▼用語詳細(電気工事用語集)
空気管
(クウキカン)
熱感知器の1つで、差動式分布型感知器として使用されます。
熱による膨張を利用するという簡単な原理で動作する感知器である。
熱感知器では最も高い「高さ15m未満」までを警戒できるという特徴があり、体育館など高い天井の大空間に使用されます。

外径2mmの銅製管で構成され、火災による急激な熱変化を検出すると、検出部のダイヤフラム部分が膨張して、接点を閉じ火災受信機に信号を送信する。

急激な温度変化を検出する仕組みであり、暖房器具や日射による温度変化など緩慢な温度上昇を火災信号と認識しないよう、膨張空気を逃がすためのリーク孔が設けられている。

空気管式の感知器の点検・試験を行う必要があり、検出部にある試験孔に空気を注入し、ダイヤフラムを急激膨張させることで接点の動作確認を行います。
検出器は空気管長100m以内ごとに1箇所必要となります。

空気管にメッセンジャーワイヤーが付与されている製品もある。
空気管は直径2mm程度の極めて細い銅管であり、造営材への固定はステップルなどを使用します。
空気管を接続する場合は、張力を掛けると抜けることがあるので、接続スリーブの前後を緩やかにカーブさせ、ステップルや鉄線などに張力を負担させるなどスリーブに張力を掛けない施工方法が望ましいとされています。

空気管を敷設する場合、消防法によりその配置計画には厳しい数値規定がなされている。
耐火構造では「相互間隔9m以内」、耐火構造以外では、「相互間隔6m以内」での配置を行うことが定められている。
そのほかにも、壁面からの離隔は1.5m以内、天井面から0.3m以内の位置に設けるなど、様々規定されています。

空気管式による熱感知器での警戒は屋内で使用するのが原則であり、直射日光や天候の変化などによる温度変化の著しい屋外に使用すると、ダイヤフラムが急激膨張してしまうため誤動作の原因となります。

差動式分布感知器として「熱電対式」という分布型感知器があるが、空気管とは違い、熱を検知した部分に対して「ゼーベック効果」を利用し起電力を発生させる方法で、検出器の個数を少なくできるというメリットがあるが、コストは高いというデメリットもある。