電気工事士にとってホワイト企業とは?選び方と転職のコツ

電気工事士の仕事・転職

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電気工事士としてキャリアを築く上で、働く環境は非常に重要です。理想的な職場、つまり「ホワイト企業」を見つけ出すことは、仕事の満足度、キャリアアップの機会、そしてプライベートの充実に直結します。


しかし、"ホワイト企業"と一口に言っても、その定義は人それぞれ、そして業界ごとに異なるため、電気工事士にとってのホワイト企業を探ることは簡単ではありません。


本記事では、電気工事士にとってのホワイト企業を、以下の観点で深掘りしていきます。ぜひ参考にしてみてください。



一般的なホワイト企業の定義

ホワイト企業”という言葉は非常に曖昧です。 「電気工事士にとってのホワイト企業」を解説する前に、一般的なホワイト企業の定義を以下の観点で整理しておきたいと思います。


世間がイメージするホワイト企業とは?

一般的に”ホワイト企業”といわれる企業の特徴について、工事士.comが独自に調査しました。結果は以下の通りです。


ホワイト企業だと思う企業の特徴 トップ3

順位 回答内容 回答数 割合
1位 離職率が低い 7 23%
2位 社員を優先して考えてくれる 5 17%
3位 コンプライアンスが徹底されている 4 13%
3位 福利厚生が充実している 4 13%

(2024年4月実施, N = 30)


最も多かったのは「離職率が低い」という回答でした。 離職率が低いことは、従業員が労働環境に満足し、長く働きたいと思っている証拠です。 長く働けることは安定したキャリアを築きやすいことにも繋がります。


次に多かったのは「社員を優先して考えてくれる」という回答です。従業員を大切にし、働きやすい環境を提供している企業が該当します。 キャリアアップのチャンスや、仕事と私生活のバランスを重視している点がポイントです


同率3位で「コンプライアンスが徹底されている」「福利厚生が充実している」という回答でした。
「コンプライアンス」とは、企業や組織が法律や規則、社内規程、倫理規範などを遵守することを意味します。 法令を守り、倫理的な職場環境が保たれている企業は、長期的に安心して働ける環境と言えるでしょう。
また、福利厚生が充実していると、従業員の健康や生活の質が守られ、モチベーション高く働くことができます


その他、「休日にしっかり休める…(2名)」「サービス残業がない…(2名)」などの回答もありました。規定通りの休日や残業代の支払いなども重視されているようです。


▶関連記事:電気工事士の離職率


日本の公的機関の指標や制度から判断する

ホワイト企業とは、単に労働条件が良いだけでなく、従業員の健康や働きやすさを深く考え、 実際に行動に移している企業のことを指します。


その判断材料として、厚生労働省や経済産業省などが定める労働環境の基準や働き方改革の推進に注目すると、良い職場を見極めるのに役立ちます。



例えば、厚生労働省は労働基準法をはじめとした法律によって、 法定労働時間の遵守や公平な待遇の確保、安全な職場環境の提供、ハラスメント防止策の策定と実施などの基準を設けています。


また、経済産業省は長時間労働の是正やテレワーク、フレックスタイム制度の導入を含む多様な働き方の支援や 従業員の健康を経営戦略の一部として位置付ける健康経営優良法人認定制度などを推進しています。


加えて、日本健康会議や日本版SOX法女性活躍推進法障がい者雇用率といった様々な制度を通じても、企業が従業員の健康や働きやすさをどれだけ大切にしているかを判断することができます。 グレートプレイストゥワーク認定プラチナくるみん認定など、従業員からの評価に基づく認定制度も、優れた職場環境を持つ企業を見極めるのに有用です。


これらの基準や取り組みを踏まえることで、自分にとって理想的なホワイト企業を見つけ出す手がかりとなります。


電気工事士にとってのホワイト企業とは?

電気工事士にとってのホワイト企業の特徴について、以下3つの観点で解説します。


特徴①社員の年収が高い

電気工事士にとって、自身のスキルや経験が適切に評価され、それに応じた年収を得られる企業は、まさにホワイト企業と言えるでしょう


社員の年収が高い電気工事士会社には、以下のような特徴があります。

  • スキルアップやキャリア開発を積極的に支援
  • 努力と成果を正当に評価

従業員への投資を惜しまず、スキルアップやキャリア開発を積極的に支援する企業文化がある会社では、従業員が持続的に成長し、その成果が会社の業績向上に繋がります


また、努力と成果が正当に評価される会社は、従業員のモチベーションを高め、長期間にわたって高い業績を維持できます


結果として、高い年収として従業員に還元することが可能となるのです


工事士.comでは、各企業のモデル年収を公開しています。電気工事士の年収相場の参考にしてみてください。

▶ 電気工事会社のモデル年収をみる



特徴②福利厚生が充実している

福利厚生が充実している電気工事会社は、従業員が安心して長期間働き続けられ、仕事だけでなくプライベートまで充実させることができます。


以下、福利厚生が充実している会社が導入している制度の具体的な例を挙げます。

  • 社員研修
  • 資格取得支援
  • 有給休暇の促進
  • フレキシブルな勤務制度
  • 家族手当や住宅手当
  • 工具・社用車などの支給

特に、資格取得支援とフレキシブルな勤務制度に関しては、求職者からの注目度が高いことから多くの電気工事会社が導入しています。


工事士.comに掲載されている全国の電気工事士求人を調べてみると、資格取得支援がある企業の求人は、全体のおよそ半数以上。 家族手当住宅手当を支給している求人も多く見られました。


