建設業向け「ヒヤリハット」の例文集 ~報告書の書き方と参考サイト付き~

安全衛生

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本記事では、建設業に関わる方で、「安全報告書の作成に使える事例を探している」「上司や取引先への報告や提案資料作成の参考にしたい」方にむけて、ヒヤリハットの例文を紹介していきます。


建設現場では、様々な危険が潜んでいます。事故を未然に防ぐためには、「ヒヤリハット」の共有と対策が重要です。

ご紹介するヒヤリハットの事例を参考にして、日々の業務改善に役立ててください。


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ヒヤリハットの基本と報告方法

ヒヤリハットとは、重大な事故にはならなかったものの、事故が発生する寸前だった状況のことです

日々の業務の中で「ヒヤリ」とし、「ハッ」とするような出来事を指します。


ヒヤリハットには大きく3つの目的があります。


■ヒヤリハットの目的3つ

目的 特徴
事故の予防 ヒヤリハットの事例を集めて分析し、業務中の危険を特定する
安全意識の向上 ヒヤリハットを共有することで、現場全員の安全意識が高まる
作業手順や環境の改善 危険な状況が発生しにくい環境整備が可能


ヒヤリハットが発生した場合は、「ヒヤリハット報告書」の作成が重要です。口頭での報告と比べて、以下のメリットがあります。


  • 記録として残せるため、後から確認ができる
  • 職場全体での情報共有が可能
  • ヒヤリハットの再発や事故防止の分析が行いやすい

報告書には以下の項目を具体的に記載しましょう。


■ヒヤリハット報告書の項目

項目 記入内容
基本情報 発生日時、発生場所、ヒヤリハットの当事者など
発生時の状況 ヒヤリとした具体的な内容、関係する要因(作業員の動き、機材の状態など)
原因の分析 人的要因、環境要因、作業手順の問題
想定される被害 最悪のケースを想定し、大きな事故に繋がる可能性を検討
再発防止策 具体的な対策を記載

ヒヤリハットの報告は、職場全体の安全対策を向上させるために必要不可欠です。報告書の作成と情報共有を通じて、より安全な職場環境づくりを目指しましょう。


建設業のヒヤリハット

ここからは、建設業におけるヒヤリハットの具体的な事例を紹介していきます。


建設業は日々危険と隣り合わせの作業が行われています。高所作業や重機の操作中、電動工具の使用時などヒヤリハットのケースは多岐に渡ります。

様々な事例を共有することで、作業の安全性確保に繋がります。現場での安全対策の参考にしてみてください。


内装ボード張り作業中、脚立から落ちそうになった

内装ボード張り作業中、脚立から落ちそうになった

引用:厚生労働省 職場のあんぜんサイト

項目 内容
ヒヤリハットの状況 新築住宅のボード張り作業を手すりなし2連式脚立上でボード(0.80m×1.8m 約20㎏)を持ち上げ壁張り中ふらついて足元がずれ足場から落ちそうになった。

なお、作業者は連日の残業であった。

原因 ・高さ1.2m長さ1.8m巾40cmの2連式脚立足場が安全な手すり付の脚立足場でなかった
・残業が続き当日も午後7時頃の作業で疲れが蓄積するとともに、集中力が低下していた
対策 ・高さ2m未満の高所作業でも墜落災害は大きな怪我につながるので、手すり付き脚立を使用するか、もう少し広い作業台を準備して作業する。
・必要により安全帯を使用する。
・作業心得、作業手順を作成してその安全作業の徹底を図る。

建設現場における高所作業は、作業スペースが狭く足元が不安定になりやすいため、転倒のリスクが高く常に危険と隣り合わせです。


重大な事故につながる可能性があるため、事故を防ぐには、作業開始前の安全確認と適切な安全装備の使用が不可欠です。足場の固定状態を確認し、必要に応じて作業を中止するなど、慎重な判断が求められます。


クレーン作業中につり荷が作業者に激突しそうになった

クレーン作業中につり荷が作業者に激突しそうになった

引用:厚生労働省 職場のあんぜんサイト

項目 内容
ヒヤリハットの状況 木造家屋建築工事において、トラックに積んだ木造建築用の資材を、クレーンを使い地上の資材置き場に下ろす作業中、つり荷が揺れながら旋回したため、玉掛け作業者に激突しそうになった。
対策 クレーン作業で地上にいる玉掛け者等の作業者は、つり荷に近づかない。つり荷が旋回しないよう支える必要がある場合は、荷にロープを結び引っ張りながら行う。

建設現場で使用される重機は、高い操作精度が求められますが、視界が制限されたり、操作ミスが起きたりするとヒヤリハットに繋がります。


事故を防ぐためには、重機の使用前点検を徹底し、作業エリアに他の作業員が立ち入らないよう声かけが重要です。また、定期的なメンテナンスを行い、重機の不具合による予期せぬ動きを防止することも必要です。



