放電ランプとは、蛍光灯と類似した特性を持つランプのこと。
HIDランプ(High Intensity Discharge Lamp)とも呼ばれます。

一定以上の圧力をもって密閉されたガラスバルブ内に、気体(ネオン・キセノンなど)・各種金属蒸気(水銀、ナトリウム、スカンジウムなど)を充填させ、(その他、封入される気体にはヘリウム・ネオン・クリプトン・水素などがある)これらの混合気体中の放電により、電子が混合金属に衝突して発光するという仕組みです。

ケイ光ランプ、ネオンランプ、キノセンランプ、水銀ランプ、ナトリウムランプ、メタルハライドランプなどがあり、屋内・屋外照明、ネオンサイン、殺菌灯、理化学用光源など、幅広い用途があります。

放電ランプ、安定器、照明器具も含めた装置を放電灯と言い、放電ランプと区別します。

放電ランプは、大光束かつ長寿命で、白熱電球と比べてランプ交換の頻度を抑制できるため、経済的な電球として活用されていました。

現在では、高効率、長寿命、即時点灯性のある「LED光源」への置き換えが進められています。

白熱電球より省エネルギーで、かつ高い輝度を得られるため、商業施設のライトアップに活用されていました。
しかし、水銀灯や高圧ナトリウムランプなどは演色性が比較的低く、マルチハロゲンランプ、セラミックメタルハライドランプ、CDMランプといった、演色性が改善された製品が各種メーカーにより多種開発されている状態です。

放電ランプにはデメリットもあります。
発光原理は蛍光灯とほぼ同様で、ランプのみでは点灯させることはできません。
安定器、イグナイタなどを使用して点灯を安定させます。

大きな特徴として、即時点灯や再点灯ができず、定格光束の光を得るためには通電から5～10分の時間を要します。

これが原因で、瞬時電圧低下や停電などでランプが消灯すると、再度点灯するまでには長い時間が掛かり、点灯時よりも長い10～15分の再点灯時間を必要とします。
常夜灯や非常灯として利用するには適していません。