また、最近では、直行・直帰OKマイカー通勤可などのフレキシブルな勤務制度を取り入れている企業も増えています。


工事士.comが独自に行なった調査では、直行・直帰を積極的に取り入れている企業は2019年〜2023年の4年間でおよそ2.5倍以上に増加していることが明らかになっています。


2019年11月 2023年12月
直行・直帰OK 48社/445社 124社/447社
割合 10.8% 27.7%

※電気工事業界専門の求人サイト「工事士.com」に掲載の企業から「直行・直帰OK」のPRタグを付けている企業を抽出。


特徴③安全な作業環境に配慮している

安全教育を受ける従業員

従業員の健康と安全を最優先に考え、事故や怪我を防ぐための具体的な取り組みを行っていることは、ホワイトな電気工事士会社の特徴の1つです


以下、安全な作業環境のための取り組みの例をご紹介します。

  • 安全教育と研修
  • 必要な安全装備の提供
  • しっかりとした安全管理体制
  • 健康管理のサポート

安全教育と研修

新入社員だけでなく、社員全員が定期的に安全教育を実施することで、安全意識を高めます。


必要な安全装備の提供

ヘルメットや安全帯、絶縁手袋など、作業に必要な個人保護具が支給され、これらの装備が定期的に点検・更新されることで、常に安全な状態で作業を行えます。


しっかりとした安全管理体制

各作業現場に安全管理責任者がおり、危険予知活動(KY活動)を実施することで、事故を未然に防ぐ体制が整っています。


健康管理のサポート

定期的な健康診断やメンタルヘルスケアの提供により、身体だけでなく心の健康も守られます。


電気工事士がホワイト企業で働くメリット

電気工事士がホワイト企業で働くことのメリットは、大きく以下の視点で分けられます。

  • 仕事のやりがい向上とキャリアアップ
  • プライベートな時間の増加


仕事のやりがい向上とキャリアアップ

ホワイト企業では、資格取得支援や研修制度など、キャリアアップを目指せるサポート体制が整っている点が魅力です。 自分のスキルアップが直接給与や昇進に繋がるため、モチベーション高く仕事に取り組むことができます。


プライベートな時間の増加

仕事だけでなく、プライベートな時間を大切にできるのもホワイト企業の大きなメリットです。 フレキシブルな勤務体系や有給休暇の積極的な取得推奨により、趣味や家族との時間を充実させることが可能になります。このようなバランスの取れた働き方は、長期的に見て仕事のパフォーマンス向上にも繋がり、疲れにくい健康的なライフスタイルを支えます。


ワーク・ライフ・バランスをイメージした画像

”キャリアアップ”と”プライベートの時間を大切にすること”は、お互いにプラスの影響を与えます。


「キャリアアップによる収入増加で、プライベートな活動の選択肢を広げることができる。」

「趣味や家族との時間を楽しむことで心が満たされ、仕事への活力が生まれる」



ホワイト企業で働くことは、ワーク・ライフ・バランスを整えることにも繋がるのです。


ホワイト企業への転職を成功させるコツ

採用担当者と握手する電気工事士

電気工事士がホワイト企業に転職するためのコツを2つご紹介します。


自分の強みを明確にする

電気工事士がホワイト企業への転職を成功させるためには、まず自分の強みを明確にすることが重要です


ホワイト企業は人気が高く、求人には多くの応募が入ることが予想できます。自分の強みを明確にしておくことで、自信を持って自分をアピールし、他の候補者との差をつけましょう。


自分の強みを明確にするには、以下のようなステップが有効です。

  1. 自分のスキルを棚卸しする
  2. 棚卸しした中から自分の強みを見つける
  3. 強みを具体的なエピソードで裏付ける

自分のスキルを棚卸しする際には、電気工事士として、どのような技術や知識を持っているのか、具体的にリストアップしましょう。 特に、取得している資格や経験したプロジェクトの内容、そこでの役割や達成した成果を詳細に記録します。



