▼用語詳細(電気工事用語集)
ホーンスピーカー
(ホーンスピーカー)
ホーンスピーカーとは、ドライバユニットとホーンで構成されたスピーカーの1つ。メガホン形状になっており、出力音圧110dB以上という大音量の製品が一般的です。指向性があり音の通りが良いため、効率よく音声を遠距離まで到達させることが可能。

ホーンスピーカーの器具全面はホーンマウスと呼ばれる形状となっています。多くは駐車場や屋外に設置され、お客様の呼び出し放送や地域への広報放送など、遠方に対して音を伝達させたい場合に用いられます。

堅牢で耐久性の高い製品も多種生産されています。屋外で使用する用途がほとんどであることから、防水性能・防塵性能が高くなっています。

危険物工場などで使用できるように安全増防爆仕様のホーンスピーカーなどもあり、使用する場所により用途を使い分ける必要性があります。

出力に関しても、天井スピーカーや壁掛スピーカーなどよりも多きのが特徴の1つ。10~30Wという大容量の製品が多くなっています。30W級の出力であれば、第2シグナル音圧で115dB級の音圧を得られるため、大規模駐車場の放送用や、地域への広域放送などで効果を発揮するので覚えておくと便利。

ホーンスピーカーにも種類があります。より長距離に音を到達させたいのなら、「ストレートホーンスピーカー」。広範囲に音を広げたいなら、比較的広範囲に音を広げられる「セパレートホーンスピーカー」を用いると良い。

ストレートホーンスピーカーは、直線状に細長い形状が特徴。指向性を鋭くし、長距離への音の到達を重視した設計となっています。

セパレートホーンスピーカーは、拡散範囲を広げるため、コーン形状を幅広にしている点が特徴。案内放送などに適しています。

ストレートホーンスピーカーとセパレートスピーカーを使用する上で、注意点があります。それは、1台1方向による計画が通常であり、防災用として複数設置すると音と音が重なりあい、エコー状態になるという懸念。音圧を高めるために入力を大きくしても、音の歪みが発生するため好ましくありません。

品質を保ったまま音の到達距離を延長する方法として、複数のホーンスピーカーを組み合わせた「ホーンアイレスピーカー」の普及が進んでいます。アイレスピーカーは、体育館の大空間音響に活用されている技術。同じ音圧の音源が2つあれば、約+3dBの音圧上昇を期待できる上、同じ場所なら放送のためのエコーを極力抑えられるという利点があります。覚えておくと便利でしょう。