エアコン取付で稼げない理由とは?収益を上げる3つの対策

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この記事では、「エアコン取り付けは稼げない?」という疑問についてお答えします。


エアコン取り付け業はその名の通りエアコンの取り付け工事を行う仕事です。

需要の高さが魅力ですが、「まったく稼げない」という声を耳にした方も多いのではないでしょうか。

一方で、個人で活動されている方の中には実際に年収1,000万円を超える方もいます。


エアコン取り付け業で稼げるようになるにはどうすればよいのかまとめました。

エアコン取り付けに興味がある方、エアコン取り付けで今稼げていない方はぜひご覧ください。

エアコン工事をする男性


エアコン取り付けが「稼げない」と言われる理由

エアコン取り付けで稼げていない理由には、主に以下が挙げられます。

稼げない理由
  • 体力仕事である
  • 閑散期が長い
  • 諸経費がかかる

それぞれについて解説します。

体力仕事である

エアコン取り付けは体力を使う仕事であるため、体力が続かないと稼げません。


エアコン取り付けの収入は、取り付けたエアコン台数によって決まります。

体力が続かず、取り付けの数をこなせないと、「思ったより稼げない」と感じることでしょう。


エアコン取り付けの繁忙期は7~8月です。

猛暑の過酷な環境の中で、以下の作業を効率よくこなすことが求められます。

■エアコン工事の主な作業

  • 機材の運搬・据付設置
  • 配管工事
  • 配線工事
  • 冷媒ガス充填

エアコン取り付けを始めたばかりの方は「思った以上にキツイ」と感じることも多いでしょう。

閑散期が長い

エアコン取り付けは閑散期が長いため、稼げる期間が短いです。

繁忙期では稼げても閑散期で全く稼げず、年間の収入は思ったより多くない方も多いでしょう。

エアコン取り付けの繁忙期は1年間で2回あります。

■エアコン取り付けの繁忙期

  • 引っ越しシーズンである3~4月
  • 最もエアコン需要が高まる7~8月

ある職人さんの話では、繁忙期の間は1日に5台以上取り付けをこなしているそうです。

一方で、1年の3分の2は閑散期です。この期間は月に数台の取り付けで終わってしまう場合もあります。

近年は気温の変化もあり一概には言えませんが、「エアコン取り付けの閑散期は長い」ということは覚えておきましょう。

諸経費がかかる

エアコン取り付けは諸経費がかかり、売り上げが収入に直結しません。

エアコン取り付けを始めたばかりの方は、諸経費の多さに驚くことでしょう。


諸経費は具体的に以下の項目が挙げられます。

■エアコン取り付けにかかる諸経費

  • 家電量販店や引っ越し業者等からの仲介手数料
  • 資材や消耗品の購入費
  • 工具の維持費
  • 車両や携帯電話の維持費

エアコン取り付けは「売り上げ=収入」ではないことを理解しておきましょう。


エアコン取り付け業界の収入事情

エアコン取り付け業界には2つの働き方があります。

■エアコン取り付けの主な働き方

  1. エアコン工事会社で働く
  2. 個人事業主として働く

働き方によって収入も異なるので、それぞれの収入事情を見ていきましょう。

平均年収と報酬体系

エアコン工事会社で働く場合と、個人事業主として働く場合とで分けてお伝えします。

それぞれの働き方での年収をまとめると以下のようになります。


働き方 平均年収 報酬体系
エアコン工事会社 約400万円
(経験なしの場合:年収250万円~
スキルが高い場合:年収700万程度)
一部歩合制だが、原則「給与所得」として支払われる
個人事業主 データなし
(200~1,000万円程度)
収入は取り付け工事の売り上げに依存する

