フォークリフトのヒヤリハット事例まとめ!報告書の書き方や事故の対策法も解説

安全衛生

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フォークリフトは、工場や倉庫での物流作業に欠かせない産業車両ですが、一歩間違えると重大な事故につながるリスクを常にはらんでいます。

実際に起きたフォークリフトの事故の多くは、日常的な作業中に起きています。したがって、事故を防ぐには、ヒヤリハット事例を共有し、適切な対策を講じることが重要です。

本記事では、フォークリフト作業における具体的なヒヤリハット事例と、効果的な事故防止対策について詳しく解説していきます。


現場の安全確保のため、ぜひ参考にしてください。

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ヒヤリハットの目的と報告書の書き方は?

ヒヤリハットとは、重大な事故には至らなかったものの、事故になりかけた出来事のことです。

作業現場での事故を未然に防ぐため、ヒヤリハット報告書の作成と共有が重要になります。

ヒヤリハット報告書を作成する目的は、類似事故の防止です。

アメリカの安全技師ハインリッヒが提唱した法則によると、1件の重大事故の背後には29件の軽微な事故があり、その背後には300件のヒヤリハットが存在するとされています。

つまり、ヒヤリハットを収集・分析することで、重大事故を未然に防ぐことができます。

ヒヤリハット報告書には、以下5つの項目を含めるようにしましょう。

■ヒヤリハット報告書の主な記載項目

  • 作成日時
  • 発生場所
  • 当事者の基本情報(経験年数など)
  • ヒヤリハットの具体的な内容
  • 発生原因と再発防止策

また、報告書を記入する際は、3つの重要事項について注意する必要があります。

1.状況を具体的に記載する

「フォークリフトで前進走行中、死角から人が飛び出してきて接触しそうになった」など、誰が読んでも状況が分かるように記載します。

2.発生原因を複数の観点から分析する

「走行速度が速すぎた」「人が出てこないと思い込んでいた」など、設備面や人的要因も含めて分析します。

3.再発防止策は実行可能な内容にする

「今後は安全確認を徹底する」などの抽象的な対策ではなく、「物陰を通過する際は必ず徐行する」など、具体的な行動レベルまで落とし込むようにしましょう。

以上の注意事項を守りながら、ヒヤリハットの報告書を作成しましょう。

定期的な報告と分析を行うことで、より安全な職場環境を作ることができます。


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フォークリフトで実際に起こった事故事例

フォークリフトによる重大事故は、作業員の命に関わる深刻な事態に発展するケースが少なくありません。

厚生労働省の労働災害統計によると、令和5年度のフォークリフトに起因する労働災害死傷者数は1,989人、うち死亡者数は22人に上りました。

ここからは、実際に発生した死亡事故の事例を2つ紹介します。

事例を通して、安全管理の重要性について考えてみましょう。

■ コメの搬入作業中、フォークリフトに轢かれる

倉庫内にて、フォークリフトで1トンの米袋を運搬している最中に運転手が作業員と接触。作業員は病院に搬送されましたが、外傷性脳挫傷により死亡が確認されました。

事故の原因は、フォークリフト運転手の周囲確認の不足と、フォークリフトと作業員の作業エリアの区分けが明確でなかったことです。

※参考:フォークリフトにひかれ男性死亡 コメの搬入作業中 岩手・北上市(FNNプライムオンライン)

■ 漁港で水揚げ作業中にフォークリフトと衝突

魚の水揚げ作業のため、フォークリフトが移動している最中、63歳の運転手が79歳の女性作業員と衝突。女性作業員はフォークリフトに挟まれる形となり、病院に救急搬送されましたが、まもなく死亡が確認されました。

事故の原因は、フォークリフト運転手の周囲確認の不足と、作業エリア内での歩行者の安全確保が不十分だったことです。

※参考:漁港で水揚げ作業をしていたフォークリフトと衝突、79歳女性が死亡 枕崎市(南日本新聞)


