危険予知運転の事例13選。建設現場でのリスクも紹介します。

安全衛生

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この記事では危険予知運転について、事例も交えて考え方のコツをお伝えします。


危険予知運転とは、運転中の潜在的な危険やリスクを事前に予測し、その危険を回避するための運転方法です。

危険予知の考え方は建設現場にも広く取り入れられており、作業員や運搬機器オペレーターの安全意識を高める上で有効とされています。


一般道路での運転においても、建設業においても、危険を事前に予知して回避することが安全確保の基本となります。

ここでの事例を参考にして危険予知運転の考え方を身につけ、より一層の安全確保に努めましょう。



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危険予知運転とは?目的や建設業との関係性について

運転中

危険予知運転とは、運転中の潜在的な危険やリスクを事前に予測し、その危険を回避するための運転方法です。

運転者が常に周囲の状況に注意を払い、他の車両や歩行者の動き、天候、道路状況などから予測されるリスクを想定して運転することで、事故を防ぐことを目指しています。


危険予知運転の考え方は、建設業でも広く取り入れられている考え方です。

建設業の作業員や運搬機械のオペレーターは、危険予知の考え方を取り入れることで事故を未然に防止し、安全な作業環境を維持しています。

建設現場に勤めている方は「危険予知(KY)はしっかりしたか?」を問われる機会も多いでしょう。


この記事では危険予知の考え方を取り入れる上で役に立つ事例を集めました。

日常や建設現場に潜むリスクを予知する力を身につけ、安全確保に努めましょう。



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危険予知運転の事例集1:誰にでも起こり得るリスク

一般道路

事例集の1つ目は、一般道路を運転する中で誰にでも起こりえるリスクを集めました。


ここで紹介している事例は特にリスクが高く、事故が起こりやすい場面です。

想定されるリスクに対してどのように行動するべきか、参考例も記載しています。


加害者にも被害者にもならないために、常にリスクを想定できるようになりましょう。


この見出しでわかること


交差点

交差点での運転は最も交通事故が発生しやすい場面です。

交差点を通行する際は、以下のような状況に注意を払いましょう。


■交差点でのリスク

想定される事故 起こり得るリスク 取るべき対策

右折時の接触事故

  • 対向車との接触
  • 対向車線の二輪車との接触
  • 右折先の歩行者との接触
  • 対向車が通過してから右折する
  • 二輪車や歩行者がいないことを確認してから右折する

左折時の巻き込み事故

  • 左折時に左後方の二輪車を巻き込む
  • 左折前に周辺の動きを十分に確認し、減速してから左折する

交差点は交通の流れが複雑です。

自分の周囲や通行先の状況を常に確認し、不測の動きに警戒しながら慎重に通行しましょう。


住宅街や狭い道路

住宅街や狭い道路も事故が発生しやすい場面です。

以下のような状況を想定しながら通行しましょう。


■住宅街や狭い道路でのリスク

想定される事故 起こり得るリスク 取るべき対策

子供との接触事故

  • 物陰や公園等から道路への急な飛び出し
  • 歩行者道路からの急な横断
  • 歩行者道路に注意を払いながら徐行する

対向車との接触事故

  • 駐車している車両を避けようとして対向車と接触する
  • 見晴らしの悪い場所では対向車の存在に注意する

住宅街や狭い道路を通行する場合、見晴らしの悪さには十分に気をつけましょう。

予想外の飛び出しに備えて徐行運転が基本です。


坂道やカーブ

坂道やカーブでも事故はつきものです。

注意するべきリスクには以下のような点が考えられます。


■坂道やカーブでのリスク

想定される事故 起こり得るリスク 取るべき対策

対向車との接触事故

  • カーブにおける、対向車のセンターラインからのはみ出し
  • カーブに進入する前に十分に減速する

ブレーキの効きにくさやタイヤのスリップによる事故

  • 駐車している車両を避けようとして対向車と接触する
  • 前方車両への追突
  • 坂道やカーブでは十分に減速する
  • エンジンブレーキを活用する
  • 急ブレーキや急ハンドルを避ける

坂道やカーブは、見晴らしが悪い場合が多いのに加えて、平坦な道を走行する場合よりもブレーキやハンドル操作が難しくなります。

必ず減速して、不測の事態に備えましょう。


駐車場内

駐車場内は視界が悪く、事故が発生しやすい状況です。

以下のようなリスクは常に想定しておくべきでしょう。


■駐車場内でのリスク

想定される事故 起こり得るリスク 取るべき対策

歩行者との接触事故

  • 停車している車両の陰からの歩行者の飛び出し
  • 常に周囲に注意を払いながら徐行運転し、いつでも停車できるよう心がける

バック中の接触事故

  • 歩行者や他の車両が死角に入り込んでくる
  • 前方の車両が急にバックしてくる
  • バック中は進行先だけでなく、周囲にも十分注意する
  • 前方車両との距離を十分に保つ

