚えようとしているか、興味を持っているかどうか、は見ていれば直ぐに分かる」と、多くの企業から聞きます。
それだけ、重要だということです。仕事内容や工事現場のことを理解した上で、やりたいと思える意欲・興味があることを伝えられたら、
それが最大のアピールとなり、内定獲得の確率はグッと高まると言えます。実際に入社してからも、より早く仕事を覚えていけると思います。
迷いがある場合
もし、興味を持てているかに迷いがあるようでしたら、この点をハッキリさせてから転職した方がいいでしょう。
例えば、電気工事に関する本を読んで、実際に使う道具や材料を見て、その名称や違い、使う場面などを覚えたり、想像したりしてみてください。
どうですか?「なるほど、そういうことか」「こことここが繋がるのか」など、意欲的に知ろうとしていますか?
また、電気工事に向いてる人は、こんな人、 電気工事士の志望動機の書き方も具体的にイメージするのに使えます。
意欲・興味がある場合
電気工事に興味があり、大変なことを乗り越えていく覚悟も出来ているという方は、実際に転職活動 = 応募をし始めてはどうでしょうか?
資格を取得してから応募するかどうかは、どちらでも可能です。
少しでも自分をアピールしたい・自信をつけておきたい、という方は第二種電気工事士の資格を取得してからの入社を目指してもいいかもしれません。 ただ、現職と並行して、1人でコツコツと勉強することは求められます。また、試験は年に2回なので、転職の時期は先に延びるでしょう。
資格・経験がなくても応募をしていき、なるべく早く転職するのも有効です。
・「会社の資格取得支援制度を活用できる」
・「試験の不明点や、市販の教材には載っていない試験勉強のコツを先輩から聞ける」
・「一緒に頑張る仲間が出来る」といった利点があります。
電気工事は、一度身につけたら一生使える知識と技術になります。手に職をつけられるよう、是非、頑張ってください。
それでも、転職活動は簡単ではない
「電気工事士に転職する!」と決めたとしても、転職活動自体は、いろいろと苦労も多くなるかもしれません。
例えば、
「書類選考が通過しない」
「転職活動が長期化する」
「(想定より)給与が下がる」
といったことが挙げられます。
最後に、40代・未経験で、入社チャンスがある求人を探す時のアドバイスをまとめておきます。 以下に当てはまれば、必ず入社できるということではないですが、可能性は少しでも高い方がいいと思います。参考にしてください。
未経験者を、歓迎している求人を狙う
応募条件が「経験不問」になっていることに加えて、求人広告全体で未経験歓迎を打ち出している企業では、「未経験者の入社・活躍の実績」が多い可能性があります。
「未経験でもいいよ」でなく、「未経験がいい、未経験が歓迎」といった企業です。
未経験者の採用に積極的であり、資格取得支援などの成長環境も整っていることが多いです。
書類選考なし・面接1回などが書かれた求人を狙う
この求人では、人手不足で採用が難しいので「応募してくれたら、まずは会ってみる」という姿勢の企業が多いです。比較的、面接に進む確率が高いです。
40代に近い入社・活躍事例が書かれている求人を狙う
求人内に、40代に近い(30中盤~50代)人の入社事例が書かれていたらチャンスです。
その企業に既に実績があるということ。また、求人に敢えて載っているのは、採用の主な対象として考えられている為です。
40代・未経験の方の応募を待っているかもしれません。
代表(もしくはベテラン社員)から直接指導を受ける求人を狙う
これは一概には言えないですが、職場に馴染めるかどうか・年下の先輩から教わるとい心配が多少軽くなるかもしれません。
求人に書かれている場合もありますし、代表が直接指導していそうな規模が小さめの企業を選ぶという方法もあります。
応募時から、少しでもアピールする
ある程度、転職活動に苦労することは前提として、応募の段階から使えるアピールポイントはどんどん入れましょう。
前職までの経験もそうですし、電気工事士への意欲・興味は、何より重要ですので、必ず書くようにしましょう。
また資格を取得していなくても、勉強していれば「第二種電気工事士 勉強中」と書くこともアピールに繋がります。
その他には、「スポーツをしている/立ち仕事をしている/ある程度長い勤務時間を経験している」といった内容は、体力面でのアピールができます。
粘り強く、応募し続けましょう
参考になったでしょうか?40代での転職というのは、不安・悩みが多いと思います。簡単なことではないですが、一度「電気工事士になる」と決めたら、応募し続けることです。 思うような結果が出なくても、躊躇せずに応募や面接の転職活動をやり続けることが、一番大切だと思います。人手不足が続くこの業界では、新しい仲間を必要としています。 必ずあなたの力を求めている企業があるはずです。粘り強く続けて、良い縁を掴んでください。
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執筆者・監修者
工事士.com 編集部
株式会社H&Companyが運営する電気工事業界専門の転職サイト「工事士.com」の編集部です。
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