電気通信主任技術者
電気通信主任技術者とは、事業用の電気通信設備の工事と設備の維持・運用をするための監督者として「電気通信事業者」が選任する者を言います。この選任に関しては電気通信事業法第45条で定められたもので、選任できる者は、電気通信主任技術者資格者証の交付を受けた者に限られます。
そして選任を受けた電気通信主任技術者は、事業用電気通信設備を総務省令で定める技術基準に適合させ、自主的に維持・運用する役割を担います。ちなみに電気通信主任技術者は現在二つの資格区分である「伝送交換主任技術者」と「線路主任技術者」に分かれており、それぞれで通信システムを監督しネットワーク全体の管理を行います。
電気通信主任技術者の大変なところ
電気通信主任技術者は監督する立場にあり、現場に出て力仕事をすることはありません。ただし、通信環境を維持・運用・監督するという責任がありますので、重圧に感じることもあるかもしれません。また、資格に有効期限はありませんが、資格取得後も常に電気通信の技術を勉強していくことが、電気通信主任技術者規則に記載されています。
電気通信主任技術者規則(昭和60年郵政省令第27号)
「資格者証の交付を受けた者は、事業用電気通信設備の工事、維持及び運用に関する専門的な知識及び能力の向上を図るように努めなければならない」
近年、IP技術の発展により、電気通信サービスの多様化が進み、電気通信事故の発生が頻発しています。こうした事故を発生させない為にも、新たな知識・技術の吸収が必要なのです。
電気通信主任技術者の平均年収
30代を目安にしますと電気通信主任技術者の平均年収は約400~600万円程度となります。電気通信設備工事担任者からのステップアップでの取得であればさらに上乗せが期待できます。
また、電気通信主任技術者は、前述したとおり常に通信技術の知識と技術を高めていく必要があります。ですので、高めた知識と技術はそのまま年収に返ってくることも期待できます。
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電気通信主任技術者の合格率
電気通信主任技術者には受験資格制限はありません。また「国家試験の合格」か「養成課程の修了」または「総務大臣が国家試験の合格か養成課程の修了と同等と認定する」のいずれかをクリアすることで資格取得できます。
国家試験の合格率は以下になります。
伝送交換主任技術者 | |||
---|---|---|---|
合格率 | 受験人数 | 合格者数 | |
令和3年(第2回) | 32.8% | 2,139人 | 702人 |
令和3年(第1回) | 45.6% | 2,186人 | 996人 |
令和2年(第2回) | 29.5% | 2,994人 | 884人 |
令和元年(第2回) | 28.5% | 2,234人 | 636人 |
令和元年(第1回) | 24.8% | 1,914人 | 475人 |
線路主任技術者 | |||
---|---|---|---|
合格率 | 受験人数 | 合格者数 | |
令和3年(第2回) | 45.1% | 850人 | 383人 |
令和3年(第1回) | 61.3% | 1,112人 | 682人 |
令和2年(第2回) | 27.0% | 1,078人 | 291人 |
令和元年(第2回) | 33.0% | 938人 | 310人 |
令和元年(第1回) | 22.6% | 848人 | 192人 |
※令和2年(第1回)は新型コロナウイルス感染拡大の影響により中止
電気通信主任技術者の将来性
電気通信主任技術者は管理するのが仕事になります。管理する範囲は一人で都道府県に一つ分の管理をすることが可能であるため、それほど人数が必要な仕事ではありません。
一昔前、インターネットプロバイダー事業をはじめるのに電気通信主任技術者が必要と言われてもてはやされた時代もありましたが、正直いまは求人の数も多くはありません。ですが、大手企業に電気通信主任技術者として入ることができれば、仕事も安定しており年々待遇もよくなることが期待できるため将来的に安定したいと考える人におすすめの資格のひとつと言えます。
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