また、あまり知られていないのですが、工事士.comには簡単に履歴書・職務経歴書を作成できる機能があります。


▼PC版の編集画面

工事士.comのレジュメ作成画面のプレビューPC版

▼スマホ版の編集画面

工事士.comのレジュメ作成画面のプレビューSP版

工事士.comのレジュメ作成画面のプレビューSP版2

お持ちのPCやスマートフォンから必要事項を入力するだけで完成。Excel形式でダウンロードすることも可能です。


工事士.com会員限定の機能ですが、会員登録や履歴書・職務経歴書作成にお金は一切かかりません。よろしければぜひご活用ください。

▶履歴書・職務経歴書作成はマイページから。



さまざまな資格を取得する

電気工事士がホワイト企業への転職を成功させるためには、さまざまな資格を取得することが大きな助けとなります。その理由は3つあります。

  1. 専門知識を証明できる
  2. 競争力がアップする
  3. 学習意欲をアピールできる

1. 専門知識を証明できる

電気工事士としての基本的な資格(例:第二種電気工事士)のほかに、高度な資格(例:第一種電気工事士、電気工事施工管理技士)を取得することで、 自身のスキルレベルを明確に示すことができます。


2. 競争力がアップする

複数の資格を持っていることは、自分自身の市場価値を高めることにつながります。ホワイト企業は人材の質を重視するため、高い専門性を持つ電気工事士を求めています。

また、複数の資格を持っていると、より多くの種類のプロジェクトに対応できるようになります。これにより、企業にとって価値のある柔軟性を持った人材となり、転職時に好まれます。


3. 学習意欲をアピールできる

資格取得の努力は、継続的に学び、自己成長を図ろうとする姿勢を表します。ホワイト企業は、このような前向きな姿勢を持った人材を高く評価する傾向があります。


電気関連の代表的な資格は、以下のようなものがあります。


転職を考えている方は、積極的に資格取得に挑戦し、自身の可能性を広げましょう。



履歴書上での資格の記載方法について、「電気工事士向け:履歴書の正しい名称・書き方を5分で確認!」も併せてご覧ください。


ホワイト企業の見つけ方

キャリアアドバイザーのイメージ

転職中の電気工事士の皆さんに向けて、ホワイト企業の見つけ方をご紹介します。以下の3つがポイントです。

  1. 企業の評判を調べる
  2. 企業が大切にしている価値観に注目する
  3. 面接を情報収集のチャンスにする

1.企業の評判を調べる

転職サイトやSNSなどを通じて、現在または過去にその企業で働いた人の口コミ情報を集めましょう。実際に働いた人の声は、企業の実態を知る上で非常に価値があります。


2. 企業が大切にしている価値観に注目する

企業が大切にしている価値観や取り組みから、その企業の倫理観を判断できます。提供されている福利厚生、労働条件、研修制度の有無などにも注目し、求人情報から企業の従業員に対する姿勢を読み取りましょう。


3. 面接を情報収集の機会とする

面接時には、企業の労働環境や文化、キャリアアップの機会に関する具体的な質問を準備します。質問の回答から、企業の実態をより深く理解できます。

また、可能であれば、面接の際にオフィスを訪問し、働いている人の様子やオフィスの雰囲気を直接感じ取ります。企業の文化を肌で感じることができるでしょう。


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まずはご自身の通えるエリアから、どのような求人があるかチェックしてみてください。

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よくある質問(Q&A)

電気工事士のホワイト企業を調べている人によくある質問をまとめました。


電気工事士は勝ち組やお金持ちになれる?

電気工事士の収入は、所属する企業や業務の種類、保有する資格、経験年数などによって変動します。 努力次第で高収入を目指すことは可能ですが、「お金持ちになれる」と一概に保証される職業ではありません。
また、独立して成功する道もありますが、これは個人の能力やビジネスセンスに影響されます。

詳しくは「電気工事士、勝ち組説!」や「電気工事士の年収」を参考にしてください。


「電気工事士はやめとけ」「オワコン」って本当?

このような意見は、業界全体の状況や個々の体験に基づいていることが多いですが、一概に全ての人に当てはまるわけではありません。

電気工事士は安定した需要があります。 また、再生可能エネルギーの普及やスマートホームの導入など、新しい分野での需要が拡大していることを考えると、「オワコン」という捉え方は適切ではありません。 電気工事士は引き続き高い価値を持つと言えるでしょう。

電気工事士の実情について、「「電気工事士 やめとけ」の真相!実際に転職した人の声は?」も参考にしてください。


まとめ

この記事では電気工事士にとってのホワイト企業の特徴や、ホワイト企業に転職する方法について解説しました。


この記事のまとめ
  • 電気工事士のホワイト企業には「適正な年収」「充実した福利厚生」「安全な作業環境」などの特徴がある。
  • 電気工事士がホワイト企業で働くと「仕事のやりがい向上とキャリアアップ」「プライベートな時間の増加」などのメリットがある。
  • 電気工事士がホワイト企業へ転職するコツは「自分の強みの明確化」と「さまざまな資格を取得すること」の2つ。

ホワイト企業は、ホームページや求人情報、口コミなどを見て総合的に判断する必要があります。また、ホワイト企業に採用されるよう、自分のスキルを高めることも重要です。


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