計装士
計装士とは、計測制御機器の設置工事や、工事に伴う配線配管工事の設計を行う専門知識を持つことを認定する資格で、一般社団法人日本計装工業会が行っている民間資格になります。
計測制御機器とは
計測制御機器は、例えば「冷房が設定した温度を維持するために、室温を計測し送風する風の温度や送風量を調節する」機能が計測制御機能にあたります。
他にも例を上げますと、ビルや商業施設の電力消費量を計測し、調整を行うことで電力消費量を抑えるような大掛かりな機能もその計測制御機能にあたります。
このように私たちの身の回りにあるものには、この計測制御機器がほとんど付いています。
計装士の役割
近年、労働人口が減少する中、若者の肉体労働離れが進み、工場のオートメーション化が進んでいます。工場をオートメーション化するには、製造工程の中でこれまで手作業で制御していた部分を機械で行うことになりますが、それは簡単なことではありません。
例えば、あんこ餅を作る工場をイメージしてみてください。
お餅の製造工場では、いままで人の手で炊いたモチ米を臼(うす)に入れて杵(きね)でついて、人の手の感触や目で判断して、餅を臼(うす)から取り出し、人の手で一口サイズに餅をちぎり、あんこを詰めて「あんこ餅」が出来上がります。
では、これを機械で制御する場合、どうすればいいでしょうか?
例えば、モチ米を臼(うす)に入れて機械の杵(きね)でついたあと、餅をどのタイミングで取り出すのか機械でどう判断させればいいでしょうか?「機械の杵(きね)でついた回数」で制御するべきでしょうか?それとも「機械の杵(きね)でついたときの音の変化」で制御すればいいのでしょうか?
考えてみるとなかなか難しいですよね。
上記の例はプラント(工場設備)設計になりますが、このように人の手で制御していた部分を機械で行う為に計測制御機器をどう設置するかを考えて設計し、設置するのが計装士の役割なのです。
計装士の平均年収
計装士の年収は約400万円~700万円程と言われています。年収に開きがあるのは、勤務する地域や仕事の内容によって変動する幅です。
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計装士の資格取得
計装士の資格には1級と2級があり、個々に受験資格が異なります。
▼1級の受験資格 計装工事の設計・施工の実務経験年数5年以上。ただし、2級計装士技術審査合格者については、実務経験4年6か月以上。なお、上記年数には指導監督的実務経験年数1年以上を含む。 ※実務経験年数とは、実務に従事した日から起算し前年度の3月31日までの経験年数をさす。なお実務経験とは、建築物その他の工作物若しくは、その設備において計測・制御・監視設備工事又はデータ回線工事の設計・施工に従事することをいう。 ※指導監督的実務経験とは、現場主任技術者、工事主任・設計主任などの職にあって部下を指示・指導・監督する業務、あるいは工事の施工管理業務に従事した経験を指す。
試験免除 |
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試験内容 |
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受験手数料 |
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▼2級の受験資格 計装工事の設計・施工の実務経験年数2年以上。 ※実務経験年数とは、実務に従事した日から起算し前年度の3月31日までの経験年数をさす。なお実務経験とは、建築物その他の工作物若しくは、その設備において計測・制御・監視設備工事又はデータ回線工事の設計・施工に従事することをいう。
試験免除 |
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試験内容 |
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受験手数料 |
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計装士の将来性
日本の人口は減少の一途をたどっており、工場のオートメーション化はさらに加速していくことが予測されます。そう考えますと、計測制御機器の設置工事を行う計装士の需要はますます増加していくことが予測できます。
また、現在では計測機器の不具合ひとつで人命に関わるような装置が多くあるため、そうした背景からみても計装士の需要は将来的に高いと言えるのではないでしょうか。
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