電験三種に使用する電卓の選び方と試験に活用できる3つの機能を紹介!
電気主任技術者(電験)最終更新日:
電験三種の試験では、四則演算と開平計算(√計算)を行える一般的な電卓が使用可能です。
ただし、以下の機能や特徴がある電卓は使用できないため、注意してください。
■使用できない電卓
- 数式が記憶できる電卓
- 関数電卓
- 印字機能がある電卓
- 電子パッド付きの電卓
- 定規付きの電卓
- 音が出る電卓(ただし、機能をOFFにすれば使用可)
この記事では、電験三種で使用できる電卓の選び方、おすすめの電卓、効果的な電卓機能の使い方について詳しく解説しています。
電卓の選び方や機能の活用方法を参考に、電験三種の試験に挑みましょう。
電験三種に使用できる電卓と持ち込めない電卓
電験三種の試験では、四則演算と開平計算(√計算)を行える一般的な電卓が使用可能です。
ただし、以下の機能や特徴がある電卓は使用できません。
■持ち込めない電卓の特徴
- 数式が記憶できる電卓
- 関数電卓
- 印字機能がある電卓
- 電子パッド付きの電卓
- 定規付きの電卓
- 音が出る電卓(ただし、機能をOFFにすれば使用可)
上記の機能は、試験で不正行為につながる可能性があるため禁止されています。
■使用できる電卓の例
■使用できない電卓の例(関数電卓)
なお、スマートフォンの電卓アプリも使用禁止です。
電験三種の電卓の選び方・条件のポイント
電験三種の試験で使用する電卓の選び方には、いくつかの重要なポイントがあります。
以上の条件を満たす電卓を選べば、試験当日に余裕を持って計算問題に取り組むことができるでしょう。
ルート機能があること【必須】
電験三種の試験では、ルート(√)を使う問題が多く出題されます。
そのため、電験三種で使用する電卓は、ルート機能があるものを選びましょう。
ルート機能がない電卓を使用すると、手計算でルート計算を行う必要があり、時間をロスしたり計算ミスをするリスクが高まります。
■ルート機能ボタン
特に、理論科目では複雑なルート計算を含む問題が出題されることが多いため、ルート機能は必須と言えます。電卓を購入する際は、必ずルートキー(√)が搭載されているかを確認しましょう。
100均やコンビニで販売されている安価な電卓には、ルート機能が付いていないものも多いので注意が必要です。
メモリー機能があること
電験三種で使用する電卓は、メモリー機能があるものを選びましょう。
メモリー機能は、計算途中の結果を一時的に保存し、後で呼び出して使用することができる機能です。
電力や機械科目では、複数の公式を組み合わせて解く問題が多いため、メモリー機能を活用することで計算時間を大幅に短縮できるでしょう。
また、計算ミスを減らすことができるため、合格を狙うなら必須の機能です。
主なメモリー機能は、以下のとおりです。
■メモリー機能
機能 | 内容 |
---|---|
M+(メモリープラス) | メモリーに数値を加算します |
M-(メモリーマイナス) | メモリーから数値を減算します |
MR(メモリーリコール) | メモリーに保存された値を呼び出します |
MC(メモリークリア) | メモリーの内容をクリアします |
■メモリー機能ボタン
ボタンが大きく見やすいこと
電験三種で使用する電卓は、ボタンが大きく見やすいものを選びましょう。
小さなボタンだと押し間違いのリスクが高まり、計算ミスにつながる可能性があります。
また、ボタンの配置や間隔も重要です。よく使うキー(数字キーや四則演算キー)が使いやすい位置にあるものがおすすめです。
さらに、液晶画面の表示も大きく見やすいものを選びましょう。計算結果を正確に読み取れないと、解答を間違える可能性があります。
試験前に実際に電卓を使って練習し、操作性を確かめておくことも大切です。
電源がソーラー電池式であること
電験三種の試験では計算問題が多いため、電源がソーラー電池式の電卓を選びましょう。
