▼用語詳細(電気工事用語集)
柱上変圧器
(チュウジョウヘンアツキ)
柱上変圧器は電柱の上に取付け、配電用に使用する屋外用変圧器のこと。
6,000Vの配電線から100~200Vの一般家庭用電圧に降圧します。

配電線は、電通上に碍子(がいし)で絶縁される架空配電線と、地中に埋設される地中配電線とがあるが、いずれも電圧は6,600Vが標準です。

変圧器が電柱上に設置されるため、このように呼ばれるようになりました。
地中配電線では一般的に地上に設けられる配電塔内に変圧器を設置するが、架空配電線の変圧器と同じものであるため、これも柱上変圧器と呼んでいます。

円筒形の変圧器が一般的で、外部には放熱用のフィンが取り付けられています。

変圧器内部には、鉄心冷却用の絶縁油が充填されています。
屋外かつ、電柱上部という過酷な環境にさらされているため、耐塩性能や耐高性能の高い変圧器が使用されます。

従来の柱上変圧器は絶縁油にPCBが使用されていました。
現在では環境へ悪影響を及ぼすため、PCBを用いた柱上変圧器の生産は行われていません。


※PCBとは、Poly Chlorinated Biphenyl(ポリ塩化ビフェニル)の略称。ポリ塩化ビフェニル化合物の総称。
科学的に合成された有機塩素化合物の1つで、ベンゼン環が2つ結合したビフェニルと呼ばれる物質に含まれる水素(10個ある)が塩素に置き換わった化学物質。
その分子に保有する塩素の数やその位置の違いにより、理論的に209種類の異性体が存在し、これらを総称してPCB(ポリ塩化ビフェニル)という。

中でもコプラナーPCB(コプラナーとは、共平面状構造の意味)と呼ばれるものは毒性が極めて強く、ダイオキシン類として総称されるものの1つとされている。

無色透明で、溶けにくい(非水溶性)・沸点が高い・熱で分解しにくい・不燃性・電気絶縁性が高いなど、優れた性質をもち、化学的にも安定な性質を有することから、電気機器の絶縁油・熱交換器の熱媒体・ノンカーボン紙・塗料・印刷インキの溶剤などの様々な用途で利用されていました。

ただ生体内にたやすく取り込まれ、しかも残留性高く、皮膚障害などの慢性毒性が認められます。