いずれの事故にも共通するのは、基本的な安全確認の不足です。

フォークリフトの事故は、後方確認の徹底や適切な速度での運転など、基本動作を守ることで防げるものが多くあります。

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フォークリフトのヒヤリハット事例5選

フォークリフトのヒヤリハットは、作業内容や場所によってさまざまなケースが報告されています。

その中でも、特に多い事例を5つご紹介します。


以上の事例をもとに、ヒヤリハットが発生した原因や対策について詳しく見ていきましょう。

荷物の積み下ろし中に転落しそうになった

フォークリフトのヒヤリハット事例

※出典:厚生労働省「職場のあんぜんサイト」

フォークリフトでの高所作業には、作業者の転落という重大なリスクがあります。

■ ヒヤリハットの状況

フォークリフトでパレットを2.5m上げ、作業者が段ボールの積み下ろし作業中、運転手が声かけ後にバック操作を行い、作業者が転落しそうになった。

■ 原因

  • 作業者と運転手の間でコミュニケーションが不十分だった
  • 運転手が作業者からの応答確認を怠った
  • 高所作業における安全確認手順が明確でなかった

■ 対策

  • 作業開始前の安全確認ルールの策定と徹底
  • 運転手と作業者の双方向コミュニケーションの確立
  • 声かけ後の応答確認を必須とする
  • 高所作業時の危険区域の明確化と立入制限
  • 作業者の安全帯着用の徹底

フォークリフトでの高所作業では、作業者と運転手の確実な意思疎通と、基本的な安全ルールの遵守が事故防止の基本となります。

フォークリフトの運転中に追突しそうになった

フォークリフトのヒヤリハット事例

※出典:厚生労働省「職場のあんぜんサイト」

フォークリフトの方向転換作業には、作業員との追突という重大なリスクがあります。

■ ヒヤリハットの状況

フォークリフト運転手が荷物移動後、方向転換のためバック操作中、後方にいた作業員と追突しそうになった。

■ 原因

  • フォークリフトの作業エリアが明確に区分されていなかった
  • 誘導員が配置されていなかった
  • 作業計画が不十分で、安全な作業手順が確立されていなかった

■ 対策

  • フォークリフト作業エリアへの作業員立入禁止措置の実施
  • 誘導員の配置と作業手順の確立
  • 作業計画の策定と周知徹底
  • 運転手への安全教育の強化

フォークリフト作業では、作業エリアの明確な区分けと、適切な誘導体制の確立が大切です。

フォーク(爪)を動かしている時に手を挟みそうになった

フォークリフトのヒヤリハット事例

※出典:厚生労働省「職場のあんぜんサイト」

フォークリフトのフォーク調整作業には、挟まれや巻き込まれという重大なリスクがあります。

■ ヒヤリハットの状況

2トンフォークリフトのフォーク幅を調整するため、地上30cmの高さで固定し作業中、フォークが突然落下して作業者の手が地面との間に挟まれそうになった。

■ 原因

  • フォークの固定が不十分だった
  • フォーク調整時の安全確認手順が不明確だった
  • 作業者の危険予知が不足していた

■ 対策

  • フォーク調整前の確実な固定確認の徹底
  • フォーク調整作業の安全手順の確立と周知
  • 作業者への危険予知教育の実施
  • フォーク調整時の安全装置の活用

フォークリフトのメンテナンス作業では、確実な安全確認と適切な作業手順の遵守が重要です。

フォークリフト作業中に体を挟みそうになった

フォークリフトのヒヤリハット事例

※出典:厚生労働省「職場のあんぜんサイト」

フォークリフトの旋回作業には、作業員の挟まれや巻き込まれという重大なリスクがあります。

■ ヒヤリハットの状況

倉庫内での検品作業後、作業員がフォークリフトの左側に立っていた際、フォークリフトが右旋回で発進したため、フォークリフトの左後部と倉庫の壁の間に挟まれそうになった。