ただし、完全なソーラー式よりも、ソーラーと電池のハイブリッド式を選ぶのがおすすめです。
試験会場の照明が暗い場合や、手の影で一時的にソーラーパネルが遮られた場合にも動作が安定するからです。
■ソーラー電池式
桁下げキー(1文字削除)があること
電験三種で使用する電卓は、桁下げキー(1文字削除)機能があるものを選びましょう。
桁下げキー(1文字削除)機能は、電卓操作時のミスを簡単に修正できる便利な機能です。
数字の入力を間違えた場合に、すべて削除して入力し直す必要がないため、手間が大幅に省けます。
■桁下げキー(1文字削除)
電験三種の試験では複雑な計算が多く出題されるため、気をつけていたとしても入力ミスをする可能性があります。
桁下げキーを使えば、最後に入力した数字だけを素早く削除できるため、時間の節約になります。
12桁以上表示できること
電験三種で使用する電卓は、12桁以上表示できるものを選びましょう。
電験三種では、計算結果が大きな数値になることも予想されます。そのため、12桁以上表示できる電卓を選択することをおすすめします。
表示桁数が少ない電卓では、桁数が足りずに正確な答えを計算できない可能性があるからです。
■12桁以上表示できる
特に、電力や機械の問題では大きな数値を扱うことが多いため、十分な表示桁数が必要です。
余裕を持った表示桁数の電卓を使用すれば、より精度の高い計算が可能になります。
電験三種におすすめの電卓 3選
ここでは、電験三種の受験者におすすめの電卓を3つ紹介します。
上記の電卓は、先ほど説明した選び方のポイントを満たしています。
カシオ スタイリッシュ電卓 ブラック 12桁 ジャストタイプ JF-S200-BK-N
「カシオ スタイリッシュ電卓 ブラック 12桁 ジャストタイプ JF-S200-BK-N」は、薄型でコンパクトなボディながらも電験三種でも役立つ機能が充実しています。
主な特徴を以下の表にまとめました。
■JF-S200-BK-N
特徴 | 内容 |
---|---|
ルート機能 | 〇 |
メモリー機能 | 〇 |
ボタン | 標準的な大きさ |
桁下げキー(1文字削除) | 〇 |
12桁以上表示 | 〇 |
サイズ・重量 | 183.5×109×10.8mm、150g |
電源 | ソーラー+電池(ハイブリッド) |
画面角度 | 表示角度を自由に調節可能 |
※引用:CASIO JF-S200-BK
角度調整可能な画面や早打ち機能など、使いやすい機能が充実しています。
電源切れの心配が少ないハイブリッド電源採用も、長時間使用する必要のある電験三種の試験におすすめです。
シャープ(SHARP) 実務電卓 ナイスサイズタイプ EL-N942X
「シャープ(SHARP) 実務電卓 ナイスサイズタイプ EL-N942X」は、軽いタッチで正確に入力できる大型キーと、1秒間に20回の入力が可能な早打ち機能が特徴の電卓です。
また、15度の傾斜がついた見やすいディスプレイと、4箇所の強化滑り止めゴムにより、長時間の使用でも快適に操作できます。
■EL-N942X
特徴 | 内容 |
---|---|
ルート機能 | 〇 |
メモリー機能 | 〇 |
ボタン | 大きな数字ボタン、サイレントキー採用 |
桁下げキー(1文字削除) | 〇 |
12桁以上表示 | 〇 |
サイズ・重量 | 112×181×35mm、202g |
電源 | ソーラー+電池(ハイブリッド) |
画面角度 | 15度の傾斜つき |
※引用:シャープ EL-N942X
カシオ 卓上タイプ 12桁 電卓【ジャストサイズ】CASIO 本格実務電卓 JF-120VB-N
「カシオ 卓上タイプ 12桁 電卓【ジャストサイズ】CASIO 本格実務電卓
JF-120VB-N」は、大型LCDディスプレイと大きな数字ボタンが特徴で、電験三種の試験中でも視認性が高く、操作ミスを減らすことができます。
■JF-120VB-N
特徴 | 内容 |
---|---|
ルート機能 | 〇 |
メモリー機能 | 〇 |
