▼用語詳細(電気工事用語集)
地区音響装置
(チクオンキョウソウチ)
地区音響装置とは、感知器や発信機と連動して動作する「ベル」や「サイレン」など警報装置の総称で、自動火災報知設備を構成する設備の1つです。
通称地区ベルと呼ばれ、防火対象物の各所に設置され、感知器が動作したり、発信機のボタンが押された場合に、防火対象物の使用者に対して火災発生を知らせるために地区音響装置を用います。

小規模な建築物ではベルが使われるが、不特定多数が使用する大規模な建築物では、ベルが突然鳴動することによるパニックを防止するため、非常放送設備による音声が地区音響装置として代用されます。

ベルを地区音響として使用する場合、各階すべての場所がベルから水平距離25m以下に収まるように配置計画を行うことで、音圧90デシベル以上を確保できる。
放送スピーカーを使用する場合は水平距離10m以下に収まるよう配置することで、音圧92デシベル以上を確保できる。

水平距離による配置計画は、「仕様規定」であり、このルールに従って配置計画を行うことで、消防法に規定された必要音圧を満足できるようになります。

なお放送設備による警報は、1つの感知器の発報を火災と断定せず、「感知器が発報したので、係員が確認しています」という女性による音声放送を流し、さらに複数の感知器の動作、発信機の押下、消火ポンプの起動、火災断定の放送は男性の声に切り替わります。