■ 原因

  • 運転手が周囲の作業員の位置確認を怠った
  • 検品作業員が安全な場所への移動を行わなかった
  • 発進前の安全確認手順が不徹底だった

■ 対策

  • 発進前の指差呼称による安全確認の徹底
  • 作業員の安全な立ち位置の確保と教育
  • 運転手と作業員の相互確認の徹底

フォークリフト作業では、運転手による確実な安全確認と、作業員の安全な立ち位置の確保が事故防止の基本です。

フォークリフトが衝突して火災が起きそうになった

フォークリフトのヒヤリハット事例

※出典:厚生労働省「職場のあんぜんサイト」

フォークリフトの運転には、危険物との接触による重大な二次災害のリスクがあります。

■ ヒヤリハットの状況

屋外通路横に一時的に置かれていたアセチレンボンベが転倒し、通行中のフォークリフトの爪がボンベのバルブに衝突。バルブが破損してアセチレンが漏洩し、衝撃による火花で引火の危険性が生じた。

■ 原因

  • アセチレンボンベの不安定な仮置き
  • ボンベキャップの不完全な装着
  • 危険物保管場所の不適切な設定
  • フォークリフト通路と危険物置場の区分けが不十分だった

■ 対策

  • 危険物の適切な保管場所の設置
  • ボンベの確実な固定と保護キャップの完全装着
  • フォークリフト通路と危険物保管場所の明確な区分け

フォークリフト作業では、危険物の適切な管理と作業エリアの明確な区分けが事故防止につながります。

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フォークリフトでヒヤリハットを起こさないための対策は?

フォークリフトによるヒヤリハットを防ぐには、設備や人的な面の両方から対策が必要です。

具体的な対策方法は下記のとおりです。


事故防止グッズを導入する

フォークリフト作業の安全性を高めるには、事故防止グッズの導入が効果的です。

フォークリフトによる事故の多くは、死角による作業員との接触や、後退時の衝突が原因となっているからです。

実際に事故防止グッズとして導入を推奨されているものは、下記のとおりです。

■ フォークリフトの事故防止グッズの一例

商品 用途
フォーク保護カバー フォーク(爪)部分にカバーを装着することで、作業員との接触時の衝撃を和らげ、重大事故を防止できる。
リフトセンサー フォークの高さや角度を自動的に検知し、危険な状態になると警告を発する装置。
後方確認用の
バックセンサー
フォークリフト後方の死角にある障害物や人を感知し、警告音で運転手に知らせることで、バック時の接触事故を防ぐ。


以上の事故防止グッズを組み合わせて使用することで、より安全な作業環境を構築できます。

ただし、装置に頼りすぎず、基本的な安全確認を怠らないことが重要です。

KYTで作業員の安全意識を高める

フォークリフト作業の安全性を確保するには、KYT(危険予知トレーニング)の実施が欠かせません。

KYTとは、現場で起こりうる危険を事前に予測し、その対策を全員で考えるトレーニングです。フォークリフト作業では、「現状把握」「本質追究」「対策樹立」「目標設定」の4ステップで進めていきます。

例えば、以下の事例を参考に進めてみましょう。

例:フォークリフトを使用した段ボールの積み下ろし作業

現状把握

作業者は2.5メートルの高さで段ボールの積み下ろしを行い、フォークリフト運転手が荷物を上げ下げしている

■ 本質追究

  • パレット上の作業者が転落する可能性がある
  • 運転手と作業者のコミュニケーション不足により、事故が発生する可能性がある
  • 荷崩れによる落下物の危険がある