ボタン | 大きな数字ボタン、押しやすい設計 |
桁下げキー(1文字削除) | 〇 |
12桁以上表示 | 〇 |
サイズ・重量 | 178.5×107×26.1 mm、175g |
電源 | ソーラー+電池(ハイブリッド) |
画面角度 | 30度の傾斜で読みやすい |
※引用:CASIO JF-120VB-N
ソーラーと電池のハイブリッド電源を採用し、約7年の長い寿命を実現しています。実務での使用に適した機能が充実しており、長期間の使用に耐える信頼性の高い電卓です。
電験三種で活用できる電卓機能の使い方
電験三種の試験では、複雑な計算を素早く正確に行う必要があります。
ここでは、試験で特に役立つ電卓機能とその使い方を紹介します。機能を使いこなすことで、計算時間を短縮しミスを減らすことができるでしょう。
ルート計算
電験三種の試験では、ルート(√)計算を頻繁に使用するため、√キーを使いこなすことで計算時間を大幅に短縮できるでしょう。
■ルート計算の使い方
- 平方根を求めたい数値を入力する
- √キーを押す
例えば、√2を計算する場合、2と入力した後に「√」を押すと、1.41421...が表示されます。
電験三種では、インピーダンスや電力の計算でルートを使用する問題が多いため、ルート機能に慣れておきましょう。
メモリー機能
メモリー機能は、中間計算結果を保存し、後で呼び出すのに便利な機能です。
主に以下のキーを使用します。
機能 | 内容 |
---|---|
M+(メモリープラス) | メモリーに数値を加算します |
M-(メモリーマイナス) | メモリーから数値を減算します |
MR(メモリーリコール) | メモリーに保存された値を呼び出します |
MC(メモリークリア) | メモリーの内容をクリアします |
■メモリー機能の使用例
250 × 15 - 745 × 2 + 273 ÷ 13 = 2281
上記の計算式をメモリー機能を使用して計算すると、以下のようになります。
- 「250 × 15」を計算した後に【M+】を押す
- 「745 × 2」を計算した後に【M‐】を押す
- 「273 ÷ 13」を計算した後に【M+】を押す
- 【MR】を押すと、「2281」の答えが表示される
メモリー機能を活用すれば、中間結果を書き留める必要がなくなるため、大幅に時間を節約できます。
二乗
電験三種の試験では、電力や電圧の計算で二乗計算が頻繁に出てきます。
二乗計算の裏技を活用することで、ミスを防止しつつ、計算時間を短縮することができます。
■二乗計算の使い方
- 二乗したい数値を入力
- [×] を押す
- [=] を押す
例えば、1.5844の二乗を計算する場合であれば、1.5844に[×] を押し、さらに[=] を押すと、答えは「2.51032336」と表示されます。
特に小数点以下の桁数が多い場合や、複雑な計算の途中で二乗の計算が必要な場面で役立つ機能です。
まとめ
今回は、電験三種で使用できる電卓の選び方、おすすめの電卓、効果的な電卓機能の使い方について詳しく解説しました。
- 電験三種では四則演算と開平計算(√)を行える一般的な電卓が使用可能
- 関数電卓は使用禁止
- 電卓選びの重要なポイントは、「ルート機能」「メモリー機能」「ボタンの大きさ」「電源方式」「桁下げキー」「表示が12桁以上」が使用できること
- 電験三種で効果的な電卓機能は、ルート計算、メモリー機能、二乗計算
電験三種では、必要な機能が揃った電卓を購入し、機能を最大限活用しましょう。その結果、試験での計算効率を大幅に向上させることができます。
おすすめの電卓を参考に、自分に合った電卓を選び、機能を使いこなして合格へ近づきましょう。
執筆者・監修者
工事士.com 編集部
株式会社H&Companyが運営する電気工事業界専門の転職サイト「工事士.com」の編集部です。
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