▼用語詳細(電気工事用語集)
絶縁耐力試験
(ゼツエンタイリョクシケン)
絶縁耐力試験とは、電路や機器などの絶縁物がどの程度の電圧に耐えるかを確かめるための試験のこと。絶縁の強度を見ています。

方法としては、最大使用電圧に応じ、交流又は直流で数倍の電圧を規定時間印加し、電路に異常が発生しないことを確かめます。このとき絶縁破壊を起こせば、絶縁不良ということとなります。
(具体例)
最大使用電圧7,000V以下の受変電設備の場合。1.5倍の試験電圧を10分間印加したときに、キック電圧などが計測されなければ正常と判断できる。

絶縁耐力試験は、耐電圧試験とも呼ばれます。試験の内容により2種類に分類されます。
絶縁破壊試験:絶縁耐力の試験において材料を破壊させて,そのときの電圧を測定する試験。
耐電圧試験:規定電圧を規定時間加えて破壊されないことを確かめる試験。

全ての電気製品や部品は感電、火災等の事故からユーザーを保護する必要があります。これらの事故を防止するための試験として、絶縁耐力試験(耐電圧試験)が行われます。似ている用語に、絶縁抵抗試験というものもあります。絶縁抵抗試験とは、数倍の電圧を印加し、抵抗値を測定することにより、絶縁不良を検出する試験です。低圧電路で主に用いられる試験方法です。

絶縁耐力試験は、高圧や特別高圧の電気機器を製作する工場において行われる他、使用場所への搬入・据付・現地組立を行ったあとに、使用前に試験を行います。高圧電路の場合は、絶縁抵抗値で健全性を確認するのは不十分で、耐電圧試験による異常電圧や絶縁破壊の有無をもってその性能を確認する必要があります。

絶縁抵抗試験と絶縁耐力試験の両方を行わなければいけない場合、絶縁耐力試験を行う前に試験電圧を加えることが可能か確かめなければいけないので、一般的には、絶縁抵抗試験が先に行われます。(絶縁抵抗試験を必要としない製品もある。)

絶縁耐力試験は、定格以上の高電圧を印加する試験であるため、新設の電気設備であれば大きな影響はありません。既設かつ長期間使用している電気機器にあっては絶縁耐力試験によって絶縁が破壊されることがあるので、注意が必要です。