▼用語詳細(電気工事用語集)
鉛蓄電池
(ナマリチクデンチ)
鉛蓄電池とは、陽極に二酸化鉛(PbO2)、陰極に鉛(Pb)、電解液に希硫酸(H2SO4)を使用した蓄電池で、鉛と硫酸の化学反応によって電気を蓄えます。

鉛はコストが安く、かつ大電流が取り出せることから、建築用、自動車用など極めて広い普及率を誇っている。

電気設備分野では、防火用蓄電池やUPSなど、非常時の電力供給用として普及しています。

鉛蓄電池は、放電によって硫酸塩が生成されるが、蓄電池に対して電圧を印加すると、逆の反応によって鉛と二酸化鉛に戻るため、充電・放電を繰り返すことが可能となります。

蓄電池の充電は、全容量の1/10程度の電流でゆっくりと充電すると、期待寿命の劣化を最小限に留められます。

高電圧を印加して、急速に充電することも原理的には可能だが、ガスの異常発生による膨張により、容器が破損することがあるため、適合した充電器以外での充電は禁止事項となる。

鉛は環境負荷が高く、硫酸は取扱における危険が高いことから、近年では完全密閉型の鉛蓄電池が普及しています。

従来から使われている鉛蓄電池は、化学反応に応じて水分が失われるため、定期的な補水が必要なものがあるが、密閉型の蓄電池であれば保水は必要なく、長期間の使用に耐えるが、開放型よりも高価である。

鉛蓄電池からの発生電圧は、1セルあたり2Vであり、直列に接続することで100Vなど大きな電圧を確保できるようになります。