■ 対策樹立

  • 作業者は必ず安全帯を使用する
  • 運転手は作業者からの応答確認後に操作を開始する
  • 荷物の固定状態を作業前に確認する

■ 目標設定

「作業開始前の安全確認、声かけ応答の徹底!」を目標に設定し、全員で指差し確認を行う


ご紹介した事例を参考に定期的にKYTを実施することで、作業員一人一人の安全意識が高まり事故の未然防止につながるでしょう。


KY活動を習慣化させる

フォークリフト作業の安全を確保するには、KY活動(危険予知活動)の習慣化が重要です。

KY活動とは、作業開始前に当日の危険ポイントを確認し、具体的な対策を実践する日常的な安全活動です。フォークリフト作業では、始業時のミーティングを必ず実施する習慣を身につけましょう。

具体的には、その日の作業内容や天候に応じた危険を予測します。

例えば、雨天時は路面が滑りやすくなるため「スピードを控えめにする」、荷物が多い日は「作業エリアの区分けを徹底する」といったようなミーティングを実施します。

その結果、作業員一人一人の安全意識が自然と高まり、事故の予防につながるでしょう。また、現場特有の危険も把握しやすくなります。


作業エリアの区分けを明確にする

フォークリフト事故を防ぐには、作業エリアの明確な区分けが何よりも重要です。

作業エリアの区分けが不十分な現場では、フォークリフトと歩行者の接触事故が多発しています。

特に、通路が明確に分かれていない場所での事故が後を絶ちません。

対策としては、下記のような作業エリアの区分けが効果的です。

■ フォークリフトの作業エリアの効果的な区分け

区分け ポイント
フォークリフト専用通路
  • 目立つ色のテープやペイントで通路を明示
  • 十分な通路幅の確保
  • 曲がり角での注意喚起表示の設置
歩行者通路
  • フォークリフト通路と完全に分離された歩行者用通路の設置
  • 交差点での一時停止ラインの明示
  • 必要に応じて安全柵やガードレールの設置
作業区域
  • 荷物の積み下ろしエリアの明示
  • 一時保管場所の指定
  • 作業中の立入禁止区域の設定


以上のように、作業エリアを明確に区分けすることで、フォークリフトと歩行者の接触事故を大幅に減らすことができます。

また、区分けしたエリアごとに具体的な安全ルールを設定することで、より効果的な事故防止につながるでしょう。

運転手への定期的な教育訓練を実施する

運転手への定期的な教育訓練も、フォークリフト事故を防ぐためには重要です。

作業員によっては、長年の経験から安全確認が形骸化したり、新しい安全ルールへの対応が不十分になったりすることがあります。

実際、事故を起こした運転手の多くが「基本動作の軽視」を原因として挙げています。

対策としては、月1回程度の定期的な教育訓練を実施しましょう。

主な訓練内容は、下記のとおりです。

■主な訓練内容

  • 運転の基本動作の再確認
  • 実際の事故事例やヒヤリハット事例の共有
  • 法令や社内ルールの確認

新しい安全対策や設備が導入された際には、その都度実技を交えた訓練も必要です。教育訓練を継続的に実施することで、運転手の安全意識が維持され、基本動作の徹底や新しい危険への対応力が向上します。

結果として、フォークリフト事故の防止を達成できるでしょう。

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まとめ

本記事では、フォークリフトのヒヤリハット事例とその対策について詳しく解説してきました。

この記事のまとめ
  • 令和5年度のフォークリフトに起因する労働災害死傷者数は1,989人、うち死亡者数は22人
  • フォークリフトのヒヤリハット事例には、高所作業での転落、運転中の追突、フォーク操作時の挟まれ、危険物との接触などがある
  • フォークリフト作業でヒヤリハットをなくすための対策は、「事故防止グッズの導入」「KYTで作業員の安全意識を高める」「KY活動を習慣化させる」「作業エリアの明確な区分け」「定期的な教育訓練の実施」などがある

フォークリフト作業の安全確保には、設備と人材の両面からの対策が欠かせません。

本記事でご紹介したヒヤリハット事例を参考にして、職場の安全環境を高めていきましょう。

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