▼用語詳細(電気工事用語集)
不足電圧継電器
(フソクデンアツケイデンキ)
不足電圧継電器とは、電圧が設定値以下になったとき、信号発信動作を行う継電器のこと。

受変電や非常用照明のほか、電動機など回転機械を接続した電気系統の不足電圧を監視することで、電圧低下による能力低下や変動を監視するなど、その用途は多岐に渡ります。

主にキュービクルなど受変電設備内に設置します。
「停電を検出して非常用発電機を運転させる」といった動作や、電灯盤に設置し「停電時に非常用照明を点灯させる」といった動作に利用されており、停電をトリガーとした電気機器の動作を目的として広く用いられます。

不足電圧継電器の接点構造はb接点を主体としており、定格電圧が印加された状態では接点が開放状態となり、電圧が低下し設定値以下になると接点が閉じるという機構を持ちます。

電子回路を内蔵した不足電圧継電器であれば、入力電圧が一定値を下回った際にスイッチング回路が導通し、継電器を動作させるという仕組みが一般的である。

従来からある誘導円盤型の不足電圧継電器の場合、円盤の回転によって接点を閉路する構造となっており、定格電圧が印加された状態では円盤に回転力が発生しないが、整定電圧を下回ることで回転力に不平衡が生じ、一定時間円盤が回転継続することで、接点が閉となります。

不足電圧継電器は、動作電圧のほか動作時間を整定することができる。
短い設定では50ms程度、長くは30秒といった幅広い動作設定が可能となっています。

動作電圧精度の許容範囲は±5%、動作時間精度は±10%程度が通常である。
なお動作の整定値として、入力電圧100Vに対して85V以下、動作時間は2秒とするのが一般的です。

制御器具番号は「27:交流不足電圧継電器」で、単線結線図では(UVR(Undervoltage Relaysの略称)と表記されます。
製作メーカーは東芝、三菱、富士電機などがある。