モーターブレーカとは、電動機の始動電流で動作しないようになっている配線用遮断器の1つ。
電動機の保護を目的として使用されます。

モーターブレーカーは汎用の配線用遮断器と違い、始動電流でミストリップしないよう、遮断特性を電動機の電流特性に最適化しているという特徴を持つ。

電動機は運転開始時に大きな電流が流れるという特性があるため、汎用の配線用遮断器を使用する場合、定格電流よりも大きな製品を選定し、過電流保護はサーマルリレーと電磁接触器を組み合わせた保護装置で行うのが一般的だが、モーターブレーカーを使用することで、サーマルリレーと電磁接触器を省略できる可能性があります。

モーターブレーカーを選定する場合、ブレーカーの定格容量と定格電流を、保護対象の容量に合わせるだけと簡易な設計が可能だが、高効率電動機と汎用電動機をモーターブレーカーで保護する場合、電流特性が違うので注意を要します。

電動機の種類によっても若干の違いがあるため、定格電流が保護可能範囲であるか確認が必要です。

本来、始動時の動作特性曲線がモーター熱特性を下回るように選定するのが保護協調の基本となるため、単純に電動機容量で選定するのではなく、始動電流や全負荷電流を考慮して選定するのが原則です。

モーターブレーカーは電流値の微調整が不可能なので、保護が困難であればモーターブレーカーではなくサーマルリレーを用いた過電流保護を行うのが望ましい。