▼用語詳細(電気工事用語集)
配線用遮断器
(ハイセンヨウシャダンキ)

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配線用遮断器とは、開閉装置と過電流引外し装置を内蔵した気中遮断器で、電路に過大な電流が流れた際に回路を遮断する安全装置です。
負荷機器の接続が多すぎる場合は、過電流を検出して回路を遮断し、ショートなどによる大電流を検出した場合は、事故電路を遮断し事故を未然に防ぎます。
なお、配線用遮断器には漏電保護機能はありません。漏電検出が必要な場合は、漏電遮断器を使用する必要があります。


配線用遮断器は、反限時特性(電流が大きいほど速く動作する特性)を持ちます。これにより、電動機の始動電流や突入電流など、瞬間的な大電流では動作しないよう設計されています。
しかしながら、時には下記のような「特殊機器」の動作により、配線用遮断器が誤動作を起こすことがあります。




■配線用遮断器の誤作動が起きやすい状況


電動機の始動電流: 機器の始動時に一時的な大電流が流れる。

HID照明の高圧パルス: HID照明が始動する際に高圧パルスが発生する。

変圧器の突入電流: 変圧器の電源投入時に突入電流が流れる。

コンデンサの過渡電流: コンデンサ投入時に一時的な過渡電流が発生する。




上記のような誤作動を起こさないよう、配線用遮断器の選定には注意しましょう。
特殊機器を保護するためには、発生する電流特性と配線用遮断器の動作特性を正確に確認し、適切な製品を選定することが重要です。選定を誤ると、誤動作による不必要な遮断が発生する可能性があります。


なお、配線用遮断器は、大電流が流れ続けると劣化が進行するため、通常の運用では許容電流の80%以下に抑えるのが望ましいです。これにより、遮断器の寿命を延ばし、安定した運用が可能となります。

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