電気通信の工事担任者
電気通信の工事担任者とは、「電気通信回線」と「端末設備」などを接続させるために必要な資格です。電気通信の工事担任者は法令で定められた国家資格ですので、電気通信の工事担任者がたくさん在籍している企業は、信頼性の高い工事をする優良企業として高い評価を得ることができます。そのため情報通信ネットワーク構築を行う企業は、従業員に対し資格取得を積極的に支援する傾向にあります。
電気通信の工事担任者の役割
上記でも少し触れましたが、電気通信の工事担任者は、電気通信回線と端末設備などを接続する際に必要な資格で、具体的にはデジタルデータ回線(IPネットワーク、NGN等)、アナログ電話回線を色々な端末設備と接続する工事を行ったり、または監督する役割を担います。
例えば一般家庭でしたら、音楽や動画などの大容量通信を行う光ファイバと端末設備の接続工事や、企業であれば社内のLAN構築のための配線工事などを行います。
電気通信の工事担任者の資格種別と工事の範囲
電気通信の工事担任者の資格には複数の種別があります。以下ではその種別と種別ごとにできる工事の範囲(工事担任者規則第4条(資格者証の種類及び工事の範囲)の規定)について解説致します。
旧称 | AI第1種 |
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工事範囲 |
アナログ伝送路設備と端末設備等を接続する工事。 総合デジタル通信用設備と端末設備等を接続する工事。 |
旧称 | AI第3種 |
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工事範囲 |
アナログ伝送路設備と端末設備を接続する工事。 ※端末設備に収容される電気通信回線の数が1のもの。 総合デジタル通信用設備と端末設備を接続する工事。 ※総合デジタル通信回線の数が基本インタフェースで1のもの。 |
旧称 | DD第1種 |
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工事範囲 |
デジタル伝送路設備と端末設備等を接続する工事。 ※総合デジタル通信用設備と端末設備等を接続する工事を除外。 |
旧称 | DD第3種 |
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工事範囲 |
デジタル伝送路設備と端末設備等を接続する工事。 ※接続点のデジタル信号入出力速度が毎秒1Gbit以下で、インターネット接続回線。 ※総合デジタル通信用設備と端末設備等を接続する工事を除外。 |
旧称 | AI・DD総合種 |
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工事範囲 | アナログ伝送路設備またはデジタル伝送路設備と端末設備等を接続する工事。 |
旧称 | アナログ第2種 |
---|---|
工事範囲 |
アナログ伝送路設備と端末設備等を接続する工事。 総合デジタル通信用設備と端末設備等を接続する工事。 ※総合デジタル通信回線の数が毎秒64kbit換算で50以下。 ※端末設備等に収容される電気通信回線の数が50以下で内線の数が200以下。 |
旧称 | デジタル第2種 |
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工事範囲 |
デジタル伝送路設備と端末設備等を接続する工事。 ※接続点のデジタル信号入出力速度が毎秒100Gbit(インターネット接続の回線で、毎秒1Gbit)以下。 ※総合デジタル通信用設備と端末設備等を接続する工事を除外。 ※デジタル第3種の工事の範囲に属す工事。 |
※参考:電気通信国家試験センター「電気通信の工事担任者とは?」
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電気通信の工事担任者の合格率
電気通信の工事担任者の試験(種別ごと)の受験者数と合格率(令和3年度第2回)は以下になります。
電気通信の工事担任者 | |||
---|---|---|---|
資格種別 | 合格率 | 受験人数 | 合格者数 |
第1級アナログ通信 | 35.5% | 588人 | 209人 |
第2級アナログ通信 | 100% | 21人 | 21人 |
第1級デジタル通信 | 31.2% | 1,946人 | 608人 |
第2級デジタル通信 | 95.7% | 69人 | 66人 |
総合通信 | 28.5% | 3,542人 | 1,009人 |
AI第2種 | 19.4% | 124人 | 24人 |
DD第2種 | 30.1% | 6,519人 | 1,961人 |
電気通信の工事担任者の平均年収
電気通信の工事担任者の年収は平均で500~600万円です。ただし、資格に対しての評価ということではなく、あくまでも電気通信の工事担任者としての経験年数が評価されてのものになりますので、資格を取得した直後にいっきに年収が上がるということはありません。
電気通信の工事担任者の将来性
電気通信の工事担任者のキャリア形成としては2パターンあります。ひとつが管理職への道です。そのためには建設業法電気通信工事業における専任技術者になる必要があり、その専任技術者になるには「電気通信主任技術者」か「技術士」の資格が必要になります。
それぞれの資格取得には経験年数と難関試験を突破するための学習が必要になります。ですので、電気通信の工事担任者として経験を積みながら地道に勉強して目指すのが一般的です。
あと、もうひとつのキャリア形成としては職人への道があります。電気通信の工事担任者として専門知識を高めるというのもありますが、ここで言う職人とは、例えば配線のやり方や、配線のつなぎ方など実務で必要な技術力を高めるということです。
また、電気通信設備の工事には電気工事がつきものですので、電気工事士の資格を取得し、電気通信設備工事と電気工事をあわせて行える人材になり、年収を上げている方もいらっしゃいます。
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