▼用語詳細(電気工事用語集)
変流器
(ヘンリュウキ)
変流器とは、電流の大きさを変える機器のこと。
略してCTともいう。
電流計の計器類に直接流せない大電流を測定する場合や、保護継電器を動作させる場合に用います。

構造は、鉄心に一次・二次の巻線を施した巻線形と、一次側はまっすぐな1本の導体で、これを取り巻いて鉄心を置き、これに二次巻線を施した貫通形とがあり、いずれも広く用いられている。

巻線形には、本体を絶縁油中に入れた油入形、本体を合成樹脂で固めたモールド形などがある。

貫通形は大電流に用いられるもので、変圧器のブッシング(変圧器端子の絶縁物の管)内にある導体を、そのまま一次導線とするブッシング形が多い。

低圧・高圧の大電流をそのまま計測しようとすると、測定機器の絶縁を維持するために大掛かりとなる。
大電流を扱いやすい小さな電流に変換することで、安全かつ低コストで精密な計測・継電器動作を行う事を目的とし、用いる。

変流器の仕組みは、鉄心とコイルを用い、巻数に応じた比率の電流値を二次側に発生させるものである。

変流比はCT比とも呼ばれ、400/5 と表現する。

200Aの流れる電路で、CT比 400/5 の変流器を用いた場合、二次側に発生する電流値は2.5Aとなる。
CT比 400/5 であり、2.5Aの電流を80倍すれば一次側に流れる電流が200Aであることがわかるという仕組みです。

一次電流に対し、二次電流を5A以下に変成するのが一般的である。
100Aの電流値を測定する場合、100Aに耐える性能を計器に持たせるのはコストがかかるなど不合理なため、5Aを上限とした電流に変換し、間接的な測定を行う。

事電力メーターは「CT付」と「CT無し」があり、30A、120Aのメーターであれば直接流れる電流値を測定できるが、これ以上の電流値ではCTで小さな電流に変換して測定するのが一般的である。

変流器を使用して過電流継電器など保護継電器を動作させる場合は、定常時には流れ得ない数千アンペアになる短絡電流を測定し、保護継電器を動作させる。

変流器の設置において、一次側に電流が流れている状態で二次側を開放するのは、異常過熱により鉄心が焼損するため厳禁であるので注意すること。