駐車場は、車両も歩行者も、道路とは異なる動きになることを覚えておきましょう。


車間距離

走行中の車間距離を適正に保つことはとても大切です。

車間距離については以下のようなリスクが考えられます。


■車間距離でのリスク

想定される事故 起こり得るリスク 取るべき対策

追突事故

  • 前方の車が急ブレーキをかける
  • 自分の車が停車した時に後方の車が停車しきれない
  • 前後の車両と適正な車間距離を保つ。特に夜間や悪天候時には広めに距離を取る

急な割り込みによる接触事故

  • 並走車の急な車線変更
  • 割り込みが発生しそうな状況では、車間距離を広めにとる
  • 他の車両が不測の動きをすることを想定しておく

車間距離を適正に保つとともに、余裕のある運転を心がけましょう。


悪天候時

悪天候時は運転条件がとても悪くなっています。

事故を防ぐためには、次のようなリスクに十分注意しましょう。


■悪天候時でのリスク

想定される事故 起こり得るリスク 取るべき対策

スリップ

  • ハンドルが効かず曲がり切れない
  • ブレーキがかからない
  • いつも以上に減速して運転する
  • タイヤの空気圧を点検してから走行する

前方の見落としによる接触事故

  • 視界不良により前方の歩行者や車両に気が付かない
  • ワイパーの適切な使用とヘッドライト点灯により視界を確保する

悪天候時は自分自身だけでなく、周囲の車も思わぬ動きをする場合があります。

周囲の状況にも警戒しながら走行するように心がけてください。


夜間運転

悪天候時と同様に、夜間の運転においても事故リスクは高まります。

主なリスクは次の通りです。


■夜間運転でのリスク

想定される事故 起こり得るリスク 取るべき対策

前方の見落としによる接触事故

  • 視界の悪化による前方の車両や歩行者の見落とし
  • 道路状況(カーブなど)に気づかず、スピード超過による事故
  • 対向車のヘッドライトにより目が眩む
  • ハイビームやロービームを適切に使い分ける
  • 暗い場所では十分に減速する
  • 対向車がいる場面では、ライトを直接見ない

夜間運転時には、起こり得るリスクに合わせて、ヘッドライトを適切に使い分けましょう。


長距離運転

ベテランドライバーであっても、長距離運転時には注意が必要です。

長距離運転時には、次のようなリスクが高まります。


■長距離運転でのリスク

想定される事故 起こり得るリスク 取るべき対策

前方の見落としや不注意による接触事故

  • 疲労による、集中力や判断力の低下
  • 単調な運転による注意力の散漫
  • 定期的な休憩を運転計画に入れておく
  • 音楽やラジオを適宜取り入れる

長距離運転時には疲労等によって注意力や判断力が低下し、予期せぬ事故が起こる可能性が高くなります。

2時間に1度は休憩するように、あらかじめ運転計画に入れておくべきでしょう。


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危険予知運転の事例集2:建設業で特に注意したいリスク

建設現場の大型車両

事例集の2つ目では、建設現場で起こり得るリスクを集めました。


建設現場は危険を伴う場面が非常に多く、危険予知の考え方は不可欠です。

危険予知が十分にできているかを作業開始前に確認している現場も多いでしょう。

事例集1と同様、想定されるリスクに対してどのように行動するべきか、参考例も記載しています。


あなたも危険予知の考え方をマスターして、安全な建設現場作りを目指してください。


この見出しでわかること


大型車両運転

建設現場にはダンプカーや作業員送迎車、移動式クレーン車等の重機など、大型車両が多く利用されます。

これらの車両を運転する際には、一般車両以上に注意が必要です。


考えられるリスクには以下が挙げられます。


■大型車両運転でのリスク

想定される事故 起こり得るリスク 取るべき対策

巻き込み事故

  • 大型車両の死角内に作業員やその他の車両が入り込む
  • 運転前に周囲の確認を十分にする
  • 誘導員を配置し、大型車両の死角をカバーする
  • 大型車両の通行エリアを区画する

制動距離の延長による接触事故

  • 大型車両が曲がり切れない
  • 大型車両が止まり切れない
  • 大型車両の運転ルートは予め確認しておく
  • 工事現場では通行エリアの区画と誘導員の配置を行う

大型車両は一般車両と比べて死角が大きく、制動距離も長くなります。

大型車両の運転前には十分に運転計画を作成し、事故の防止を図りましょう。


重機の運搬中

重機を建設現場に移動する際、トラックやトレーラーに固定して一般道路を走行します。

重機の運搬中には以下のようなリスクがあります。


■重機運搬中でのリスク

想定される事故 起こり得るリスク 取るべき対策

重機の落下や横転

  • 重機の固定不良によりカーブやブレーキ、道路の凹凸によって重機が落下する
  • 専用の固定器具を使ってしっかり固定する。固定できていることを運転前に確認する
  • 運搬中に固定状態を定期的に確認する