それぞれ詳細を解説していきます。

1.エアコン工事会社で働く

エアコン工事会社の社員として働く場合、平均年収は400万円程度となります。


未経験者の場合は初任給として年収250万円程度からのスタートが多いです。

ここからスキルを上げていくことで年収700万円程度まで目指せるでしょう。


エアコン工事会社の報酬体系は「給与所得」です。会社の売り上げに応じて給与が支払われることになります。

個人事業主と比べると大きな収入は得られにくいですが、

  • 閑散期でもある程度の収入が見込める
  • スキルや経験を身につけやすい環境である

といったメリットがあります。

2.個人事業主として働く

個人事業主として働く場合は、業務委託の形で顧客を斡旋してもらうか、インターネット等を通じて直接受注となります。

売り上げが年収に直結するため、年収は人によって200~1,000万円と幅広いです。

個人事業主は力量によって年収を大きく伸ばすことができ、フリーランスとして自由な働き方ができることが魅力です。

一方で、ほとんど稼げていない人がいることも事実であることを覚えておきましょう。

直接受注する業者と下請け業者の収益構造の違い

直接受注する業者と下請け業者とでは収益構造が異なります。


直接受注する業者の場合、エアコン取り付け工事費用が売上です。

例えば工事単価が15,000円の場合、ここから資材費や工具等の維持管理費が引かれた金額が1台あたりの収入となります。


一方、下請け業者としてエアコン取り付けをする場合、工事費用が全て収入となるわけではありません。

家電量販店や引っ越し業者から委託されての受注となるので、工事費用から仲介費用が差し引かれます。

1台当たりの収入は6,000~10,000円程度と、直接受注する業者と比較して割安になることが一般的です。


もちろんメリットもあります。

委託元と良好な関係を築くことができれば定期的な受注につながり、安定した収入が見込めるでしょう。

営業に苦労して稼げていない業者がいる中で、大きなメリットとなります。


直接受注する業者と下請け業者との収益構造の違いを理解し、どちらが自分に合っているか検討しましょう。


エアコン取り付け業界での成功事例

エアコン取り付け業界では年収1,000万円以上稼ぐ方も多くいます。

中には年間で1,500万円以上の受注に成功した方もいるようですが、これは稀なケースだと思われます。

年収800万円以上稼げればエアコン取り付け業界では成功といえるでしょう。


例えば以下のYouTubeチャンネルでは、エアコン取り付けで成功している方の声を聞くことができます。


■エアコン工事 ひでさんエアテクチャンネル

ひでさんエアテクチャンネル


■かやましゃちょーのエアコン工事職人ちゃんねる

かやましゃちょーのエアコン工事職人ちゃんねる


■でんきの学校

でんきの学校


実際に成功している人の声を聞くことで、モチベーションアップにつながるでしょう。

いずれのチャンネルもリアルな成功体験に触れられるだけでなく、技術的な解説動画も投稿されているので参考になります。

その他にもエアコン取り付けに関する動画は数多く投稿されているので、興味がある方はぜひご覧ください。

エアコン取り付けで稼げない人の共通点

エアコン取り付けで成功している人がいる一方で、全く稼げない人も多くいます。

稼げない人には次のような共通点があるようです。

稼げない人の共通点
  • 作業効率が悪い
  • 知識や経験に乏しい
  • 顧客対応や営業力に乏しい

それぞれ解説していきます。

作業効率が悪い

作業効率が悪いと、1日に対応できる工事件数が減ってしまい、収入減に直結します。

特にエアコン取り付けは繁忙期が短いため、この期間中にしっかりと工事件数をこなせないと年収単位で稼げません。

エアコン取り付けで十分に稼ぐためには、1日に5~6台のエアコン取り付けをこなせるようにしたいところです。


作業効率が悪くなる原因は、

  • 経験が浅い
  • 使用している工具が低スペック
  • 体力が劣っている

などが挙げられます。

知識や経験が乏しい

エアコン取り付けは知識や経験が乏しいと稼げません。

その理由は、様々な種類のエアコン機器を、各現場に最も適した形で取り付ける必要があるためです。製品知識に乏しいと取り付けに時間がかかったり、施工ミスをする恐れがあります。

また、現場に適した形での取り付けができないと、必要以上に配管資材等を消耗して経費がかかるだけでなく、顧客の不満にもつながるかもしれません。


前述の作業効率とも関係しますが、現場経験を増やすことが技量を上げる一番の近道です。
技術や経験を磨いていきましょう。

営業力や顧客対応力が乏しい

営業力や顧客対応力が乏しいと、仕事の依頼自体が受けられず稼げません。

エアコン取り付けで稼ぐ上では、顧客からの信頼が全てです。営業力が乏しいと新規顧客を獲得できないでしょう。

また、顧客対応力が乏しいと顧客満足が得られずに評判が下がってしまい、次の受注に繋がりにくくなります。


例えば次のような行動に覚えはないでしょうか。

  • 客先で失礼な態度・行動をとる
  • 客先からの依頼に対応しない

エアコン取り付けは接客業でもあることを理解しましょう。

稼げるエアコン取り付け業者になるための方法

稼げるエアコン取付業者になるためには次のことを意識しましょう。

エアコン取り付けで稼ぐ方法
  • 技術や経験を高める
  • 委託元や顧客からの信頼を得る
  • SNSやポータルサイトに力を入れる

それぞれ解説していきます。

技術や経験を高める

様々なエアコン機種、多様な現場に対応できるよう技術や経験を高めることです。


繁忙期には1日5~6台以上のエアコン取り付けができるようになりましょう。稼げている人の中には1日10台の取り付けをこなす人もいるようです。

また、業務用エアコンと呼ばれる、家庭用エアコン以外の機器取り付けの技術を身につければ、閑散期に限らず年中受注することも可能です。

「電気工事士」等の資格取得も有効でしょう。


活躍の場が広がるように技術や経験を磨くことが、稼げるようになる王道といえます。

委託元や顧客からの信頼を得る

委託元や顧客からの信頼を得られるように心掛けましょう。
1つ1つの仕事を丁寧に行い、評判を高めることが次の仕事につながります。


具体的には次のような行動が大切です。

■心がけるべき行動

  • 時間やルールを守り、清潔感を意識する
  • ミスのない丁寧な仕事を心掛ける
  • 万が一ミスをした場合は、誠心誠意対応する
  • 製品の保守などについて提案する