電動工具の誤使用によるけがのリスク

電動工具の誤使用によるけがのリスク

引用:厚生労働省 職場のあんぜんサイト

項目 内容
ヒヤリハットの状況 ボール盤でのステンレス板の穴あけ作業中、ボール盤台上にある不要な物を手袋(軍手)をした右手で取り除こうとした時、回転中のドリルに手袋が巻き込まれそうになった。
原因 1. ボール盤を稼働させながら片手で他のこと(不要物移動)を行った。
2. ボール盤による穴あけ作業に軍手を着用していた。
対策 1. ボール盤の穴あけ作業は、手袋は巻き込まれる恐れがあるので素手で行う。
2. 作業に掛かる前にボール盤台上の不要物は撤去する。
3. 他の作業をするときは必ずボール盤の電源を切ってから行う。

ボール盤などの電動工具は高出力で鋭利なものが多く、わずかな操作ミスや確認不足が大きな事故につながる可能性があります。


工具の使用前点検を徹底し、作業手順を守ることで事故の予防ができます。また、工具の不備が原因でヒヤリハットが発生した場合は、点検頻度を上げたり作業手順を見直したりするなど、再発防止策を考えないといけません。


枠組み足場の作業床で転倒しそうになった

枠組み足場の作業床で転倒しそうになった

引用:厚生労働省 職場のあんぜんサイト

項目 内容
ヒヤリハットの状況 建設工事現場において、作業床の上で布板を結束してあった番線につまずいたが、とっさに枠組足場の筋交いにつかまって、転倒をまぬがれた。
対策 建設現場の足場は、段差がないように組み立てるとともに、よく点検して番線や紐など足が引っかかるおそれのあるものを放置しない。

建設現場での足場に関するヒヤリハットは、作業員が足を踏み外したりバランスを崩したりすると発生します。


足場の状態を確認し、不備がある場合は速やかに修正することで、作業員の安全を確保できます。日々の点検と確認を怠らないことが、転倒事故の予防に繋がります。


工事現場の足場解体中、足場材が落下し、歩行者にぶつかりそうになった

工事現場の足場解体中、足場材が落下し、歩行者にぶつかりそうになった

引用:厚生労働省 職場のあんぜんサイト

項目 内容
ヒヤリハットの状況 工事現場の足場の解体作業中、足場材(腕木材)を取り外そうとしたところ、地上に落下させてしまった。落下防止ネットの一端が固定されていなかったため、足場材は道路まで落下した。
原因 腕木材が架台に固定されていると勘違いして、腕木材と水平材を固定していたクランプを外したこと。また、落下防止ネットが適切に設置されていなかったこと。
対策 足場の解体作業開始前に、落下防止ネットの設置状態を点検する。

建設現場における建材の落下事故は、作業員だけでなく周囲の人々にも危険が及ぶ場合があります。事故を防ぐためには、建材の確実な固定と作業前の安全確認が不可欠です。


万が一の落下に備えて、作業員全員のヘルメット着用を徹底することも重要な安全対策となります。


ヒヤリハットの事例集を集めたサイト

ヒヤリハットの事例集を集めたおすすめのサイトは、以下の2つです。


  • 厚生労働省:職場の安全サイト
  • 国土交通省:おうちクラブの事例から学ぶ!ヒヤリハット講習

厚生労働省:職場のあんぜんサイト

厚生労働省:職場のあんぜんサイト


厚生労働省が運営する「職場のあんぜんサイト」は、建設現場のヒヤリハット事例をイラスト付きでわかりやすく解説しています。

墜落や転落、感電、はさまれ・巻き込まれ、飛来・落下、転倒など、様々なパターンに対応しています。


各事例について具体的な状況が詳しく説明されているため、原因の分析から対策まで学べます。作業現場での安全教育や、新人研修の教材としても活用できるでしょう。


国土交通省:おうちクラブの事例から学ぶ!ヒヤリハット講習

国土交通省:おうちクラブの事例から学ぶ!ヒヤリハット講習


国土交通省と吉本興業とのコラボで結成した「おうちクラブ」が、ヒヤリハットの事例を動画で解説しています。


実際に建設現場で起きた事例をもとに、クイズ形式で解説しているのが特徴です。文字だけでは伝わりにくい内容でも、ヒヤリハットの回避方法や発生する危険について楽しく学べます。


まとめ

本記事では、ヒヤリハットの基本と報告方法、ヒヤリハットの事例集を集めたサイトをご紹介しました。内容をまとめると、以下のとおりです。

この記事のまとめ
  • ヒヤリハットとは、「ヒヤリ」とし、「ハッ」とするような出来事のこと
  • ヒヤリハットの発生時は、職場全体での共有のために「ヒヤリハット報告書」を作成する
  • 具体的なヒヤリハットの事例を共有することで安全への意識が高まる

建設業は常に危険と隣り合わせの現場が多く、最悪の場合大きな事故に繋がる恐れがあります。作業中に発生したヒヤリハットの共有は、安全への意識を高めるだけでなく、改善策の立案にも役立ちます。


ヒヤリハットの発生時は必ず報告を行い、再発予防の対策を立てていきましょう。


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