▼用語詳細(電気工事用語集)
ミクロショック
(ミクロショック)
ミクロショックとは、10μA程度の極めて小さな電流による、人体への電撃のこと。
身体の中に留意した心臓カテーテルなどから直接心臓へ感電した場合のことを言う。

主に医療分野で使用される用語であり、治療や検査を目的にした行為に起因するため、主に病院など限定された環境でのみ起こりうる可能性がある感電です。

起因の内容としては、ME機器(医療機器)の誤操作や電極などの絶縁不良などによるものがほとんど。

漏れ電流程度の小さな電流であっても、心臓に直接流れることがあれば大きな被害を引き起こします。

外皮を経由した感電であれば100mAといった比較的大きな電流まで心室細動[心臓の心室が痙攣(けいれん)状態になり、血液を送ることができない状態。]の危険性は少ないが、心臓に直接感電した場合、100μA以上の電流が流れると心室細動が起こるとされ、重篤な被害を引き起こす原因となります。

心室細動は、全身に血液を送る心臓のポンプ機能が損なわれ、小刻みに震えている状態であり大変危険な状態であり、AEDでショックを与えて正常状態に戻さなければならない。

心臓に直接装着するような医療器具やセンサー類は、漏れ電流が厳しく制限されており、10μAを下回るような微弱な電流値しか許容していません。

医療行為によるミクロショックは絶対に起こしてはいけない問題であり、そのためにもME機器の厳しい安全管理と使用には細心の注意が必要である。

ミクロショックは、医療機器と患者間に電位差が発生することで、より危険性が高くなります。
電位差を限りなく0に近づけるには、患者に接触している金属帯と医療機器を接地線(アース)で接続し、等電位化することが効果的である。
接触する金属体表面の電位差を、10mV以下にするのが良いとされています。

対して皮膚を介して感電することはマクロショックと呼ばれます。
これは日常的にも経験する可能性がある感電です。
感電の強さは身体に流れる電流の大きさに比例します。

電気設備分野では通常、外皮からの感電がほとんどであるため、15mAや30mAといった比較的大きな漏洩電流を対象に、漏電時に電路を開放する「漏電遮断器」を設置し、漏電時の感電防止や火災防止を図っています。

マクロショックによる人体への反応としては、下記の通り。
・1mA わずかにビリビリと感じる。
・5mA 手足に感じる最大の許容電流。
・10~20mA 触れると離すことができなくなる(離脱限界電流)。
・100mA 心室細動が起こる。