繁忙期は慌ただしくなりがちなので、特に注意しましょう。


評判が良くなると受注件数が増え、収入増加につながります。

SNSやポータルサイトに力を入れる

個人事業主として活動する場合、特に営業力が重要となります。


成功しているエアコン取り付け業者の中には、SNSをうまく利用して新規顧客の獲得に繋げている方も大勢います。
SNSを使う利点は、家電量販店等を介さずに直接顧客と繋がることができる点です。また、SNSを通じて技術力を発信することもできます。


その他にも、くらしのマーケットのようなポータルサイトに出店する方法もあります。
家電量販店を仲介するより安く取り付けできる場合もあるので、顧客にとってもメリットがあります


個人事業主として稼ぐためには、営業にはしっかり力を入れましょう。

エアコン取り付け業界の将来性

エアコン取り付け業界は将来性があるといわれています。

その理由は下記の通りです。

エアコン取り付けに将来性がある理由
  • 気候変動によるエアコン需要の増加
  • インターネット市場の拡大
  • 技術者の人手不足

順番に見ていきましょう。

気候変動によるエアコン需要の増加

近年は温暖化やヒートアイランド現象によって気温が上がり続けており、エアコンの需要が増加し続けています。今では一家に複数台のエアコンを設置している家庭が大半ではないでしょうか。

さらに、エアコン自体は消耗品であるため、10年程度のサイクルで買い替えとなります。

このことからエアコン取り付けの需要も非常に高く、将来にわたって必要とされる仕事といえます。

インターネット市場の拡大

インターネットの普及によってエアコンが安価で簡単に手に入るようになりました。
エアコンはインターネットで安価に購入し、取り付け業者は別で探すという方法が広がっています。

これまでエアコン取付業者の受注は家電量販店等からの仲介が必要でした。今はインターネットを介して直接顧客と繋がることが出来るようになっています。

エアコン取り付け業界にとっては、実力次第で稼ぎを伸ばせる大きなチャンスといえるでしょう。

技術者の人手不足

エアコン取り付けの技術者は不足しています。

エアコンの需要自体は増加しているため、技術者1人あたりのエアコン取り付け件数はこれからも増えていくでしょう。

信頼される技術者である必要はありますが、今後ますますエアコン取り付けで稼ぐチャンスは広がっていくと考えられます。

よくある質問

最後によくある質問に回答していきます。

エアコン取り付けに興味がある方はぜひご覧ください。

エアコン取り付けでどれくらい稼げるの?

エアコン取り付けの収入は業務体系によって異なります。


エアコン工事会社の社員として働く場合、平均年収は400万円程度となるでしょう。未経験者の場合は年収250万円程度ですが、スキルを上げていくことで年収700万円が目指せます。

また、個人事業主として働く場合の年収は人によって200~1,000万円と幅広いです。一方で本人の技術力や営業努力次第で収入を大きく伸ばしている方も少なくはありません。


「体力仕事である」「閑散期が長い」「諸経費がかかる」といったこともあって稼げていない方も多い業界です。実態としてどれくらい稼げるかは「本人の実力次第」といえるでしょう。

資格がなくてもエアコン取り付けで稼げるの?

エアコン取り付けに資格は不要です。しかし、満足な収入を得るためには資格が必要となります。

最低限「第二種電気工事士」の資格は持っておきたいところです。第二種電気工事士の資格を取ることで、電気に関する知識が得られます。

また、下記の電気工事を行う場合は電気工事士の資格が必要です。

■資格が必要な工事

  • 専用コンセントの設置・移設
  • 室内配線の新設
  • 配電盤やブレーカーの操作・増設
  • 設置工事(アース工事)

従事できるエアコン取り付けの幅を増やすために、第二種電気工事士の取得をおすすめします。


独立してエアコン取り付けを始めても大丈夫?

以下の条件を満たせていれば、独立してエアコン取り付けを始めても問題ありません。

  • 既に十分な技術や経験がある
  • 体力がある
  • 人脈がある

これらがどれか1つでも欠けていると、独立しても稼げない可能性があります。

まずはエアコン工事会社で働く等で技術や経験を身につけるのはいかがでしょうか。

働きながら人脈づくりをすることも大切です。

エアコン取り付けは、独立すれば年収1,000万円以上も目指せます。ぜひ独立を目指して技術を磨いてください。

エアコン工事の独立については「エアコン工事で独立を目指すには?5つのステップや必要資格と失敗しないポイント解説」で詳しく解説しています。


まとめ

この記事では「エアコン取り付けは稼げない」といわれる理由について解説しました。

この記事のまとめ

厳しい業界であり、稼げていない方がいることも事実です。一方で技術や経験を磨き、成功を収めている方が大勢いることもご紹介しました。


ご自身の腕次第で年収1,000万円も目指せる夢のある業界です。

今後ますます需要が拡大していく業界でもあるので、興味がある方は検討されてみてはいかがでしょうか。


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