運搬車両の横転

  • 重心が不安定となり、カーブや坂道で横転する
  • 重機の積載時には重心を運搬車両の中心にくるように配置する
  • 運搬車両の運転計画で、急カーブや坂道は事前に避けておく
  • 積載量が適切となるように運搬車両を選定する

重機を運搬する際は、出発前に固定状態を十分に確認しましょう。


狭い現場内

建設現場はスペースが限られるため、乗り入れる車両や作業員の数に対して狭くなる場合も多いです。

狭い現場内では次のようなリスクが想定されます。


■狭い現場内でのリスク

想定される事故 起こり得るリスク 取るべき対策

作業員や車両の接触事故

  • 重機や車両の死角に、作業員や機材が入りこむ
  • 現場内の重機や車両の導線を明確にする
  • 誘導員を配置する
  • 作業エリアを区画する

資機材の積み重ねによる、転倒や崩壊

  • 資機材を無理に積み重ねる
  • 資機材が不安定な状態で保管される
  • 保管スペースは十分に確保する
  • 積み重ねしてもよい最大数をあらかじめ決めておく
  • 支柱や固定具を利用する

狭い現場内では計画に無理が生じていないか適宜調整することを心がけましょう。


作業員の歩行エリア付近

作業員の歩行エリア付近には次のようなリスクが考えられます。


■作業員の歩行エリア付近でのリスク

想定される事故 起こり得るリスク 取るべき対策

作業員や車両の接触事故

  • 重機や車両の死角に、歩行中の作業員が入りこむ
  • 現場内の重機や車両の導線を明確にし、コーンやバリケードで歩行エリアと区画分けをする
  • 誘導員を配置する
  • 作業員に対して歩行エリアから出ないように教育を徹底する

資機材の落下や転倒

  • 歩行エリアの上での作業中、資機材が落下してくる
  • 積み重ねられた資機材が不安定で、歩行エリアに向かって転倒してくる
  • 歩行エリアと作業エリアが上下に位置しないように調整
  • 落下防止ネットを配置
  • 資機材は固定する

作業員は建設現場で最もリスクに晒されやすい存在です。

歩行エリアであっても十分に安全確保を図りましょう。


現場内の傾斜や凹凸地形

建設現場には傾斜や凹凸のある地形に出会う場面も多くあります。

以下のようなリスクがあることを理解しておきましょう。


■傾斜や凹凸地形でのリスク

想定される事故 起こり得るリスク 取るべき対策

作業員の転倒

  • 歩行時に足元が不安定になる
  • 悪天候や凍結等で滑りやすくなる
  • 滑りにくい安全靴を着用させる
  • 現場内に注意喚起の表示をする
  • 傾斜や凹凸地形を歩行ルートから外す

重機や運搬車両の転倒

  • 重機や運搬車両の走行時の安定性低下
  • 傾斜や凹凸地形の通行は極力避ける
  • やむを得ず通行する場合は極力速度を落とす

現場内の傾斜や凹凸は事故の元です。

事前計画の段階で極力避けるようにしましょう。


また、危険個所が発生していないか、定期的に現場をパトロールすることも大切です。


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危険予知運転のトレーニング方法

危険予知運転のトレーニング方法は次の流れになります。


■危険予知運転のトレーニング方法

  1. 運転中の場面の写真や映像を入手する
  2. 写真や映像を見ながら、その場面で次に何が起こるかを考える
  3. 潜んでいた危険を見る
  4. ヒントやポイント解説を見る
  5. 写真や映像を、別の視点から見る

JAFの公式サイトでは、危険予知トレーニングの写真や映像が豊富に提供されています。

ヒントやポイント解説も充実しているので、ぜひ活用してください。


建設現場での安全運転については、日本トラック協会がケーススタディをまとめていたり建設団体が安全運転管理事例集をまとめていたりします。

多くの事例に触れることが危険予知の感度を高めるコツなので、こちらもぜひ活用しましょう。


日常的にリスクが潜んでいることが理解できれば、危険予知の考えを習慣化しやすくなります。


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まとめ

この記事では危険予知運転について、事例も交えて考え方のコツをご紹介しました。


多くの事例に触れることが危険予知の感度を高めるコツなので、ぜひ活用してください。


また、この記事で紹介した事例以外にも、日常や建設現場には多くのリスクが潜んでいます。

どのようなリスクが隠れているか、リスクに対してどのように行動するべきかをご自身でも考えてみてください。

日ごろから危険予知を習慣づけすることがレベルアップにつながります。


危険予知運転の考え方を身につけ、より一層の安全確保に努めましょう。


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